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ローゼルの育て方|種のまき方から収穫方法まで詳しく紹介!

ローゼルの育て方|種のまき方から収穫方法まで詳しく紹介!

ローゼルは、可憐な花と真紅の果実が魅力の植物です。花が咲いたあとにできる果実は、ティーやジャムなどさまざまな用途で楽しめるため、観賞用としてだけでなく実用面でも人気があります。

比較的育てやすくガーデニング初心者にもおすすめですが、寒さに弱い性質があるため、日本で育てる場合は地域や季節に合わせた工夫が必要です。

この記事では、ローゼルの特徴や基本的な育て方をはじめ、種まきから苗の植えつけ方、収穫までの流れをわかりやすく解説します。

季節ごとの管理ポイントや、収穫後の楽しみ方も紹介しているため、ぜひ参考にしてローゼル栽培を楽しんでみてください。

ローゼルとは?

ローゼルは淡い色みをした大輪の花を咲かせ、深紅の果実をつける多年草です。

果実は収穫してティーやジャムなどにも使えるため、栽培から鑑賞、収穫までさまざまな楽しみ方ができる植物です。

まずは、ローゼルについての基本的な情報と、育て方カレンダーを紹介します。

ローゼルの基本情報

ローゼルは、学名「Hibiscus sabdariffa」、英名は「Roselle(ローゼル)」といいます。別名で、紅アオイ(ベニアオイ)とも呼ばれています。

アオイ科フヨウ属の多年草の植物で、インドからマレーシア、西アフリカが原産地です。原産地以外でも食用などを目的として、東南アジアをはじめとする熱帯・亜熱帯地域などで幅広く栽培されています。

ローゼルの草丈は、1.5〜2mほどまで生長し、9〜10月頃に直径10cmほどの大きな花を咲かせます。花はクリームやピンク色の淡い色みをしており、中心部は赤みがかっているのが特徴です。

ローゼルの名前の由来は「バラに似た花を咲かせるから」とされていますが、実際は同じアオイ科のハイビスカスやオクラの花によく似ています。

咲いたらその日のうちにしぼんでしまう「一日花」ですが、花が終わった後は濃い赤色の果実をつけます。

この果実のガクと苞の部分を乾燥させたものが、ハイビスカスティーなどの原料になります。うまく生長すると1本の枝にいくつも実がなるので、収穫する楽しみも大きいです。

また果実がなる頃には、ローゼルの葉が紅葉します。見ごたえのある花やたくさんなる果実、紅葉など、さまざまな変化で楽しませてくれるでしょう。

ローゼルは、暑い地域が原産地であるため、耐暑性があり寒さに弱いといった性質があります。そのため本来は多年草ですが、日本では一年草や二年草と扱われることが多いです。

毎年楽しむためには、暖地以外では鉢植えにして冬越しできるようにするのが育て方のポイントです。

ローゼルの育て方カレンダー

ローゼルを育てる工程とその時期を以下にまとめました。

種まき 4~5月
植えつけ 5~6月
肥料 5~7月/9~10月
開花 9~10月
収穫 10~11月
挿し木 4~6月

ローゼルの基本的な育て方

それではローゼルの基本的な育て方を見てみましょう。

日当たり・置き場所

ローゼルは日当たりと風通しのよい場所が適しています。とくに開花時期に日当たりがよくないと、つぼみがおちてしまうなどして花つきが悪くなります。できるだけ日に当たる場所で育てることが大切です。

また日当たりだけでなく、夜は暗くして育てる点にも注意しましょう。ローゼルは、日照時間が短くなることで花芽を形成する「短日植物」です。

秋や冬に花を咲かせる植物にとっては、夜の長さが重要な役割を果たしており、暗期が約13時間以上になると花を咲かせる時期となります。

そのため街灯や室内の照明が当たる場所で育てていると、ローゼルが日照時間の変化に反応できなくなってしまい、いつまでも花芽がつかないということになりかねません。

また果実が大きくなるためには、12℃前後の気温が必要です。気温が下がってきたら、なるべく陽だまりのできる暖かい場所に移動させてあげるのがポイントです。

そのため、寒冷地では移動できる鉢植えやコンテナなどのほうが栽培しやすいです。

水やりの方法

夏場は日を浴びてどんどんと生長するため、水切れさせないように注意します。ローゼルは水切れすると、葉が黄色くなって下の葉から落ちてしまうことや、発芽しない恐れがあります。

