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【観葉植物】ソテツ(蘇鉄)の育て方|株分けの方法や植え替えの時期をご紹介

【観葉植物】ソテツ(蘇鉄)の育て方|株分けの方法や植え替えの時期をご紹介

ビーチや駐車場などでよく見かけるソテツ(蘇鉄)は、南国の雰囲気を演出するムード漂う植物です。樹高が高いイメージのソテツ(蘇鉄)ですが、実は成長のスピードは遅く、小さいうちは観葉植物や盆栽として楽しむこともできます。

ソテツ(蘇鉄)の育て方に難しいお手入れはなく、地植えではほとんど放任で育つので、はじめて植物を育てる方にもおすすめです。お部屋の雰囲気を南国風に演出してくれるソテツ(蘇鉄)を、インテリアとして飾ってみてはいかがでしょうか。

ソテツ(蘇鉄)とは

ソテツ

ソテツ(蘇鉄)は沖縄や九州南部をはじめ、オーストラリアやアフリカなど温かい地域に自生する植物です。ゴツゴツとした太い幹に大きな葉が生い茂る姿はとてもワイルドで、南国の雰囲気を演出するために沿岸部などによく植えられています。

 

大きな木のイメージがあるソテツ(蘇鉄)ですが、生長のスピードは非常にゆっくりで大きくなるまで時間がかかります。樹高が低い間はミニ盆栽や観葉植物として楽しみ、大きくなってきたら地植えにするなど、さまざまな楽しみ方のある植物です。

 

また、ソテツ(蘇鉄)はヤシの木と間違われやすいですが、ソテツ(蘇鉄)が裸子植物なのに対してヤシは被子植物なのでまったく別の種類の植物です。見た目もソテツ(蘇鉄)のほうがずんぐりしており、ヤシはすらっとした印象があります。葉の形や幹の質感は似ていても、実は遠縁の植物なのです。

ソテツ(蘇鉄)の概要

ソテツ(蘇鉄)はソテツ科ソテツ属に属する、常緑の裸子植物です。生長すると樹高は3〜10mになりますが、生長のスピードが遅いため1年に1〜4cmほどしか伸びないといわれています。

 

また、ソテツ(蘇鉄)は非常に丈夫な性質を持ち、暑さと乾燥にとても強い植物です。空気中の窒素を栄養として吸収できるため、岩場や痩せた土地でも自生できると考えられています。

 

一方、ソテツ(蘇鉄)は寒さと多湿にはあまり強くありません。暖かい地域では屋外で越冬できますが、霜が降りるような地域では防寒対策をするか、冬の間だけ室内に移動させるのがよいでしょう。

ソテツ(蘇鉄)を育てるうえで温度管理や湿度管理は重要ですが、それでも管理方法はほかの植物に比べてかんたんです。初心者でも育てやすく、手間がかからない観葉植物として人気があります。

ソテツ(蘇鉄)の特徴

ソテツ(蘇鉄)は生長しても枝分かれをせず、幹の途中から芽吹くこともありますが枝を持つことはありません。太い幹から葉っぱを直接伸ばすので樹形が崩れることがほとんどなく、剪定せずそのまま育てられる気軽さがあります。

 

また、耐暑性と乾燥に強いソテツ(蘇鉄)は、暖かい地域であれば地植えと鉢植えの両方で栽培が可能です。多湿に弱く根腐れを起こしやすい点もありますが、幹と新芽さえ生きていれば再生する生命力があります。

ソテツ(蘇鉄)の花

ソテツ

ソテツ(蘇鉄)はオス木とメス木のある、雌雄異株(しゆういしゅ)の植物です。5月〜7月ごろになると、オス木とメス木それぞれがとてもユニークな形状の花を咲かせます。

 

雌花は、鳥の羽根のような大胞子葉がドーム型に密集しているのが特徴です。大胞子葉の中には種子となる胚珠がひしめくように入っています。一方、雄花はとうもろこしのような形をしており、小胞子葉が連なっているのが特徴です。雄花は花粉錐(かふんすい)とも呼ばれます。

 

一度は見てみたいソテツ(蘇鉄)の花ですが、ソテツ(蘇鉄)は大きく生長するまで開花しません。また、メス木とオス木がなければ受粉しないので、開花周期は10年に1度といわれています。ソテツ(蘇鉄)の花を咲かせるのは難易度が高いですが、長期間育てていれば見られるチャンスがあるかもしれません。

