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フィンガーライムの育て方|冬越しや室内での育て方のポイントも

フィンガーライムの育て方|冬越しや室内での育て方のポイントも

フィンガーライムはユニークな見た目と「フルーツキャビア」と称される食感で注目を集めています。とくに欧米では人気が高く入手困難となっていますが、実は自宅のベランダや室内でも栽培できます。

今回はフィンガーライムの特徴から、日当たりなどの栽培環境や水やりなどのお手入れ方法について紹介します。

  • フィンガーライム

    フィンガーライム
    学名 Microcitrus australasica
    科名 ミカン科
    原産地 オーストラリア
    分類 果樹・常緑低木
    耐寒性
    耐暑性

    栽培カレンダー

    1月
    2月
    3月
    4月
    5月
    6月
    7月
    8月
    9月
    10月
    11月
    12月
    収穫期
    植えつけ
    施肥

フィンガーライムの基本情報

フィンガーライムは、オーストラリア原産のミカン科の果樹で、細長く、まるで指のような形の果実をつけることから、「フィンガーライム」と呼ばれています。

果実の中には、ぷちぷちとした小さな粒状の果肉がぎっしり詰まっていて、その見た目から「フルーツキャビア」や「森のキャビア」とも呼ばれます。

果肉は弾けるような食感とさわやかな酸味が特徴で、料理やスイーツにもアクセントとして使われます。

もともとは原産国のオーストラリアで親しまれていましたが、近年では欧米でも注目され、需要が高まっています。ただし、生産が追いついていないため、希少な高級食材とされています。

日本ではまだ珍しい存在ですが、そのユニークな見た目と食感から人気が高まりつつあり、家庭栽培する方も増えています。鉢植えでも育てられるため、ベランダや室内でも気軽に栽培できるのが魅力です。

フィンガーライムの育て方

それではフィンガーライムの育て方を紹介します。

日当たり・置き場所

フィンガーライムは、日当たりのよい場所で管理します。1日に6時間以上の日当たりを確保してください。

日当たりが悪くなると、実つきが悪くなります。鉢植えにして室内で育てる場合は、十分な日当たりのある窓側に置きましょう。

ただし、真夏の直射日光に当たると葉や実が傷んでしまう恐れもあり、日の当たり方には注意しなければなりません。

鉢植えの場合は移動させるか、地植えなら適度に日陰を作るといった工夫が必要になるでしょう。

適切な温度・湿度

フィンガーライムはもともとオーストラリア原産であり、温暖な気候を好む植物です。柑橘類ではあるものの、寒さに強くありません。冬の間は、室温を10度以上に保つようにするのがポイントです。

株が生長すれば耐寒性も出てきて、マイナス5度くらいまでの寒さには耐えられますが、まだ小さいうちは葉が枯れたり花が咲かなかったりすることがあります。

西日本など比較的暖かい地域では、地植えでも冬越しできますが、寒冷地だと注意が必要です。

霜や寒波にあたる地域では、鉢植えにして冬場は室内で育てるか、地植えする場合は、風よけや囲い、マルチングなどで防寒をしっかり行ってください。

南向きで傾斜のある環境だと日が十分に当たりやすいため、冬の防寒にも効果的です。

最適な用土

フィンガーライムは、水はけのよい土を好みます。また弱酸性から中性の用土が適しています。

鉢植えの場合、赤玉土7:腐葉土3:川砂1を混ぜて土を作るか、市販の用土を使う場合は、果樹専用のものを選びます。鉢底に小石を敷いて、排水性を高めるのもおすすめです。

地植えの場合は、植えつけの2週間くらい前に、苦土石灰と腐葉土を混ぜておきます。pHが適切でない場合は、石灰を混ぜて調整するとよいでしょう。

植えつけ

フィンガーライムの植えつけ適期は、3〜6月ごろです。暖地の場合は、秋や冬でも植えつけ可能ですが、防寒対策が必要です。

鉢植えの場合

  1. 根が窮屈にならないように、苗の大きさに合わせてポットを選びます。
  2. 十分に排水できるように、鉢底石を敷きます。
  3. 用土を入れたら根が張りやすいように、苗の大きさに合わせて適切な穴を掘り、苗をそっと植えつけます。