水やりは土の表面が乾いてから、たっぷりの量を与えるのがポイントです。

冬は、ローゼルは休眠期に入るため、水やりの頻度を減らして乾燥気味にします。

最適な用土

鉢植え

鉢植えの場合は、市販されている草花用の用土『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』で十分に育ちます。

土を作る場合は、赤玉土(小粒)と腐葉土を3:2の割合で混ぜます。

地植え

ローゼルは、強い酸性に弱いです。古い土を使ったり土壌が酸性だったりすると育成が悪くなってしまいます。

そのため、植えつけの2週間ほど前までに、必要に応じて土壌の改良に役立つ苦土石灰を入れて矯正し、よく耕しておきます。苦土石灰は1平方メートルあたり、150グラムほどの量が目安です。

また水はけをよくするために、腐葉土などを土に混ぜておきます。新しい土を使う場合はこのように矯正する必要はないため、初心者なら新しい土を使うと安心です。

種まき方法

ローゼルの種まきの時期は、4〜5月頃が最適です。発芽する気温の目安が20〜25℃ですので、十分に暖かくなってきてから行います。

ただし種まきのタイミングが遅れると開花や果実の収穫時期もずれ込み、果実の収穫前に寒くなってしまう可能性があります。

種まきから収穫まで6ヵ月ほどかかるため、気温が下がりきらない時期に収穫できるように、5月中には種まきをすませます。

また早い時期に室内で種をまいて育苗しておき、暖かくなってから苗を植えつける方法をとってもよいでしょう。

発芽を促すためには、あらかじめ種を水に浸けておくのがコツです。水に浮いてしまう種はあまり発芽しないため、沈んでいる種を使うとよいでしょう。

ポットまきの場合

  1. ポットに草花用の土を入れて、表面を平らにします。
  2. 表面に5mmほど穴をあけます。間隔をあけて、2〜3粒の種をまきます。
  3. 種の上にうすく土をかぶせて、日のあたる場所に置きます。
  4. 芽が出るまでは土が乾かないように、水やりしながら管理します。

1〜2週間ほどで発芽しますが、しばらくはポットのまま育てます。芽から種が外れて双葉が開き、ポットにしっかりと根づいたら、根の部分を丁寧に扱い鉢や庭に定植します。

直まきの場合

発芽する気温の条件を満たしていれば、直まきもできます。ポットまきと同じ方法でかまいません。

日当たりのよい場所を選び、種をまいてその上からうすく土を被せ、土が乾燥しないように水やりします。その後、1〜2週間ほどで発芽します。

直まきは、ポットまきのように苗を育ててから植えかえする手間がなく、根を傷つける心配もありません。日当たりや温度が確保できれば、直まきしてもよいでしょう。

苗の植えつけ方法

植えつけの時期

ローゼルの植えつけ時期は、5〜6月頃です。夏にぐんぐんと生長し秋に花を咲かせるため、十分に暖かくなってきた時期が植えつけのタイミングです。

このタイミングが遅れると、実をつける前に寒くなってしまいます。

鉢に植えつけるときのポイント

鉢に植えつける場合は、10号くらいのサイズの鉢を選びます。

ローゼルはある程度生長すると背も高くなるので、あまり小さい鉢を選ぶと鉢増ししなければなりません。

植えつけ方

  1. 日の当たる場所を選んでください。
  2. 土に穴を掘り、苗を植えつけます。複数の苗を植えつける場合は、60cmほどの間隔を空けてください。
  3. 植えつけ後は、土が乾いてから水やりをします。

