【家庭菜園】 【ホウレンソウの育て方】短期間で収穫可能!栽培のコツや注意点、おすすめ品種

ホウレンソウは種まきから1ヵ月~2ヵ月で収穫できる野菜です。春まき・夏まき・秋まき品種があり、1年を通して栽培できるのも魅力です。ぜひお庭やベランダで家庭菜園にチャレンジしてみましょう。
今回は、ホウレンソウの基本情報や育て方、管理方法などをご紹介します。また、家庭菜園におすすめの品種もお伝えするため、これからホウレンソウ栽培に挑戦する方はぜひ参考にしてみてください。
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘117:【Q&A】ホウレンソウの育て方|夏や冬の管理方法は?植えつけ方法や、水やりと肥料の与え方などもご紹介
ホウレンソウは栄養豊富な緑黄色野菜
ホウレンソウは緑黄色野菜のなかでもとくに栄養豊富なことで知られています。原産地は西アジアといわれており、各地で古くから栽培されてきた歴史があります。
ホウレンソウにはさまざまな品種があり、季節を問わずに収穫されています。ただし旬の時期は冬とされており、寒い時期には甘みのあるホウレンソウがたくさん食べられます。
家庭菜園で収穫したホウレンソウも、おひたしやソテー、サラダや汁物など、さまざまな料理で活躍するでしょう。
春まき品種・夏まき品種・秋まき品種
日本では主に春に種をまく春まき品種と、秋に種をまく秋まき品種が育てられています。
また、現在では夏に種まきできる夏まき品種も存在します。夏からホウレンソウの家庭菜園を始めたい場合は、夏まき品種を探して育ててみましょう。
ホウレンソウのおすすめ品種

現在、ホウレンソウにはたくさんの品種があります。どれを選んだら良いか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
こちらでは、ホウレンソウのおすすめ品種をピックアップしてご紹介します。
オシリス
家庭菜園初心者にもおすすめで、育てやすい品種のひとつが「オシリス」です。
寒さに強く、低温でも良く伸びるためお手入れしやすく、肉厚の葉を持つホウレンソウを収穫できます。また、葉の色が濃く、軸が折れにくいのも特長です。
寒締め吾郎丸
「寒締め」とは、野菜や果物などを収穫する前に寒さに当てる栽培方法のことです。ホウレンソウのように耐寒性の強い野菜に向いています。
寒締め栽培をすることで甘みが強くなるといわれているため、ぜひ試してみることがおすすめです。
「寒締め吾郎丸」は寒締めに適した耐寒性の強い品種です。寒さに当てることで甘みが増します。アクや渋みなども少なく、食べやすいのが魅力です。
タフスカイ
「タフスカイ」は耐暑性がある早生品種です。8月~9月頃の種まきにも適しており、秋~年内にかけての収穫を目指せます。
夏はホウレンソウの生育が揃いにくいといわれていますが、こちらの品種は生育が揃いやすく、一斉に収穫したい場合にもおすすめです。
冬ごのみ
「冬ごのみ」は寒さに強い中生品種です。秋から冬にかけて収穫するのに向いています。アクの少なさや気温の低下にともなう葉柄の甘さが持ち味です。
葉の数が多く、葉柄がしなやかで折れにくいため、根張りや作業性に優れています。
シューター
「シューター」は、春・秋の温暖な気象条件でも徒長が少なく株張り良く仕上がる品種です。べと病への抵抗性に加え、根張り良く、葉の幅広さと葉数をそなえるため収量が安定します。
ハイサンピア
冷涼地での春・秋播き栽培に適した「ハイサンピア」は、葉柄が太く株張りの良い品種です。葉色が濃い緑色で葉肉が厚く、幅広い葉型が特長です。
また、葉柄に柔軟性があるため収穫が容易にできます。
サマートップセブン法蓮草
「サマートップセブン法蓮草」は春から夏にかけて種をまきたいときに適しています。
葉先は少しとがっており、全体的に濃い緑色をした肉厚な葉をつけます。べと病に抵抗性を持ち、萎凋病にもなりにくいです。
春まき日本ほうれん草 晩抽やまと
「春まき日本ほうれん草 晩抽やまと」は、春まきにおすすめの品種です。べと病などの耐病性があるほか、株張りが良いのも魅力です。根元は鮮やかな赤色に染まります。
ホウレンソウの育て方|お庭やベランダでホウレンソウを育ててみよう

