カルーナの育て方|水やり・剪定・夏越しのコツを解説します
丈夫で育てやすいカルーナは、寄せ植えや花壇に人気の植物です。花だけでなく葉色も楽しめるのが特長で、初心者でも比較的育てやすい植物です。
この記事では、カルーナの育て方のコツや注意点について詳しく解説します。ぜひ参考にして、カルーナの栽培を楽しんでください。
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カルーナ

学名 Calluna vulgaris 別名 ギョリュウモドキ 原産地 ヨーロッパ、北アフリカ、シベリア 分類 常緑低木 耐寒性 強い 耐暑性 やや弱い 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月開花時期植えつけ・植えかえ施肥挿し木
- 目次
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- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- カルーナの育て方|基本情報
- カルーナの育て方|基本的な栽培方法
- 日当たり・置き場所
- 適切な温度・湿度
- 最適な用土
- 苗の選び方
- 植えつけ方法
- 水やりの方法
- 肥料の与え方
- 剪定・切り戻し
- 夏越し・冬越しのポイント
- カルーナの育て方|増やし方
- 挿し木
- 株分け
- 植えかえ
- カルーナの育て方|病害虫対策
- カルーナの育て方|育てるコツと注意点
- 温暖な地域では夏越しに注意する
- 夏の西日が当たる場所は避ける
- 鉢植えは水切れしないように注意する
- 老化予防のため毎年植えかえする
- 花が咲かない原因と対処法
- カルーナの育て方|楽しみ方
- カルーナの育て方|よくある質問と対処方法
- 花が咲き終わったあとの管理方法は?
- カルーナが枯れる原因は?
- 開花期間はいつまで?
- まとめ
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘152:カルーナの育て方|剪定の仕方や、基本的な育て方が知りたい!水やりや肥料など日々の管理をご紹介
カルーナの育て方|基本情報
カルーナはツツジ科カルーナ属の常緑低木で和名では「ギョリュウモドキ」とも呼ばれています。
冷涼な気候を好む植物で、他の植物があまり育たない乾燥した荒地でも自生しています。
観賞品種として広く親しまれており、現在1,000種類以上の園芸品種が存在しています。
夏から秋にかけて小さな壺形の花を枝先にたくさん咲かせます。開花期は主に夏ですが、日本では冬に開花する品種も多く流通しています。
花色はピンク・紫・白・赤など豊富でまるで花弁のように色づいたがく片が長く残るため、花が咲き終わった後も美しい姿を楽しめます。
また、冬になると葉が紅葉して色鮮やかな姿になるため、カラーリーフとしても人気があります。
カルーナの育て方|基本的な栽培方法
ここからは、カルーナの育て方について、それぞれの作業ごとにわかりやすく解説していきます。
カルーナは比較的初心者でも育てやすい植物です。はじめてカルーナを育てる方は、この章を参考にしてください。
日当たり・置き場所
カルーナは日当たりと水はけ、風通しが良い場所を好みます。日照不足になると、花つきや葉の色が悪くなる恐れがあります。
屋外で育てる場合は、日当たりの良い場所に置きましょう。
ただし、夏の高温多湿には弱いため、真夏は直射日光や西日、雨が当たらない半日陰の軒下に置いてください。
鉢植えの場合は地面に直接置かず、少し高い位置に置くと水はけが良くなります。
耐寒性が強いため冬場も屋外で育てられますが、北風にあたると葉や枝が乾燥しやすいため注意してください。
室内で育てる場合は、窓際の日がよく当たる場所に置きます。時々屋外に移して、日光をたっぷりと当てましょう。
