トウモロコシの育て方|種まきから分けつ・除房、ヤングコーン収穫まで解説
焼いても茹でてもおいしいトウモロコシは、採れたてならではの甘みと風味が楽しめる夏野菜です。家庭菜園で育ててみたいものの、「背丈が高いから難しそう」と感じる方も多いのではないでしょうか。
トウモロコシは、日当たりのよい場所で育て、人工授粉や害虫対策の基本を押さえれば、初心者でも育てやすい野菜です。種まき、分けつ、除房の扱い、収穫のタイミングを知っておくと、栽培中も迷わず育てられます。
この記事では、トウモロコシの基礎知識と生育条件、品種、栽培時期、種まきから収穫までを詳しく解説します。
- 目次
-
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- トウモロコシの育て方|特長と魅力
- トウモロコシとは
- 甘くなる仕組みと旬の糖度
- プランターでも栽培できる?
- トウモロコシの育て方|主な品種
- スイートコーン種の種類
- ゴールデンコーン
- シルバーコーン
- バイカラーコーン
- ガーデニング初心者におすすめの品種
- 土壌改善に効果的なトウモロコシ
- トウモロコシの育て方|栽培時期
- トウモロコシの育て方|基本の栽培方法
- 直播栽培とポット育苗
- 種まき
- 苗の選び方
- 土づくり
- 植えつけ
- 水やり
- 肥料
- トウモロコシの育て方|管理
- 間引き
- マルチング
- 土寄せ
- 支柱立て
- 分けつ
- 人工授粉
- 摘果(ヤングコーン)
- トウモロコシの育て方|収穫
- 収穫のタイミング
- 収穫方法
- トウモロコシの糖度を保つコツ
- トウモロコシの育て方|病害虫対策
- トウモロコシの鳥害対策
- トウモロコシの害虫対策
- トウモロコシの育て方|連作障害
- トウモロコシの後作におすすめの野菜
- トウモロコシの後作に不向きな野菜
- トウモロコシの育て方|コンパニオンプランツ
- トウモロコシと相性の良い野菜
- 混植のメリット・デメリット
- トウモロコシの育て方|よくある栽培トラブル
- トウモロコシの分けつは取るべき?
- トウモロコシの除房は必要?
- 発芽しないのはなぜ?
- 実がスカスカになるのはなぜ?
- 害虫や鳥害はどう防ぐ?
- 収穫のタイミングとコツは?
- おわりに
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘208:【Q&A】トウモロコシの育て方|甘くて大きな実を収穫する方法は?水やりや肥料などの管理方法
トウモロコシの育て方|特長と魅力
トウモロコシは背丈が高くなるため、植える場所や株間を先に決めておく必要があります。必要な温度や日当たりもあわせて押さえると、家庭菜園での栽培計画を立てられます。
まずは、基本情報と生育条件を整理し、育てる前の目安を確認しておきましょう。
トウモロコシとは
トウモロコシは世界三大穀物のひとつで、イネ科に属する代表的な穀物です。大型の品種から家庭菜園向きの小型品種まで、さまざまな種類が存在します。
項目 | 内容 |
|---|---|
科名 | Zea mays |
科名 | イネ科 |
原産地 | 中南米(メキシコ〜中央アメリカ) |
発芽適温 | 20℃〜30℃(25℃〜30℃が理想) |
生育適温 | 20℃〜30℃ |
土壌酸度(pH) | 6.0〜6.5 |
株間の目安 | 約30cm |
発芽には高めの地温が必要なため、早まきの場合はトンネルやマルチを利用して地温を確保します。また、受粉しやすくするため、株間は約30cmを目安にして複数株をまとめて育てるのがおすすめです。
一見すると栽培が難しそうに思えますが、基本的な管理のポイントを押さえれば初心者でも育てやすい野菜です。
甘くなる仕組みと旬の糖度
トウモロコシの甘さは、葉で行なわれる光合成によってつくられた糖分によるものです。
日中につくられた糖は夜の間に穂先へ運ばれ、実に蓄積されます。また、日中と夜間の気温差が大きい環境では、夜間の呼吸で糖が消費されにくくなるため、より甘みが増します。
旬に収穫したトウモロコシは、品種によって糖度が15度を超え、メロンに匹敵するほどの甘さになることもあります。
ただし、甘みのピークは収穫直後から急速に失われていきます。最もおいしい状態で楽しむには、収穫後すぐに調理するのがおすすめです。
プランターでも栽培できる?
