更新日:2025.11.12
ワイヤープランツの育て方|おすすめの飾り方や枯れる原因を紹介
細長い茎と小さな葉がおしゃれなワイヤープランツは、人気の高い観葉植物のひとつです。
丈夫で生育旺盛なため初心者が育てるのに適していますが、一方で剪定や水やりなど、いくつか気を付けたいポイントもあります。
そこでこの記事では、ワイヤープランツを育てるコツや注意点、枯れる原因などを紹介します。
この記事を参考にして、ぜひワイヤープランツで素敵な空間づくりを楽しんでください。
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ワイヤープランツ

学名 Muehlenbeckia axillaris 科名 タデ科 原産地 ニュージーランド 分類 匍匐性常緑小低木 耐寒性 やや強い 耐暑性 強い 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月開花時期植えつけ・植えかえ施肥剪定地植え鉢植えさし木
- 目次
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- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- ワイヤープランツの育て方|基本情報
- ワイヤープランツの育て方|基本的な育て方
- 日当たり・置き場所
- 適切な温度・湿度
- 最適な用土
- 株の選び方
- 植えつけ方法
- 水やりの方法
- 肥料の与え方
- 剪定方法
- 夏越し・冬越しのポイント
- ワイヤープランツの育て方|増やし方
- さし芽
- 水さし
- 植えかえ
- ワイヤープランツの育て方|気をつけるべき害虫
- ハダニ
- アブラムシ
- 対処法
- ワイヤープランツの育て方|枯れる原因と対処法
- 【原因1】水切れ
- 【原因2】乾燥
- 【原因3】日照不足
- 【原因4】葉焼け
- 【原因5】根腐れ
- 【原因6】根詰まり
- 【原因7】霜に当たる
- ワイヤープランツの育て方|よくある質問
- ワイヤープランツが増えすぎたら?
- ワイヤープランツのおすすめの飾り方は?
- まとめ
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘237:【Q&A】ワイヤープランツの育て方|どんな場所で育てたらよいの?水やりや肥料、増やし方もご紹介
ワイヤープランツの育て方|基本情報
ワイヤープランツは、ニュージーランド原産の匍匐性常緑小低木(ほふくせいじょうりょくしょうていぼく)です。
名前の通り、細いワイヤーのような茎をもち、横に這うように伸びるのが特長です。動きのある可愛らしい姿が寄せ植えのアクセントとして親しまれています。
ある程度寒さに強く生育旺盛のため、初心者でも育てやすい植物です。
また、ワイヤープランツは、品種によって葉の形や色合いが異なります。
白色とピンク色の斑が入った「ミューレンベッキア・スポットライト」や、2cm程度の大きくて丸い葉をつける「ミューレンベッキア・コンプレクサ」などの品種が日本でよく流通しています。
ワイヤープランツの育て方|基本的な育て方
ここからは、ワイヤープランツの育て方について詳しく解説します。丈夫で育てやすい植物ですが、育て方を間違えると枯れてしまうことがあるため注意してください。
特に初心者の方は、この章を参考にして、ワイヤープランツの可愛らしい姿を長く楽しんでください。
日当たり・置き場所
ワイヤープランツは室内でも屋外でも元気に育ちます。
屋外であれば、日当たりと風通しのよい場所を選びましょう。ただし、夏の直射日光は葉焼けを起こす可能性があるため注意してください。
耐陰性にも優れているため、真夏は半日陰に移動させても元気に育ちます。
室内で育てる場合は、レース越しの日光が入るような明るい場所に置いてあげましょう。
エアコンや扇風機の風があたると、葉が乾燥して痛んでしまうため注意してください。
また、室内と屋外の出し入れを頻繁にすると、紫外線量や環境変化により、生育に悪影響を及ぼします。そのため、置き場所はできるだけ固定して育てましょう。
適切な温度・湿度
ワイヤープランツの生育適温は、20℃前後です。比較的寒さに強い植物なので、最低-5℃程度まで耐えることができます。