苗を購入するときは、株元がグラついておらず、葉が元気なものを選びます。害虫がついていないかもよく確認してください。

株が大きくなってきたら、株が倒れないように支柱を立て紐でくくります。

肥料の与え方

ローゼルの肥料を与える時期は、生育期である5〜10月頃です。

生育が旺盛なので、肥料切れを起こさないように注意が必要ですが、真夏の猛暑が続く時期だけ追肥は避けましょう。また冬場は休眠期に入るため、肥料は必要ありません。

地植えの場合

地植えの場合は、元肥として用土に腐葉土や堆肥をまぜておきます。

追肥は、ゆっくりと効果の出る緩効性肥料『プランティア 花と野菜と果実の肥料』 を、2ヵ月~3ヵ月に1回与えます。

鉢植えの場合

鉢植えも緩効性の置き肥『プロミック 草花・鉢花用』をあたえます。

頻度は月に1〜2回程度が目安です。

切り戻し・剪定

ローゼルは基本的に、切り戻しや剪定は必要ありません。

しかし夏場はどんどん生長し葉が茂りやすいため、風通しが悪くなっていたり大きくなりすぎたりしたときは、切り戻しや剪定を行います。

切り戻し剪定

切り戻しとは、株全体を剪定することです。ローゼルが弱ってしまったときや、コンパクトなサイズを保ちたいとき、冬に入る前などに行います。株の高さを3分の1〜2分の1ほどに仕上げます。

切り戻しは生育期間中であればいつでも行えますが、その後しばらくは花がつかなくなります。そのため、開花の時期が終わる頃に行うとよいでしょう。

間引き剪定

生育期は、混み合ったり枯れたりしている枝を根元から取り除きます。

夏越し・冬越し

夏越し・冬越しのそれぞれの注意点をまとめました。

夏越し

ローゼルは耐暑性があるため、基本的に夏越しのために特別な工夫は必要ありませんが、以下の点には注意してください。

真夏の直射日光は避け、気温や日照時間に合わせて水やりの量や頻度を調節してください。水やりが不足すると、枯れたり萎れたりしてしまいます。

枝が混み合って風通しが悪くなっていれば、間引き剪定も行います。

冬越し

ローゼルは寒さには弱いため、暖地以外では屋外での冬越しは難しいでしょう。翌年も開花を楽しみたい場合は鉢植えにして管理し、寒くなる前に室内へ移動させる必要があります。

ただし暖房が直接あたる場所は避けて、日が十分に当たる場所で管理します。また水やりは控え、乾燥気味に育てましょう。

暖地で地植えのまま冬越しさせる場合は、株元に落ち葉や枯れ草などを集め、ビニールや不織布などで上から覆って保温します。冬が過ぎたら、これらを取り除きます。

収穫方法

収穫のタイミング

ローゼルの収穫時期は、10〜11月頃です。9〜10月頃に開花し、花がしおれて落ちると、赤い果実をつけます。

果実がだんだんと膨らんで、ぷっくりと熟したら収穫のタイミングです。

収穫のポイント

収穫する際は、果実をもって果梗(枝から果実の基部までの柄の部分)のあたりをハサミで切り落とします。

収穫後は乾燥させるとティーなどの食用に活用できます。ネットなどに入れて、風通しのよい場所に吊るすとよいでしょう。

種の採取方法

果実は外側の赤いガクの部分と、中の緑の部分の2つの構造になっており、種は中の緑色の部分に入っています。

赤いガクをはがすと、中から緑色の部分がみえてきます。(赤いガクの部分は食用として使用できます。後ほど楽しみ方を詳しく紹介します。)

