11月に咲く花10選|特長や育て方、栽培時のポイントは?
朝晩の冷え込みが一段と厳しくなり、木々の紅葉が深まる11月。霜月という名のとおり、各地で霜が降り、冬の気配がはっきりと感じられる時期です。
そんな寒さの中でも、パンジーやビオラのような丈夫な花々が元気に咲き、庭やベランダに彩りを添えてくれます。
本記事では、11月に花をつける草花・樹木の中から、特に人気の高い10種類を厳選してご紹介します。
- 目次
-
- 11月の花|選び方のポイント
- 置き場所で選ぶ
- 寒さに強い花・弱い花の違い
- 寄せ植えに合う花
- 11月に咲く花1:シクラメン
- シクラメンの好む栽培環境
- 夏越し
- 肥料
- 水やり
- 植えかえ
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- 11月に咲く花2:サザンカ(山茶花)
- サザンカの好む栽培環境
- 肥料
- 水やり
- 剪定
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- 11月に咲く花3:皇帝ダリア
- 皇帝ダリアの好む栽培環境
- 肥料
- 水やり
- 増やし方
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- 11月に咲く花4:エリカ
- エリカの好む栽培環境
- 肥料
- 水やり
- 植えつけと植えかえ
- 11月に咲く花5:金のなる木
- 金のなる木の好む栽培環境
- 肥料
- 水やり
- 増やし方
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- 11月に咲く花6:サフラン
- サフランの好む栽培環境
- 植えつけ
- 肥料
- 水やり
- 球根の掘り上げ
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- 11月に咲く花7:ツワブキ
- ツワブキの好む栽培環境
- 植えつけ
- 肥料
- 水やり
- 植えかえ
- 株分け
- 11月に咲く花8:パンジー
- パンジーが好む栽培環境
- 水やり
- 土づくり
- 肥料
- 花がら摘み・切り戻し
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- 11月に咲く花9:ビオラ
- ビオラが好む栽培環境
- 水やり
- 土づくり
- 肥料
- 植えつけ
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- 11月に咲く花10:マム(洋菊)
- マム(洋菊)の好む栽培環境
- 水やり
- 土づくり
- 肥料
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- 11月に咲く花|よくある栽培トラブルと対策
- 霜で葉や花が傷んでしまう
- 室内温度が下がりすぎてしまう
- 根腐れを起こしてしまった
- おわりに
11月の花|選び方のポイント
11月は冬の足音が近づき、気温がぐっと下がる季節です。この時期に咲く花は寒さに強く、屋外でも元気に育ちます。
一方、シクラメンや熱帯性の植物は寒さが苦手なため、霜が降りる前に室内へ移動しておくと安心です。
ここでは、11月におすすめの花の選び方と、育てる際のポイントをご紹介します。
置き場所で選ぶ
花は置き場所によって適した種類が異なります。
屋外ではパンジー、ビオラなどの耐寒性の高い植物を選ぶと冬の寒さでも枯れにくく、管理がしやすくなります。
室内では日当たりのよい窓辺に置くと元気良く育ちますが、暖房の風が直接当たる場所は避けてください。
寒さに強い花・弱い花の違い
パンジー、ビオラ、クリスマスローズは雪の下でも冬を越せるため、ガーデニング初心者でも扱いやすい種類です。
一方、ゼラニウムやベゴニアは霜に当たると枯れやすいため、晩秋には室内に取り込むか、霜よけを準備するとよいでしょう。
寄せ植えに合う花
11月の寄せ植えには、アリッサムをはじめとした開花期間が長く、寒さに強い花がおすすめです。