地植えの場合

  1. 幅約1mのスペースに、深さ50cmほどの穴を掘ります。
  2. 根を崩さないように植えつけます。

植えつけ後は、根づくまで水切れさせないようにしっかりと水やりします。また風で倒れないように支柱を設置すると安心です。

フィンガーライムの幹や枝にトゲがあるため、植えつけの際にケガをしないように注意が必要です。

苗木の選び方

市販の苗木を選ぶときは、5号サイズ以上のものを選ぶのがおすすめです。栽培環境によって異なりますが、フィンガーライムは通常、実がつくまでに3〜6年ほどかかるといわれています。

ただし、ある程度成長した苗木を選べば、翌年に花が咲いて実がなる可能性もあります。「できるだけ早く収穫を楽しみたい!」という方は、5号サイズ以上の大きめの苗木を選ぶようにしましょう。

水やりの方法

フィンガーライムは、土の表面が乾いたら水やりのタイミングです。水切れさせないように、たっぷりと与えましょう。ただし多湿な環境は、根腐れを起こす原因です。鉢植えの場合、鉢底から水が抜けているか確認してください。

フィンガーライムの葉は小さいため、乾燥に強い性質があります。とはいえ、あまりに乾燥しすぎると株が弱まってしまうため、春から秋の生育期は過乾燥にならないように水やりを行います。

冬は乾燥気味で育てますが、土の表面が乾いたタイミングで水やりしてください。

肥料の与え方

フィンガーライムは、定期的に肥料を与えることが大切です。生長をサポートし果実を実らせるためには、多くの栄養が不可欠です。

花芽はつくけれど落ちてしまったり、実がつかなったりする場合は、肥料不足が原因かもしれません。

肥料は、チッソ・リンサン・カリウムが含まれたものを使います。生長期の5月〜9月に、 1ヵ月~2ヵ月に1回を目安に『錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用』を与えることで株全体が元気に育ち、実つきもよくなります。

ただし、過剰に肥料を与えることは避けましょう。フィンガーライムの生長に合わせて、肥料を加減することが大切です。

切り戻し・剪定

フィンガーライムは、枝が密集すると風通しが悪くなり蒸れてしまいます。病害虫がつく原因にもなるため、定期的に剪定を行って風通しを良くする必要があります。3月頃には、枯れた枝や混みあった枝を剪定してください。

こまめな剪定で樹形を整えると、実の大きさも調整できるようになります。

受粉・摘果

フィンガーライムは自家結実性のため、人工授粉させなくても自分で実をつける力があります。

また、果樹は基本的に摘果(間引き)を行う必要がありますが、フィンガーライムの場合はその必要もありません。

特別な管理をすることなく、そのまま放置していれば立派な実がつきます。

収穫時期や方法を紹介

フィンガーライムの実が大きくなってきたら、ようやく収穫のタイミングです。収穫の時期や方法について見ていきましょう。

収穫の時期

フィンガーライムの収穫時期は、10月から翌年の3月頃までです。花が咲いてから約5ヵ月後に実が熟し、収穫のタイミングを迎えます。

果実が熟すと、皮にツヤが出て柔らかくなってきます。手で軽く触れて、少ない力で枝から取れるようであれば収穫のサインです。これらの変化を見逃さないためにも、日ごろから果実の状態をこまめに観察することが大切です。

