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杏美のキノコ旅日誌7
お遍路キノコ旅【番外編】東京で出会えたキノコたち

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2019年6月27日から30日にかけて、東京に遠征してきました。あるイベントに参加するためでしたが、まさか東京の都心で、これほどのキノコに出会えるとは、思いもよりませんでした。それで、番外編として旅日誌に加えようと思います。みなさんにすぐに伝えたくて、イラストを描いている暇がありませんでした(笑)。

 

27日朝、福岡空港の中はあいかわらず人が多く、荷物を預ける人たちの行列ができていました。その列に並び、飛行機が出発する時間を待ちました。約1時間後搭乗アナウンスが流れ、機内へ。ここから約1時間30分の空の旅です。そもそも、今回なぜ東京に行ったかというと、主な目的は自然体験活動関係のイベントに参加することですが、せっかく東京に行くのでお世話になっている人に会ってこようと思った次第です。

 

飛行機はあっという間に羽田空港へと降り立ちました。天気はくもり。分厚い灰色の雲が空一面を覆っていて、今にも雨が降りそうでした。大きな荷物を右肩にかけてモノレールや電車を乗り継ぎ、待ち合わせの場所へ。この日に会うのは約2年ぶりの人とそのお知り合いの方でした。ご飯をたべながら近況を報告し、その後はお決まりのキノコの話になりました。最近は変形菌(菌と名前がついていますが、菌類ではなくアメーバの仲間です)に興味があり、その話題で盛り上がりました。

 

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家で育てている変形菌(黄色い部分)

 

お別れの時間になり、今日は友人が住んでいるシェアハウスへ向かいました。待ち合わせも駅で、しばらく待っていると、「きのこー!ひさしぶりー!」、友人が笑顔でこちらに駆け寄ってきました。彼女は、5年ほど前にキャンプ関係で知り合って、以来、何回も遊びに行ったことがある仲で、今回もよい宿泊施設を手配してくれました。

 

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代々木公園

 

28日は、明日開催されるイベントの準備をしに代々木にあるオリンピック記念青少年総合センターに向かいました。代々木駅で降りて、まずはイベント会場で重たい荷物を預けました。さて、少し時間があるので、さっそく近くにある代々木公園に足を運んでみました。

イベント会場を出て数分。さっそくキノコを見つけました。このキノコは、ヒトヨタケの仲間ですがよく見るとコンクリートの隙間から生えていました。“ど根性キノコ”と名づけました。

 

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ヒトヨタケノ仲間。生え方から“ど根性キノコ”と名づけた

 

ど根性キノコの撮影が終わり、少し歩いたところではドングリからキノコが生えていました。このキノコはスエヒロタケというキノコで、普通は倒木や切り株、たまにベニヤ板など、いろんな場所で見かけるキノコですが、ドングリから生えているスエヒロタケを見るのははじめてでした。

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どんぐりから生えるスエヒロタケ

 

ちなみに、この時点でまだ代々木公園には入っていません。時間がいくらあっても広い公園内をすべて回ることは出来なさそうな気がしてきました……

代々木公園の中に入りあたりを見回してみます。キノコの気配が強く感じられました。特に、樹木同士の間隔が均一になっているところはとても怪しい感じでした。ふと、木の根元を見てみるとまるでパンケーキの色をしたおいしそうなものが生えていました。でも、これはパンケーキのように軟くなく、とても硬いベッコウタケというキノコの幼菌なのです。

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ベッコウタケの幼菌

 

このベッコウタケはちょっと曲者で、造園屋さんや樹木医さんからとっても嫌われているキノコなのです。どうしてかというと、このキノコが侵入した樹木は最終的に枯れてしまいます。テレビでも台風など強風が吹き荒れるときに、よくあると思いますが、街路樹が倒れて道路を塞いだっていうニュースです。その原因の一つがベッコウタケを含むサルノコシカケの仲間が引き起こす倒木です。代々木公園の樹木の何本かにも、サルノコシカケの仲間が見られました。

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サルノコシカケの仲間

 

地面にウッドチップが敷かれている場所がありました。こういう場所は、地面がふかふかしているのでとても歩きやすい場所です。そしてここには、必ずキノコが住んでいます。さて、今回はどんなキノコがいるのでしょうか……。おっと、早くも第1住人を発見です。まだ幼菌ですが大きくなったキノコも近くに生えていました。このキノコの名前はシワナシキオキナタケと呼ばれ、ウッドチップからよく生えてくるそうです。

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シワナシキオキナタケの幼菌

 

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シワナシキオキナタケの成菌

 

時間もあっという間に過ぎ、次の約束があるので後ろ髪を引かれる思いで代々木公園を出ることにしました。
結局、公園内すべてを回るどころか、出入り口付近でひたすら座っては動いての繰り返しでキノコ観察は終わりました。ベンチ横のベニタケの仲間を横目にその場を後にしました。

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ベニタケの仲間

6月29日は自然体験活動イベントの開催日です。このイベントでは、私も発表の場をもらっていて、この日のためにいろいろと資料を用意してきました。そして、今回は施設内でどんな生き物がいるのかを見に行きました。

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発表をする私

外に出て数分、建物と建物の間に少し苔むした空間がありました。ここにある樹木は主にイロハモミジとサクラ。あまりキノコは期待できそうにありませんが、苔むした空間というのはよく腐生菌(落葉や落枝を分解するきのこ)がいることが多いのです。念のため入ってみると……、ふかふかした緑のじゅうたんの先に、なにやら白い軍団が遠くからでも見えました。近寄ってみてみると、それは棒のように細く先がとがったシロソウメンタケというキノコでした。

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シロソウメンタケ

シロソウメンタケに見とれていると、おっとあぶない、コケのじゅうたんに隠れるようにしてアカヤマタケも生えていました。このアカヤマタケは、幼菌や成菌の時は鮮やかな紅色から橙色をしているのですが、傷をつけたり成長しすぎたりすると黒炭のようにまっ黒になるのが特徴です。この場所でも、近くにまっ黒になったアカヤマタケが見られました。私の場合は、自然観察体験というよりもキノコ観察体験そのものでした。しかし、都心のちょっとした空間でもキノコたちは命をつないで生きていました。

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アカヤマタケ

13-1アカヤマタケの老菌

 

6月30日は東京での最終日。引き続き自然体験活動のイベントに参加しましたが、その中に明治神宮樹木観察会がありました。すぐに、そちらに参加を申し込むと同時に本当の目的、明治神宮内のキノコたちを見てきました。

明治神宮内では空を覆い尽くすように樹木が茂っていて、都会とは思えない不思議な雰囲気の漂う場所でした。野鳥の鳴き声は森中に響き渡り、静かに飛び回るアゲハチョウの仲間。雨上がりでじめっとした落葉の周りには小さなキノコたちの姿も見えました。その中でも、ひときわ目立つ存在。ヤマドリタケモドキはこの森の成長を感じているかのように、森の番人のような立ち姿でした。

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ヤマドリタケモドキ

 

今回、東京滞在は4日間、あっという間に福岡へと帰る時間になりました。自然体験活動のイベントも無事に終了し、あとは電車に乗って羽田空港を目指すだけです。途中で、夜ご飯を食べそして搭乗口へ……。飛行機はガタガタと揺れながらものすごいスピードで離陸していきました。私は離陸と同時に爆睡、目を開けたときには、もう福岡空港でした。夜9時でも人はまだまだ多く、タクシー待ちの行列は長く続いていました。私は、都会のキノコ観察を思い出しながら、楽しい思い出を連れて最終バスで自宅へと帰りました。

 

 

pro

kinokoline

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