春咲き球根を下に植える「ダブルデッカー」という寄せ植えの方法にすると、一つの鉢で二度楽しめます。
背の高い植物を奥に、低い植物を手前に配置すると、立体感が出て美しい仕上がりになるでしょう。
11月に咲く花1:シクラメン
シクラメンは、毎年新品種が発表されるほど種類が多く、さまざまな花色、花形が楽しめる植物です。
花は赤や白、ピンクなどの定番色に加え、紫や黄色、グラデーションの美しい品種などもあります。
花びらにウェーブがかかった「ロココ咲き」や花びらが重なり華やかな八重咲きなど、咲き方も多種多様です。
葉には、個性的な斑の入る緑葉や、気品ある見た目と花とのコントラストが美しい銀葉などがあります。品種によってそれぞれ性質が異なるため、育てる前に特性を調べておくと安心です。
また、シクラメンは株と花の大きさで、大輪系・中輪系・小輪形の3種類のタイプに分けられます。中でもミニシクラメンとガーデンシクラメンは似ていますが、厳密に性質が異なります。
ガーデンシクラメンは耐寒性が高く、屋外での栽培に適しています。一方、ミニシクラメンは寒さに弱いため、屋外よりも室内での栽培に適しています。
シクラメンの好む栽培環境
冬は最低気温が10℃以下になったら、日当たりのよい室内で管理しましょう。
ガーデンシクラメンは寒さに耐性がありますが、霜に直接当たってしまうと枯死する可能性もあるため注意が必要です。
屋外で育てるときは、軒下や木の下など霜が当たらない場所で育てましょう。
春から秋にかけては雨に当たらないようにし、日当たりと風通しの良い場所で管理します。
夏越し
気温が20℃以上になる5月~6月ごろになったら、株の状態を見て「休眠法」か「非休眠法」を選びましょう。
休眠法は葉をすべて枯らして球根だけにする方法で、非休眠法は葉を残して育て続ける方法です。
非休眠法は、球根を完全に乾かしたり掘り上げたりする必要がないため、比較的簡単に管理できます。
一方、休眠法の方が秋の生育が早く、非休眠法よりも約1ヵ月早く花を楽しむことができます。
肥料
9月~翌年の5月上旬までは、1週間に1回を目安に液体肥料の『ハイポネックス原液』を希釈して与えます。
夏間は、非休眠株には2週間に1回を目安に薄めの液体肥料『ハイポネックス原液』を与えます。休眠株には肥料は不要です。
水やり
生育期は土の表面が乾いたら株元にたっぷり水を与え、底面給水鉢なら受け皿の水を切らさないようにします。
球根の頂部には水がかからないよう注意しましょう。
休眠法で夏越しする場合、6月〜8月には水を与えず球根を休ませます。
非休眠法の場合や、ガーデンシクラメンの場合は土が乾いたら株元に控えめに水やりし、蒸れや腐敗を防ぎます。
植えかえ
植えかえは、9月上旬~中旬にかけて行います。植えかえの際は、球根の頂部が土に埋まらないよう浅めに植えましょう。
休眠株の場合、根鉢の土を全部落としてから根を半分に切り、同じ大きさあるいは、ひと回り大きな鉢に植えかえます。
非休眠株の場合、表土のみ軽く落とし、根鉢はあまり崩さずにひと回り大きな鉢に植えかえてください。
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☘67:シクラメンの育て方|シクラメンの茎が倒れてしまうのは何故?長持ちする育て方などご紹介
11月に咲く花2:サザンカ(山茶花)
サザンカは、日本固有のツバキ科ツバキ属の常緑低木です。日陰でも育つため、生け垣や庭木などに使われることもあります。
見た目や性質はツバキとよく似ていますが、花や葉の特長から区別できます。
特に分かりやすい違いは、花の散り方です。ツバキは花ごと落ちるのに対し、サザンカは花びらが1枚ずつ散ります。
また、野生種のサザンカは10月~12月の晩秋に開花します。
早春から春にかけて花をつけるツバキに比べて耐寒性が弱いことも特長のひとつです。
主に四国、九州、沖縄と、本州では山口県のみに分布しています。
サザンカの好む栽培環境
日陰でも育ちますが、鉢植え、庭植えを問わず日当たりの良い場所で育てると花つきが良くなります。
