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アブラムシの駆除方法とは?初心者でも簡単にできる5つの対策

アブラムシの駆除方法とは?初心者でも簡単にできる5つの対策

野菜や花を育てていると、アブラムシという小さな害虫に悩まされることがあります。

数ミリほどの小さな虫ですが、放置すると一気に増え、せっかく育てた植物を弱らせてしまうおそれがあります。

そこで今回は、ガーデニング初心者でも実践しやすい「アブラムシの駆除方法・対策」をご紹介します。

本記事を参考に適切な知識を身につけて、アブラムシの被害を最小限に抑えましょう。

アブラムシの駆除|特長と主な被害

アブラムシとは?

アブラムシは1〜4mm程度の小さな昆虫で、緑・黒・赤褐色など、さまざまな体色の個体がいます。

植物によって寄生する種類が異なり、日本には700種以上のアブラムシが生息しているとされます。

大きな特長として、高い繁殖力があります。

暖かい季節にはメスだけで子を産む「単為生殖」で増え、中には生まれた子虫の体内にすでに次世代の胚がある「胎生単為生殖」を行う種類もいます。

このため、生まれた個体は約10日で成虫になり、短期間で爆発的に増殖します。

多くの種類は冬を卵で越冬しますが、暖かい地域では成虫のまま越冬する場合もあります。

こうした特長から、早期発見と継続的な対策が欠かせない害虫といえるでしょう。

アブラムシが植物に与える被害

アブラムシは針のように細い口器を茎や葉に刺し込み、そこから植物の栄養や水分を吸い取ります。吸汁の影響で生長が鈍くなり、葉の縮れ・黄化・変色・落葉などの症状が出やすくなります。

特に、新芽や花芽といった柔らかい部分は被害を受けやすく、株全体の活力が低下するため注意が必要です。

さらに、ウイルス病の媒介にも要注意です。モザイク病や萎縮病などのウイルスを植物にうつしやすく、一度感染すると薬剤では治療できません。

アブラムシの個体数が増えるほど、ウイルスが短期間に広がるリスクが急速に高まります。

また、アブラムシの排せつ物(甘露)に含まれる糖分を栄養源として黒いカビが繁殖する「すす病」も発生します。

葉や茎の表面が黒く覆われると光合成が妨げられ、株全体の生育が一段と悪化します。

こうした被害が重なると、花や実のつき方が大幅に減少し、株全体が弱って枯死することもあります。

アブラムシが発生しやすい植物

アブラムシは多くの植物に寄生しますが、以下のような種類で発生しやすくなります。

野菜類

  • アブラナ科(コマツナ・ハクサイ・キャベツなど)
  • ナス科(トマト・ナス・ピーマンなど)
  • マメ科(エンドウ・ソラマメなど)

花類

  • バラ
  • キク
  • ペチュニアなどの園芸植物

果樹類

  • ウメ
  • モモなどバラ科果樹

雑草類(発生源になりやすい)

