【ジニアの育て方】100日咲き続ける百日草の栽培ガイド

ジニアは、「百日草」という名前の通り、初夏から秋にかけて色鮮やかな花を楽しめる一年草です。
暑さや乾燥にも強く、真夏の厳しい環境でも元気に咲き続けることから、ガーデニング初心者にもおすすめの草花といえます。
本記事では、種まきから病害虫対策、株の増やし方まで、ジニアを長く楽しむための育て方を徹底解説します。
- 目次
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- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- ジニアの育て方|特徴と魅力
- 「百日草」と呼ばれる理由
- ガーデニングで人気の理由
- ジニアの育て方|主な品種と系統
- エレガンス系(大輪種・伝統品種)
- プロフュージョン(小輪・多花性)
- リネアリス系(ホソバヒャクニチソウ)
- 初心者におすすめの品種は?
- ジニアの育て方|基本の栽培管理
- ジニアが好む栽培環境
- 水やり
- 土づくり
- 肥料
- 支柱立ての方法
- ジニアの育て方|種まきと育苗
- 種まきの時期と発芽条件
- 嫌光性種子の播種方法
- 育苗と仮植えのコツ
- 苗の植えつけ
- ジニアの育て方|摘芯と切り戻し
- 摘芯の時期
- 切り戻し
- 花がら摘み
- 剪定
- ジニアの育て方|病害虫対策
- 主な病気対策(うどんこ病・灰色かび病)
- 主な害虫対策(アブラムシ・ハダニ)
- 梅雨時期の管理
- ジニアの育て方|増やし方
- 種の採取時期
- 挿し芽
- 連作障害と対策
- おわりに
- 🌸間室みどりさんの植物のお手入れ術!
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘234:【Q&A】ジニアの育て方|どんな場所で育てたらよいの?水やりや肥料、増やし方もご紹介
ジニアの育て方|特徴と魅力

ジニアは、メキシコや南北アメリカ原産のキク科の一年草の草花で、暑さと乾燥に負けない強さを持っています。
初夏から晩秋まで鮮やかな花を咲かせ、夏のお庭を活気づけてくれます。ここでは、ジニアの特徴や魅力をご紹介します。
「百日草」と呼ばれる理由
咲き始めてから100日以上ものあいだ次々に花を咲かせ続ける性質があり、真夏の厳しい暑さのなかでも花が絶えません。
こうした特徴から、「百日草」という和名で親しまれています。
ガーデニングで人気の理由
暑さや乾燥に強く、真夏の花壇でも育てやすいことから人気があります。
さらに、花色や形のバリエーションが豊富です。切り花向きの大輪タイプから寄せ植えに適した小輪タイプまで、好みに合わせて選べる楽しさもあります。
ジニアの育て方|主な品種と系統

ここでは、ジニアの代表的な品種ごとの特徴と選び方をご紹介します。
エレガンス系(大輪種・伝統品種)
見応えのある大輪が魅力で、草丈は60〜90㎝ほどに育ちます。切り花としても存在感があり、花壇を華やかに彩ってくれます。
ただし湿気に弱い傾向があるため、梅雨の時期は株間を広めに取って風通しをよくしましょう。
プロフュージョン(小輪・多花性)
草丈は30㎝前後とコンパクトで、枝分かれがよく、小ぶりの花をたくさん咲かせます。
暑さ、乾燥、病気に強く丈夫なので、ガーデニング初心者にも育てやすい品種です。
リネアリス系(ホソバヒャクニチソウ)
細長い葉と素朴な一重咲きの花が特徴です。野生種に近い丈夫な性質で、暑さにも強く、秋になると多くの花を咲かせてくれるでしょう。
初心者におすすめの品種は?
プロフュージョン系やリネアリス系は病気に強く、手間がかかりにくい品種です。
ジニアは種が大きくまきやすく、タネまき後約60日程度で開花するため、初心者の方にもぴったりな花といえます。
ジニアの育て方|基本の栽培管理

ここでは、ジニア栽培における環境作りと日々のお手入れについてお話しします。
ジニアが好む栽培環境
ジニアは、真夏の直射日光でも葉焼けしたり弱ったりしにくい植物です。
半日陰でも育ってくれますが、花の色が薄くなってしまうため、できる限り日なたに置いてあげましょう。
また、ジニアの発芽温度は20℃前後なので、気温が十分に暖かくなってから種をまきます。
苗を購入して植えつける場合は、5月~7月上旬頃がベストです。真夏の暑い時期は避けてください。
なお、植えつけ時に緩効性の『マグァンプK中粒』元肥として混ぜ込むとよいでしょう。
水やり
ジニアは乾燥に強い植物ですので、水の与えすぎは根腐れの原因になってしまいます。水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと行ってください。
特に真夏は水分の蒸発が早いため、夕方以降の涼しい時間に水やりをするのが基本です。ただし、土が乾いている場合は、朝にも水やりをしてください。
土づくり
水はけのよい培養土を使ってあげます。庭に植えるなら、植える場所に腐葉土を適量混ぜ込み、水はけのよい状態に整えてあげましょう。
市販の草花用培養土『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』を使用してもかまいません。
肥料
ジニアは開花時期が長いため、肥料切れを起こさないように注意をしてください。肥料が不足すると、花つきが悪くなったり、葉の色が悪くなったりします。
花が咲き始めたら、液体肥料『ハイポネックス原液』を1週間~10日に1回程度与え、肥料切れを起こさないように気をつけましょう。
また、害虫が気になる人には、施肥と害虫駆除が同時にできる『ハイポネックス原液 殺虫剤入り』がおすすめです。
支柱立ての方法
草丈が高くなるタイプは、成長に合わせて支柱を立てて軽く結んであげます。これにより花が重みで倒れるのを防ぎ、美しく咲かせることができます。
ジニアの育て方|種まきと育苗