葉は、寒くなると一時的に落ちますが、春になれば新芽がたくさん出てくるので心配いりません。
ただし、暖かい室内で育てた株を冬場に屋外に出すと、急激な寒暖差で枯れてしまう恐れがあるため注意してください。
屋外にて地植えで育てる場合は、根がしっかりと張れば冬越しも可能です。
鉢植えの場合は根が凍結すると枯れてしまうので、冬場は軒下や霜よけのある場所に置きましょう。
また、適度な湿度を好む植物のため、乾燥すると葉が弱る恐れがあります。
定期的に霧吹きで葉水を与えたり、室内なら加湿器で一定の湿度を保つのもおすすめです。
最適な用土
ワイヤープランツは、水はけと通気性がよい土壌を好むため、市販の草花用培養土『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』または観葉植物用培養土を使用するとよいでしょう。
培養土を使用する場合は、軽石や赤玉土小粒を2割程度混ぜてあげると、さらに排水性を高めることができます。
自分で配合する場合は、赤玉土小粒6、腐葉土3、パーライトもしくは軽石1の割合で混ぜたものを用いると良いでしょう。
基本的には痩せた土地でもしっかり育つ丈夫な植物であるため、肥料を与えすぎる必要はありません。
株の選び方
ワイヤープランツの株は、全体にボリュームがあり、葉がよく茂っているものを選びましょう。全体的に光沢があり、葉が艶やかで、鮮やかな緑色をしているものは健康な証拠です。
反対に、葉が柔らかくなっているものや茎にハリがないもの、全体的に黄色っぽい株は、日照不足の可能性があります。
また、グラグラして不安定な株も避けましょう。しっかりと張りが感じられる、安定感のある株を選んでください。
植えつけ方法
植えつけの適期は春と秋ですが、基本的には1年中可能です。ただし、真夏と真冬は根に負担がかかるため避けましょう。
グランドカバーとして地植えする場合は、日当たりと水はけに優れた場所を選んでください。
植えつける前に、腐葉土を混ぜ込んでおくと、保水性と排水性が高まります。
表面が揃うように丁寧に植えたら、土を被せて最後に水をたっぷり与えます。
ワイヤープランツは生長が早く、ボリュームが何倍にも広がることがある植物です。
初心者の方は、株の数は控えめに挑戦してください。
水やりの方法
地植えのワイヤープランツは、根が張ればほとんど水やりの必要はありません。
ただし、夏場の高温期に晴天が続く場合、夕方の涼しい時間にたっぷりと水やりをしてください。
鉢植えの場合は、季節ごとに水やりの方法を変えてあげます。生育期の春~夏は、土の表面が乾いたときに鉢底から流れ出るまでたっぷりと水やりをしましょう。
このとき、受け皿に溜まった水は根腐れ防止のため捨ててください。
冬場は、土の表面が乾いてから2~3日後に、暖かい時間帯を選んで水やりをします。乾燥する時期のため、水やりと一緒に葉水も行うとよいでしょう。
温度が低い時間に水やりをすると、根や葉が傷む原因になるため注意してください。
肥料の与え方
植えかえの際に元肥として、緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込んでおけば、それだけで十分に育ちます。
元肥を混ぜ込んでいない場合や、葉をより茂らせたり葉色を濃くしたい場合は、追肥をしてあげましょう。
5月~10月の生育期に2ヵ月に1度置き肥『プロミック 観葉植物用』します。もしくは2週間に一度、水やり代わりに水で薄めた液肥『ハイポネックス原液』を与えます。
ただし、肥料を与えすぎると根が傷むため注意しましょう。
剪定方法
ワイヤープランツは生長が早く、放っておくとつるが伸びて草姿が乱れやすい植物のため、適宜剪定する必要があります。
見た目を整えて風通しを良くし、株を健康に保ちましょう。
剪定をせずに伸ばし続けてしまうと、枝の先端に栄養が集中してしまい、根元がスカスカになってしまう恐れがあるため注意してください。
剪定におすすめの時期は春ですが、株が元気であればいつ剪定しても構いません。特に室内の場合は、通年剪定できます。
剪定の際は、伸びすぎたり傷んだりした葉や茎を切ります。葉が出ている茎なら、どこから切っても差し支えありません。
