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スイートマルベリーの育て方!肥料の与え方や収穫時期も紹介

スイートマルベリーの育て方!肥料の与え方や収穫時期も紹介

甘くてジューシーな果実が魅力のスイートマルベリーは家庭でも育てやすく、果実を楽しむだけでなく観賞用としても人気があります。

本記事では、スイートマルベリーの基本的な育て方から、肥料の与え方や収穫のタイミング、気を付けるべき病害虫などを詳しくご紹介します。

スイートマルベリーとは?

スイートマルベリーとはクワ科の落葉小高木で、甘く濃厚な果実を楽しむために育てられる果樹です。別名「甘い桑」とも呼ばれ、果実は黒紫色に熟し、生食のほかジャムやスイーツ、果実酒にも使われます。

春から夏にかけて実をつける姿は美しく、観賞用としても人気です。剪定によってコンパクトに育てることができ、鉢植えでも管理しやすいため、ベランダ菜園にも向いています。

花言葉は「知恵」などです。これは古くから薬用や養蚕に利用され、人の生活に役立ってきた歴史に由来するといわれます。

また、果実にはビタミンやアントシアニンが豊富で、健康志向の方にも注目されている植物です。病害虫に強く、初心者にも育てやすいのが魅力です。

スイートマルベリーの育て方

スイートマルベリーは日当たりのよい場所を好む、比較的丈夫な植物です。水はけのよい土を選び、定期的な水やりと肥料で元気に育ちます。

剪定や病害虫対策を行えば、毎年おいしい実を楽しめます。まずはスイートマルベリーの育て方を見ていきましょう。

品種の選び方

スイートマルベリーは1本で実が成る品種もありますが、基本的に雌雄異株です。自家受粉しづらいため2株以上植えたほうが、好ましいです。

植えつけ・植えかえ

スイートマルベリーの植えつけに適しているのは、根の活動が始まる直前の「春(3〜4月)」または、活動が落ち着く「秋(10〜11月)」です。厳冬期を避けて作業を行いましょう。なお、寒冷地では春植えが無難です。

鉢植えの場合は、8号鉢(直径24cm)以上の大きめの鉢を選びましょう。

また、スイートマルベリーは苗の根詰まりを防ぐため、1〜2年に一度の植えかえが理想です。休眠期の3月〜4月中旬に行いましょう。

植えかえ手順は鉢の古い土を軽く落とし、黒く腐った根があれば切り取ります。休眠期のため根はあまりいじらないようにしましょう。また、鉢底には軽石や鉢底石を敷くことで水はけがよくなります。

植えた後は、根が活着しやすくなるように、株元を軽く押さえてからたっぷりと水を与えましょう。

栽培環境・日当たり

スイートマルベリーを元気に育てるには、日当たりのよい環境に植えつけるのがベストです。

日照不足だと葉が黄色くなったり、花が咲かず実がならなくなったり、実がなっても甘さが足りなくなったりするので注意しましょう。

特にベランダや室内栽培では、光が不足しやすいため注意が必要です。

また、風通しも大切なポイントです。風通しが悪いと湿度がこもり、病害虫が発生しやすくなります。

鉢植えの場合は、定期的に鉢の向きを変えて全体に日が当たるようにすると、葉焼けや偏った成長を防げます。

適した温度

スイートマルベリーは、比較的暑さにも寒さにも強く、日本の多くの地域で栽培可能です。とはいえ、生育のベストな温度帯は15〜25℃で、過度の寒さや暑さには注意が必要です。

マイナス20℃まで耐えられる強さを持ちますが、霜や冷たく強い風にさらされると、枝が傷んだり根が凍結したりしてしまうことがあるため注意しましょう。

また、気温が30℃を超える真夏日は葉がぐったりすることがあるので、土の乾きに注意してこまめに水やりしましょう。高温期は午前中の涼しい時間帯に作業を行うのがポイントです。