ホウレンソウは、プランターでも畑でも育てられます。お庭やベランダで、ぜひホウレンソウを栽培して収穫しましょう。こちらでは、ホウレンソウの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
プランター栽培の場合、『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』がおすすめです。ホウレンソウは根を長く伸ばすため、プランターは深さのあるものを選びましょう。
地植えの場合、まずは苦土石灰を混ぜて酸度を調整しておきます。1週間~2週間経ったら堆肥を混ぜておきましょう。
また、ホウレンソウは暑さに弱いため、とくに夏場に直射日光の当たる場所は避けて植えます。地植えの場合は移動させられないため、最初から半日陰のところへ種まきしてあげましょう。
種まき
ホウレンソウの種は硬く、そのまままいても発芽しないことがあります。発芽しやすいように処理された種を購入しておきましょう。
種まきの時期は品種によって異なります。中間地の場合、春まき品種は3月~5月、夏まき品種は7月~9月、秋まき品種は9月~11月にまくのが目安です。
お住まいの地域や品種によって、最適な時期は変わります。発芽適温は15℃~20℃とされているため、気温を見て判断しましょう。
ホウレンソウの種はプランターや畑に直接まいてかまいません。ぱらぱらとばらまきにするか、細い溝を掘ってすじまきにするのが一般的です。土は1cmほどかぶせましょう。
その後、たくさん水を与えます。種まきから3日~4日経ったら発芽します。本葉がついたら、元気なものを残して間引きましょう。最終的に、株間が5 cm~6cmになるよう調整します。
水やり
ホウレンソウは乾燥を嫌います。プランター栽培でも地植えでも、晴れている日は水をあげましょう。
ただし、水のやりすぎは根腐れを発生させることがあります。土の表面が乾いていなければ様子を見て、水やりを控えましょう。
肥料
美味しいホウレンソウを育てるには、適切なタイミングで肥料を与える必要があります。植えつけ時には元肥として『マグァンプK中粒』を与えましょう。
最初の追肥は間引きの際に行います。『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を与えましょう。その後は葉の色を見て、黄色くなりそうな場合は再度追肥しましょう。
収穫
ホウレンソウは生長がはやく、種まきから1ヵ月~2ヵ月で収穫できます。種まきの時期が冬に近づくほど収穫までの期間は長くなると考えておきましょう。
品種にもよりますが、草丈がだいたい25cmになったら収穫です。根元をよく切れるハサミで切るか、根っこごと引き抜いて収穫しましょう。
ホウレンソウの育て方|冬を乗り越えると甘くなる? 美味しいホウレンソウを収穫するには

ホウレンソウは幅広い時期に収穫可能な野菜です。寒さに当てるととくに甘くなるため、晩秋の種まきにチャレンジしても良いでしょう。
ただし、美味しいホウレンソウを収穫するにはいくつかのポイントに気をつけるのが大切です。最後に、ホウレンソウの管理方法をご紹介します。
アブラムシ対策
温暖な時期にホウレンソウを育てる場合、アブラムシが発生することがあります。アブラムシは集団で棲みつき、ウイルスを媒介するケースが多く見られます。
放っておくと増えてしまうため、見つけたらすぐに駆除しましょう。アブラムシを専用の薬剤で対処可能です。予防のためにも薬剤を使っておくのがおすすめです。
また、日当たりや風通しの悪い場所で発生しやすくなるため、発生しにくい環境づくりも重要です。
うどんこ病対策
ホウレンソウ栽培で気をつけたいのがうどんこ病です。風通しが悪かったり、過湿になったりすると発生することがあります。
うどんこ病になった部分は取り除きましょう。うどんこ病も専用の薬剤で対処可能です。予防のための薬剤の使用もおすすめです。
べと病対策
ホウレンソウ栽培でとくに気をつけたい病害のひとつが「べと病」です。カビの一種である糸状菌が原因となって生じる病気で、発症すると葉に斑点ができ、次第に広がって枯れてしまうことがあります。
収穫量が大きく減ってしまうため、しっかりと対策することが大切です。
べと病は気温が低く、湿度の高い曇りや雨の日が続くと起こりやすいといわれています。とくに、春と秋には被害を受けやすいため注意が必要です。
この時期にホウレンソウ栽培をする場合、べと病に強い品種を選んで植えたほうが良いでしょう。種の袋をチェックし、べと病への抵抗性があるものを購入すると安心です。
また、密植になって風通しが悪くなったり、肥料のチッソ分が過剰になったりすることでも、べと病が発生しやすくなるとされています。複数株を植えるときには株間をとり、日当たり・風通しが良い状態にしましょう。
水はけの良い状態を保つこともポイントです。肥料はチッソ・リンサン・カリなどの成分がバランスよく含まれたものを選び、適切な量や頻度を心がけて施しましょう。
それでもべと病が発生したら、早い段階で対処することが重要です。発病した株は処分しましょう。
連作障害
ホウレンソウは連作障害を起こすことがあります。生育が悪くなったり、病害虫被害を受けやすくなったりする可能性があるため注意が必要です。
ホウレンソウを収穫した後、すぐに同じ土へ種まきするのは避けましょう。1年~2年あければ、また栽培できるようになります。
夏の管理
夏にホウレンソウを育てる場合は、暑さへの対策が必要です。基本的に、ホウレンソウは25℃を超えると生育が停滞してしまうため注意しましょう。強い直射日光が当たる場所は避けて管理するのが大切です。
また、梅雨の時期は雨にたくさん当てないように注意が必要です。プランター栽培なら雨の当たらない場所へ移動させ、地植えの場合は雨除けをつくっておきましょう。
冬の管理
ホウレンソウは寒さに当てることで身が締まり、甘みが増すといわれています。霜に当てても平気で、むしろ美味しくなるのが特徴です。
ただし、-10℃以下になる場合は枯れてしまうことがあるため保温しておきましょう。
また、ホウレンソウは寒さに強いものの、気温が下がりすぎると発芽しにくくなります。秋まき品種を11月頃から育てる場合、種まきの後に不織布をかけて防寒対策しましょう。芽が出て本葉がつく頃には、不織布を取って育てられます。
寒さが厳しい場合は不織布や寒冷紗でトンネルをつくってあげると、葉先が傷みにくくなるでしょう。
おわりに

ホウレンソウは育てやすい野菜で、種まきから収穫までの期間も短いのがメリットです。管理がしやすいため、家庭菜園初心者にもおすすめです。
お住まいの場所や季節に合った品種を選んで栽培していきましょう。
公開: 2020年9月9日
更新: 2022年10月17日
更新: 2025年4月14日
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