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コンパニオンプランツの代表的な品種や相性のよい植物、それぞれの効果とは

コンパニオンプランツの代表的な品種や相性のよい植物、それぞれの効果とは

家庭菜園をするうえで知っておきたいもののひとつに「コンパニオンプランツ」があります。相性の良い植物を一緒に植えることで、病害虫対策や生育促進といった効果が見られることがあるためです。コンパニオンプランツのメリットや基本的な知識、代表的な植物の組み合わせを調べてみましょう。今回は、マリーゴールドやネギ、ニラなど、コンパニオンプランツに関する情報をご紹介します。

コンパニオンプランツのさまざまな効果

マリーゴールド

コンパニオンプランツとは、一緒に植えて栽培することでお互いに良い効果を与え合う植物のことです。まずは、コンパニオンプランツに期待できる効果についてご紹介します。

病害虫対策

野菜や花などを育てるうえで避けては通れない問題が病害虫です。まったく対策をしていない状態だと、病害虫被害によって植物が枯れてしまうことがあります。

 

コンパニオンプランツのメリットのひとつが、病害虫対策効果が期待できる点です。例えば、キャベツに発生しやすいアオムシは、レタスを嫌うといわれています。同じ場所にキャベツとレタスを植えることで、アオムシを避けられるかもしれません。

 

また、香りの強い植物を植えて虫を混乱させて近づきにくくする、おとりになる花を植えて野菜に虫がつかないようにするといった使われ方も有名です。

生育を促進する

コンパニオンプランツは、お互いの生育環境に良い影響を与え合うことがあります。例えば、直射日光の苦手な植物の隣に草丈が高い植物を植えて影をつくることで、より良い環境を生み出すことができます。

菜園スペースの有効活用

家庭菜園で育てる野菜は、株間を十分に設ける必要があります。ぎゅうぎゅう詰めになった状態では風通しが悪くなり、生育に支障をきたすことがあるためです。ただ、そうすると畑に無駄なスペースが生じてしまいます。野菜同士の株間を利用して別の植物を植えれば、スペースの有効活用につながります。その際は、草丈の高いものと低いものを組み合わせて、風通しを妨げないことが基本です。また、間をあけずに植物を植えておくことで、雑草が生えにくくなる効果も期待できます。

コンパニオンプランツを育てるうえで知っておきたい用語

コンパニオンプランツについて調べているとき、専門用語を知っておくと理解が深まります。特に、以下の用語を押さえておくと良いでしょう。

アレロパシー

植物自体が放つ化学物質により、ほかの植物や虫などに影響が生じることがあります。この現象のことを「アレロパシー現象」や「他感作用」などと呼びます。コンパニオンプランツのアレロパシーについては、詳しいことがわかっていないものも多いのが現状です。ただ、アスパラガスやセイタカアワダチソウのように、科学的に研究されているものも存在します。例えば、セイタカアワダチソウから発せられている化学物質は、ほかの植物の生長を妨げる効果があるとされています。

バンカープランツ

バンカープランツとは、害虫を忌避したり、病気を予防したりといった効果が見込める植物のことです。例えば、作物に集まる害虫の天敵となる虫を集めるバンカープランツがあります。一緒に植えておけば、集まった虫が害虫を食べてくれるため、病害虫被害を防止できることがあります。

代表的なコンパニオンプランツや相性のよい植物

なす

現在利用されているコンパニオンプランツには、さまざまな組み合わせが存在します。なかには相性の悪い組み合わせもあるため注意が必要です。こちらでは、コンパニオンプランツの代表例と、相性の良い植物についてご紹介します。

マリーゴールド

キク科の一年草のマリーゴールドは、春から秋にかけた長期間、花を咲かせます。美しい花をつけるだけではなく、虫除けや駆除効果を発揮することでも有名です。特に有効とされるのが、根菜類の商品価値を低下させる「センチュウ」という害虫です。この虫はマリーゴールドの根のなかでは増殖することができずに、死滅してしまいます。また、花の独特な香りには、アブラムシやコナジラミといった害虫を遠ざける効果があるといわれています。