適した土

スイートマルベリーは「水はけがよく、通気性のある土」を好みます。

地植えの場合は、あらかじめ植え穴に腐葉土や堆肥を混ぜ込んで、ふかふかの土壌を作っておくと根の張りがよくなります。適応力が強い植物のためやせ地でもよく育ちます。

鉢植えの場合は、園芸店で売られている「果樹用培養土」や「ブルーベリー用の土」などを使えば、pHや通気性のバランスも取れていて安心です。

自分で配合するなら、赤玉土小粒7:腐葉土3の割合が目安です。鉢の底には軽石を敷くことで根腐れ防止につながります。

水やりの頻度

スイートマルベリーは過湿にも乾燥にも弱い植物です。特に鉢植えでは、土の表面が乾いてからたっぷりと与える「乾いたら与える」スタイルが基本です。

朝方の水やりが望ましく、夏場は夕方にも補水が必要な場合があります。

庭植えでは自然の雨に頼ることができますが、乾燥が続く時期には週に1回程度の水やりを行ってください。

新芽や果実が成長する春〜初夏の時期は特に水を欲しがるので、こまめに土の状態を確認し、必要であれば水分の蒸発を防ぐ工夫を行いましょう。

水やりの際は、葉や枝にかけずに株元の土に直接注ぐようにします。葉に水をかけると、病気の原因になることもあるため注意が必要です。

肥料のやり方

スイートマルベリーは適切な肥料を与えることで実つきがよくなります。植えつけ時には元肥として完熟堆肥を土に混ぜ込みます。

有機肥料や肥効期間が2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』などが効果的で、鉢植えの場合は即効性のある『ハイポネックス原液』などの液体肥料も併用できます。

液体肥料を使用する場合は果実ができ始めるタイミングに与えると効果的です。

肥料を一度に与えすぎると、根を傷める恐れがあるため、量は控えめに、回数を分けて与えるのがポイントです。肥料焼けを防ぐため水やりと併用しましょう。

肥料を与える時期

2月から3月に春の成長を促すための寒肥として、緩効性の有機肥料の『ブリリアントガーデン バラの有機肥料』や、堆肥と緩効性肥料がひとつになった『土を豊かにする肥料』を与えるとよいでしょう。

やせ地でもよく育つため追肥の必要はありませんが、行う場合は3月の開花に備えてと6月の花が終わった後にお礼肥として栄養分を補うのがよいタイミングです。

剪定方法

スイートマルベリーの剪定は、健康な成長と果実の質を保つために欠かせない作業です。前年の新しい枝に翌年の花芽がつくため、古い枝は切りましょう。

生長が早く、すぐに大きくなるため、大きくしたくない場合はこの時期に主幹の上の部分を剪定する「芯止め」を行うと、生長の速度を緩やかにする効果が期待できます。芯止めは枝分かれしている根本を切るようにしましょう。

剪定時には、切り口に癒合剤を塗ると病原菌の侵入防止になります。また、剪定後の枝は自治体のルールに従って処分してください。

生育中にスイートマルベリーの木が病気になった場合、病気の枝を他の木に伝染させないよう、特に注意が必要です。

剪定時期

剪定は休眠期の1〜2月が適しています。葉が落ちたタイミングで行うと枝の状態が分かりやすく、傷みも最小限に抑えられます。

また、収穫後に軽く枝を整えておくと次のシーズンの管理が楽になります。夏場の剪定は樹勢を弱め、翌年の実がつかない恐れがあるため注意が必要です。

収穫時期

スイートマルベリーの果実は熟すとぽろりと落ちやすいため、毎日観察してタイミングを逃さないようにしましょう。

5月~6月頃に色が黒紫色になり、指で軽く触れて取れる状態が完熟した合図です。実がなったら野鳥に食べられないように防鳥ネットなどを張っておくと安心です。

完熟した実は非常に甘く糖度が高いため、生食はもちろん、冷凍保存やジャム加工にも適しています。

収穫した果実は傷みやすいため、新聞紙やキッチンペーパーを敷いた容器にそっと並べて冷蔵庫で保存します。

収穫方法

収穫は手で優しく摘み取るか、小さなハサミで果実の付け根を切って行います。果実はつぶれやすく、果汁で服や手が汚れやすいので、収穫時は軍手や収穫用のカゴを用意すると便利です。