種が入っている緑色の部分は5枚に分かれるため、先端のとんがりに気をつけながら外すと、中から種が採取できます。種はわずか5mmほどです。

なお、新鮮な種のほうが発芽率がよいため、種を採取したら冷暗所で保管しておき、早めにポットなどにまいて育苗するとよいでしょう。

ローゼルは本来多年草ですが、日本の気候では1年や2年で花が咲かなくなる可能性もあります。

暖地以外では室内で管理して冬越しできるように備える必要がありますが、心配なら「ローゼルは一年草で、翌年は種に期待する」と考え、種を採取しておいてもよいでしょう。

ローゼルの植えかえ方法

ローゼルを鉢植えしている場合、根がギュウギュウになっていたら植えかえのタイミングです。一回り大きい鉢を用意して、新しい土に変えて植えかえします。

サイズを大きくしたくない場合は、根を整理して同じ鉢に戻します。ただし土は新しいものに変えましょう。

ローゼルを地植えしている場合は、植えかえの必要はありません。

ローゼルの増やし方

ローゼルは種まきで増やすのが一般的ですが、挿し木でも増やせます。

種まきの方法はすでに紹介したとおりのため、ここでは挿し木の増やし方について紹介します。挿し木を行うタイミングは、4月〜6月頃です。

挿し木の方法

  1. 新しい茎を選び、先端から10〜15cmほどの部分を切ります。
  2. 先端の葉を1〜3枚残し、その他の葉は取ります。
  3. 水に切った茎を挿します。
  4. 水は毎日取りかえながら日陰で管理します。

2〜3週間ほどで発根します。根が5cmほどまで伸びたら、鉢に植えかえましょう。

ローゼルを育てる際の注意点

ローゼルは生育旺盛で比較的丈夫に生長する植物ですが、以下の点には注意が必要です。

日照不足や気温の低さに気をつける

ローゼルは日照不足や気温が低すぎると、花がつきにくくなります。花がつかない場合は、日当たりや気温に注意してみてください。

また、葉ばかりが茂って花がつかない場合、不安に感じるかもしれません。夏場はどんどん生長しますが、植えつけから開花まではおよそ4ヵ月かかります。そのため開花のタイミングまで待ちましょう。

翌年も植えるときは今年植えた場所は避ける

ローゼルは連作障害が起こります。連作障害とは、同じ場所に同じ作物を繰り返し栽培することで、生育不良や収量低下などの障害が起こる現象のことです。

ローゼルを翌年も植える場合は、場所を変えて植えつけする必要があるため注意してください。

ローゼルの気をつけるべき病気・害虫

ローゼルは病気の被害はほとんどありません。ただし春先からアブラムシや、夏はハダニなどの害虫が発生しやすいです。

害虫が発生すると生長の妨げとなるため、発見したらすぐに取り除いてください。

ローゼルを収穫した後の楽しみ方

ローゼルの果実はビタミンCやクエン酸などの豊富な栄養成分を含んでいます。

ローゼルの果実はハイビスカスティーの原料になり、美しい深紅の色みとさわやかで酸味のある味わいを楽しめます。

お茶にする場合は、乾燥させた果実を細かくして、熱湯を注いでしばらく蒸らせばOKです。カップ1杯なら、果実1コ分が目安です。

またお茶だけでなく、その他のアレンジも楽しめます。たとえば砂糖で煮てジャムにしたりお酒に浸けたり、ソースにしたりなど、さまざまな活用法があります。

そのほか、葉は料理の風味付けに使ったりサラダにしたりして食べられます。また種を煎って食用にするなど、果実以外の部位も活用できます。

美しい花だけでなく、食用としても優れた植物です。興味のある方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

ローゼルは、美しい花や鮮やかな果実、紅葉する葉など、長いシーズンを通じて楽しめる魅力的な植物です。

種まきや苗の植えつけから始まり、適切な日当たり・水やり・追肥の管理を行うことで、秋にはぷっくりとした赤い果実を収穫できます。

とくに日照時間と気温に敏感なため、育てる環境には少し注意が必要ですが、ポイントさえ押さえれば家庭でも立派に育てることが可能です。

果実はティーやジャムに加工するなど、収穫の楽しみも大きく、家庭菜園にもぴったりです。今回ご紹介した育て方を参考にしながら、ぜひローゼルの栽培にチャレンジしてみてください。

毎日の成長を見守りながら、美しい花と味わい深い果実の両方を楽しみましょう。

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