更新日:2023.12.01
【苔玉の育て方】|基本の管理のコツや植えかえ方法、新しい苔玉の作り方
丸くかわいらしいシルエットが魅力の苔玉。個性的な姿で、和風のお庭にも洋風のお庭にも似合います。
おしゃれな見た目にひかれて、苔玉栽培を始めてみたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、苔玉のお世話は一般的なガーデニングの方法とは異なるため、どのようにお手入れしていけば良いかイメージがつかないという方も多いかもしれません。
今回は、苔玉の管理方法や新しい苔玉の作り方、植えかえ方法などをご紹介します。これから苔玉栽培を始めてみたいという方はぜひ参考にしてみてください。
苔玉とは
苔玉とは植物の根の部分を土で丸くかためて、さらに苔を巻きつけたものを指します。
盆栽や観葉植物と一緒に販売されているのを見かけたことがある、という方も多いのではないでしょうか。
コロンとした見た目がかわいらしく、最近ではおしゃれなインテリアとしても人気を集めています。
苔玉に使われる植物はさまざまです。観葉植物として人気のパキラやガジュマル、盆栽として人気の旭山桜など、幅広い植物を苔玉で育てることができます。
ビカクシダなどのシダ植物、ミニバラなどを合わせることもできます。
苔玉はどのくらい育てられる?
苔玉を長く育てていくと、苔が寿命を迎えて枯れてくることがあります。
ただ、その場合も苔を取り替えることで再び苔玉観賞を楽しめるようになります。基本的には、2年~3年に1回は解体して、苔玉の植えかえを行うことがポイントです。
お手入れのポイントを押さえて実践していけば、苔玉を長く育てていくことができるでしょう。
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苔玉の育て方|基本的な管理のポイント
苔玉を育てるときは、栽培する環境や水やり方法などをしっかりと確認しておくことが大切です。お気に入りの苔玉を長く楽しむため、お手入れのコツを調べておきましょう。
こちらでは、苔玉の基本的な管理のポイントをご紹介します。
苔玉の好む栽培環境
苔というとひんやりとして湿った日陰にあるイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
たしかに、強い直射日光は苔や植物を傷めてしまうこともあります。ただ、基本的に苔は日に当てることで元気に育ちます。
湿り気のある場所で育てるとカビの原因になることがあるため、風通しの良い場所を選んで配置しましょう。
インテリアとしてもおしゃれな苔玉ですが、室内栽培は基本的に避けたほうが無難です。いつもは屋外で管理して、たまに部屋の中へ飾って楽しむことがおすすめです。
室内へ置く場合、窓を閉め切った部屋だと蒸れてしまうことがあるため、換気には気を配りましょう。
水やり
苔玉栽培では水やりも重要です。苔自体はもちろん、根を包んでいる植物にも行き渡るように水を与える必要があります。
また、活力液『速効スプレー』で苔玉全体を潤すとよいでしょう。
苔玉の水やりタイミング
苔玉への水やりのタイミングは、持ったときの重さで判断します。
苔の表面がパサパサに乾き、苔玉が軽くなっている場合は水が足りていないことが考えられるため、適宜水やりしましょう。
育てている環境にもよりますが、2日~3日に1回の頻度が目安です。
夏はより乾きやすくなるため、1日~2日に1回を目安に水やりが必要かどうかを確かめましょう。冬は水やり頻度を減らします。
苔玉の水やり方法
水やりの際は、水を張った容器に苔玉をつけてあげます。苔玉から気泡が出てこなくなるまで待ちましょう。
目安は5分~10分です。
肥料
苔自体に肥料は必要ないものの、植えている植物には施肥をすることが大切です。とくに、花や実をつける植物の場合は肥料を与えることで花つき・実つきが良くなります。
