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杏美のキノコ旅日誌 -ヒメヒカリタケの仲間ー

杏美のキノコ旅日誌 -ヒメヒカリタケの仲間ー

キノコ女子、岩間杏美さんが日本各地を旅して、出会ったキノコをイラストや写真で紹介します。

神戸山中で光るキノコを発見! ヒメヒカリタケの仲間に遭遇する

キノコ旅をはじめて5ヶ月目、8月22日。私は神戸市の山の中、何日間雨が降っていないのだろうか……。

神戸市の山の中…足を一歩動かすごとに落ち葉の音がポテトチップスのようにパリパリと音を奏でていました。険しい山道を歩くたびに乾いた土が行く手を阻みます。コケ植物にも潤いは見られず、心なしか少し小さくうずくまっているように見えました。

 

「キノコは見られないと思うけどねぇ」

 

地元の方々は口を揃えて、この景色を見ながら話をしていました。山の中でも、枯れない水の通り道が何箇所も存在します。それらは、森の中に小さいオアシスをつくっていました。ミズゴケの仲間が多く生え、その中にはギボウシの仲間の姿もあります。周辺にはトンボ類も飛んでいるのが確認されました。

 

「このあたりなら、もしかしたら…」

ヒメヒカリタケ

▲絵1

ヒメヒカリタケ

▲絵2

ヒメヒカリタケ

絵3

水辺の近くは、やはりキノコ的にも大事な環境。くまなく探せば必ずキノコはあります。そして、とても変わったキノコが見つかりました。それは、傘の大きさが0.2-1.4cmくらい、表面の色はすこし淡褐色をしていました(絵1)。小さな枯れ枝に10本くらい重なって生えていて、周りを見渡してもそこにしか見当たりません。ヒダは白く粗かったです(絵2、絵3)。

以前も、このような形のキノコを見たことがあります。当時、大先輩から教えてもらった「ヒメヒカリタケ」という光るきのこでした。今、目の前にあるキノコはそれにそっくりでした。まさか、とは思ったものの、もちろんキノコには似たもの同士がたくさんあります。しかし、あきらめられない思いは消えることがありませんでした。

 

ヒメヒカリタケ
ヒメヒカリタケ

落ちていた太い枝についたキノコをホテルに持ち帰り、さっそく光るかもしれないと見てみます。部屋のカーテンを閉め、電気をすべて消し、目を慣らします。真っ暗だと思った部屋の中でも、ドアの隙間や壁の隙間から小さな光が入っているのが見えてきました。最終的には布団を被り暗黒の世界へ。これならまったく周りも見えませんし、私の目はどこをみているのかもわかりませんでした。そして、このままの状態から1分くらい経ったでしょうか……。目の前に白くぼやっとしたものが見えてきました。

「おっ、きたきた!」

ヒメヒカリタケ

その株はどんどん強く光ってきました。枯れた木の枝を手探りで動かしてみます。すると、その光も一緒に動きだし、光っていない場所と光っている場所があることがわかりました。光っている場所を表にして、電気をつけてみます。どうも、きのこのヒダが光っているようでした(絵4)。神戸市で光るきのこといえば、シイノトモシビタケが有名なようです。今年も新聞記事になっていました。しかし、それ以外の光るキノコが話題になったことはないようです。それは、他にも光るきのこが見つかったという話はないでしょう。

 

今回の光るキノコとの出会いはとても、貴重で大きな発見となりました。さて、次回はどこのキノコと出会いましょう。お楽しみに!

岩間杏美(いわま あみ)

岩間杏美(いわま あみ) 25歳、きのこ女子。所属:きのこびと、大分きのこ会、菌類懇話会、日本菌学会、日本冬虫夏草の会。高校生のときにキノコが好きになり、そのときからスケッチをしている。日本列島キノコ旅は、各地のキノコ関係者に会うことと、私の住む福岡県以外の各地のキノコが、どんなところで発生するのか、自分の目で見るためにキノコ旅を続けている。

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