ただし、日なたの場合は強い西日が当たらない場所を、日陰の場合はできるだけ明るい場所を選びましょう。
また、耐寒性が弱いため、冬は乾いた寒風や霜が直接当たらないよう防寒が必要です。
肥料
庭植えのサザンカには、寒肥として2月に堆肥と緩効性肥料がひとつになった『土を豊かにする肥料』を株元周辺に与えましょう。
鉢植えの場合は、3月ごろ、花が咲き終わってから化成肥料を追肥します。
追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2ヵ月~3ヵ月間持続する『プランティア花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。
水やり
植えつけから2年未満の株には、鉢植え、地植え問わず、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。
花をしっかりと咲かせるためには水が必要なため、開花時期には特にたっぷりと与えましょう。
植つけから2年以上経つ庭植えのサザンカには、水やりの必要はありません。
ただし、雨が少なく、土の表面が乾いてしまうような時期は、たっぷりと水を与えてください。
剪定
サザンカの剪定は3月~4月にかけて行いましょう。開花している場合は咲き終わるまで待ってから剪定を始めてもよいでしょう。
強剪定は数年に1回にとどめます。毎年の剪定では不要な枝の間引きと、伸びすぎた部分の切り戻しを行ってください。
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☘186:サザンカの育て方|毎年花を咲かせるコツは?水やりや肥料などの管理方法もご紹介
11月に咲く花3:皇帝ダリア
皇帝ダリアは、キク科テンジクボタン属(ダリア属)の多年草です。ダリア属の植物の中でも、茎が木質化する種類を「ツリーダリア」と呼びます。
メキシコから中米原産の27種のうち、ツリーダリアと呼ばれるのは、3種で、その中でも皇帝ダリアは特に茎が太く草丈が高い種類です。
一重の薄紫色の花をつけるものは野生種で、八重咲きの品種は、草丈が2m~3m程度と低いのが特長です。
日が短くなると花芽ができるため、電灯や街灯の近くでは日が長いと錯覚して、花芽がつきにくいことがあります。
開花が始まるのは11月下旬ごろと遅めで、ピンクや紫の花をつけます。
草丈は1m~6mまで生長しますが、あまり高くしたくない場合は切り戻しで調節が可能です。
皇帝ダリアの好む栽培環境
皇帝ダリアは日当たりを好む植物ですので、しっかりと日光が当たる場所に植えつけましょう。
午前から午後にかけて日が当たる、開けた場所が理想的です。
鉢植えの場合、冬は暖房のない室内に取り込むか、凍らせないように鉢ごと地中に埋めましょう。
花を咲かせる前に霜が降りてしまうと、開花前に枯れてしまうこともあるので注意が必要です。
地植えの場合は日当たりがよく、水はけも十分な場所に植えつけます。
電灯や街灯がある場所では花芽がつきにくいため、夜でも明るくなるような場所は避けましょう。
肥料
庭植えの場合は、肥料は特に必要ありません。鉢植えの場合は、生育期間である5月~10月のうちに緩効性肥料を施しましょう。
おすすめは、バラまくだけで肥料効果が約2ヵ月~3ヵ月間持続する『プランティア花と野菜と果実の肥料』です。
水やり
庭植えの場合、適度に雨水がかかる場所にあれば水を与える必要はありません。
鉢植えの場合は乾燥に注意しましょう。春から秋にかけての生育期間中は用土の表面が乾き次第、たっぷりと水を与えます。
乾燥しがちな冬は、完全に乾いてしまわないように注意しましょう。
増やし方
株分けで増やす場合、3月に行いましょう。塊根が非常に硬く大きいため、のこぎりなどを使用して切り分けましょう。
茎と塊根のつなぎ目から新芽が出るため、切り分ける際に削ったり折ったりしないよう注意が必要です。
挿し木で増やす場合は、初夏の5月~6月ごろに新芽を使用するか、前年の茎を保存して3月ごろに使用する方法があります。
新芽は太くなると発根しにくくなるため、大きく育つ前に先端から2節~3節を切り取りましょう。