ソテツ(蘇鉄)の実

ソテツ(蘇鉄)の花が咲いた後は、雌花の中に赤い実(種子)が残ります。梅やプラムに似た見た目をしていますが、ソテツ(蘇鉄)の実には毒性があるので食べられません。

 

一部の地域ではソテツ(蘇鉄)の実を食べることもありますが、適切に毒抜きをせずに食べると、嘔吐やめまい、呼吸困難などの症状が起きる可能性があります。

ソテツ(蘇鉄)の名前の由来

ソテツ

ソテツ(蘇鉄)は漢字で「蘇鉄」と書き、枯れかかった木に鉄釘を打ち込んで蘇ったエピソードから名づけられました。中国ではソテツ(蘇鉄)を「鉄樹」と書くように、生命力の強さと丈夫さが伝わります。また、ソテツ(蘇鉄)の学名「Cycas」は、ヤシの木に似ている植物という意味があります。

ソテツ(蘇鉄)の歴史

ソテツ(蘇鉄)の歴史は古く、恐竜が生息していたジュラ紀の頃から自生していたといわれる植物です。ソテツ(蘇鉄)の化石も多く発見されていることから、「生きた化石」とも呼ばれています。

 

ソテツ(蘇鉄)が長く生存し続けられた理由は、暑さや乾燥に強いことや、空気中の窒素を栄養として吸収できるからと考えられています。この能力があるからこそ痩せた土地や岩場でも生息でき、何年も生き続けられるのでしょう。

 

ソテツ(蘇鉄)の寿命は500年以上といわれており、日本には樹齢1000年を超えるソテツ(蘇鉄)が存在します。静岡県の龍華寺にあるソテツ(蘇鉄)は樹齢1100年を超え、日本三大ソテツ(蘇鉄)に選ばれています。

ソテツ(蘇鉄)の種類

ソテツ

九州南部や沖縄をはじめ、オーストラリアやアフリカなどの地域で約120種類のソテツ(蘇鉄)が自生しているといわれています。ソテツ(蘇鉄)は種類によって葉の形や雰囲気が違うので、好みのソテツ(蘇鉄)を選んで育ててみてください。

ソテツ(蘇鉄)

数あるソテツ(蘇鉄)のなかで、日本国内で唯一自生しているのが「ソテツ(蘇鉄)」です。日本の気候にあっているので育ちやすく、日本で最も普及している種類といわれています。耐寒性は強くないものの、凍結しない程度であれば屋外で越冬することも可能です。

ナンヨウソテツ(南洋蘇鉄)

ナンヨウソテツ(蘇鉄)は東南アジアや太平洋諸島が原産のソテツ(蘇鉄)で、生長すると15mほどの高さになる大型の種類です。葉の形などはソテツ(蘇鉄)と似ていますが、幹が太く葉も大きいのでワイルドな雰囲気があります。

ディオーン・スピヌロスム

ディオーン・スピヌロスムは、肉厚で光沢のある葉が美しいソテツ(蘇鉄)です。葉の縁には切れ込みがあり、ソテツ(蘇鉄)よりも1枚1枚の葉が細くびっしりと茂っている印象があります。ディオーン・スピヌロスムは希少種といわれていますが、−3℃まで耐寒性をもつ育てやすい品種です。

ザミア・フィスケリ

ザミア・フィスケリは丸みを帯びた幅広の葉がやわらかい印象を与える、メキシコ原産のソテツ(蘇鉄)です。原産国の名前をとって、「メキシコソテツ(蘇鉄)」と呼ばれることもあります。ザミア・フィスケリは生長すると葉が広がり、草姿が崩れやすいですが、生長スピードがゆっくり進むため、一度剪定をすればバランスを長期間キープできます。

ザミア・フロリダーナ

メキシコ原産のザミア・フロリダーナは、葉先がやや丸くふんわりとした印象のあるソテツ(蘇鉄)です。日本に自生しているソテツ(蘇鉄)に比べると葉の葉に間隔があり、かわいらしい印象を感じます。日本では入手が難しく、希少な品種です。

オニソテツ(蘇鉄)

オニソテツ(蘇鉄)は別名「エンセファラルトス」ともいい、南アフリカの熱帯地域に自生するソテツ(蘇鉄)です。葉は硬く先が尖っているので、全体的にトゲトゲした印象があります。しかし、葉の色は薄い青みがかった緑をしており、クールな印象を持つ人気のある種類です。