適切な温度・湿度
カルーナの最適な生育温度は、15℃~25℃程度とされています。夏場はできるだけ涼しく、過湿を避けた場所に置いてください。
耐寒性が非常に高く、-20℃に達する寒冷地でも冬越しができます。冬場は室内に取り入れたり、防寒したりといった作業は必要ありません。
また、カルーナは適度な湿気を好みますが、湿り続けた状態では根腐れの原因となるため注意してください。
夏場はやや乾いた環境が生育に適しています。カラカラに乾いた状態は嫌うため注意しましょう。
最適な用土
カルーナは、もともと水はけがよく痩せた土地に自生しているため、酸性よりで水はけの良い用土を好みます。
鉢植えの場合は、市販のサツキ用やブルーベリー用の培養土がおすすめです。
自分で配合する場合は鹿沼土8、ピートモス2の割合で混ぜた、肥料分が少ない土を使用すると良く育つでしょう。
地植えの場合は、庭土に腐葉土を混ぜ込むと、生育が良くなるでしょう。
苗の選び方
カルーナの苗は、葉色が鮮やかで、黄色や茶色の葉がないものを選びましょう。
葉の裏を確認して、害虫が付いていないかどうかも調べましょう。
また、土の状態も確認し、適切に手入れされた苗を選ぶと安心です。
土が適度に湿っている苗は、適切に水やりされている証拠です。反対に、水に浸かり過ぎている苗は避けるのがおすすめです。
植えつけ方法
カルーナは、気候が穏やかな春もしくは秋に植えつけを行います。
鉢またはポットからカルーナの苗を引き出し、根鉢の周りの土を優しくほぐします。
この際に傷んだ根は取り除いてください。植穴は根鉢よりも一回り大きく掘り、盛り土をして水はけ、風通しを確保した場所に植えつけてください。
カルーナは枝がやや横に張るため、複数株植えつける場合は50cm~60cm程度間隔を開けて風通しを確保しましょう。
水やりの方法
カルーナは過湿を嫌いますが、控えめにすると水切れを起こし、枯れてしまいます。そのため、水やりのタイミングが非常に重要です。
鉢植えの場合、土の表面が乾いてきたら水やりをしましょう。夏場は水切れしやすいため、朝か夕方の涼しい時間に、鉢底から水が流れるまでたっぷりと与えます。
鉢皿に溜まった水は、こまめに捨ててください。冬場は気温がさがるため水やりは10日に一回程度で十分です。
地植えの場合、基本的に必要はありませんが、暑い日が続く場合は土の乾き具合を見て水やりをしてください。
肥料の与え方
カルーナは肥料を与えなくても元気に育ちますが、植えつけの際にあらかじめ、緩効性肥料『マグァンプK中粒』を混ぜ込んでおきましょう。
追肥は冬に施し、花つきや、生育促進のサポートをします。固形肥料『プロミック いろいろな植物用』を株元に置くか、液体肥料『ハイポネックス原液』を薄めて与えると良いでしょう。
肥料を与えた後はしっかりと水やりをして、肥料を土へ浸透させてください。
肥料の与えすぎは、根を傷める原因になるため注意しましょう。
剪定・切り戻し
カルーナの枝葉が混み合うと風通しが悪くなり、株の中が蒸れて生育が阻害されたり、下の葉が枯れてしまったりする恐れがあります。
花が咲き終わったころに、剪定を行いましょう。
剪定は、樹高の1/3程度までしっかりと刈り込むのがポイントです。高さがおよそ3cm~5cmになるくらいまで切り詰めて形を整えます。
枝の途中から剪定すると、新枝が不規則に伸びて樹形が崩れてしまいます。
5月頃に再度、混み合った枝を剪定しましょう。梅雨時期や夏の蒸れを防ぐことができます。
夏越し・冬越しのポイント
カルーナは耐暑性がやや弱いため、夏越しが重要になります。
鉢植えの場合、夏は直射日光の当たらない涼しい場所に移動させましょう。
水やりは忘れずに、土の表面が乾いたらたっぷりと与えてください。室内の窓際に置くのがおすすめです。
一方で耐寒性は高く、-20℃の寒冷地でも屋外で越冬が可能です。しかし、雪の降らない地域では冷たく乾燥した強風に当たって傷むことがあります。