  • ナズナ
  • カラスノエンドウなど

野菜や果樹では、花芽や実がつく前の大事な時期に吸汁されると、収量や品質に大きな影響が出ることがあります。

また、近くにナズナやカラスノエンドウなどの雑草があると、そこが発生源となって栽培植物に移ってくる可能性があります。

こうした背景から、定期的な観察と雑草管理、早期の防除が大切になってくるわけです。

アブラムシが発生しやすい時期

アブラムシは春と秋の15℃〜25℃前後の気温を好み、3月〜5月と9月〜11月が発生のピークです。

植物の新芽や柔らかい葉が多い時期に繁殖しやすく、短期間で一気に数が増えます。

梅雨時や真夏の高温期には個体数が一時的に減りますが、気温が下がって過ごしやすくなる秋には再び増加します。

地域によっては、冬でも温暖な環境下では活動が続くことがあり、観察と早めの対策が欠かせません。

また、ハウス栽培など温度管理された環境では、季節に関係なく一年を通してアブラムシが発生するため注意してください。

アブラムシの駆除|主な発生要因

アブラムシの大量発生には必ず原因があります。ここでは、環境要因・管理上の要因・外部要因の観点から、アブラムシが発生する原因を解説します。

環境要因

風通しが悪い

葉が茂りすぎると風通しが悪くなり、天敵に見つかりにくくなるため、アブラムシは発生しやすくなります。

定期的な剪定や間引きで風通しを確保しましょう。

高温・乾燥

15℃〜25℃前後の気温と乾燥した環境を好むため、春や秋に増えやすい傾向があります。

雨が少ない年や乾燥した地域では特に注意が必要です。

密植状態

植物同士の間隔が狭いと風通しが悪くなるうえに、アブラムシが株から株へ移動しやすくなるため、被害が拡大します。

適切な株間を保つことが大切です。

管理上の要因

チッソ過多の施肥

チッソの多い肥料を与えすぎると、植物内のアミノ酸が増え、アブラムシが好む環境になってしまいます。

肥料はバランスと適量を心がけましょう。

軟弱徒長

日照不足やチッソ過多で植物が徒長して育つと、アブラムシの標的になりやすくなります。

がっしりとした株に育てるためにも、日当たりや肥料管理を見直すことが重要です。

発見の遅れ

アブラムシは葉裏などに隠れているため、気づいたときにはすでに大量発生していることがあります。

水やり時に葉裏をチェックする習慣をつけ、早期発見・早期防除につなげましょう。

外的要因

風で飛来

羽のあるアブラムシは風に乗って移動するため、近隣で発生した個体が自分の庭や畑に飛んでくることがあります。

防虫ネットの設置や周囲の雑草管理など、侵入経路を減らす工夫が必要です。

アリとの共生

植物にアリが頻繁に登っている場合、近くにアブラムシが潜んでいる可能性が高くなります。

アブラムシは吸汁の際に甘い分泌物(甘露)を出し、それをアリが餌にするため、集まってしまいます。

購入苗に付着

購入した苗には、目に見えにくい卵や幼虫が付着している場合があります。葉裏や株元をよく観察し、必要に応じて洗浄や薬剤処理などを行いましょう。

アブラムシの駆除|役立つ道具・資材一覧

アブラムシの駆除には、霧吹き・ブラシ・ビニール手袋など身近な道具から、防虫ネットや黄色粘着トラップまで、さまざまな選択肢があります。

害虫がまだ少ないうちに葉裏を洗い流したり、粘着シートで捕獲したりするだけでも、一定の効果が得られるでしょう。

ここでは、アブラムシ駆除に役立つ道具・資材についてご紹介します。

基本の道具

  • スプレーボトル
  • 粘着テープ
  • ルーペ

スプレーボトルは、手作りの殺虫スプレーや水だけの噴霧に使える基本アイテムです。100円ショップなどで手軽に購入できます。

粘着テープは薬剤を使わずにアブラムシを直接取り除くときに役立ち、葉や茎に軽く押し当てるだけで小さな個体も効率よく除去できます。

また、ルーペがあると卵や幼虫など肉眼では見えにくい初期段階の発生を見つけやすいため、早期発見・早期対処につながります。

身近にある素材

  • 石けん
  • 重曹
  • お酢
  • 牛乳

石けんや重曹を水に溶かしたスプレーは、うどんこ病の予防やアブラムシの生育を抑制に一定の効果があります。

また、お酢は弱酸性で単体では刺激が強いため、唐辛子やニンニクを漬け込んだ液を薄めて使うなどするのが一般的です。

牛乳は水で薄めるもしくはそのままスプレーすると、乾いた後に膜ができてアブラムシを覆い、窒息させる効果を期待できます。

いずれの場合も、散布後は葉焼けや悪臭・腐敗の発生を防ぐために必ず洗い流してください。

市販の便利グッズ

  • 黄色粘着シート
  • 防虫ネット
  • シルバーマルチ

黄色粘着シートはアブラムシが黄色を好む習性を利用した捕獲器具です。植物の近くに設置することでアブラムシが集まり、植物の被害を抑えることができます。

防虫ネットは、アブラムシの侵入を物理的に防ぐのに有効で、0.8mm以下の細かい目合いのものをおすすめします。

また、シルバーマルチは、光の反射でアブラムシを寄せつけにくくする効果があり、同時に土壌乾燥を防ぐメリットもあります。

これらのグッズを組み合わせることで、薬剤に頼らずアブラムシの発生や侵入を抑えられるでしょう。

園芸用薬剤の選び方

アブラムシが大量発生した場合は、園芸用薬剤でまとめて駆除しましょう。薬剤の使用は、被害を短期間で抑えたいときに適しています。

