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パクチーで広げる輪、広がる輪

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巷の「パクチーブーム」よりも前からパクチー料理専門店である「パクチーハウス東京」を経営している佐谷恭さん。お店のコンセプトやパクチーに対する思いなどについてお話を伺いました。

パクチー料理専門店。一言で言うと「変な店」?

――パクチー料理専門店を開こうと思った理由はなんですか?また、お店はどんな感じのお店ですか?

佐谷:表向きは「パクチーの普及」です。パクチー料理専門店を開くという話を「まさか」と思っていた人もいました。「馬鹿じゃないの!」と言われたこともありましたしね。ですが、僕にとってはこう言われた事もラッキーだったと思います。誰もやっていなかった事を自分が始められたので。

 実はパクチーは1000年以上前に日本に来ていたのに、食文化として浸透しませんでした。ですが、日本以外の国では大体どこにでもあります。旅行や海外出張で外国に行った人がパクチーに触れて帰ってくる事が出来たんです。このようにパクチーを知っている人たちを集めようと思いました。海外渡航の経験がある人は自分の国を外から見たことがある人ですよね。自分の国を飛び越えた経験のある人たち同士を集めて、新しいものを生み出したいと思ったんです。

 そんな感じなので、一言で言うと「変な店」ですね。来る人の常識を変える、もっと言うと来る人の人生を変えるレストラン…やっぱり「変な店」です(笑)。基本的にお店は貸切にせず、席は相席だったり立食パーティーで誰でも来られるような営業スタイルにしたりと、僕がやりたい事をやっています。

 

――交流できるスタイルがあるんですね。それに対しての反響はありますか?

佐谷:反響は様々ですね。抵抗がある人もいると思います。特殊な体験が好きな人はいいかもしれません。相席だからと言って強制的に話をさせるわけではないですよ。だから気づかない人もいるだろうし「なんで一緒なんだろう」と思うけれど聞かないで文句も言わない人もいます。逆に自分から話しかける人もいます。おしゃれなレストランだと思ってデートで来たのに横に知らない人が座って、これを良く思わない人もいれば、3,000円ほどの料理で一生の友達を得たという人もいる。完全に評価は分かれます。一応サイトにはこういうスタイルの営業だって書いてあるんですけどね(笑)

パクチー料理専門店。全員で楽しめる素敵なお店!

――パクチーパーティーやお誕生日会などもあるとのことですが、その時も貸切にはしないスタイルなんですか?

佐谷:貸切にはしません。突然人が来ても一緒に楽しんでもらいます。閉じたパーティーはしたくないんです。自分がベトナムでした経験ですが、突然結婚式に参加したことが3,4回ありました。よくわからないけど面白いと感じました。それと同じ感覚ですね。だってわざわざ電車に乗ってお店に来てくれるのに「今日貸切なんで、すみません」って言われたら悲しいというか、ちょっとムッとしませんか?(笑)なので「こういうパーティやってますけど、入りませんか?」という感じにしています。しゃべっていない人がいたら声をかけたりしますよ。でも大体最初の5分くらいだけですね。全員でジョッキを合わせて大声で乾杯をさせます。これも一つのコミュニケーションですよ。そうすると盛り上がって話しやすくなります。とにかく面白いパーティーにしたいと思っています。

パクチー銀行、知っていますか?

――パクチーハウス東京ではパクチーの種を配布していると伺いました。

佐谷:パクチーハウス東京を始める前に「日本パクチー狂会(きょうかい)」というのをやっていて、その時に種を配る活動をしていました。でも種をあげるだけだとその後の流れが何も見えないですよね。だからその後がどうなっているか見える活動がしたかったんです。そこで思いついたのが「パクチー銀行」です。

 バングラディッシュにあるグラミン銀行がモデルというか。マイクロファイナンスという貧困者向けの小口金融ですね。少額貸したお金を使って何か品物を作りだし、その売上金額を返済していくという。このシステムを作った総裁のムハマド・ユヌスはノーベル平和賞を受賞しています。これはいいな、と思いました。

 やり方としては全く同じではありません。ちょっとだけマッチングさせようと思っただけです。あえて「貸付」や「融資」という言葉を使って種を配りますが、担保も信用もいらない。返済の義務もない。ここで配布している種は次の世代ができる種なので、栽培をしたい人が種を蒔くと花まで咲かせれば種ができます。受け取った人はちょっとした「融資」という言葉の重みで、芽が出たパクチーの写真をお店に送ってくれたり、自分のブログやSNSに載せたりしてパクチーが広がっていくんです。言葉遊びの延長ですね。そして銀行なのでATMというシステムがあります。A(余った)T(種を)M(蒔こう)。育てたパクチーから種が取れたら蒔いて、それでも余った種は「パクチー銀行」に持ってきてね、という事です。でも義務ではないんですよ。人は言葉をうまくつけると行動し始める。これでまたパクチーが広がるといいですよね。

 

――お話いただいたような面白い取り組みをしている佐谷さんですが、今後やりたい事や何か決まっている事などはありますか?

佐谷:決めたらすぐやるので、ないですね。考えたりはしません。だから今は計画も何もない。思いついたときにそれをすぐやります。すぐにやらないと忘れちゃうから(笑)それに、もたもたしているとタイミングを逃したり、誰かがやってしまったりしますから。

 

 

――パクチーやパクチー料理を広めるだけでなく、人とのつながりを大切にする佐谷さんの思いが伝わるお話を聞くことができました。パクチーが好きな人も苦手だけどチャレンジしてみたい人も、「パクチーハウス東京」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。新しい扉が開くかもしれません。佐谷さん、今回はありがとうございました!

佐谷社長

 佐谷恭さん Profile
神奈川県秦野市生まれ
京都大学在学中、19歳で一人旅に出て以降、訪れた国は約50ヵ国。世界を旅するなかでパクチーの味に魅了される。
2007年「旅人が平和を創る」という信念のもと株式会社旅と平和設立。
2007年”交流する飲食店”パクチーハウス東京設立。

≪パクチーハウス東京≫
東京都世田谷区経堂1-25-18 吉川水産ビル2F

この記事で紹介された植物について

コリアンダー/パクチー

学名:Coriandrum sativum  /科名:セリ科 /別名:シャンツァイ、パクチー /原産地:地中海東部 /分類:一年草 /耐寒性:中 /耐暑性:中

詳細を見る

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