トウモロコシは畑での栽培されることが多い野菜ですが、環境を整えればプランターでも育てられる野菜です。
根が深く張るため、容量は20L以上で深さのある大型プランターを使用しましょう。
ただし、プランターでは株数が少なくなりやすく、自然受粉だけでは実が付きにくいことがあります。その場合は、雄穂の花粉を雌穂につける人工授粉を行うと、実付きが安定しやすくなります。
トウモロコシの育て方|主な品種
トウモロコシにはさまざまな品種があり、甘みの強いものや粒の色が異なるもの、生で食べられるものなど、多彩な特徴があります。また、寒冷地向けや家庭菜園向けなど、栽培環境に合わせて選べる品種も豊富です。
トウモロコシの品種は用途によって、大きく3種類に分類されます。
- スイートコーン種:茹でたり焼いたりして食べる一般的な食用品種
- 爆裂種:ポップコーンの原料となる品種
- 馬歯種:家畜の飼料やコーンスターチなどの加工用として利用される品種
爆裂種や、馬歯種は主に加工用として栽培されるため、家庭菜園で採れたてのトウモロコシを味わいたい場合は、スイートコーン種を選んでください。
スイートコーン種の種類
私たちが普段食べているトウモロコシの多くは、スイートコーン種です。
100種類以上もの品種が存在するとも言われ、粒の色によって「ゴールデンコーン」「シルバーコーン」「バイカラーコーン」の3タイプに分けられます。
ゴールデンコーン
ゴールデンコーンは、黄粒種と呼ばれ粒全体が濃い黄色をしていることが特長です。
そのまま茹でたり焼いたりして楽しめるほか、色鮮やかな粒を活かしてトウモロコシご飯にして食べるのもおすすめです。
シルバーコーン
白粒種と呼ばれる品種で、ゴールデンコーンよりも粒がやや小さく、皮がやわらかいため、みずみずしい食感を楽しめます。
甘みが強く、生食やサラダの具材としてよく用いられています。
バイカラーコーン
バイカラー種と呼ばれる品種で、黄色と白色の粒が混ざっているのが特長です。
甘みと風味のバランスがよく、近年は家庭菜園でも人気が高まっています。
ガーデニング初心者におすすめの品種
ガーデニング初心者には、甘みが安定しやすく、粒が先端まで入りやすい品種や、倒れにくく育てやすい品種がおすすめです。
ここでは、家庭菜園でも育てやすい代表的な3品種を詳しく紹介します。
ゴールドラッシュ
粒皮がやわらかく、ジューシーで強い甘みが魅力のスイートコーンです。
先端まで粒が入りやすく、見た目のよい穂になりやすいのが特長です。栽培しやすく雌穂の着きが安定しているため失敗も比較的少ないです。
大型プランターでも育てられますが、穂が出る時期に人工授粉をするとより粒ぞろいがよくなります。
味来(みらい)
小ぶりながらフルーツのように濃い甘みが特長の、「フルーツコーン」とも呼ばれる品種です。
粒皮がやわらかく食べやすいため、子どもにも人気です。草丈比較的低くコンパクトに育つため、プランター栽培にも向いています。
おおもの
名前のとおり大きな穂をつける、食べ応えのある品種です。家庭菜園でも育てがいがあり、収穫の満足感を味わえます。
大きな穂を育てるには、生育初期から株をしっかり育てることが大切です。元肥を十分に施し、生育に合わせて追肥を行いましょう。
土壌改善に効果的なトウモロコシ
トウモロコシは土中深くまで根を張るため、栽培後は硬くなった土壌をほぐし、通気性や排水性の改善に繋がります。
また、育中に土壌中の余分な養分を吸収することから、「クリーニングクロップ」として土壌改良にも役立つ作物として重宝されています。
トウモロコシの育て方|栽培時期
トウモロコシは、春に種まきや苗の植え付けを行い、約80日〜100日で収穫できる野菜です。一般的には、4月〜6月に種をまき、7月〜9月頃に収穫を迎えます。