相性の良い野菜

上記の理由から、マリーゴールドは大根やカブなどの根菜と寄せ植えの相性が良いとされています。同時に植えるのはもちろん、根菜を育てる土の中へ苗をすきこんでおくのもおすすめです。

 

また、マリーゴールドは、根菜に限らずトマトやキュウリナスとも相性が良いことで知られています。これらの夏野菜の栽培を検討している方にもおすすめです。株間や畝の間などにマリーゴールドを植えてみましょう。

 

例えば、トマトの天敵となるアブラムシは、マリーゴールドの香りを苦手とします。マリーゴールドを一緒に育てておくと、アブラムシを遠ざけてくれるでしょう。お庭やベランダに並んだ、トマトのイキイキとした赤と、マリーゴールドの柑橘色を眺めれば、毎日のお手入れも楽しくなりそうです。

霧吹き

ただし、マリーゴールドには園芸薬品(農薬)効果が認められているわけではありません。マリーゴールドを植えていても、害虫が寄ってくる可能性はあります。適切に殺虫剤を利用し、病害虫予防を徹底しましょう。

 

加えて、マリーゴールドもハダニなどの害虫被害にあってしまうことがあります。害虫が発生したときは、早めに殺ダニ剤で駆除しましょう。ハダニは、高温乾燥時に発生します。ハダニ対策としておすすめなのが葉水です。水やりの際は、霧吹きで葉っぱの表裏にも水を吹きかけて防虫しましょう。

立枯病や灰色カビ病にも要注意

マリーゴールドの花は、咲き終わったら花首から摘み取ってください。花がら(花が咲き終わった後もそのまま散らないで残っている枯れた花)をそのままにしておくと、カビが発生してしまう危険性があります。マリーゴールド自体が病気になってしまうのを避けるため、こまめに花がら摘みをしましょう。

 

なお、マリーゴールドはアブラムシを遠ざける効果を持ちながらも、マリーゴールドそのもの(特に新芽)がアブラムシの被害にあってしまうこともあります。一緒に植えているトマト、きゅうり、ピーマンと共にアブラムシ退治をするのなら、予防と退治に効果を発揮する『HJブルースカイ粒剤』が便利でおすすめです。植えつけ時に土へ混ぜたり、株元にまいたりして防除しましょう。花同士のコンパニオンプランツとしてマリーゴールドを使用する場合には、肥料や理とアブラムシ駆除が同時にできる『ハイポネックス原液 殺虫剤入り』を使うのもおすすめです。

ニラ

ニラ

コンパニオンプランツの定番といえるニラ。野菜としては珍しく多年草の植物で、何年か育てることができます。ニラをコンパニオンプランツとして植えておけば、収穫して味わえるのもメリットです。1年で5~6回収穫するのも可能なため、家庭菜園ではぜひ育てておきたい野菜といえます。収穫時期は6月から11月にかけてです。植えつけた最初の年はまだ小さいものの、2年目以降は大きく育った葉を食べることができます。

相性の良い野菜

ニラと相性が良いとされているのは、トマトやコマツナ、ナス、ピーマンなどです。特に有名なのがトマトとの組み合わせ。トマトには萎凋病と呼ばれる病害が発生することがあります。原因となるのは地中に存在する病原菌です。トマトを根からむしばんでいき、そのまま枯れさせてしまうことがあります。

 

ニラの根には萎凋病の病原菌の拮抗菌が存在します。拮抗菌の効果によって病原菌を減らし、トマトの萎凋病対策につながることがあります。コンパニオンプランツとしてニラとトマトを植えるときは、できるだけ根が近づくように植えつけしましょう。トマトの根鉢の下にニラの根が来るように植える方法もあります。