また、根詰まりを起こしているときや、形を整えるときは、こまめに剪定するとよいでしょう。
夏越し・冬越しのポイント
ワイヤープランツに、特別な夏越しの準備は必要ありません。ただし、乾燥に弱いため、土が乾いたときには朝や夕方の涼しい時間帯にたっぷりと水やりをしてください。
また、比較的寒さにも強いため、屋外での冬越しも可能です。
ただし、霜が直接当たると葉が落ちてしまうため、霜よけ対策や軒下などで管理すると安心です。
また、室内でも冬場の窓際は気温が下がるため、少し離しておいてください。暖房器具やエアコンの風が直接当たる場所も避けるのがおすすめです。
冬場はやや乾燥気味に管理します。土が完全に乾いてから、暖かい日中の時間帯に水やりをしましょう。
ワイヤープランツの育て方|増やし方
ワイヤープランツは、おもにさし芽もしくは水さしで増やします。
種から増やすこともできますが、時間がかかるうえに管理が大変なため、あまりおすすめできません。
ここでは、さし芽と水さしの2通りの方法を、それぞれ詳しく紹介します。
さし芽
さし芽は、ワイヤープランツの増やし方の中で最も成功率が高い方法です。5月~6月または猛暑が終わった9月ごろに行いましょう。
5cm~10cm程度の枝を葉のついたままカットし、枝の下葉を1/3程度取り除きましょう。
さし木用の培養土など、水はけが良く、肥料成分の少ない土にしっかりとさし込みます。このとき、上下を間違えないように注意してください。
さし芽をしたあとは明るい日陰で管理して、発根するまでは水切れしないよう、しっかり水やりをしましょう。
1ヵ月~2ヵ月程度で発根し、新芽が伸びてきます。
水さし
ワイヤープランツは、水さしでも手軽に増やすことができます。適期は、5月~6月ですが、真夏および真冬を避ければいつでも行うことができます。
使用する枝は、葉のついた健康なものを選びましょう。枝を6節~7節程度の長さでカットして、水に浸ける部分の下葉を取り除きます。
枝は、清潔でよく切れるナイフで斜め切りすると、発根しやすくなります。
枝を、ガラス容器やグラスに入れ、清潔な水にさします。水は傷みやすいため、毎日こまめに入れかえましょう。
また、室内の明るい場所に置くこともポイントです。1週間〜2週間ほどで根が出てきたら、土に植えかえて育てます。
植えかえ
ワイヤープランツは生長が早い植物のため、最低でも2年に1回は植えかえしましょう。
鉢の表面が根で覆われたり、水やりの後に水がしみこみにくくなったりしたら、根詰まりのサインです。
春や秋の気温が安定した時期に行ってください。
植えかえの際は、一回り大きな鉢を用意します。鉢底に軽石を敷き、用土を入れましょう。
鉢からワイヤープランツをやさしく引き抜いたら土を軽く落とし、傷んだり黒ずんだりした根を取り除きます。
新しい鉢に株を入れて、根の部分にすき間なく土を埋め込み、土の上から軽く押さえれば植えかえ完了です。
最後は鉢底から水が出るまでたっぷりと水やりをしてください。
植えかえ後は、明るい日陰で数日間休ませてから通常の場所に戻すと、根が落ち着きやすくなります。
ワイヤープランツの育て方|気をつけるべき害虫
ワイヤープランツは丈夫な植物で、病気や害虫の被害は比較的少ない方です。
しかし、環境によってはハダニやアブラムシが発生することがあります。早めに発見して、被害を最小限に抑えましょう。
ハダニ
乾燥する時期に発生しやすく、葉の裏に白っぽい斑点やクモの巣のような糸が見えるのが特長です。
湿気を嫌うため、こまめな葉水が予防に効果的です。また、風通しを良くすることも発生を防ぐポイントです。
アブラムシ
春から秋にかけて発生しやすく、新芽や茎に群がって植物の養分を吸汁します。放置すると株が弱ってしまうため、見つけ次第すぐに対処しましょう。
アブラムシは、化学肥料に含まれるアミノ酸に引き寄せられるため、化学肥料を必要以上に与えないようにしてください。
対処法
害虫を見つけたら、付着している枝ごと切り取りましょう。
また、ツルや枝が混みあっていると害虫は発生しやすくなります。こまめに剪定して風通しを良くしておきましょう。
ワイヤープランツの育て方|枯れる原因と対処法
丈夫で育てやすいワイヤープランツですが、環境や管理方法により枯れてしまうこともあります。
ここからは、ワイヤープランツが枯れてしまうおもな原因とその対策をまとめました。