前年の茎を利用する際は、必ず節が地中に埋まるようにしてください。
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☘124:皇帝ダリアの育て方|育てる場所や日々の管理方法は?水やりや肥料の与え方などもご紹介
11月に咲く花4:エリカ
エリカは、ツツジ科エリカ属の低木で、細い枝を埋め尽くすように、小さなつぼのような形をした花を咲かせ、株全体を見るとにぎやかな印象を与えます。
一つ一つの花はかわいらしく、花の色は赤、白、黄色、オレンジ、ピンクなど多彩です。
エリカ属は740種以上あり、その大部分が南アフリカに自生しています。日本でも数十種類が流通しており、鉢物として購入可能です。
耐寒性に強く常緑性があるため、寒冷地ではグラウンドカバーとしても利用されます。
開花時期は、種類によって春咲き種や夏~秋咲き種、冬咲き種、不定期咲き種などさまざまです。
11月に花を楽しみたい場合は、冬咲き品種を選びましょう。
エリカの好む栽培環境
日当たりの良い場所を好みますが、真夏の強い直射日光は避けましょう。やや乾燥気味の環境を好むため、水はけが良い痩せた土地に植えつけます。
高温多湿の環境では株が弱りやすいため、夏場は風通しを確保して管理してください。
アフリカ原産の品種は耐暑性が強く、ヨーロッパ原産の品種は耐寒性が強い一方で、暑さに弱い傾向があります。寒冷地では、冬に霜よけをすると安心です。
肥料
肥料は生長期である春と秋に施します。
置肥『プロミックいろいろな植物用』を2ヵ月に1回、または液体肥料『ハイポネックス原液』を1週間~10日に1回与えてください。
夏は根を傷める可能性があるため、肥料分が残らないように注意してください。
水やり
乾燥に強い植物なので、頻繁な水やりは必要ありません。
地植えの場合、根づいた後は降雨で十分育つため水やりの必要はありません。ただし、真夏の高温が続くときは夕方の涼しい時間帯に軽く水を与えましょう。
鉢植えの場合、水切れしないよう注意しつつ、用土の表面が乾いてからたっぷりと与えます。
植えつけと植えかえ
根が傷つきやすいため、春または秋の涼しい時期に植えつけや植えかえを行いましょう。
丈夫なジャノメエリカなど一部の種類は地植えでも育ちますが、寒さや暑さに弱い品種は鉢植えでの管理が安心です。
鉢植えで販売されている株は、根詰まりしていることが高いため、購入後または春か秋に一回り大きな鉢に植えかえてください。
その際は、根鉢を軽く崩し、古い根や黒ずんだ根を取り除くと生育が良くなります。
11月に咲く花5:金のなる木
金のなる木は、ベンケイソウ科クラッスラ属の多肉植物です。
和名はフチベニベンケイ(縁紅弁慶)ですが、「金のなる木」の愛称で親しまれていますが、カゲツ(花月)や成金草と呼ばれることもあります。
名前の由来は、新芽が出たときに5円玉の穴を通しておき、そのまま生長させると枝にお金がなったように見えることからともいわれています。
葉は緑だけではなく、白やピンク、紅色の斑入りのものが見られます。斑入りの品種は日焼けに注意し、夏場は直射日光を避けて半日陰で管理しましょう。
花はピンクや白など、星形の小さな花が密集した状態で咲きます。
品種によって小株でも花をつけやすいタイプや、大株に生長しないと花が咲きにくいタイプなど性質はさまざまです。
金のなる木の好む栽培環境
一年を通じて日当たりの良い場所を好みます。日当が不足すると茎は間延びしますが、葉の緑色は濃くなります。
霜に弱いため、冬は霜が降りる前に室内に取り込み、3℃以下の環境に置かないようにしましょう。
斑入りの品種は、日焼けしやすいため、夏から秋の彼岸ごろまでは半日陰で管理するのが安心です。
肥料
金のなる木は多肉植物のため肥料は多く必要としません。
生育期の4月~10月に、2ヵ月に1回程度、置肥『プロミック観葉植物用』または、液体肥料『ハイポネックス原液』を1週間~10日に1回与えてください。
冬は休眠期に入るため、肥料は控えましょう。
水やり
金のなる木は、多肉質の葉や茎に水分を蓄えているため、乾燥や低温に強い植物です。