ソテツ(蘇鉄)の育て方のポイント

ソテツ(蘇鉄)はもともと暖かい地域に自生する植物なので、日当たりがよく風通しのよい場所で育てるのが理想です。ソテツ(蘇鉄)の育て方のポイントをご紹介します。

ソテツ(蘇鉄)の栽培環境と置き場所

ソテツ(蘇鉄)は日当たりがよく風通しのよい場所を好みます。1日の日照時間が長い、南向きの場所で栽培しましょう。ソテツ(蘇鉄)は地植えも鉢植えも可能ですが、室内での栽培はあまり向いていません。室内でソテツ(蘇鉄)を育てる場合は、鑑賞するときだけ室内に入れて、ふだんは屋外で日光をたっぷり浴びせるなど工夫をしてみてください。

 

ソテツ(蘇鉄)は暑さや乾燥に強い反面、寒さに弱い植物です。冬場に屋外に置いても枯れることはありませんが、霜や冷たい風が当たらない場所に移動するのがよいでしょう。雪が降り積もるような地域では、幹に藁などを巻いて防寒対策が必要になります。

また、ソテツ(蘇鉄)は水はけの悪い用土や多湿な環境が苦手です。土が常に湿っているような環境にソテツ(蘇鉄)を置くと急激に生長が弱り、最悪根腐れを起こすこともあるので注意しましょう。梅雨時期や台風のときは、雨が当たらない場所に移動させると安心です。

ソテツ(蘇鉄)の栽培温度

ソテツ(蘇鉄)の栽培に適した温度は10℃〜30℃です。ソテツ(蘇鉄)は暑さに強いので夏越しは特に心配ありませんが、気温が5℃を下回ると株が弱ってしまいます。冬越しに失敗すると枯れる恐れもあるため、幹を藁で巻くなど防寒対策を行いましょう。

 

鉢植えの場合は、冬の間だけ室内に移動して管理するのがおすすめです。氷点下を下回る地域や霜が当たる場所での冬越しは難しいため、はじめから鉢植えで管理するほうがよいかもしれません。

ソテツ(蘇鉄)の土づくり

ソテツ

ソテツ(蘇鉄)は岩場や痩せた土地でも育つので、水はけがよければ特に土質にこだわる必要はありません。

 

鉢植えする場合は、市販の観葉植物用の用土を使用するのがおすすめです。自分で土をブレンドするなら、赤玉土小粒と腐葉土を1:1の割合で混ぜて使用するとよいでしょう。水はけが悪いときは、川砂を混ぜると改善しやすくなります。

 

ソテツ(蘇鉄)を地植えする場合は、苗を植えつける2週間前に土づくりを行います。植える場所の土を耕しておき、そこに3割程度腐葉土を混ぜて寝かしておきましょう。

ソテツ(蘇鉄)の植えつけと種まき

ソテツ

ソテツ(蘇鉄)の栽培は苗から植えつける方法と、種から育てる方法があります。種から育てると発芽から苗に生長するまでに時間がかかるため、苗から育てるのが一般的です。

苗の植えつけの方法

ソテツ(蘇鉄)の苗の植えつけは、5月〜9月が適期です。地植えの場合は植えつけの2週間前に土づくりを済ませておき、水はけのよい環境を整えておきましょう。

【地植えの植えつけ方法】

  1. 苗を植えつける場所に、苗より2倍ほど大きい穴を掘ります。
  2. 植穴に元肥として『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。
  3. ソテツ(蘇鉄)は少し高植えにするので、地面よりも株元が20cm〜60cmほど高くなるように穴の深さを調整してください。
  4. 穴の中心に苗を置いたら用土をかぶせ、隙間のないようしっかり株と用土を密着させます。
  5. 大きな苗は転倒防止のため、支柱を立てておくと安心です。
  6. 最後に根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈した水をたっぷり与えましょう。

【鉢植えの植えつけ方法】

  1. 苗よりもひと回り大きい鉢を用意し、鉢底に鉢底石を入れます。
  2. 用土を鉢の1/3まで入れ、植穴に元肥として『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。
  3. 中心に苗を置いて周りから用土を被せます。
  4. 根と用土が密着するように、土の表面を軽く抑えます。
  5. 最後に根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈し、鉢底から流れるくらいまで水をたっぷり与えましょう。