北風の直接当たらない場所に移動しましょう。また、根腐れを起こさないように水やりの頻度を控えてください。
カルーナの育て方|増やし方
カルーナは、挿し木と株分けで増やします。特に暖地では、数年ごとに挿し木で株を更新しておくと生育が良くなります。
株分けは、大きく育った株を植えかえるタイミングで行うのがおすすめです。
ここからは、それぞれの手順を詳しく解説します。いずれも比較的簡単にできるため、ぜひチャレンジしてみてください。
挿し木
挿し木は4月~5月、もしくは10月に行います。まずは枝の先端を5cmほど切り取り、1時間程度水につけておきます。その後挿し木用の湿らせた土に挿します。
発根して地上部分が育つまで土を乾かさないように管理しましょう。底面給水を利用して、明るめの日陰で管理してください。
根がしっかり生えてきたら、通常どおりの栽培方法で育てましょう。
株分け
株分けは植えかえと同じ、春か秋に行いましょう。大株に育ったものを1/3程度の大きさに分けます。
あまり小さく分けすぎると生長が悪くなるため購入時と同じくらいの大きさに分けると良いでしょう。
根は優しくほぐして、新しい鉢に植えかえます。日陰でおよそ1週間養生させ、日当たりの良い場所に移動します。
株分けは挿し木よりも失敗が少ないため、初めてカルーナを増やす方におすすめです。
植えかえ
鉢植えの場合は、1年に一回、春か秋に植えかえを行いましょう。
植えかえすることで、根腐れや株の老化予防になります。地植えの場合は、植えかえの必要はありません。
植えかえは、現在の鉢よりも一回り大きいものを用意し、鉢底石を入れてください。
土を1/3程度入れ、根をほぐして傷んだ部分を取り除いたカルーナの苗を置きます。上から土をかぶせて安定させましょう。
小さい鉢で育てているうちは、できるだけ毎年植えかえを行いましょう。株が大きくなったら植えかえと同時に株分けが行えます。
カルーナの育て方|病害虫対策
カルーナは病気にほとんどかかりません。
また、害虫の被害も少ない植物ですが、春から秋にかけてアブラムシが発生しやすくなるため注意してください。見つけ次第駆除したり薬剤を散布したりして予防しましょう。
また、コガネムシの幼虫が根を食べてしまうこともあります。鉢植えで育てる場合は、ときどき根の様子をチェックしておきましょう。幼虫を見つけたら、すぐに駆除してください。
カルーナの育て方|育てるコツと注意点
寒さに強く、それほど細かな管理は必要ないカルーナですが、元気に育てるためにはいくつか注意したいポイントがあります。
ここでは、カルーナを育てるコツと注意点を解説します。
温暖な地域では夏越しに注意する
温暖な地域では冬越しよりも夏越しに注意してください。
高温多湿の環境では根腐れを起こして枯れてしまうことがあります。夏は直射日光の当たらない涼しい場所に置きましょう。
鉢植えの場合、室内で育てるのもおすすめです。夏越しが上手くいくと、秋ごろの美しい花や紅葉の姿が楽しめるでしょう。
夏の西日が当たる場所は避ける
夏場は、午後から西日が強くなる季節です。強い日差しに当たると葉が変色してしまう恐れがあります。
地植えの場合は、夏の強い西日が当たらない場所に植えつけましょう。
鉢植えの場合も、夏場は半日陰の軒下に置いたり、遮光シートなどで調節したりすると良いでしょう。
鉢植えは水切れしないように注意する
水切れすると枯れる原因となるため注意してください。カルーナは葉の表面がしおれず乾燥が分かりにくいため、土の状態をチェックします。
土の表面が乾ききってしまう前にしっかりと水やりをして、土は常に適度に湿った状態にしておいてください。
鉢皿に水が溜まったままにしておくと、根腐れの原因になるのでこまめに捨てるようにしてください。
老化予防のため毎年植えかえする
