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世界中を旅した人が最後にたどりつくカノコユリの島 ~甑島のカノコユリとニシノハマカンゾウ

花の絶景▲カノコユリ

 甑島(こしきじま)列島どこにあるかご存じでしょうか。鹿児島県の西、薩摩川内市から高速船で1時間たらずのところにあります。地元の人によると、「この島に来る人は世界中行っていないところのないような人」だそうです。

初めて訪れたのは『日本の野菊』という書籍の取材をしていた頃。北村四郎博士が、ノコンギクとダルマギクの雑種として発表したコシキギクを見るのが目的でした。ところが、このコシキギク、れっきとした新種であることが、この時に判明しました。ダルマギクはともかく、ノコンギクはこの島に分布しないこともわかりました。季節は11月でしたが、島中いたるところに残っているカノコユリの枯穂を見て、今度は夏に来たいと心が動かぬわけはありません。

 

花の絶景

▲カノコユリ

 それから15年ほどして、その念願は叶いました。鹿児島空港に降り立つと同時に梅雨明けという願ってもないタイミングでした。毎日、朝焼けから夕焼けまで、カノコユリ三昧の数日間でした。カノコユリのほんとうのピークは8月になってからかもしれませんが、それでも十分すぎる個体数が花を咲かせていました。島の植生の特徴としてあげられるのは、種数が少ない代わりに個体数が多いという点がありますが、甑島のカノコユリはまさにその代表です。

 

花の絶景▲ニシノハマカンゾウ

 梅雨明け直後の7月には、もうひとつの夏の主役、ニシノハマカンゾウもまだまだよく咲いていてくれます。固有種というわけではありませんが、東シナ海に面した地方でしか見られないキスゲの仲間です。この島に自生するコシキイトラッキョウが記載されたのは2009年のことですが、まだまだ新種が潜んでいるような気がします。事実、さまざまな分野で甑島の集団が新種ではないかとにらんで研究されているという話を耳にします。  

なにせ、世界中を旅した人が、最後にたどりつく島なのです。

 

撮影・文 いがりまさし

 

 いがりまさし(植物写真家、ミュージシャン) 

 
1960年愛知県豊橋市生まれ。関西学院大学文学部美学科中退。前後して、自転車で「日本一周笛吹行脚」。その後、リコーダーを神谷徹氏に師事。25歳の時、冨成忠夫氏の作品に出会い植物写真を志す。

印刷会社のカメラマンを経て1991年独立。写真家、植物研究家として、幅広いメディアに出稿活動を展開。2009年ごろより音楽活動を再開。

自然と伝承音楽をお手本に、映像と音楽で紡ぐ自然からのメッセージを伝える活動を全国で展開中。主な著書に、『日本のスミレ』『日本の野菊』(以上、山と渓谷社)、『きせつのくさばな100』など多数。音楽CDに「名もなき旋律」など。

 

花の絶景▲カノコユリの群生

 

◎甑島へのアクセス

川内港から高速船で各島の港へ、串木野港からフェリーで各島の港へ。川内へは九州新幹線、JR鹿児島本線、肥薩オレンジ鉄道で、鹿児島空港からはリムジンバスで。

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▲カノコユリ  甑島(こしきじま)列島どこにあるかご存じでしょうか。鹿児島県の西、薩摩川内市から高速船で1時間たらずのところにあります。地元...

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