ただし、過湿と寒さに弱いため、水はけのよい土と温かい環境は欠かせません。
春から秋にかけては、土の表面が乾いたらたっぷり水やりします。
冬は根腐れを防ぐために、水やりは控えめにし、2週間に1回程度のを目安に乾かし気味に管理しましょう。
増やし方
金のなる木は、挿し木で簡単に増やすことができます。4月~10月の暖かい時期に行いましょう。
健全な茎を3~5cm程度に切り取り、切り口を乾かしてから水はけの良い用土に挿します。
直射日光を避け、明るい日陰で発根するまで管理します。根がつけば通常の管理で育てられます。
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☘40:金のなる木の育て方|水やりなどの日々の管理、花の咲かせ方、増やし方などご紹介
11月に咲く花6:サフラン
サフランはアヤメ科の多年草です。10月~12月ごろにとてもコンパクトな紫色の花を咲かせます。
草丈は10cm~15cmほどで、1つの球根から2輪~3輪程度の花が咲きます。
サフランはクロッカスの仲間であり、古くからスパイスや薬、染料として利用されてきました。
例えば、「サフランライス」はサフランの雌しべを使って黄色く色づけされています。育てた花の雌しべを摘み取り乾燥させてスパイスとして利用することもできます。
ただし、1輪の花から採れる量は限られているので、料理に活用するにはたくさんの花を育てる必要があります。
サフランの好む栽培環境
サフランは日当たりと風通しの良い場所を好みます。
球根が腐りやすいため、水はけの悪い場所は避けて植えつけましょう。
雨の多い地域では、季節に応じて移動できるよう鉢植えにしておくと安心です。
また、耐寒性は強いため、冬の間も屋外で育てられます。
植えつけ
サフランは球根から育てます。晩夏~初秋に、日当たりが良く、風通しが良い場所を選んで植えつけましょう。
植えつけが遅くなると球根のまま花芽が伸びてしまい、うまく根が張らないこともあるので、タイミングを逃さずに行ってください。
肥料
植えつけの際には、元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を施しておきます。規定量よりも半分ほどが目安です。
その後は、花が咲き終わる11月ごろと、生育期の2月下旬ごろに追肥を行いましょう。
追肥には置くだけで約2ヵ月間効果が持続する緩効性肥料『プロミックいろいろな植物用』を与えてください。
または1週間~10日に1回程度を液体肥料『ハイポネックス原液』を使いましょう。
水やり
基本的には土が乾いていたらたっぷりと水を与えます。ただし、過湿には注意が必要で、常に土が湿ったような状態にしておくのは避けましょう。
地上部が枯れ始めたら少しずつ水やりを控えて休眠の準備を行います。葉が完全に枯れてしまうまでは、水やりを続けましょう。
球根の掘り上げ
サフランの茎や葉は、5月ごろになると枯れ始めて休眠期に入ります。高温多湿の時期に植えっぱなしにしておくと、腐ることがあるため注意が必要です。
梅雨に入る前には、球根に茎葉をつけたまま掘り上げましょう。球根はしばらく乾燥させ、完全に茎葉が枯れたらカットします。
その際に分球してできた子株を外しておきましょう。球根が腐らないようネットに入れて風通しのよい涼しい場所でつるしておくと安心です。
再び適期が来たら植えつけを行います。分球して小さくなった球根を植えても、その年には花が咲かないことがあります。
確実に花を楽しみたい場合は、新しい球根を入手して植えましょう。
鉢植えの場合、球根を掘り上げずに雨の当たらない涼しい場所へ移して夏越しする方法もあります。
数年植えっぱなしにしていると球根が増えて鉢が窮屈になるため、掘り上げて分球しましょう。
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☘141:【Q&A】サフランの育て方|ハーブとして収穫するには?水やりや肥料など日々の管理もご紹介
11月に咲く花7:ツワブキ