収穫後はすぐに冷蔵保存し、できるだけ早く食べるのがおすすめです。雨の翌日などは果実が水分を多く含みやすく味がぼやける場合があるので、できれば晴れた日の午前中に収穫しましょう。

冬越し

冬はスイートマルベリーの休眠期のため、葉がすべて落ちてからは水やりも最小限に抑えます。

耐寒性が強いため特別な冬越しは必要ありませんが、気温が0℃以下になる地域では、鉢を屋内に取り込むか断熱効果のあるもので覆うと安心です。

地植えの場合、株元を腐葉土や藁でマルチングすることで、地温の低下を防ぎます。

また、雪が積もる地域では枝が折れることがあるため、支柱を立てるか枝を軽く縛って保護するのも効果的です。

夏越し

夏場は高温による乾燥と日差しによる葉焼けを防ぐのが課題です。鉢植えは特に土が乾きやすくなるため、朝と夕方の2回水やりを行うことが多くなりますが昼間の高温時の水やりは避けましょう。

また、直射日光が強すぎる場所では葉が黄色くなったり、しおれたりすることがあります。ベランダや庭の一部に遮光ネットを張ることでダメージを減らせます。

鉢が熱を持たないように、鉢カバーを使用したり、地面との間にすのこを敷いたりするのも有効です。

スイートマルベリーの増やし方

スイートマルベリーは、比較的手軽に増やすことができる果樹で、中でも一番簡単なのが挿し木です。

挿し木に適した時期は、梅雨時の6〜7月ごろです。その年に伸びた元気な枝を10〜15cmほど切り取り、葉がついている場合は上の2〜3枚だけを残して、あとは取り除いておきましょう。

