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植物写真を綺麗に撮ろう! 第一回 教えて!写真の魅力

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~プロカメラマンに聞くカメラの世界~

いつから写真を撮っているの?プロのカメラマンにしかできない事って何?一回目は桜野さん自身の事や、写真の魅力について語っていただきます!

平和への思い・桜への思い

――プロフィールにイギリスへ留学とあったのですが、何を勉強していらしたのですか。

桜野:大学時代に平和学、ピーススタディを勉強していました。そこから報道の事を勉強しようと思い、イギリスでピーススタディを教えているブラッドフォード大学の大学院に行きました。紛争が起きた後の社会をどう構築するのか、という学問なんです。外から入っていってやるべきこと、やってはいけない事、報道がどう携わるかなどですね。

 

――カメラの勉強ではない留学だったんですね。

桜野:そうなんです。カメラは大学院で勉強している間に知り合ったBBCのカメラマンから影響を受けました。向こうの大学院は30代、40代の人が多いんですよね。もともと写真や絵をやっていたので、最初は報道写真をやりたいと思った所がきっかけです。

 

 ――「もともと写真を」というのは趣味でですか。

 桜野:趣味です。ただ、絵は真剣に先生に付いて美大に行くか普通の大学に行くか悩んだんですけどね。美大の挑戦は一回だけと家族で話し合って決めていたので、普通の大学に受かったところへ通いました(笑)

 

 ――すごい!!もともとアーティストなんですね。では、大学院でカメラマンさんに触れる事でカメラの方へ進もうと思われたんですね。

 桜野:そうです。画角の中に何か絵を入れる、という感覚がもともとあったんです。

 

 ――最初は紛争地の写真を撮っていたんですか。

 桜野:いいえ、実際に紛争地の写真を仕事として撮影した事はありませんが、ロバート・キャパとかに憧れていたので、ルワンダの研究をしたり、英国在住の孤児へ取材をしていました。そんな中で日本にいる自分の同僚達が出版関係の仕事をやりだして「イギリスで勉強しているなら、人やファッションの写真を撮ってきて」と言われて手伝ったのが日本の出版業界と繋がった最初でした。

 

 ――そこからどうして植物や自然に注目なさったのですか。

 桜野:私は出身が岐阜県の多治見なので、小さい頃家族でよく訪れた遊び場が木曽谷でした。さらに父親が登山好きで家族で登山に行き高山植物を教えられたり、写真を撮ったりしていたんです。最初に父親のカメラを借りて撮ったのはコマクサだったかな。結構危険な登山をしたんですよ。鎖をつかんで登っていくような(笑)そんな子供時代だったので、植物や自然の写真を撮るようになる下地はあったんだと思います。

 

 ――小さいころから植物に触れる世界にいらしたんですね。写真を撮っていて印象に残った植物はありますか。

 桜野:なかなか「これ」って難しいのですが…。「桜」という植物と日本人との関わりは印象的ですね。日本に残る名木の桜の樹齢は長い物で2000年、450年と250年という物も多くあります。桜って放っておくと自然淘汰されてしまい見事な樹形にはならないです。つまり巨木の桜は何世代にもわたりその地域の人に植え守られた結果です。桜の美しさは単に花の美しさだけでなく、祖先達の気配を感じられる地域のタイムカプセルのような役割を果たしています。植物を通じて小社会を築くことを日本人がしてきたというのは誇れる事だと思うんです。そういう意味ではとても印象深い植物ですね。

 

 ――確かに、日本人は桜が大好きですよね。桜を守る活動などもありますしね。

桜野:そうですね。さくら並木ネットワークという、東日本大震災での津波到達地に桜を植樹し、継承していくというプロジェクトがあります。最初は取材人としてでしたが、仕事を通じなくても個人としてこれからも関わっていきたいと思う事です。

カメラマンの目・写真を見る人の目

――ではここからは具体的な写真の事についてお聞かせください。「目で見た風景とファインダーをのぞいた風景は違う」と聞いた事があるのですが。

 桜野:最初は確かに違うと思います。ですが、カメラマンを職業としている人は「こういう配置でこの光の状態だったら、どのレンズでどこに立てばどんな写真が撮れる」というのが予測できます。そういうトレーニングを自然としているので、培われていないといけない事なんです。

 

 ――それを素人の目で見るから「違う世界に見える」という事ですか。

 桜野:そういうことだと思います。教えてもらうことではなく、感性や感覚で「あ、ここ良い写真になるな」という嗅覚が身に付いて、それが「目で見た風景とファインダーを覗いて違う」という事になっているんだと思います。

 

 ――撮影に行くときの生活のリズムを教えていただけますか。

 桜野:ロケで撮影をすることが多いのですが、基本的には前日にロケハン(現地の事前調査)をして光の動きを確認します。だいたい早朝と夕方の撮影が多いですね。それは人も植物も同じで、その時間帯がきれいに撮れる光加減だからです。

 

 ――早朝撮影となると大変ですよね。

 桜野:わずかなタイミングでしか撮影できない写真がありますからね。それを逃さないようにしています。

 

 ――桜野さんが思うカメラ・写真の魅力を教えてください。

 桜野:魅力…一言では難しいんですが、あえて言うなら「同じ写真でも見る人によって捉え方が違う」ところです。広告写真などではある程度同じ受け取り方をしてもらえるように撮るのが仕事ですけどね。でも、作品としての写真だと、だれが見ても同じ印象を受ける写真ではないもの。ある程度同じ方向を向いている写真でも、傷ついている人には癒しになったり、元気な人にはより元気を出してもらえる写真であったり。人によって捉え方が違う余地のある写真を撮れたらいいと思っています。写真って受け取り方も結構自由度が高いんですよね。そこが魅力かと思います。

 

 ――最後になりますが、現在でも幅広くご活躍してらっしゃいますが、今後やりたい事や目標などはありますか。

 桜野:個人の作品でもずっとやってきているのですが、日本人と植物・自然との関係性を写真で表現してみたいです。これだけ多様な自然と植物に日本人が、どう付き合ってきたかというのを捉えたいです。時間を超えてね。これは歴史も含めた写真になるとは思うのですが、このようなことをやりたいと思っています。

 

 ――ありがとうございました!

桜野さん

 桜野良充 Profile
岐阜県 出身
1978年10月1日生
ガーデニング・自然写真家。
株)GrandPhoto代表・NPO法人さくら並木ネットワーク理事
英大学院卒業後ロンドンでファッションカメラマンとして活動
2008年帰国後NHK関連の撮影を手がける。ロケ撮影を専門とし各社雑誌・広告写真等を担当。
写真展・講演会・ガーデニング番組の出演等。

桜野さんの代表作品。

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