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ローダンセマムの育て方|切り戻し方や増やし方も解説

ローダンセマムの育て方|切り戻し方や増やし方も解説

ローダンセマムは、春先に可憐な花を咲かせるキク科の植物です。

マーガレットのような見た目で、初心者でも育てやすく人気ですが、長く楽しむためには適切な手入れが欠かせません。

この記事では、基本的な育て方から切り戻しや増やし方、季節ごとの管理ポイントまで詳しく紹介します。ローダンセマムを元気に育てたい方は、ぜひ参考にしてください。

  • ローダンセマム

    ローダンセマム
    学名 Rhodanthemum
    原産地 スペインや北アフリカ
    分類 常緑性多年草
    耐寒性 強い
    耐暑性 やや弱い

    栽培カレンダー

    1月
    2月
    3月
    4月
    5月
    6月
    7月
    8月
    9月
    10月
    11月
    12月
    開花期
    種まき
    植えつけ
    植えかえ
    肥料
    挿し芽

ローダンセマムの基本情報

ローダンセマムは、キク科ローダンセマム属に属する常緑性多年草です。原産地は地中海沿岸のスペインや北アフリカで、現地では山岳地帯の岩場などに自生しています。

ローダンセマムは、マーガレットのような可愛らしい花姿と、美しいシルバーリーフが特長の植物です。

開花時期は3月〜6月と比較的長く、白や淡いピンクの小さな花を咲かせます。

花が咲いていない時期でも、カラーリーフプランツとして葉の観賞も楽しめます。

葉は細かく切れ込みが入り、白い産毛に覆われた銀色のような質感をもち、ふんわりとした印象です。

草丈は10〜30cmとコンパクトで、花壇の手前側に植えるのが適しています。

寒さに強く、-10℃程度まで耐えることができるため、冬でも屋外で管理が可能です。

一方、高温多湿にはやや弱く、日本の蒸し暑い夏はやや苦手です。そのため、暖地では一年草として扱われることもあります。

ただし、夏越しに注意すれば翌年以降も花を楽しめる、初心者でも比較的育てやすい植物です。

ローダンセマムの育て方

ローダンセマムを元気に育てるための植えつけや水やり、剪定などの方法を紹介します。

育てるときに必要なもの

ローダンセマムを育てる際に準備しておくとよい主なアイテムは、以下のとおりです。

タネまたは苗

育て始める際は、タネか苗のどちらかを選びましょう。一般的には苗から育てる方が手軽です。

1月〜3月頃には、つぼみや花がついた苗が園芸店やホームセンターに出回ります。

苗の数や成長後のサイズに合わせて、適切な大きさの鉢を用意します。

培養土

水はけのよい草花用の培養土『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』を用意してください。

鉢の大きさに合わせて準備しましょう。

肥料

元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』、成長期の追肥として液体肥料『ハイポネックス原液』を用意しておくと安心です。

園芸用品

支柱、軍手、スコップ、園芸用ハサミなどの基本的な道具も揃えておきましょう。

日当たり・置き場所

ローダンセマムは、日当たりと風通しのよい場所を好むため、鉢植え・庭植えいずれの場合も日向での管理が理想的です。

夏は生育を休止する時期でもあるため、できるだけ涼しく乾燥ぎみの環境で管理することが大切です。

庭植えの場合は、日当たりと風通しに加えて水はけのよい場所を選ぶようにしましょう。

特に、梅雨や夏の長雨で土が常に湿った状態にならないように注意が必要です。

鉢植えの場合、夏の高温多湿には弱いため直射日光や雨を避けられる半日陰(軒下など)に移動させ、蒸れを防ぐようにします。

日なたで良く育つため、春や秋は日当たりが良い場所で管理しましょう。

適切な温度・湿度

ローダンセマムは耐寒性に優れており、およそ-10℃程度まで耐えることができます。

そのため、関東以南の地域では屋外での越冬が可能です。

ただし、寒冷地では霜や凍結に注意が必要なため、冬から春先までは室内の日当たりのよい場所で管理すると安心です。

最適な用土

ローダンセマムは、水はけがよく有機質に富んだ弱アルカリ性の土壌を好みます。

酸性土壌は苦手なため、地植えの場合はpHメーターなどで土壌の酸度を確認して適切に調整しましょう。

地植えの場合

植えつけの1ヵ月前に苦土石灰をまいてよく耕し、土の酸度を中和しておきます。

その後、2週間前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料『マグァンプK中粒』を混ぜ込んで、水はけ・水もちともに優れた土に整えましょう。