ジニアは気温に左右されやすいため、発芽環境と種まきの深さがとても重要です。
ここでは、種まきの適期や覆土の方法、苗づくりから植えつけまでの流れを解説します。
種まきの時期と発芽条件
温暖な地域では4月中旬、寒い地域では5月上旬が目安となります。
気温が20℃を下回ると発芽が遅れてしまうため、夜の気温にも注意してあげましょう。
嫌光性種子の播種方法
5ミリほどの覆土をして、軽く押さえて種と土をしっかりと密着させてあげます。種まき後は乾燥させないよう、霧吹きでやさしく湿らせてください。
育苗と仮植えのコツ
発芽したら日当たりのいい場所に移して、徒長を防いであげます。本葉が2枚になったタイミングで7㎝ポットに一本ずつ仮植えし、根をしっかりと張らせます。
苗の植えつけ
本葉が6〜7枚になったら定植してあげます。高性種は株間を50㎝、矮性種は25㎝を目安にゆったりと植えつけてあげましょう。
ジニアの育て方|摘芯と切り戻し
ちょっとした手入れを加えるだけで、花数・花期をぐんと伸ばすことができます。
ここでは、ジニアの摘芯や切り戻し、花がら摘みなどの管理方法を通して、長く咲かせるコツをご紹介します。
摘芯の時期
本葉が6枚~7枚程度に育ったタイミングで頂芽を摘むと、側枝がよく伸びて、花数が大幅に増えます。
開花の時期はやや遅くなりますが、株全体が茂り、見ごたえのある姿に育つでしょう。
特に大輪品種は、摘芯の効果が高く、美しい草姿を保つためにも大切な作業です。
切り戻し
6月中旬~7月下旬までの間に、株全体を高さ20㎝ほどにそろえて切り戻すと、夏の暑さで弱った株がリフレッシュします。
切り戻し後は追肥と水やりを丁寧におこなうことで、秋に向けて再び勢いよく開花してくれます。
切り戻しのタイミングを逃さないことが、秋の花つきを左右するポイントです。
花がら摘み
咲き終わった花を放置していると、種に栄養が奪われて開花の勢いが落ちてしまいます。
花がしおれ始めたら早めに摘み取り、株のエネルギーを新しいつぼみに回してあげましょう。
剪定
シーズンの終盤には、枯れ込んだ茎や葉を取り除いて風通しをよくしておきましょう。
蒸れや病害の予防につながり、株を健康に保つことができます。加えて、花壇全体がすっきりと整い、次の花の管理も楽になります。
ジニアの育て方|病害虫対策

ジニアは比較的丈夫な草花ですが、環境によっては病害虫の影響を受けることもあります。
ここでは、よく発生する病気や害虫と、その予防・対策のポイントを詳しく解説します。
主な病気対策(うどんこ病・灰色かび病)
うどんこ病や灰色かび病は、湿度の高い環境で発生しやすい病気です。発病した葉は早めに取り除き、株元の風通しを確保しましょう。
水やりの際は株元に直接水を与え、葉を濡らさないようにすることで、各病気の発生リスクを低減できます。
主な害虫対策(アブラムシ・ハダニ)
アブラムシやハダニは高温乾燥時に発生しやすく、とりわけ葉裏などに集まる傾向があるため、日々の観察が大切です。
見つけたらテープで取り除くほか、水を勢いよくかけて洗い流してください。被害が広がる前に対応することが、健康な株を保つコツです。
梅雨時期の管理
梅雨の時期は泥はねによる病気の発生や、株元の蒸れに注意が必要です。
泥はねを防ぐためにマルチングを施したり、株間を十分に取って風通しを確保したりすると、病気のリスクを大幅に減らせます。
特に長雨が続く年は、鉢植えなら軒下に移動させ、地植えの場合は、こまめに株の状態をチェックしましょう。
ジニアの育て方|増やし方
ジニアは一年草ですが、種を採取すれば翌年も育てられます。
挿し芽での増やし方や、連作障害を避けるためのポイントを押さえておきましょう。
種の採取時期
花が終わって茶色く変色したタイミングで花がらを切り取り、風通しのよい場所でしっかりと乾燥させます。
中から種を取り出し、乾燥剤と一緒に封筒などに入れて冷暗所で保管すると、翌年の発芽率が高まります。
完熟前に採取すると未成熟な種が混ざるため、採種のタイミングはよく見極めましょう。
挿し芽
5月下旬~7月上旬にかけて、健康な茎を2節ほど切り取り、湿らせた挿し木用土に挿しておきます。
直射日光を避けて管理すれば、2〜4週間ほどで発根し、鉢上げして育てられます。これは株分けとは異なり、ジニアを数多く増やしたいときに便利な方法です。
連作障害と対策
ジニアは連作により立枯れ病などの土壌病害が発生しやすくなります。
同じ場所に植えるなら、培養土を入れ替えるか、別の場所での栽培をおすすめします。輪作を意識して、他の草花とローテーションするのも有効です。
おわりに
夏のガーデンで長く咲き続けるジニアは、毎朝の水やりが楽しみになるような魅力あふれる花です。
適切な栽培環境を整え、日々の手入れを丁寧に続けていけば、初夏から晩秋まで美しい花を咲かせてくれるでしょう。
今回ご紹介したポイントを参考に、風情ある花壇づくりをぜひ楽しんでみてください。
🌸間室みどりさんの植物のお手入れ術!
🌸21:ジニアの育て方 長く楽しむための植えつけと管理
公開:2018年5月8日
更新:2025年8月15日
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