【原因1】水切れ
水切れを起こすと、ワイヤープランツの葉がポロポロと落ちたり葉が黄色く変色したりすることがあります。
特に生育期である夏場は、水切れを起こしやすいので注意しましょう。
土が乾く前にたっぷりと水やりすることがポイントです。冬場は休眠期に入るためやや乾燥気味で管理しましょう。
【原因2】乾燥
葉がチリチリになって枯れたときは、乾燥が原因です。ワイヤープランツは、葉の表面が乾きやすかったり、水分が不足しやすくなったりするため注意しましょう。
特に室内で育てる場合、エアコンの風で乾燥する恐れがあるため、直風が当たらない場所に置いてください。
また、屋外で育てる場合、強い日差しも乾燥の原因となります。
葉が乾くとハダニが発生しやすくなるため、直射日光を避けて葉水や感想を意識して育てましょう。
【原因3】日照不足
ワイヤープランツは日光を好む植物のため、日照不足になると弱ってしまい、茎が間延びした「徒長(とちょう)」を起こします。
葉がヒョロヒョロと弱くなり、最終的に枯れてしまうので、明るい日陰や日当たりのよい場所に移動してあげましょう。
【原因4】葉焼け
直射日光に長時間当てると葉焼けを起こしてしまいます。
葉焼けで変色した葉は元には戻りませんが、元株が生きていれば、明るい半日陰に移動し、水やりと葉水を与えれば復活の可能性があります。
元気そうな枝をさし芽することで復活の可能性もあるため、チャレンジしてみてください。
【原因5】根腐れ
ワイヤープランツは、水を与え過ぎると根腐れを起こすことがあります葉先まで養分や水分が届かなくなり、葉が落ちてしまいます。
根腐れを防ぐには、土が乾いてから水やりをするようにしましょう。
土から嫌な臭いがしたり、土の表面に白いカビが生えたりしているときは、水やりを控えてください。
根腐れを起こした場合は、傷んだ根を取り除いて新しい土に植えかえましょう。
【原因6】根詰まり
鉢植えの場合、1年程度で根詰まりを起こす可能性があります。根詰まりを起こすと水切れを起こしやすく、根が弱まってしまう恐れがあります。
鉢底から根が出ていたり、吸水が悪くなったりしたら、根詰まりを起こしているサインです。一回り大きな鉢へと植えかえしてあげましょう。
【原因7】霜に当たる
ワイヤープランツは凍結に弱いため、霜が当たると葉が落ちたり枯れたりしてしまうことがあります。
冬場に霜がおりやすい地域では、室内や軒下に移動してあげましょう。移動できない場合は根元に、落ち葉やわら、ビニールを敷いて霜よけをしてください。
ビニールは、株に密着すると蒸れてしまう恐れがあるため、ゆとりを持たせてかけてください。
ワイヤープランツの育て方|よくある質問
ワイヤープランツを育てていると、様々な疑問や不安が生じるかもしれません。
そこでよくある質問と対策方法をまとめました。
ワイヤープランツが増えすぎたら?
ワイヤープランツは、丈夫で生長が旺盛な植物のため、放置しているとあっという間に増えすぎてしまいます。増えすぎたツルは剪定してスッキリさせましょう。
密集している部分は株ごと間引きするのもおすすめです。
また、常日頃から増えすぎないように生育期の春と秋にしっかり剪定し、月に1回程度軽くカットしてあげると増えすぎを防げるでしょう。
ワイヤープランツのおすすめの飾り方は?
ワイヤープランツは寄せ植えのアクセントにおすすめです。季節の花と組み合わせると、四季折々のさまざまな表情が楽しめます。
また、垂れ下がるように育つ性質を利用して、ハンギングにするのも素敵です。
水耕栽培も可能なので、花瓶に飾るとキッチンや室内でも楽しむことができます。
剪定した枝がたくさんある場合は、リースやスワッグに再利用することで、飾り方の幅を増やすことができます。
まとめ
ワイヤープランツは、丈夫で初心者の方でも育てやすい観葉植物です。水やりや剪定のタイミングなどを抑えておければ、可憐な姿を長く楽しむことができます。
また、グランドカバーや寄せ植え、ハンギングなど好みに合った飾り方ができるのも魅力です。
「丈夫でおしゃれな観葉植物を育ててみたい」という方は、ぜひワイヤープランツの栽培にチャレンジしてみてください。
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