栽培時期は品種によって異なります。収穫時期をずらしたい場合は、種まきの時期を少しずつずらして栽培すると、長期間収穫を楽しめます。
暖地なら4月中旬頃から、中間地なら5月初旬頃から、冷涼地なら5月下旬頃から種まきや苗の植えつけを開始しましょう。
また、栽培する地域によって適した時期が異なるので、種袋や苗のラベルに記載された栽培時期も確認しておきましょう。
トウモロコシの育て方|基本の栽培方法
トウモロコシを元気に育て、日当たりのよい場所で栽培し、適切な受粉や害虫対策を行うことが大切です。
ここでは、栽培を始める前の準備から植えつけまでの基本的な育て方を紹介します。
直播栽培とポット育苗
トウモロコシの栽培方法には、「直播栽培」と「ポット育苗」の2つがあります。
直播栽培は、種を直接畑にまく方法です。植えかえの必要がなく、根がまっすぐに深く伸びるため、風に強い株に育ちやすくなります。
ただし、発芽は天候の影響を受けやすく、芽が出た直後には鳥に食べられるなどの鳥害のリスクが高い点に注意が必要です。
一方、ポット育苗は、ポットで苗を育ててから植え付ける方法です。発芽や初期生育をそろえやすいのが特長です。鳥害の心配も少なく、計画的に栽培を進めたい方におすすめです。
ただし、植えつけ時に根を傷めると生育に影響が出るため、根鉢を崩さないように植えつけましょう。
どちらの方法でも、日当たりと風通しのよい場所で育てることが基本です。
種まき
トウモロコシは、種からでも育てやすく、初心者でもチャレンジしやすい野菜です。もちろん、市販の苗から育てることもできます。
育苗ポットで育てる場合
1つのポットに対して種を3粒ずつまきます。種は約1cmの深さにまき、土を軽くかぶせたら、たっぷりと水を与えましょう。
発芽までは土を乾燥させないよう管理し、日光が十分に当たる暖かい環境で育てます。
畑に直まきする場合
株同士の間隔を約30cm空け、1ヵ所に数粒ずつ種をまきます。株間が狭すぎると生育の妨げになりますが、広すぎても受粉がうまくいきません。草丈が20cm程度になったら、生育のよい苗を1本だけ残して間引きましょう。
異なる品種を同じ場所で育てると花粉が混ざり、実付きや品質に影響することがあります。同じ区画では、できるだけ1品種のみを栽培するのがおすすめです。
また、土の表面が乾いていたらたっぷりと水やりをしましょう。
また、発芽適温は20℃〜30℃です。10℃以下では発芽率が大きく落ち、生長も鈍るため、寒い時期はトンネル被覆などで暖かい環境を用意しましょう。
苗の選び方
苗から育てる場合は、できるだけ若く、本葉が3枚~4枚程度の苗を選びましょう。茎が太く、濃い緑色、病害虫の被害がない苗がおすすめです。
育ち過ぎた大きな苗を選ぶと、植えつけ後に根付きにくくなる可能性があります。そのため、小さめで、若い苗が安心です。
購入した育苗ポットに、苗が複数植えられている場合は、1番元気な苗を残して間引きを行います。
土づくり
トウモロコシは、土質をあまり選びませんが、肥沃で水はけのよい土を好みます。
プランターの場合、市販の培養土を使用すると手軽です。元肥に緩効性肥料「マグァンプK」を配合した『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』を使用すると、そのまま植えつけができます。
自分で配合する場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土2:バーミキュライト1を目安に混ぜ、植えつけの1〜2週間前までに苦土石灰で酸度を調整しておきましょう。元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を混ぜ込むと、生育が安定します。