相性の悪い植物に注意

ニラとイチゴを同じ場所に植えると、イチゴの生育に悪影響が生じる可能性があります。ニラとイチゴの根は同じように伸びていき、地中でお互いを邪魔しあうためといわれています。イチゴと相性が良いのはニンニクです。ニンニクの香り成分「アリシン」は抗菌作用をもっているため、イチゴの病気を抑制できます。家庭菜園でイチゴを育てるときは、コンパニオンプランツとしてニンニクを植えてみてはいかがでしょうか。

ネギ

ネギ

ネギはニラと同様、コンパニオンプランツとして有名な野菜です。夏と冬の2回収穫期があります。園芸初心者の場合は、管理しやすいように夏に植えて冬の収穫を目指すのがおすすめです。白い部分をできるだけ長くするためには、土の深い部分に植えつけることがポイント。定期的に追肥と土寄せを行い、美味しいネギを収穫しましょう。

相性の良い野菜

キュウリやナス、トマトなどの立ち枯れ病には、ネギの根に含まれる拮抗菌が役立つことがあります。キュウリに関してはつる割れ病の予防にもつながる説があるため、ぜひ一緒に植えてみましょう。

 

ネギをキュウリと植えるときは、ニラと同じようにできるだけ根を近づけてあげます。先に長ネギ用の穴を掘って底に敷き、その上にキュウリの根鉢を乗せましょう。キュウリは根を浅く張るため、倒れないように支柱を立てます。また、泥がはねて汚れると病気の原因になることがあります。敷き藁で泥はね対策をするのもおすすめです。

バジル

バジル

バジルはシソ科のハーブです。良い香りのする葉は、イタリア料理の食材としても有名です。種まきから1カ月ほど経てば収穫できるスピード感が魅力。収穫時期は夏で、夏野菜と一緒に育てられるのもメリットです。花芽を摘み取って花が咲かないように管理すれば、長期間の収穫も可能になります。

相性の良い野菜

バジルと相性が良いとされるのは、トマトやレタス、ナス、トウガラシなどです。特におすすめできるのがトマトと一緒に栽培すること。栽培時はもちろん、収穫したものを食べるときにも相性が良いのがメリットです。

 

バジルはたっぷりと水やりすることが必要なのに対し、トマトは乾きぎみに育てることが特徴です。相反する性質を持つものの、一緒に植えることで生育が良くなることがあります。明確な理由はわかっていませんが、近くに植えることで土から吸い上げる水が適量になっているのではないかと考えられています。

 

バジルをコンパニオンプランツとして植えるときに気をつけたいのが、生育が旺盛な点です。丈夫で育てやすいバジルは、トマトよりも大きく広がって育つことがあります。こまめな収穫を繰り返して大きくなりすぎないように気をつけたほうが良いでしょう。

落花生

落花生

落花生は温暖な気候に適した野菜です。5月ごろに植えつけを行い、9月から10月に収穫します。特徴的なのが、子房柄という部分です。開花後に花の付け根から伸びた子房柄は、地中に侵入してさやをつくります。さやがたくさんできるほど収穫量も増えるため、落花生を育てる土は柔らかく耕しておくことが大切です。子房柄が土に潜るまでは、定期的に土寄せしましょう。

 

落花生のようなマメ科の植物は、「根粒菌」と呼ばれる菌と共生しています。根を掘り上げて見てみると、無数の粒ができているのを確認できるはずです。根粒菌は根の粒の部分に住んでいます。

相性の良い野菜

ナスやトマト、ピーマン、ネギなどの野菜は、落花生との相性が良いといわれています。落花生の根粒菌によって土に栄養が与えられ、一緒に植えた野菜が元気に育ちます。

 

また、落花生の根には菌根菌と呼ばれる菌も共生しています。菌根菌の影響で地中に含まれる栄養分の吸収が促されるため、混植している野菜も良い影響があると考えられています。

カモミール

カモミール

ハーブの一種として人気の高いカモミールは、香りの良い花を咲かせます。摘み取ったものはハーブティーやポプリなどにして楽しめます。小さな白い花をたくさんつけた姿は可憐で、観賞用としてもおすすめの植物です。

 

