ダリアの育て方 | 球根から育てれば簡単な栽培方法を解説
ダリアは、豪華で多彩な花姿で多くの人々を魅了する人気の花です。球根から育てられるため、園芸初心者の方でも比較的簡単に栽培できます。
この記事では、ダリアの基本的な育て方から、美しい花を咲かせるため管理方法まで、詳しく解説します。
ダリア栽培の魅力を感じ、庭やベランダを鮮やかに彩る楽しさを発見できるでしょう。
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ダリア

学名 Dahlia 科名 キク科 別名 テンジクボタン 原産地 メキシコ、グアテマラ 分類 球根植物 耐寒性 弱 耐暑性 弱 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月開花時期植えつけ・植えかえ施肥
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☘46:ダリアの育て方|球根の植えつけ方、肥料の与え方、冬越しの方法などご紹介
ダリアの育て方 | ダリアとは
ダリアは、キク科ダリア属の多年草です。メキシコやグアテマラなどの中南米が原産地です。
草丈は品種によって大きく異なり、矮性種では30cm程度、高性種では2mを超えるものまであります。
花色や形も非常に種類が豊富で、赤、白、黄、ピンク、紫など様々な色があり、花形も一重咲き、八重咲き、ポンポン咲きなどがあります。
開花期は6月中旬~11月と長く、切り花としても人気があります。花持ちが良いため、フラワーアレンジメントにもよく使われています。
ダリアの育て方 | 育て方や栽培のポイント
ダリア栽培は、日当たりと風通しの良い環境で、水はけの良い肥沃な土壌が基本です。
植えつけは春に行い、水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。生育期には肥料を定期的に与えることが大切です。
冬は球根を掘り上げて保管し、適切な仕立て方で美しい花を咲かせましょう。ダリアは種や球根、挿し芽で増やすことができます。
これらのポイントを抑えることで、ダリアの魅力を最大限に引き出すことができるでしょう。
ダリアが好む栽培環境
ダリアは日光が良く当たり、風通しが良い場所を好みます。日照不足になると花つきが悪くなり、風通しが悪いと病害虫が発生しやすくなります。
特に夏の直射日光は強すぎるため、半日陰になるような場所や、遮光ネットを利用するなどの工夫が必要です。
冬の寒さには弱いため、霜が降りる前に球根を掘り上げて保管する必要があります。
土づくり
ダリアは水はけが良く、肥沃な土壌を好みます。そのため、土づくりを入念に行うことで、生育が旺盛になり、美しい花を咲かせます。
赤玉土、腐葉土、堆肥などを混ぜ合わせることで、水はけと保水性を両立させ、有機質を豊富に含んだ肥沃な土壌を作ることができます。
地植えの場合、植えつけの2週間前に苦土石灰を混ぜ込み、土壌の酸度を調整しましょう。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』を利用すると便利です。
適切な土づくりで、根をしっかりと張り、養分を十分に吸収できるようになります。
植えつけ方法
ダリアの球根は、春の霜が降りなくなった4月中旬~5月が植えつけの適期です。気温が20℃前後であれば、7月中旬頃まで植えつけが可能です。
植えつける場所は、あらかじめ堆肥や腐葉土を混ぜてよく耕し、水はけのよい環境を整えましょう。
球根は、芽が出ている方をやや斜めか横向きにして、芽の部分が5~10㎝程の深さになるように植えつけます。
株間は、大型種で約80cm、小〜中型種で約40cm程度と品種により異なります。
植えつけ後は、たっぷりと水やりを与えて、生育が始まってからは定期的に追肥をしましょう。
水やり
ダリアは、過湿を嫌う植物です。水の与えすぎは球根を腐らせる原因となるため、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるようにしましょう。
鉢植えの場合は、生育期に水切れしてしまわないよう、こまめに与えてください。
夏場は、気温が高くなるため、朝夕の涼しい時間帯に水やりを行うことで、蒸れを防ぎ、根腐れのリスクを軽減することができます。
冬場は、休眠期に入るため、水やりは控えめにし、土が完全に乾いてから数日後に与える程度で十分です。 葉に水がかかると、病気の原因となることがあるため、株元に静かに水を与えるようにしましょう。