種のまき方

ソテツ(蘇鉄)の種は1粒が大きいため、種まきをする前に48時間ほど水につけて準備しておきましょう。種をまく土は、種まき用の培養土や赤玉土を使用するのがおすすめです。ソテツ(蘇鉄)の種は発芽までに3〜6ヶ月ほどかかるので、芽が出てこないと心配せず気長に待ちましょう。

種のまき方

  1. 鉢植えや育苗トレイに用土を入れ、種を浅く植えます。
  2. 直射日光の当たらない日陰で管理し、用土が乾かないよう霧吹きなどで適宜水を与えます。
  3. 3〜6ヶ月後に発芽したら、約1年かけて苗に育てていきます。

ソテツ(蘇鉄)の水やり

ソテツ(蘇鉄)は乾燥に強いため、地植えの場合はほとんど水やりをする必要はありません。雨水だけで十分育つので、水やりは植えつけのときに行う程度です。

 

鉢植えの場合も、土が完全に乾いてから水やりを行います。1回に与える水の量は、水を少々垂らす程度で問題ありません。

 

特に冬場はソテツ(蘇鉄)の吸水力が弱くなるため、土が乾燥したのを確認してから3〜4日後ほど時間を置いて水やりをします。冬場は水やりをして株が冷えてしまうほうが心配なので、水の与えすぎに注意しましょう。

 

ソテツ(蘇鉄)は多湿を苦手とするため、水の与えすぎは根腐れの原因になります。水を与えすぎると用土が乾くまでに時間がかかるので、水やりの頻度と量に注意してください。

ソテツ(蘇鉄)の肥料

痩せた土地でも育つソテツ(蘇鉄)は、もともと肥料をあまり必要としない植物です。それでも、肥料を与えると新芽が増えたり根張りを強くしたりできるので、植えつけのタイミングで元肥として肥効期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。

 

地植えの場合は植えつけのタイミングか3月〜5月ごろに、元肥として肥効期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。

 

鉢植えの場合は植えつけのタイミングか毎年4月〜5月ごろに、粒状肥料『プランティア 花と野菜と果実の肥料』を株元にバラまきます。
『プランティア 花と野菜と果実の肥料』は、植物の生育に必要な成分をバランス良く配合した有機入り緩効性肥料です。

ソテツ(蘇鉄)の剪定

ソテツ

ソテツ(蘇鉄)は生長が遅く、1年に1cm〜4cmほどしか伸びないといわれています。また、ソテツ(蘇鉄)は枝分かれをしないので、剪定する必要はほとんどありません。ただし、古くなって傷んだ葉があれば、美観を損なうので付け根から切り取って整理しましょう。古い葉を取り除くと、新しい葉も出やすくなります。

 

ソテツ(蘇鉄)の剪定はとてもかんたんで、水平よりも垂れ下がった葉を根本から取り除くだけです。たとえソテツ(蘇鉄)を丸坊主にしたとしても、生長点からまた新芽が出てくるのでまた葉が出てきます。ただし、生長点を切り落とすと枯れてしまうため、剪定するのは葉の部分だけに留めてください。

 

剪定するときの注意点は、手をケガしないように革手や軍手を着用して作業することです。ソテツ(蘇鉄)の葉先は尖っているため、素手で触らないよう注意してください。

ソテツ(蘇鉄)の植え替え

鉢植えでソテツ(蘇鉄)を育てている場合は、3〜5年に1回程度植え替えを行いましょう。植え替えを行うタイミングは5〜9月が適期です。

 

何年も植え替えをしないでいると鉢の中が根でいっぱいになり、「根詰まり」が起きやすくなります。鉢植えの底から根が出ていたり、水分の吸収が極端に悪くなっていたりしたら根詰まりが起きている証拠です。

 

植え替えする鉢の大きさですが、ソテツ(蘇鉄)を大きく育てたいのであればひと回り大きい鉢に植え替えをします。大きく育てるつもりがない場合は、古い根や傷んだ根を切り取り同じ大きさの鉢に植え替えをしましょう。

ソテツ(蘇鉄)は根詰まりを起こすと水分を吸収しづらくなり、「根腐れ」に発展して最悪枯れてしまいます。頻繁に植え替えする必要はありませんが、3〜5年に1回程度お手入れとして植え替えを行いましょう。