代表的な品種には、一年草のジャーマンカモミールや多年草のローマンカモミールがあります。ジャーマンカモミールは花のみが、ローマンカモミールは花だけでなく葉も香ります。外見はよく似ているため、香りのある部分で品種を見分けるのが簡単かもしれません。

相性の良い野菜

カモミールと相性が良いといわれているのがニンニクやタマネギ、キャベツなどです。アブラムシをひきつけやすいカモミールは、ほかの野菜が被害を受けないためのおとりとなることがあります。アブラムシの天敵となるテントウムシも引き寄せ、害虫対策ができることも。また、カモミールにはハチのように受粉を助ける虫を引き寄せる効果も期待できます。結実するために虫の力があると便利なスイカやトマトなどは、カモミールと一緒に植えると良いかもしれません。ほかにも、アレロパシー効果によって、野菜の生長を促進する効果が期待できるともいわれています。

コンパニオンプランツの植え方

コンパニオンプランツの効果をより高めるためには、植え方を工夫することが大切です。植物の組み合わせごとに適した方法で植えてあげましょう。最後に、コンパニオンプランツを植えるときの方法や注意点をご紹介します。

混植

混植とは、同じ場所に複数の植物を植えることです。お互いの株間を埋めるように植えたり、根が重なるように植えたりといった方法があります。混植する際は、メインになる野菜を決めておきましょう。栽培するときは、メインの植物に合わせた方法でお手入れしていきます。組み合わせによっては相乗効果を発揮し、メインの野菜もサブの野菜もたくさん収穫できることがあります。

 

混植のメリットはスペースの有効活用ができることや、連作障害を防げることなどです。連作障害とは、同じ野菜を連続して植えたときに発生することがあるものです。立ち枯れ病や線虫害、つる割れ病、萎凋病など、障害の種類は多岐にわたります。相性の良いコンパニオンプランツを混植すれば、こういった被害が抑えられるかもしれません。

 

また、同じ土に複数の植物を植えれば、地中の微生物が増えたり、各野菜に共生している菌が影響を与え合ったりと、さまざまな現象が起こります。環境を構成する要素が増えることでバランスが整っていき、より野菜が元気に育つ可能性があります。

 

混植は広いスペースのある畑だけでなく、プランターでも行えます。ベランダ菜園でもぜひお気軽にチャレンジしてみましょう。

間作

間作は、植物同士の栽培期間を少しずらしながら植えることです。相性が良いものの栽培適期がややずれてしまうものは、間作すると良いでしょう。

 

間作するときは、栽培期間が長いものと短いものを組み合わせるのが一般的です。サトイモとショウガ、キャベツとソラマメ、スイカと長ネギなど、相性が良いもの同士を間作しましょう。

 

また、混植と同様にメインの野菜を決めておくことが大切です。もしサブの野菜が生育旺盛で、メインより大きくなることが予想されるなら、後から植えつけしたほうが良いでしょう。

おわりに

家庭菜園をするときは、コンパニオンプランツを活用するのがおすすめです。ご紹介したような効果があるのはもちろん、植えつける種類が増えて、収穫の楽しみが増すのもメリットです。

 

コンパニオンプランツには多種多様な組み合わせがあります。同じ畑やプランターに何種類もの植物が植えられている様子は、目で見て楽しむのにもぴったりです。育てたい野菜があるなら、ぜひコンパニオンプランツを調べて、一緒に植えてみてはいかがでしょうか。

動画でわかりやすく!HYPONeX Smile

『#024 ナスとマリーゴールドのコンパニオンプランツ』

HYPONeXのYouTubeチャンネルは植物の楽しみ方が充実しています。
是非、ご覧ください。

この記事で紹介された植物について

マリーゴールド

マリーゴールド

学名:Tagetes /科名:キク科 /別名:センジュギク、クジャクソウ(フレンチ種)、マンジュギク(アフリカン種) /原産地:メキシコ、中央アメリカ(一部アフリカ) /分類:一年草 /耐寒性:弱/耐暑性:やや強

あざやかな黄色やオレンジ色の花を長期間続けて咲かせるマリーゴールド。

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