ツワブキはキク科の多年草です。濃い色の大きな葉と、黄色い素朴な花とのコントラストが楽しめます。常緑で、寒い時期でも葉を観賞することができます。
開花時期は10月~12月で、たくさんの花を咲かせます。斑入りの葉を楽しめる品種や、クリーム色や朱色の花をつける品種などもあります。お好みの品種を探してみましょう。
また、ツワブキは食べられる野草としても親しまれてきました。春先の若い葉柄を摘み取り、アク抜きをしてから加熱して食べます。
煮びたしやあえ物などにぴったりなため、ぜひ味わってみてください。
ツワブキの好む栽培環境
ツワブキは日なたや明るい日陰を好みますが、耐陰性があるため日陰で栽培することができます。
ただし、斑入り品種の場合は、日なたに置くと葉焼けしてしまう可能性もあるので、明るい日陰に植えるのがおすすめです。
植えつけ
ツワブキの植えつけ適期は、4月~5月や9月~10月ごろです。
苗を購入したら、鉢や花壇などへ植えつけてあげましょう。土質をあまり選ばずに生育することができます。
元肥としてマグァンプKが配合されている『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』で元気に育ちます。
地植えの場合、排水性を高めるために土を10cm~20cmほど土を盛ってから植えつけると良いでしょう。
肥料
植えつけの際には元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を混ぜ込んでおきます。
4月~9月には月に1回の頻度で追肥に『プランティア 花と野菜と果実の肥料』を施しましょう。
地植えの場合は、鉢植えよりも追肥を控えめに行います。
水やり
ツワブキは乾燥に強い植物です。地植えにした場合、根づいた後の水やりはほとんど必要ありません。
ただし、雨が降らずに乾燥が続くときは水を与えてください。
鉢植えの場合は鉢土が乾いてからたっぷり与えましょう。
植えかえ
鉢植えのツワブキは1年~2年に1回の頻度で植えかえます。根が鉢に回ってしまう前に植えかえましょう。
適期は芽出し前の時期となる4月です。古い土を落として、傷んでいる根を取り除いたら新しい用土へ植えかえてあげましょう。
株分け
ツワブキを増やす方法の一つが株分けです。長く育てて大株になったら、株分けをして更新するとよいでしょう。
植えかえと同時に行うと効率的です。株を掘り上げたら、一株あたり芽が2個~3個残るようにして分けます。細かく分けすぎないように気をつけましょう。
11月に咲く花8:パンジー
パンジーは冬から春まで長く咲き続ける、寒さに強い花です。フリンジ咲きや複雑な色合いなど驚くほど多彩な品種があり、庭やベランダを華やかに彩ります。
生育温度が5℃前後まで下がっても花が長く咲き続けるため、冬のガーデニングで人気があります。
また、株姿がまとまりやすく扱いやすいのも魅力です。鉢植えや花壇、寄せ植え、ハンギングバスケットなど、スペースやデザインに合わせて多彩なレイアウトが楽しめます。
色や咲き方を組み合わせれば、同じパンジーでもまったく異なる印象のガーデンを演出できるでしょう。
こまめな花がら摘みや肥料管理で、冬の間も株を健康に保ち、春まで長く花を咲かせてくれます。
ここでは、パンジーが好む栽培環境や管理方法をご紹介します。
パンジーが好む栽培環境
パンジーは日光がしっかり当たり、風通しのよい場所を好みます。
室内で育てる場合は、日光がよく差し込む窓際など、できるだけ日当たりの良い場所に置きましょう。
冬は日照時間が短くなるため、日照不足の環境では植物育成ライトで光を補うと、生育や花つきが安定しやすくなります。
1日を通して日当たりが確保できる南向きの庭やベランダなど、十分な光が得られる場所で育てましょう。
水やり
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるくらいたっぷり与えましょう。
冬は土が凍結して根を傷めるおそれがあるため、気温が上がる午前中に水やりを行ってください。
やや乾燥気味に管理することで、根腐れを防ぎ、健全な生育につながります。
土づくり