【植え替えのやり方】

  1. 植え替えをする数日前から水やりを控え、植え替えしやすいように土を乾燥させます。
  2. 鉢から株を取り出し、根の周りの土をほぐします。
  3. 古い根や黒っぽく傷んだ根をハサミで切り取ります。
    新しい鉢に新鮮な用土を1/3くらい入れ、元肥として『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。
  4. 中心に株を置きます。
  5. 株の周りから用土を入れていき、土の表面を軽く押さえて土と根を密着させます。
  6. 最後に根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈し、鉢底から流れるくらいまで水をたっぷり与えましょう。

ソテツ(蘇鉄)の増やし方

ソテツ

ソテツ(蘇鉄)は不定芽を使って株分けをするか、種子から増やすことができます。生長が遅いソテツ(蘇鉄)は種子から増やすと時間がかかるため、株分けで増やす方法が一般的です。

ソテツ(蘇鉄)を株分けで増やす方法

ソテツ(蘇鉄)を育てていると、ときどき「不定芽」という子株のような芽をつけます。この不定芽がこぶし大くらいまで育ったら、収穫して株分けに利用することが可能です。株分けの適期は5〜9月ごろと植え替えの時期と重なるので、植え替えとあわせて株分けを行うとよいでしょう。

 

不定芽を収穫するときは、幹に触れてケガをしないよう必ず手袋を装着して作業してください。また、不定芽は手の力だけで収穫するのは難しいので、スコップなどでくり抜くようにすると収穫しやすくなります。

【株分けのやり方】

  1. 不定芽がこぶし大まで育ったら、スコップなどを使用して収穫します。
  2. 不定芽の切り口を乾かすために、3日〜1週間ほど日陰で乾燥させてください。
  3. 鉢に水はけのよい用土を入れ、苗の植えつけと同じように不定芽を植えつけします。
  4. 鉢底から水が流れ出てくるくらいたっぷり水を与えます。
  5. 苗の育て方と同様に日当たりと風通しのよい場所で管理し、土が乾いたら水やりをしてください。
  6. ある程度株が大きくなったら、株の大きさに合わせて植え替えをするか、地植えに切り替えましょう。

ソテツ(蘇鉄)の採種方法と種から増やす方法

ソテツ(蘇鉄)の雌花が咲いたタイミングでうまく受粉すれば、雌花の中に種ができます。

 

しかし、ソテツ(蘇鉄)の種は採種してすぐに発芽するわけではなく、雌花のなかで発芽能力がつくまで1年ほど成熟させなければなりません。種子を採種してから成熟させる方法もありますが、種子が雌花の中である程度熟成してから採種する方法がおすすめです。

 

また、ソテツ(蘇鉄)の花はある程度大きく育つまで開花しないといわれています。タイミングよく開花して種子をつけたら、1年ほど成熟させて採種しましょう。

【種の採種方法】

  1. ソテツ(蘇鉄)の実を採種したら、そのままでは硬いので数日間水に浸してやわらかくします。
  2. 実を水に浸けている間は、毎日水を交換してください。
  3. 実がやわらかくなったら、果肉の部分を取り除いて種子を取り出します。
  4. すぐに種をまく場合はそのまま用土に植えて、3〜6ヶ月かけて発芽させましょう。
  5. 種をすぐにまかないときは、種を乾燥させて涼しい場所で保管してください。(保管した種をまく場合は、48時間水に浸けてから種まきしてください。)

ソテツ(蘇鉄)を大きくしないor小さく育てる方法はある?

ソテツ

ソテツ(蘇鉄)を育てている方のなかには、ソテツ(蘇鉄)を大きくしたくない、または小さく育てたいという方もいるのではないでしょうか。ソテツ(蘇鉄)は1年に1cm〜4cmほどしか伸びませんが、この生長を遅くしたり止めたりすることはできません。

 

ソテツ(蘇鉄)の生長点は幹の一番上の部分にあるため、一般的な植物のように「芯止め」をして生長を止めることができないからです。ソテツ(蘇鉄)を小さくしようと幹の途中で伐採してしまうと、枯れる原因になるので注意してください。

 

どうしてもソテツ(蘇鉄)の生長を止めたい場合は、幹から伸びた不定芽を切り取り、株分けをしてからソテツ(蘇鉄)を伐採しましょう。

ソテツ(蘇鉄)が枯れる原因

生命力が強く丈夫な性質を持つソテツ(蘇鉄)ですが、根腐れを起こしたり冬越しに失敗したりすると枯れることがあります。

 