切り口は斜めにカットし、発根促進剤を塗っておくと成功率がアップします。

赤玉土や挿し木専用の培養土を使い、土を湿らせたうえで深さ3〜5cmほど差し込みます。密集させすぎず、明るい日陰に置いて乾燥しないよう注意発根を待ちます。

根が出るまでには1ヵ月〜2ヵ月ほどかかりますが、発根したら鉢に移して徐々に日光に慣らして育てていきます。

挿し木のほかにも取り木・種まきでスイートマルベリーを増やせます。

取り木は枝の一部の皮を剥いで発根させる方法で、種まきは熟した果実から種を取り出す増やし方です。

初心者の方は挿し木から始めるのがよいでしょう。

スイートマルベリーを育てるときに気をつけるべき害虫

スイートマルベリーには比較的害虫がつきにくいですが、樹勢が弱ったときに発生しやすいのがカミキリムシとアメリカシロヒトリです。

定期的な観察と早期発見が大切です。

カミキリムシ

カミキリムシはスイートマルベリーの大敵ともいえる害虫で、特に注意したいのはその幼虫のテッポウムシです。

成虫は初夏から秋にかけて活動し、幹や株元に卵を産みつけ、ふ化した幼虫が木の内部に入り込んで幹を食い荒らします。

これにより木が弱ることや、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。

幹に小さな穴や木くずのような粉(フラス)が出ていたら、内部に幼虫がいるサインです。見つけた場合は、殺虫剤を幹に注入するか、針金などを使って取り除きます。

発見が遅れると手遅れになることもあるため、日ごろから株元をよく観察し、予防として株周りを清潔に保つことも大切です。

アメリカシロヒトリ

アメリカシロヒトリは、スイートマルベリーの葉を食べ尽くすことで知られる害虫で、特に6月〜9月の間に発生しやすくなります。

成虫が葉の裏に卵を産み、ふ化した幼虫が集団で活動して葉を一気に食害します。発生すると一晩で葉がスカスカになることもあり、早期発見と迅速な対応がカギです。

巣のような白い糸を見つけたら、すぐにその部分の葉ごと取り除き、焼却や袋に密閉して処分しましょう。

発生が広がっている場合は、市販の殺虫剤の使用も有効です。

また、普段から枝葉をすっきり剪定して風通しのよい環境を保つことで、発生の予防につながります。

スイートマルベリーの注意するべき病気

スイートマルベリーは病気に強い反面、萎縮病や実菌核病などがまれに発生します。風通しと水はけをよくすることが予防のポイントです。

萎縮病

萎縮病(いしゅくびょう)は、葉や新芽が縮れたり変色したりして、株全体の成長が鈍くなる病気です。

見た目には、葉がしおれたり小さく丸まって見えたりするのが特徴で、「なんだか元気がないな」と感じたら、この病気に罹った可能性があります。

萎縮病は主にウイルスや細菌が原因で、アブラムシが媒介することが多いため、アブラムシ対策が重要です。

一度感染すると治すのが難しく、放置すると病気が他の枝や株全体に広がってしまうこともあります。

発症した枝を見つけたら、早めに切り取って切り口には消毒を施すと安心です。普段から風通しのよい環境を保ち、病気が出にくい丈夫な株づくりを心がけましょう。

予防法・対処法

萎縮病の予防には、アブラムシの駆除と、剪定による風通しの確保が重要です。定期的に葉裏を確認し、薬剤での防除も行いましょう。

病気の枝は早めに切り取り、剪定後は剪定バサミの消毒も忘れずに。株ごと処分が必要な場合もあります。

実菌核病

実菌核病は、果実に現れる白カビのような斑点がやがて茶色く変色して腐敗し、最終的には果実が落ちてしまう病気です。

梅雨などの湿気が多い時期に発生しやすく、特に風通しが悪い環境では感染が広がりやすくなります。

放置すると周囲の果実や葉にも感染し、収穫量が大幅に減少することもあるため、早期発見・対処が重要です。

初期症状として、果実の表面に白っぽいカビが見られたら実菌核病を疑いましょう。発病した果実はすぐに取り除き、できれば株全体をチェックして他の異変も確認します。

日頃から剪定で風通しをよくし、水はけのよい環境を整えることが予防につながります。

予防法・対処法

実菌核病の予防には、湿度管理と剪定による風通しの確保が効果的です。梅雨前には殺菌剤を散布し、果実や葉が密集しすぎないように剪定しましょう。

発病果は早めに処分し、周囲の果実や葉も丁寧に点検します。

スイートマルベリーはベランダでも育てられる?

スイートマルベリーは鉢植えでの栽培にも適しているため、ベランダでも十分育てることができます。特に南向きで日当たりのよいベランダなら、果実の甘みも乗りやすく元気に育ちます。

ただし、風通しが悪い環境では蒸れや病害虫の原因となるため、鉢の位置をこまめに変えたり、サーキュレーターを活用したりするのも効果的です。

また、ベランダでは土が乾きやすいため、受け皿に鉢を置いて排水をチェックするなどの水切れを防ぐ工夫も大切です。

真夏は朝夕の2回水やりが必要になることもあります。

鉢のサイズや高さを抑えたコンパクトな剪定を行えば、省スペースでも育てやすいでしょう。

収穫の楽しみがありながら、果樹栽培の魅力を味わえるスイートマルベリーは、ベランダガーデニングの入門としてもぴったりです。

まとめ

スイートマルベリーは初心者でも育てやすく、果実の収穫も楽しめる植物です。日当たりと風通し、水やりや肥料のタイミングを押さえれば、毎年元気に育ってくれます。

鉢植えでも育てられるため、庭がない方でも気軽に挑戦できます。ぜひ本記事を参考に、スイートマルベリーのある暮らしを始めてみてください。

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