土づくりのあとは少し時間をおくことで土が熟成し、根張りがよくなります。

すでにアルカリ性の場合は、石灰を加えないように注意してください。

鉢植えの場合

鉢植えにはすでにマグァンプKが配合されている、市販の草花用培養土『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』を使うと手軽です。

自作する場合は、赤玉土(中粒)5:腐葉土3:酸度調整済みピートモス2の割合だとバランスがよいでしょう。

苗の選び方

ローダンセマムの苗を選ぶ際は、株全体に葉がよく茂り、つぼみが多くついているものを選びましょう。葉色が鮮やかで健康的なものが理想です。

一方で、株元の葉が枯れて変色しているものや、全体的に徒長して葉が少ない苗は避けるようにしましょう。

鉢植えの場合の鉢の大きさ

ローダンセマムを鉢で育てる場合は、直径16〜20cm程度の鉢(5〜6号鉢)を用意しましょう。

一般的な苗を1株植えるのに適した大きさです。

種まき

9月中旬〜10月上旬の秋まきが最適です。この時期は気温や日照条件が安定しており、発芽率も高まります。

発芽に適した気温は15℃〜20℃程度で、気温が高すぎたり低すぎたりすると発芽しにくくなるため注意しましょう。

春まきも可能ですが、夏の暑さに弱いため、初心者には秋まきが向いています。

育苗トレイなど底に排水穴がある容器と、市販の種まき用培養土を用意します。種は土の表面にまき、1〜2mmほど薄く覆土するのがポイントです。

まいた後は霧吹きなどで優しく水やりし、乾燥を防ぐように管理します。発芽までにおよそ1週間かかりますが、気温が15℃を下回ると発芽が遅れるため、室内などで温度管理を行うとよいでしょう。

植えつけ

適期は2月〜4月または9月〜11月頃です。秋に植えると、春までに株がしっかり育ち、花つきも良くなります。

一方、春植えでは開花は見られますが、株はやや小さめになります。

植えつけ時には、ポット苗の古い葉や枯れ葉を取り除き、根鉢を軽くほぐしてから水はけのよい土に植えつけましょう。

地植えの場合

事前に土づくりを済ませた場所に、苗の根鉢より一回り大きな穴を掘り、根鉢を軽く崩して植えつけます。複数植える場合は、株間を20〜30cmほど空けてください。

植えつけ後はたっぷり水を与え、土の表面をバークチップなどでマルチングしておくと、泥はねによる病気予防にも効果的です。

数年そのまま育てることも可能ですが、株が混みあってきた場合は掘り上げて、株分け・植え直しを行うと、株の若返りにつながります。

鉢植えの場合

鉢植えには5号〜6号鉢を用意し、鉢底にネットと軽石を入れた後、培養土を鉢の半分程度まで入れます。

苗をポットから取り出して、高さを調整しながら植えつけます。水やりの際にあふれることを防ぐため、鉢縁から2㎝〜3cm下まで土を入れてウォータースペースを確保しましょう。