ソテツ(蘇鉄)は乾燥に強い反面、多湿に弱い植物です。水はけの悪い用土や常に用土が湿っていると、急速に生長が弱くなってしまいます。多湿な環境は根腐れを起こす原因につながるため、水やりの頻度や置き場所に注意しましょう。

 

また、ソテツ(蘇鉄)は気温が5℃を下回ると、株が傷みやすくなります。鉢植えしている場合は室内に移動させればよいですが、株が大きい場合や地植えの場合は、防寒対策を行わないと冬越しに失敗する恐れがあります。

冬に気温が低くなる地域や雪が降り積もるような地域では、はじめから鉢植えで育てておくと安心です。住んでいる地域が冬にどの程度気温が下がるのか把握し、適切な育て方を検討しましょう。

ソテツ(蘇鉄)に起きやすいトラブル

ソテツ(蘇鉄)は病害虫がつきにくく、病気にもほとんどかかりません。

 

しかし、多湿環境には弱いため、根腐れには注意が必要です。根腐れとは、土の中で根が腐って酸素を吸収できなくなった状態を指します。根腐れを起こすと植物の細胞が破損してしまうため、最終的に枯れてしまうこともあるので注意しましょう。

 

ソテツ(蘇鉄)が根腐れを起こしてしまった場合は、株を土から取り出して傷んだ根を取り除いて対処します。腐敗が進んでしまっている場合は、幹だけを残して腐っている部分をすべて切り落としてください。

 

その後は、切り口を乾かすために風通しのよい場所で2〜3日干して、植え替えの方法と同じように用土に植え直しましょう。ソテツ(蘇鉄)は生命力が強いため、根腐れを起こしても幹と新芽が元気であれば再生が可能です。

ソテツ(蘇鉄)の病害虫

ソテツ(蘇鉄)は病害虫がつきにくいため、病害虫の被害を心配する必要はほとんどありません。しかし、風通しの悪い場所で管理していると、カイガラムシが発生する可能性があります。また、近年では熱帯地域にしか分布していなかった、クロマダラソテツシジミの被害が関東地方でも確認されています。

カイガラムシ

ソテツ(蘇鉄)の葉が黒っぽくすすけている場合は、カイガラムシが寄生して「すす病」を発生している可能性があります。カイガラムシはあらゆる植物に寄生する、植物を吸汁加害する病害虫です。

 

カイガラムシの排泄物には糖分が含まれており、その糖分が原因ですす病が発生します。また、カイガラムシの排泄物にアリやアブラムシなどほかの病害虫が寄ってくるため、非常に厄介な病害虫です。

 

カイガラムシがソテツ(蘇鉄)に寄生しているのを発見したら、すぐに歯ブラシなどで擦り落として駆除しましょう。甲羅に覆われているカイガラムシは殺虫剤が効きにくいため、物理的な方法で駆除するのが効果的です。

クロマダラソテツ(蘇鉄)シジミ

クロマダラソテツシジミは淡い青色をした姿が特徴の、熱帯や亜熱帯地域に分布するチョウです。ソテツ(蘇鉄)に被害を加えるのはクロマダラソテツシジミの幼虫で、ソテツ(蘇鉄)の若い葉や新芽を食べて生長に悪影響を及ぼします。

 

クロマダラソテツシジミはもともと熱帯地域に分布しているチョウですが、近年西日本各地で見られるようになり、関東でも被害が報告されています。クロマダラソテツシジミの被害によってソテツ(蘇鉄)が枯れることはありませんが、クロマダラソテツシジミの成虫を発見したら造園業者などに消毒を依頼するとよいでしょう。

まとめ

1億年前から自生していたといわれるソテツ(蘇鉄)は、乾燥や暑さに強く非常に丈夫な植物です。育て方もとてもシンプルで、面倒なお手入れもほとんど必要ありません。

 

また、病害虫の被害も遭いにくいので、どなたでも栽培にチャレンジしやすい植物といえるでしょう。

 

ただし、ソテツ(蘇鉄)は多湿や冬の寒さには弱いので、栽培する環境によっては防寒対策などが必要です。住んでいる地域にあわせて適宜管理を行い、ソテツ(蘇鉄)がゆっくり育っていく姿を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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