また、気温や天候によっても熟し具合が変わるため、状況に合わせて最適なタイミングを見極めることがポイントです。

収穫後の保存方法

フィンガーライムを収穫できたら、直射日光を避けて適切な湿度を保てる場所で保管しましょう。

保存中は果実の状態をときどき確認し、傷んでいるものがあれば早めに取り除くことが大切です。

保存方法にも気を配ることで、フィンガーライムのフレッシュな風味と品質を長く楽しめます。

夏越し・冬越し

フィンガーライムは耐暑性がある一方で、寒さに弱い性質があります。夏と冬はどのように管理するべきか、見ていきましょう。

夏越し

フィンガーライムは耐暑性があるため、夏越しのための特別な管理は必要ありません。ただし、夏の直射日光で葉が傷むことがある点には注意が必要です。

鉢植えの場合は、半日陰になる場所に移し、地植えしている場合は、日除けをするなどの対策を行います。また、高温多湿な環境だと病害虫が発生する恐れもあるため、フィンガーライムをこまめにチェックしてあげましょう。

冬越し

フィンガーライムの耐寒性は弱く、冬越しに注意が必要です。鉢植えの場合は、室内に移動させ、日当りのよい場所で管理します。

地植えの場合は、株元にわらやバークチップを敷いて防寒してください。

植えかえ方法

フィンガーライムを植えかえは、3月から9月の暖かい時期に行います。鉢の底から根が出てきたら植えかえのサインです。一回り大きな鉢に植えかえましょう。

植えかえの際は、植えつけの時と同じく排水性のよい新しい土を用意しましょう。植えかえを行ったら、たっぷりと水を与えます。水をたくさん与えることで根が土に馴染んでくれます。

増やし方

フィンガーライムを増やすには、「挿し木」と「接ぎ木」という2つの方法があります。

どちらも少しコツがいりますが、自分で増やせる楽しさがあるため、株を増やしたい方はぜひチャレンジしてみてください。

挿し木

挿し木は、枝を切り取り、土に挿して根を出させる方法です。ポイントは、水はけのよい土を使うことと、湿度と温度を保ちながら管理することです。

比較的簡単に試せる方法のため、園芸初心者の方にもおすすめです。

接ぎ木

接ぎ木とは、土台となる台木に、実をつけたい枝(穂木)を接合する方法です。生長が早く、大きな木に育ちやすいというメリットがあります。

ただし、接ぎ木には注意点もあります。台木から芽が伸びてくると、穂木に必要な養分が行かず、枯れてしまうことがあるため、台木の芽は早めに取り除くことが大切です。

接ぎ木には、カラタチという植物を台木として使うのが一般的ですが、フィンガーライムと同じくトゲがあり葉も小さいため、台木と穂木の見分けがつきにくくなることもあります。

カラタチのほうがフィンガーライムよりもやや葉が大きくトゲの太さもあるため、見分けるポイントにしてください。

フィンガーライムの気をつけるべき害虫・病気

フィンガーライムは野生種に近く、基本的には病害虫に強い植物です。ただし炭疽病や根腐病といった病気や、ダニやナメクジなどの害虫がつくことがあるため、注意しましょう。

炭疽病は暗色の斑点が葉や実につき、病気が悪化すると果実まで落ちる恐れがあります。根腐病は根が腐ってしまう病気で、水はけが悪いと発生しやすいです。発生した部分は、取り除きましょう。

また排水性のよい土で管理することや、適切な水やりが予防につながります。

ダニは葉を黄色く変色させ、ナメクジは果実を食害することがあります。フィンガーライムを健康に育てるためにも鉢の周りなどをチェックし、害虫を見つけたらすぐさま駆除することが大切です。

まとめ

フィンガーライムは、日本でも注目が高まりつつある果実です。温暖な環境を好むため、寒冷地では鉢植えにして移動させたり地植えの場合は防寒したりと工夫が必要ですが、栽培のポイントを押さえれば、比較的初心者でも育てやすい植物です。

ぜひ自宅でフィンガーライム栽培にチャレンジしてみてください。

#フィンガーライム #果樹の育て方 #特集

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