割り箸などでつついて鉢内の隙間を埋めるのがポイントです。鉢植えの場合もバークチップでマルチングすると見た目も清潔に保てます。

最後に、鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと水やりをして完了です。

水やりの方法

ローダンセマムは過湿を嫌う一方で、極端な乾燥にも弱いため、土の状態や季節に応じて適切に水やりを行うことが大切です。

鉢植えの場合

水やりは、「土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり」が基本です。

水やりの際は、花やつぼみに直接かけず、株元にそっと与えてください。花に水がかかると、傷みやすくなります。

開花期は乾きやすいため、水切れに注意してください。また、購入直後の鉢植えも乾きやすいため、こまめな確認が必要です。

夏の休眠期は、過湿を避け、週1回ほど軽く湿らせる程度にとどめます。梅雨〜初夏にかけて徐々に水やりの頻度を減らしましょう。

真夏は朝か夕方の涼しい時間帯に、真冬は日中の暖かい時間帯に行うと、株への負担が軽減されます。

常に土が湿った状態が続くと根腐れや蒸れの原因になるため、与えすぎには注意してください。

反対に、葉がしおれているときは水が必要なサインです。植物の様子をよく観察して調整しましょう。

地植えの場合

植えつけ直後にたっぷりと水を与えてください。根がしっかり張れば、基本的に水やりは不要で、自然の降雨で十分に育ちます。

ただし、長期間雨が降らない場合や乾燥が続く時期には、水を与えるようにしましょう。

肥料の与え方

ローダンセマムには、花つきをよくするためリン酸を多く含む肥料が効果的です。

植えつけ時に、元肥としてリン酸分の多い『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みます。

追肥のタイミングは、春(2月〜5月)と秋(10月〜11月)です。

地植え、鉢植えともに、『プランティア 花と野菜と果実の肥料』を施すか、規定の2倍に薄めた液体肥料『ハイポネックス原液』を定期的に与えるとよいでしょう。

切り戻し

切り戻しは、株の形を整え、健康に保つために必要な作業です。定期的に行うことで美しい株姿を保てるようになります。

梅雨前(6月〜7月)には、地表から3㎝〜5㎝程度を残して切り戻しを行いましょう。風通しがよくなり、病害虫の予防につながります。

また9月〜10月は姿が乱れた株を整えると、切り戻しにより枝分かれが進み、わき芽が増えてこんもりと密な株に育ちます。

花がら摘み

開花期(3月〜6月)は、咲き終わった花をこまめに摘み取ることが大切です。

花がらは花茎のつけ根から早めに取り除き、株のまわりを清潔に保ちましょう。病害虫の発生を抑え、株の消耗や老化を防止できます。

花がらを放置すると株が種をつけようとしてエネルギーを使い、花つきが悪くなる原因にもなります。

こまめな花がら摘みによって、次々と新しい花が咲きやすくなり、開花期間を長く楽しめます。

夏越し

ローダンセマムは高温多湿に弱く、夏は休眠状態に入るため、工夫して夏越しすることが大切です。

鉢植えの場合

軒下などの直射日光や、雨の当たらない風通しのよい半日陰に移動させ、管理しましょう。

梅雨時期の長雨は、特に注意が必要です。

地植えの場合

強い日差しの当たる場所に植えている場合は、鉢に植えかえて涼しい場所に移すとよいでしょう。

地植えを続ける場合は、土を高く盛ったり傾斜地に植えたりして、水はけをよくしておくのがポイントです。

蒸れに気をつければ夏越しも可能ですが、日本の多湿な環境では傷みやすいため、地域や条件によっては初夏まで一年草として楽しむこともひとつの方法です。

冬越し

ローダンセマムは−10℃程度の寒さにも耐える強い耐寒性があります。

そのため、基本的に特別な対策は不要です。関東以南の地域であれば、屋外でも冬越し可能です。

寒風や霜に当たると葉が傷むこともありますが、春には新しい葉が再び芽吹きます。品種によっては、シルバーリーフを冬の間も楽しむことが可能です。

ただし、長期間雪の下に埋もれるような地域では枯れることがあるため、冬の間は鉢植えにして室内の日当たりのよい場所で管理するのが安心です。

ローダンセマム増やし方

ローダンセマムは、挿し芽で増やすのが一般的です。株が古くなると立ち枯れしやすいため、若い苗を更新用として育てておくと安心です。