株の老化を防ぐために、植えかえは毎年行いましょう。長期間同じ鉢で育てると、根が絡み合って根詰まりを起こします。
栄養や水分をしっかり吸収できなくなるため、成長が阻害されてしまいます。植えかえすることで根が広がり、しっかりと成長できるでしょう。
また、植えかえ時に栄養豊富な新しい土にかえることで、生育促進にもつながります。
花が咲かない原因と対処法
カルーナの花が咲かない場合、以下の原因が考えられます。
・日照不足
カルーナは日当たりの良い場所を好むため、十分な日光を浴びないと花つきが悪くなります。
日当たりが足りないと感じる場合は、移動して育てましょう。
・土壌環境
水はけの良い酸性の土壌を好みます。土壌環境がよくないと花が咲かないことがあるため、適切な土で育てましょう。
・水やり
土の表面が乾いたタイミングでしっかり水を与えましょう。
ただし、水のやり過ぎも、根腐れや花つきが悪くなる原因となるため注意が必要です。
・剪定
花が咲き終わった直後に剪定をするのが基本です。
しかし、樹形を整えたい場合は剪定を優先しましょう。他の時期に行うと花が咲かないこともあります。
カルーナの育て方|楽しみ方
カルーナは背丈が低く、植え込んだ後もほとんど姿が変わらないため、寄せ植えで楽しむのがおすすめです。
夏に花を咲かせる品種の場合は、色違いのものを数株植えると季節感のある華やかな印象になるでしょう。
冬に花を咲かせる品種は、葉ボタンやシクラメン、パンジーなどの背丈が低い植物と合わせるとバランスがよくなります。
12月にはポインセチアと合わせると、クリスマスのムードが高まる寄せ植えになります。
鮮やかな葉色やシルバーリーフを楽しめる品種は、カラーリーフとしても楽しむことができます。
ハンギングバスケットに取り入れてもおしゃれで立体感のある雰囲気を演出できます。
カルーナの育て方|よくある質問と対処方法
初めてカルーナを育てる場合、さまざまな疑問や不明点が生まれる可能性があります。
慌てず対応できるよう、育て方に関するよくある質問と対処方法をまとめました。
花が咲き終わったあとの管理方法は?
カルーナの花が咲き終わったら、株元から3cmの高さで切り戻しを行いましょう。切り戻しが遅れると次の花芽が出てしまうことがあります。
花芽が出た場所を切ってしまうと、花が咲かなくなるため、花が咲き終わった直後に切り戻しをするのがポイントです。
切り戻しをしないと枝がどんどん絡み合いながら茂り、株が蒸れる原因になってしまいます。
株の健康と花つきを維持するために、花後の剪定は必ず行いましょう。
カルーナが枯れる原因は?
カルーナが枯れる主な原因は、蒸れによるものです。カルーナは枝葉が密に茂る性質があるため、花や葉の上から水をやると蒸れて枯れることがあります。
また、剪定をしないと枝が茂って株が蒸れ、下葉から枯れることがあります。剪定をして、風通しを確保しましょう。
さらに、乾燥により枯れてしまうこともあります。土の表面が乾いているようなら適切に水やりを行い、土の状態をこまめにチェックしてください。
開花期間はいつまで?
カルーナの開花期間は、品種によって異なります。夏咲きの品種の場合、開花期間は6月~9月、冬咲きの場合は11月~3月です。
海外では夏に花を咲かせる品種が主流ですが、日本の暖地では冬に開花株が出回ることがほとんどのため、冬に開花する品種が主流となっています。
開花時期の幅が広いため、品種を組み合わせれば長く花の姿を楽しめるでしょう。
まとめ
カルーナは寒さに強く、夏の暑さに注意をすれば初心者でも育てやすい植物です。
日本では冬に開花する品種も多く出回っているので、冬のガーデニングに鮮やかな彩りを与えてくれるでしょう。
寄せ植えやハンギングバスケットなど、さまざまな楽しみ方ができるカルーナの栽培に、ぜひチャレンジしてみてください。
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