水はけと通気性に優れ、適度な保肥力に優れた土が適しています。
市販の花苗用培養土『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』を活用するのが手軽でおすすめです。
ご自分でブレンドする場合は赤玉土6、腐葉土3、牛ふん堆肥1の比率で組み合わせるといいでしょう。
肥料
植えつけ時に緩効性肥料として『マグァンプK中粒』を元肥として土に混ぜ込みます。
生育期間中は液体肥料『ハイポネックス原液』を1週間~10日に1回与えることで、花を咲かせるエネルギーを補えます。
花つきをよくしたい場合は、リンサンを多く含む肥料を選ぶのがおすすめです。
花がら摘み・切り戻し
咲き終わった花はこまめに摘み取りましょう。花がらをそのままにしておくと、種づくりにエネルギーを使ってしまい、次の花が咲きにくくなります。
春に株が疲れてきたら、3月ごろまでに切り戻して株をリフレッシュしましょう。切り戻しを行うと新芽の発生が促され、花つきが長く続きます。
また、春先は気温の上昇によりアブラムシなどの害虫が発生しやすくなるため、定期的に株を観察し、早めに対処することが大切です。
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘11:パンジーの育て方|花を長く楽しむコツ、植えつけの注意点、剪定や花がら摘みの方法などご紹介
11月に咲く花9:ビオラ
ビオラはパンジーより花が小ぶりですが、次々と花を咲かせ、長い開花期間を楽しむことができます。
秋から翌春までの約半年間、庭やベランダを明るく彩り、冬のガーデニングに欠かせない存在です。
色や模様、花びらの形状が豊富で、毎年のように新しい品種が登場します。
アンティーク調の落ち着いた色合いからビビッドなビタミンカラーまで幅広く、鉢植えや花壇、寄せ植え、ハンギングバスケットにも映えます。
また、生育スピードが早く、花つきの良さもビオラの魅力です。
こまめに花がら摘み取ることで、株姿が整い、春先まで美しい状態を楽しめます。
ここでは、ビオラ栽培のポイントをご紹介します。
ビオラが好む栽培環境
ビオラはパンジーと同じく、日当たりと風通しの良い場所で元気に育ちます。
種から育てる場合は、発芽するまでは直射日光を避けた明るい日陰で管理し、芽が出たら日当たりの良い場所へ移しましょう。
マンションのベランダでも栽培できますが、高層階では風が強くなりやすいため、防風ネットなどで対策をしておくと安心です。
水やり
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。
冬は夜間の冷え込みで土が凍結するおそれがあるため、暖かい午前中に水やりをしてください。
植えつけ直後から根が張るまでの1ヵ月〜2ヵ月は乾きやすいので、こまめな水やりを心がけてください。
土づくり
ビオラは、水はけと通気性の良い用土で元気に育ちます。
地植えする場合、植えつけ前に苦土石灰や堆肥や緩効性肥料『マグァンプK中粒』などを加えてよく耕しておきましょう。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』を使うのがおすすめです。
さらに水はけをよくしたいときは、赤玉土や鹿沼土を混ぜて通気性を高めると、根腐れ防止につながります。
肥料
植えつけ時には緩効性肥料『マグァンプK中粒』を元肥として混ぜ込みます。
花が次々と咲き始めたら、追肥を行うことで花つきがより良くなります。
追肥は、液体肥料『ハイポネックス原液』なら1週間~10日に1回程度与えてください。
緩効性肥料の『プランティア 花と野菜と果実の肥料』なら月に1回程度を目安に与えましょう。
植えつけ
気温が安定した秋(9月下旬〜11月ごろ)が植えつけの適期です。この時期に植えることで、冬の間に根がしっかり張り、春まで花を長く楽しめます。
植えつける際は、ポットから苗をそっと取り出します。根が鉢の形に固まっている(根鉢)場合は、軽くほぐしてから植えてください。
深植えや浅植えにならないよう、株元と土の高さがそろうように調整するのがポイントです。