適期は3月〜5月または9月〜10月で、元気な新芽の太い茎を2節以上つけて先端から約3cm切り取ります。切り口は斜めにカットし、発根剤を塗ると効果的です。

切った挿し穂は1時間ほど清潔な水に浸して水あげした後、下葉を数枚取り除いて水分の蒸散を抑えます。

ポットなどに、湿らせた挿し芽・種まき用の新しい培養土を用意してください。

穴を開けて挿し穂を差し込んだら、周囲の土を軽く押さえて密着させましょう。

挿し芽をした鉢は明るい日陰に置き、最初の1週間は乾かさないように霧吹きなどで水やりをします。

その後は、土の表面が乾いてから与えましょう。常に湿った状態では、根腐れを起こしやすいため注意してください。

発根後は、日当たりと風通しのよい場所へ移動させます。十分に根が張って育ったら鉢や庭に定植します。

ローダンセマムの植えかえ

鉢植えで育てているローダンセマムは、根詰まりを防ぐために2年〜3年に1度の植えかえが必要です。

株の勢いが衰えてきたと感じたら、植えかえのタイミングと考えましょう。適期は3月〜5月、または9月〜11月の寒さと暑さが落ち着いた時期に行ってください。

作業前は水やりを控えて土を乾かしておくと、植えかえ作業がスムーズです。

植えかえの際は、鉢から株を取り出し、根鉢を軽くほぐして新しい培養土へ植えつけます。さらに大きく育てたい場合は、ひと回り大きな鉢へ植えかえましょう。

なお、地植えの場合は、基本的に植えかえの必要はありません。

ローダンセマムの気をつけるべき病害虫

ローダンセマムを健康に育てるためには、病害虫の予防と早期発見が重要です。特に以下の2つには注意が必要です。

アブラムシ

10月〜6月頃にはアブラムシの被害に注意しましょう。新芽やつぼみに群がって植物の栄養を吸い取るため、株全体の生育不良や花つきが悪くなる原因となります。病気を媒介することもあるので、見つけ次第すぐに取り除いてください。

少数であれば手やテープで取り除けますが、大量に発生した場合は、殺虫剤などを使用して駆除してください。

また、切り戻しなどを行って株の風通しを良くすることも大切です。

立枯病

5月~9月の間は、立枯病に注意が必要です。根や茎が腐って株全体がしおれたり枯れたりする病気です。

株が混みあって通気性が悪い過湿状態で発生しやすくなります。特に、雨の多い梅雨から高温になる夏は発生リスクが高まります。梅雨前に切り戻しを行い、環境を整えてあげましょう。

ローダンセマムの育て方に関するよくある質問

ローダンセマムを育てていると、「花が咲かない」「夏を越せない」など、疑問や悩みが出てくることがあります。

ここでは、よくある質問を取り上げながら、元気に育てるためのポイントを紹介します。

ローダンセマムの花が咲かない場合は?

原因として最も多いのは、蒸れや過湿です。花や葉に水がかかると傷みやすく、梅雨時は湿気がこもりやすくため注意が必要です。

地植えの場合、水やりは株元にやさしく与えてください。鉢植えの場合は雨の当たらない場所へ移動させて、風通しと乾燥を意識した管理を心がけましょう。

ローダンセマムの花が咲き終わったらどうする?

一年草として育てる場合、花が終わった時点で終了です。ただし、多年草として翌年も楽しみたい場合は、切り戻しが必要です。

梅雨に入る前の6月頃に、地表から3〜5cm程度を残して切り戻します。夏の間は風通しの良い半日陰で夏を越した後、秋にも再度切り戻すことで株の形を整えてください。

冬には美しいシルバーリーフを楽しめます。春にはより見栄えの良い整った姿になるでしょう。

ローダンセマムの耐暑性は?

ローダンセマムは、耐暑性が低く日本の夏にあまり強くありません。

日当たりのよい場所に地植えしている場合、夏には枯れてしまうこともあります。直射日光・雨・群れを避けた管理を行いましょう。

鉢植えで育てている場合は、夏の間は風通しのよい涼しい日陰に移動させて管理すると安心です。

まとめ

ローダンセマムは、可愛らしい花の姿とシルバーリーフが魅力的な植物です。

適切な植えつけや管理を行い、夏越しのポイントや挿し芽による増やし方も覚えておけば、長く美しい姿を楽しめます。

紹介したコツを参考に、ぜひローダンセマムを元気に育ててください。

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