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イギリス便り チェルシーフラワーショー始まりました

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ガーデナーの佐藤麻貴子です。私は毎年、チェルシーフラワーショーでコンテストガーデンづくりのスタッフとして参加しています。そこで見た最新のチェルシー情報をお届けします。

振る舞いシャンパンに舌づつみ

 21日の月曜日はプレスデー。アセスメント、審査は前日までに終わり、この日は朝からパーティームードです。以前、日曜日はアセスメント、プレスデーの月曜日の朝に審査を進めていて、どことなく落ち着かないプレスデーでした。

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振舞われるシャンパン、ヒリアーの庭前で

 それでも結果の発表はショー開幕の火曜日ですので、関係者はやっぱりどこか落ち着かない気持ちです。プレスデーではパフォーマンスを披露してお客さまに楽しんでいただく庭があったり、シャンパンを振る舞う庭もあったりと、皆さまざまに盛り上げます。

2、チェルシーガーデン-7

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ショーガーデン内でのパフォーマンスの披露

セレブリティが訪れるプレスデー

 この日会場には有名なセレブリティもたくさん来場します。日本の方もわかるセレブリティだと、ファッションデザイナーのポールスミス氏などでしょうか。それでも3時半には皆退散を余儀なくされ、その後は各庭のデザイナーとスポンサーのみが残り、エリザベス女王を迎えます。

 以前に日本のデザイナーの仕事を受けた時、コーディネーターとして2回ほど立ち会い、女王と握手をさせていただきました。主催のRHS(英国王立園芸協会)から、女王は寛大な方だからいつもどおりで大丈夫、といっていただきましたが、それでもどれだけ緊張したことか……。

2、チェルシーガーデン-9

ショーガーデンの前で

開幕、そして結果発表

 今年は女性デザイナーが多かったせいか、どことなくふんわりとしたイメージで仕上がっている庭が多いように思いました。近年、男性デザイナーはクレーンをフル活動させ、資材をふんだんに駆使して立体感を表現し、こぞって今までにない植物を入れる傾向が多く見られました。今年は比較的、自分の庭としても取り入れやすいヒントがあふれたデザインに収まっているように思います。

 私が携わったお庭はふたつ。ひとつはアーティザン部門のブリティッシュカウンシルインディアの庭。もうひとつはヒリアーの庭。こちらはフラワーマーキーの中にあります。ヒリアーは150年近くも続く老舗の植物生産会社です。ゴールド受賞は数知れず。今年も無事にゴールドとなりました。ひと安心。

2、チェルシーガーデン-1

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アーティザン部門のブリティッシュカウンシルインディアのお庭

 ところがアーティザンの庭はシルバーギルトと、1つ落としてしまいました。これには少々落ち込みましたが、1点足りずゴールドに届かなかった事、それは構造物の施工による減点だったことが分かりました。インドから届いた構造物用資材のサイズが注文どおりではなく、試行錯誤して設置した部分を、審査員達は見事に見逃していなかったということがわかり皆で納得しました。改めてチェルシーフラワーショーのレベルの高さ、厳しさを肌で感じながら、皆で来年こそと気持ちを切り替えています。

2、チェルシーガーデン-3

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ヒリアーの新種の植物達

 庭づくりはひとつとして同じ庭になる事はありません。だからこそ私たちガーデンデザイナーやガーデナーは、丹精を込めて喜んで頂ける庭をつくり続ける。そのためには経験が大きな役割を果たします。そしてチェルシーフラワーショーはその貴重な経験を積める場です。
 だから、今年の賞を噛み締め、来年に向けて学ぼう! と皆で奮起した初日でした。

※チェルシーフラワーショー庭部門のカテゴリーは3つ、ショーガーデン=出展数10、アーティザンガーデン=出展数7、スペース・トゥ・グロウ・ガーデン=出展数8です。それぞれにゴールド、シルバーギルト、シルバー、ブロンズと点数により賞があたえられます。さらにその中で、カテゴリー別にベストインショーがあたえられます。

 次回、ベストインショーを含め、今年に見る植物トレンドなどをご紹介します。

佐藤さん

 佐藤麻貴子 Profile
ガーデンデザイナー、ガーデナー
東京の老舗ホテルを退社後、英国で園芸学・ガーデンデザインを学ぶ。英国 チェルシーフラワーショーや長崎ハウステンボス ガーデニングワールドカップでは数々の金賞を受賞しているガーデンデザイナーのコーディネーターを務める。
2011年 makiko design studio を設立。ハンプトンコートフラワーショー2012 に「日本の復興―希望の庭」を初出展。準金賞を受賞。イギリス独特の植栽と、日本庭園を組み込んだ独自のスタイルが文化を越えて好評を博す。
チェルシーフラワーショー100 周年(2013年)では、RHS(英国王立園芸協会) のショー運営本部にて本部長のアシスタントを務め、また、イギリスにあるグレートディクスターでは、現在もガーデナーとして研鑽を重ねるなど、国内外で活動中。

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