植物の品種によって施肥の頻度は異なりますが、春や秋などの生育期間に与えることが基本です。
水やりのときと同じく、液体肥料『ハイポネックス原液』を1,000倍に希釈した水の中につけて与えます。
苔玉の育て方|新しい苔玉の作り方
苔玉は園芸店や雑貨店など、さまざまな場所で購入できます。
好みの植物を使った苔玉を育てたい場合は、ご自分で新しい苔玉を作ることもおすすめです。こちらでは、苔玉作りの方法をご紹介します。
苔玉作りで準備するもの
苔玉を作るときに大切なもののひとつが土です。粘り気があり、保水力の高い「ケト土」に苔を貼り付けます。
ただ、そのまま使うわけではなく、小粒の赤玉土などを混ぜて玉を形成します。さらに、植える植物に合わせた培養土も準備しておきましょう。苔を固定するためのテグスや木綿糸なども必要です。
苔は多くの種類がありますが、お好みのものを選んで問題ありません。苔玉に用いられることも多いハイゴケなら入手しやすく、管理もしやすいでしょう。
苔玉に植え込む植物も事前に準備しておきます。ミニ観葉植物や盆栽用の苗木などを購入するほか、ご自宅で育てているものを使っても良いでしょう。
植物の植え込み方
苔は水につけておき、水分を含んだ状態にしておきます。
ケト土と赤玉土を7:3程度の分量でよく混ぜ合わせましょう。ケト土には石や枝などが混じっていることがあるため、見つけたら取り除いておきます。
水を少しずつ加えながらこねていきましょう。耳たぶぐらいのやわらかさになったら丸くかためて玉を作ります。
土の玉ができたら、真ん中をへこませてお椀のような形にしましょう。この中に植物の根を入れていきます。
植物を掘り上げたら、優しく根鉢をほぐして土を落とします。傷んでいる根や長すぎる根はこの時点でカットしましょう。
植物の根を土の玉へ植え込むときは、植物に合う培養土を加えながら高さを調整していきます。最後はお椀状になった土玉を閉じて、全体的な形を整えてあげましょう。
苔の貼り付け方
植物を植え込むことができたら苔を貼り付けていきます。苔の水分は軽く切っておきましょう。
苔は一気に貼り付けるのではなく、少しずつ巻きつけるようにして土の玉を覆っていきます。
そのままだと苔がはがれてしまうため、用意しておいた糸を巻いて固定しましょう。さまざまな角度からぐるぐると巻いて、しっかりと固定することがおすすめです。
結び目は目立たないように土に隠すと良いでしょう。これで苔玉の完成です。
苔玉の育て方|植えかえ方法やコツ
苔玉は2年~3年に1回は植えかえることがおすすめです。最後に、苔玉を植えかえる方法や注意点などについてご紹介します。
再び苔玉にする方法
今後も苔玉として観賞を楽しみたい場合は、新しい苔玉を作り直すことがおすすめです。
苔玉を固定している糸を切り、苔をはがしてから土の玉を崩してみましょう。植物の根をチェックして、傷んでいる場合は切り落とします。
植物が大きく育っている場合は、もう一回り大きな苔玉を作ったほうが良いでしょう。苔玉のサイズを変えたくない場合は、植えかえのタイミングで根を切り詰めて整えます。
鉢植えにする方法
苔玉を解体した後、鉢へ植えかえて育てていくこともできます。植物の大きさに合わせた鉢や培養土を用意しておきましょう。
糸を切って苔をはがしたら植物の根の状態を確かめ、傷んでいたらカットします。鉢へ植えつけたら水をたくさん与え、その後は植物に合わせた方法で管理していきましょう。
おわりに
おしゃれな苔玉は、管理の方法に気をつけることで長く楽しむことができます。
湿気が多すぎるとカビが生えてしまう点には注意が必要ですが、水不足にも気をつけたいところです。
こまめに様子を見て水やり頻度を調整しましょう。また、お好みの植物を使って、自分だけの苔玉を作ることもできます。
ご紹介した方法も参考にしながら、お気に入りの苔玉を大切に育てていきましょう。
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