畑では、堆肥をすき込み、深めによく耕しておくことが大切です。前作で石灰を施している場合は、苦土石灰は不要なこともあります。
植えつけ
本葉が3枚〜4枚程度になったら、苗を植えつけるタイミングです。
プランター・畑のどちらで育てる場合も、株間は約30cmを目安に植えつけましょう。株同士が近すぎると生育が悪くなり、受粉にも影響することがあります。
植えつけの際は、根鉢を崩さないように丁寧に扱うことが大切です。根を傷めると、その後の生育に影響するおそれがあります。
畑では、幅90cm〜100cm程度の畝であれば2列植えにすると、花粉が行き渡りやすくなり、受粉しやすくなります。
また、異なる品種を同じ場所で育てると花粉が混ざり、実付きや品質に影響することがあるので、同じプランターや畑では、できるだけ1品種のみを栽培しましょう。
植えつけ後は、根と土をなじませるためにたっぷりと水を与えます。
水やり
トウモロコシは、土の表面が乾いてきたら水やりを行いましょう。
特に、花が咲く前後や、雄穂や雌穂が出る頃から実が太り始める時期は水切れが起こりやすいため、土の乾燥に注意してください。
ただし、水やりのやり過ぎは根の生長を妨げることがあります。乾燥には十分注意しながら、たっぷりと水を与えてください。
肥料
トウモロコシは肥料を多く必要とする野菜です。肥料が不足すると草丈が伸びにくくなり、実も太りにくくなるため、生育に合わせて追肥を行いましょう。
1回目の追肥は、草丈40cm〜50cm、本葉5枚〜6枚の頃を目安に行います。すぐに効かせたい場合は、液体肥料『ハイポネックス原液』を500倍に薄めて与えます。ゆっくり効かせたい場合は、緩効性肥料『今日から野菜 野菜の肥料』を施しましょう。
2回目は雄穂が出てきた頃に施します。あわせて土寄せを行うと、株が倒れにくくなります。草丈が高くなるため、草丈が高くなり、風の影響を受けやすい場所では、必要に応じて支柱を立てると安心です。
トウモロコシの育て方|管理
トウモロコシをおいしく育てるには、植えつけ後の管理も大切です。適切なタイミングで間引きや追肥、人工授粉などを行うことで、実つきがよくなり、大きく甘いトウモロコシを収穫しやすくなります。
ここでは、植えつけ後に行いたい管理方法を順番に紹介します。
間引き
育苗ポットにまいた種は、10日~14日ほどで発芽します。発芽した苗が10cm~15cmほどに伸びてきたら、生育のよい苗を1本だけ残して間引きましょう。
間引きをするときは、残す苗を傷めてしまわないように、取り除く苗の根元だけをハサミで切り取ります。
プランターに直まきする場合も、育苗ポットと同じようによい苗を1本だけ残し、残りは慎重にカットして間引きします。
マルチング
種を直播きする場合は、マルチングを行うと乾燥や鳥による被害を防ぐ効果ぐことができます。
特に、種まき直後は、鳥に種を食べられやすいため注意が必要です。あらかじめ植え穴を開けた黒色ポリエチレン製などのマルチを敷いておくと安心です。
マルチングは乾燥や鳥の被害を防ぐだけでなく、病害虫被害の予防、雑草の抑制、地温を上昇によるトウモロコシの生育促進などの効果も期待できます。
土寄せ
土寄せは、株の倒伏防止と、吸水率を高めるために欠かせない作業です。
トウモロコシは草丈が高くなると、強い風で倒れてしまうことがあります。土寄せは、追肥のタイミングに合わせておこないましょう。
株元を土に固定するような感覚で、土を根元に向けて寄せていきます。
土寄せをするとトウモロコシの株が固定されるだけでなく、水分をしっかり吸収できるようになります。
支柱立て
追肥と土寄せをするタイミングに合わせて、必要に応じて支柱を立ててください。