適切な水やりを心がけ、美しいダリアを育ててください。
肥料
ダリアは生育期間が長く、たくさんの花を咲かせるため、肥料をしっかりと与えてください。
肥料切れを起こすと、花つきが悪くなったり、葉の色が悪くなったりします。特につぼみが出始める頃からは栄養の供給が重要です。
植えつけ時や植えかえ時に緩効性肥料『マグァンプK中粒』を元肥として混ぜ込みます。
生育期間中の追肥には、速効性の『ハイポネックス原液』を与えるのがおすすめです。
球根の掘り上げ
ダリアは寒さに弱いため、冬を迎える前に球根を掘り上げて保管する必要があります。初霜が降りる前や、葉が枯れ始めた頃に行ってください。
掘り上げた球根は、まず周りの土を軽く落とし、茎を根元から切り取って処理します。
その後、風通しの良い日陰でしっかりと乾かす(陰干し)ことが大切です。乾燥が不十分だと、保管中に腐る原因になります。
保存は、直射日光の当たらない風通しの良い場所に置き、春の植えつけ時期まで静かに休ませてあげましょう。
こうしたひと手間をかけることで、翌年も元気に美しい花を咲かせてくれます。
ダリアの育て方 | 仕立て方
仕立てはダリアをより美しく花を咲かせ、株を健全に保つために重要です。
仕立て方のポイント
- 摘芯:わき芽を増やすことで花の数を増やします。
- 支柱立て:矮性種以外は倒れやすいです。茎の成長に従って支柱を立て、折れるのを防ぎます
- 切り戻し:花がらは都度摘みとります。花が終わった後の株の負担を減らし、次の開花を促します
これらを適切に行うことで、より観賞価値の高いダリアに育てることができます。
ダリアの育て方 | 増やし方
ダリアの増やし方はいくつかありますが、代表的なのは「球根分け」と「挿し芽」です。
ダリアを増やす方法は、それぞれの特性を理解して適切に行うことが重要です。
ダリアの増やし方
- 球根分け:休眠期に球根を分割する方法で、親株の性質を受け継ぎやすいのが特長です。
- 挿し芽:茎の一部を切り取って発根させる方法です。比較的簡単に増やせるため、初心者の方でも挑戦しやすいです。
どちらの方法も、ダリアの生育状況や目的に合わせて選択できます。清潔な道具を使用し、元気な株を選択して行ってください。
ダリアの育て方 | 病害虫対策方法
ダリアを元気に育てるためには、病気と害虫の両方への予防と早期発見が重要です。
代表的な病気には、うどんこ病・灰色かび病・ウイルス病があり、害虫ではアブラムシ・ハダニ・メイガ類がよく発生します。
それぞれの特長と対策方法を詳しく解説していきます。
病気対策
うどんこ病は、葉の表面に白い粉状のカビが付く病気で、放置すると株全体に広がり、生育を阻害する可能性があります。
湿度が高く風通しの悪い環境で発生しやすくなります。株間を空ける、剪定する、窒素肥料を控えるなどの工夫が効果的です。
感染が広がる前に殺菌剤での対処や感染部分の除去を行いましょう。
また、灰色かび病は枯れ葉や花がらにカビが生える病気で、放置するとほかの部分に広がります。
こまめな掃除と乾燥気味の管理が予防になります。ウイルス病は治療ができないため、異常な花色や形が見られた株は速やかに処分しましょう。
害虫対策
アブラムシやハダニは、春から夏にかけて新芽や蕾に集まりやすく、植物の汁を吸って弱らせたりウイルス病を媒介したりします。
特にアブラムシはダリアの生育を阻害する厄介な害虫です。植物の汁を吸い、生育を弱らせるだけでなく、ウイルス病を媒介する可能性もあります。
繁殖力が非常に高く、見つけ次第すぐに対処する必要があります。
風通しと日当たりの良い場所で管理し、水での洗い流しも有効です。被害が大きい場合は、殺虫剤の使用を検討しましょう。
特に、窒素肥料の与えすぎはアブラムシの発生を助長するため注意が必要です
また、地際の茎に入り込むメイガ類にも注意が必要です。日頃から株元までよく観察し、早期発見・早期対処を心がけてください。
おわりに
ダリアは、育てる喜びとともに、日々の暮らしに彩りを与えてくれる魅力があります。
品種の豊富さや、初夏から晩秋まで楽しめる長い開花期間、美しい切り花としての活用、そしてギフトにもぴったりな華やかさなど、さまざまな楽しみ方があります。
手間をかけるほどに応えてくれる花だからこそ、咲き誇る瞬間には格別の感動があります。
ぜひ、ダリア栽培を通して、植物と向き合う時間の豊かさや、育てる楽しさを実感してみてください。
公開:2017年7月13日
更新:2025年10月1日
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