『ハイポネックス原液 殺虫剤入り』は、肥料と殺虫成分を同時に補給できるため、手軽に植物の生育管理と害虫対策が行えるのが特長です。

一方、自然由来の成分を使用した薬剤は、ヤシ油やデンプンなどを主成分としており、家庭菜園でも使いやすいのが特長です。

ただし、野菜に使用する場合は「収穫前日数(収穫までに空けるべき日数)」を必ず確認してください。

作物に薬剤が残る「残留薬剤」のリスクを避けるため、ラベルや説明書をよく読み、適量・適期で使用しましょう。

アブラムシの駆除|基本の予防対策

ここでは、日頃から心がけたいアブラムシ対策の5つのポイントをご紹介します。

株の間隔と風通しをよくする

適切な株間をとり、風通しを確保しましょう。株間は植物の種類や品種によって異なるため、育て方の目安を参考に調節してください。

生長に応じてこまめに剪定し、雑草も取り除くことで、アブラムシが寄りつきにくい環境をつくることができます。

肥料を与えすぎない

チッソ・リンサン・カリのバランスが取れた肥料を、パッケージに記載された規定量を守って与えましょう。

有機肥料を使うと緩やかに効くため、急激な生長を防ぎ、ひょろひょろした株になりにくくなります。

アブラムシを寄せつけにくい植物を一緒に植える

ソルゴーはヒラタアブなどの天敵を呼び寄せる効果があります。

マリーゴールドなどのコンパニオンプランツもアブラムシの発生抑制に役立ちます。

さらに、ニンニクやバジルなど香りの強い植物を近くに植えると、アブラムシを遠ざける効果があるといわれています。

防虫ネットや粘着シートを使う

防虫ネットで物理的に侵入を防ぎ、黄色粘着シートで飛来した個体を捕獲できます。

シルバーマルチを併用すれば光の反射で寄せつけにくくなり、より高い防除効果が期待できます。

毎日観察して早めに発見する

水やりの際に葉裏や新芽、つぼみを観察する習慣をつけましょう。

初期段階であれば簡単な方法でも対処でき、アブラムシの大発生を未然に防げます。

アブラムシの駆除|今すぐできる5つの方法

アブラムシを発見したら、早めの対処が大切です。被害の程度や状況に合わせて、次の方法を試してみましょう。

手で取り除く

数が少ないのであれば手で取るのが確実です。ティッシュやビニール手袋を使い、指でつまんだり、はじいて落としたりします。

水で勢いよく洗い流す

ホースの水を使い、葉裏や新芽を重点的に洗い流します。その際、水の勢いを調節して植物を傷めないようにしましょう。

粘着テープで捕まえる

テープの粘着面を葉に軽く押し当て、アブラムシを捕獲します。葉を傷めないよう注意しながら、密集している箇所に試すと効果的です。

天然素材スプレーを使う

牛乳スプレーは原液のまま、または少し水で薄めて使います。

乾いた後にできる膜でアブラムシを覆って窒息させる効果があります。使用後は葉焼けを防ぐため、必ず洗い流してください。

石けん水スプレーは、水1Lに対して食用油キャップ2杯と食器用洗剤キャップ1杯程度を混ぜて作ります。

植物に影響が出る場合があるため、まずは少量でテストしてから使うと安心です。

園芸用の薬剤を使う

スプレータイプや液体タイプは速効性があり、粒剤タイプは長く効いて予防にも役立ちます。

使用の際はラベルに記載された使用基準を必ず守り、散布時期や収穫前日数を確認して安全に使いましょう。

アブラムシの駆除|よくある失敗・トラブルQ&A

アブラムシ対策でよくある疑問や困りごとについて、Q&A形式でまとめました。

同じような悩みを持つ方は、ぜひ参考にしてください。

Q1. 駆除しても繰り返し発生するのはなぜ?

アブラムシは繁殖力が非常に強いため、わずかでも残っていると再び増えます。

葉の裏や茎の付け根など、見つけにくい場所もこまめに確認して取り除くことが大切です。

Q2. 薬剤を使っても効果が出ないのはなぜ?

薬剤抵抗性がついている可能性があります。違うタイプの薬剤を交互に使うと効果的です。

Q3. 牛乳や石けん水など天然素材が効きにくいのはなぜ?

直接かからないと効果がなく、持続時間も短いです。初期対策として、また薬剤との併用で活用しましょう。

Q4. 大量発生してしまったときはどうすればいい?

迷わず薬剤を使いましょう。粒剤とスプレーの併用が効果的です。ラベルに記載された使用方法を守れば安全に使えます。

Q5. 室内の観葉植物にアブラムシが出たら?

布で拭き取るか、お風呂場でシャワーをかけると簡単に取り除けます。食品成分のを使用した室内用スプレーもおすすめです。

Q6. 有機栽培でも安全に使える駆除方法は?

アブラムシの天敵であるテントウムシなどを活用したり、コンパニオンプランツを一緒に植えたりする方法があります。

また、でんぷんなどを主成分とした、有機栽培対応の薬剤も市販されています。

おわりに

アブラムシ対策は、早期発見・早期対処が何より大切です。

まずはご自身の栽培環境や植物の状態に合う方法を選び、小さな範囲でもこまめに対処する習慣をつけましょう。

そうすることで薬剤に頼りきらずに被害を抑えられ、植物を健やかに育てられます。

日々の観察を続けながら、花や実の充実した生長を楽しんでください。

#アブラムシ #害虫対策

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