ベランダや、風当たりの強い場所で育てる場合は、トウモロコシの草丈が高くなると倒れやすくなります。支柱を埋め込んで対策をしておくと安心です。
分けつ
トウモロコシは生長すると、株元から分けつ(わき芽)が伸びてきます。
分けつを取り除くこともできますが、基本的にはそのままで問題ありません。株が安定しやすくなり、葉が増えることで光合成も活発になります。
そのため、特別な理由がなければ無理に取り除く必要はありません。
人工授粉
トウモロコシの受粉に失敗すると、粒がそろわず、歯抜けのような実になることがあります。広い畑では自然に受粉されることが多いものの、プランターなどでは人工授粉の作業を行うと安心です。
雄穂から花粉が出ている時期を目安に切り取り、糸状に伸びているヒゲ状の雌穂に花粉をこすりつけましょう。
人工授粉を安定して行うためには、3株以上育てるのがおすすめです。
摘果(ヤングコーン)
受粉したトウモロコシには、1株に2本~3本ほどの雌穂ができます。大きく充実した実を収穫するため、最も生育のよい雌穂を1本残し、それ以外は摘果しましょう。
摘果した若い実はヤングコーンとして食べられます。絹糸が出てから約1週間、実が10cm前後になった頃が収穫の目安です。皮付きのまま焼いたり蒸したりすると、やわらかな食感と甘みを楽しめます。
トウモロコシの育て方|収穫
収穫のタイミング
トウモロコシは、受粉してから約20日〜30日で収穫の目安をむかえます。ヒゲが茶色く枯れ、皮をめくったときに先端の粒が丸く膨らんでいれば収穫できます。
収穫時期は、品種によって異なるので、種袋に記載された生育日数を確認しましょう。
収穫方法
収穫は、早朝がおすすめです。こ早朝は糖度が高く、採れたてのおいしさを楽しめます。
実をしっかり握って、手でもぎ取るように下向きにひねるように折り取ると、きれいに収穫できます。
トウモロコシの糖度を保つコツ
トウモロコシは、収穫後すぐから糖分がデンプンへ変化し始めるため、できるだけ早く食べるのがおすすめです。
すぐに食べない場合は、皮付きのまま冷蔵保存すると鮮度を保ちやすくなります。
また、トウモロコシを常温で一時的に保存する場合は、茎を付けたまま収穫すると甘みが下がりにくいといわれています。
トウモロコシの育て方|病害虫対策
トウモロコシは比較的育てやすい野菜ですが、鳥害や害虫の被害を受けやすい時期があります。被害を防ぐためには、早めの予防とこまめな観察が大切です。
トウモロコシの鳥害対策
種まきの直後や、トウモロコシが受粉して実がつき大きく膨らんできた頃の鳥による被害に注意してください。
カラスなどはトウモロコシの種や実を狙ってやってきます。あらかじめ鳥害対策用のネットを設置したり太めの糸を張ったりして対策すると安心です。
トウモロコシの害虫対策
トウモロコシに発生しやすい害虫の中で、特に注意したいのがアワノメイガです。
幼虫は、雄穂に集まり、雌穂や実に入り込んで食害を引き起こします。幼虫を見つけた場合はすぐに取り除きましょう。人工授粉が終わった後に雄穂を切り取っておくと、被害の予防につながります。
日頃から葉裏や茎にフンや穴、食害跡がないかを確認し、幼虫を見つけたら早めに取り除きます。
防虫ネットを活用
アワノメイガなどの害虫対策には、防虫ネットの利用も効果的です。
市販の防虫ネットのほか、野菜用ネットや台所で使うような水切りネットを受粉後の雌穂にかぶせて、実を保護してあげるのもおすすめです。
トウモロコシの育て方|連作障害
トウモロコシは、同じ場所で続けて育てても連作障害が起こりにくい野菜です。根を深く張る性質があり、土の中の栄養を効率よく吸収することから、「クリーニングクロップ」として土壌改良にも利用されています。
ただし、長年同じ場所で栽培を続けると、土壌の栄養バランスが崩れたり、病害虫が増えたりして、生育に影響が出ることがあります。こうしたリスクを避けるためにも、1年〜2年おきに栽培場所を変える輪作を取り入れると安心です。
トウモロコシの後作におすすめの野菜
トウモロコシを育てたあとの畑には、次のような野菜を植えるのがおすすめです。
根菜類(ダイコン・ニンジンなど)
トウモロコシとは植物分類が異なるため、連作障害のリスクは低い組み合わせです。
ただし、根菜類は生長にある程度の養分を必要とするため土壌の栄養状態を確認し、必要に応じて堆肥や肥料を補いましょう。
マメ科野菜(エダマメ・インゲン・ソラマメなど)
マメ科植物は根粒菌の働きによって土に窒素を補給するため、トウモロコシ栽培後の土づくりにも役立ちます。
ただし、マメ科は連作障害が起こりやすいため、同じ場所で育てる場合は4年〜5年ほど間隔を空けましょう。
ネギ類・葉菜類(ネギ・ニンニク・ホウレンソウ・レタスなど)
ネギやニンニクは、病害虫対策を目的とした輪作にも取り入れられることがあります。また、ホウレンソウやレタスは栽培期間が比較的短いため、夏にトウモロコシを収穫した後でも育てやすい野菜です。
アブラナ科(ハクサイ・ブロッコリーなど)
ハクサイやブロッコリーは、トウモロコシと異なる科の野菜で、輪作にも適しています。秋冬栽培に向いているため、夏に収穫を終えたトウモロコシの後作として取り入れやすいでしょう。
トウモロコシの後作に不向きな野菜
イネやコムギ、オオムギなどのイネ科作物や、別の品種のトウモロコシは、共通する病害虫の影響を受けやすくなります。
同じ場所で続けて育てると連作障害が起きやすくなるため、できるだけ異なる科の作物を選ぶとよいでしょう。
トウモロコシの育て方|コンパニオンプランツ
コンパニオンプランツとは、異なる種類の植物を近くで育てることで、お互いの生育を助け合う栽培方法です。
組み合わせによっては、生育を助けたり、害虫を寄せつけにくくしたりする効果が期待できます。
ただし、病害虫を完全に防げるわけではないため、補助的な方法として取り入れましょう。
トウモロコシと相性の良い野菜
エダマメ
エダマメは、トウモロコシと相性のよいコンパニオンプランツです。根粒菌の働きによって土に窒素を補給するため、肥料を多く必要とするトウモロコシの生育を助けます。
また、トウモロコシは深く、エダマメは浅く根を張るため、お互いに競合しにくいのも特長です。どちらも夏野菜で栽培時期が近く、管理しやすい組み合わせといえます。
バジル
バジルなどのハーブは、強い香りによって害虫を寄せつけにくいとされています。収穫後は料理に使える実用性の高さも嬉しいポイントです。
カボチャ
バジルなどのハーブは、強い香りによって害虫を寄せつけにくいとされています。また、トウモロコシの茎がつるの支柱代わりにもなります。
ただし、広いスペースが必要になるため、畑や広めの庭での栽培に向いています。植えつけ場所や配置には工夫が必要です。
混植のメリット・デメリット
コンパニオンプランツを取り入れると、病害虫対策や土壌環境の改善、生育を助ける効果が期待できます。
トウモロコシと異なる根の深さを持つ作物を組み合わせることで、収量の向上や土壌改良効果も期待できるでしょう。
一方で、植物同士が日当たりや養分を取り合うこともあるため、株間を十分に確保し、相性のよい組み合わせを選ぶことが大切です。
トウモロコシの育て方|よくある栽培トラブル
トウモロコシ栽培では、発芽不良や受粉不良による実入りの悪さなど、初心者がつまずきやすいポイントがあります。
ここでは、よくある疑問とその原因・対策をQ&A形式で紹介します。
トウモロコシの分けつは取るべき?
基本は取り除かず、そのまま残して問題ありません。
株元から出る分けつは、株を支えて倒れにくくするほか、葉が増えることで光合成が活発になり、生育を助けるとされています。
実や根張りにもよい影響があるため、無理に切り落とす必要はありません。風で株がぐらつくときの支えにもなります。
トウモロコシの除房は必要?
大きく甘い実を育てたい場合は、除房をおすすめします。
1株に複数の雌穂が付いたら、生育のよい1本を残し、それ以外は早めに取り除きましょう。養分が集中して実が充実します。取り除いた若い実はヤングコーンとして食べることができます。
発芽しないのはなぜ?
発芽しない主な原因は、気温・水分・種まきの深さです。
トウモロコシの発芽適温は20℃〜30℃で、10℃以下では大きく発芽率が低下します。早まきする場合は、トンネルやマルチで地温を確保しましょう。
また、極端な乾燥や過湿、種のまいた深さが適していない場合も発芽不良の原因となります。
発芽期は表土が乾いたら水を与え、育苗ポットでは深さ1cm、畑へ直まきするときは深さ2cm〜3cmを目安にまき、土の表面が乾いたら水やりを行ってください。
実がスカスカになるのはなぜ?
実入りが悪くなる主な原因は、受粉不足です。
トウモロコシは風で花粉を運ぶため、株数が少ない家庭菜園やプランターでは受粉が不十分になることがあります。晴れた日の午前中に人工授粉を行うと、実がそろいやすくなります。
また、プランターでは3株以上、畑では2列以上のブロック状に植えると、自然受粉もしやすくなります。
害虫や鳥害はどう防ぐ?
トウモロコシは、アワノメイガによる食害や、カラスなどによる鳥害に注意が必要です。
なかでもアワノメイガは、幼虫が実の中に入り込むため、こまめに株を観察し、見つけたら早めに取り除きましょう。また、防虫ネットを利用すると被害を抑えられます。
鳥害は発芽直後や収穫前に発生しやすいため、防鳥ネットや防鳥テープなどを活用すると安心です。
収穫のタイミングとコツは?
トウモロコシは、ヒゲが茶色くなり、実がしっかり膨らんだ頃が収穫の目安です。
甘みのピークは収穫直後に訪れ、時間とともに糖分がデンプンに変わり味が落ちます。そのため、収穫は早朝に行い、すぐに調理するとよいでしょう。
大量に収穫する場合は、茎を少し残して収穫すると糖度低下を緩やかにできます。冷蔵保存も可能ですが、できるだけ早く食べきるのがおすすめです。
おわりに
トウモロコシは、日当たりや水・肥料の管理、人工授粉などのポイントを押さえれば、初心者でも育てやすい野菜です。収穫のタイミングを見極めれば、採れたてならではの甘みや風味を楽しめます。
家庭菜園で育てたトウモロコシは、市販品では味わえない新鮮なおいしさが魅力です。また、除房で取れるヤングコーンまで味わえるのは、家庭菜園で育てる楽しみのひとつといえます。
この記事を参考に、ぜひ家庭菜園でトウモロコシ栽培にチャレンジしてみてください。
公開日:2020年8月12日
更新日:2023年7月22日
更新日:2025年8月3日
更新日:2025年10月20日
更新日:2026年7月5日
#トウモロコシ #家庭菜園 #特集