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘10:ビオラの育て方|花を長く楽しむコツ、植えつけの注意点、剪定や花がら摘みの方法などご紹介
11月に咲く花10:マム(洋菊)
マム(洋菊)は、秋から初冬にかけて開花のピークを迎え、11月の庭やベランダを華やかに彩ります。
スプレーマムやポットマムなど、洋風のマムは色や形のバリエーションが豊富で、和菊とはひと味違う華やかさとモダンな印象が特長です。
コンパクトにまとまる株姿から大きくボリューム感を出せるタイプまであり、プランターや花壇、寄せ植えなど、用途に応じた多彩なアレンジが可能です。
さらに、耐寒性があるため、晩秋〜初冬にかけて色鮮やかな花を咲かせます。
こまめに花がらを摘み取ると株が乱れにくくなり、開花期間を長く保つことができます。
マム(洋菊)の好む栽培環境
マム(洋菊)は、日光をしっかり浴びることで元気に育ちます。
生育には日当たりと風通しの良い場所が欠かせず、日照が不足すると花つきが悪くなり、茎が細くなることがあります。
生育適温はおよそ15℃〜25℃で、春〜初夏に株を充実させ、秋〜初冬にかけて花を咲かせる短日植物です。
夜間に照明が当たると花芽の形成が遅れるため、街灯や室内灯を避けるとスムーズな開花が期待できます。
水やり
土の表面が乾いたら、朝に鉢底から水が流れるまでたっぷり与えましょう。
過湿は根腐れの原因になるため、常に湿った状態は避けてください。
地植えの場合は、植えつけ直後や乾燥が続く時期を除き、基本は降雨に任せて問題ありません。
土づくり
水はけがよく、肥沃な土を好みます。市販の草花用培養土『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』を使うのがおすすめです。
自分で配合する場合、赤玉土をベースに腐葉土・ピートモスなどを混ぜて、通気性と保水性を両立させると根が張りやすくなります。
肥料
植えつけ時に、緩効性肥料『マグァンプK中粒』元肥として混ぜ込みます。
春から秋の生育期には液体肥料『ハイポネックス原液』を追肥しましょう。
特に開花前の9月〜10月は肥料を多く必要とするため、1週間~10日に1回を目安に与えると効果的です。
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11月に咲く花|よくある栽培トラブルと対策
11月は低温や過湿によるトラブルが発生しやすくなるため、早めの対策が欠かせません。
ここでは、11月に多い栽培トラブルとその対策方法を解説します。
霜で葉や花が傷んでしまう
霜は植物の細胞内の水分を凍らせ、組織を傷つけるため、葉が黒ずんだり花が傷んだりします。
霜が予想される夜は、不織布やビニールで覆って花を保護しましょう。
鉢植えの場合、夜間だけ室内に取り込むと、寒さによる傷みを防ぐのに効果的です。地植えの場合、株元に敷き藁や腐葉土を敷くと良いでしょう。
室内温度が下がりすぎてしまう
暖房を切った夜間は室温が生育適温を下回ると、植物の成長が止まり、寒さで傷むことがあります。
鉢を段ボール箱で覆ったり、窓際から部屋の中央に移動させたりして冷え込みを防ぎましょう。
また、植物育成用のLEDライトで光と温度を補うのも効果的です。
根腐れを起こしてしまった
冬は土が乾きにくく、過湿による根腐れのリスクが高まります。
土の表面が乾いてから水を与え、受け皿の水は必ず捨てましょう。根腐れの兆候が見られた場合は、腐った根を切り取り、水はけのよい新しい土に植えかえると回復しやすくなります。
やや乾き気味に管理することが重要です。
おわりに
11月に咲く花は、色や形、草丈、そして耐寒性まで多彩です。寒さが深まる季節でも華やかさを添えてくれます。
しなやかに咲く花々は、見ているだけで心を温め、元気を届けてくれます。
今回ご紹介した植物を植えて、冬から春にかけての庭・ベランダを華やかに演出してはいかがでしょうか。
公開:2022年11月2日
更新:2023年11月6日
更新:2024年11月15日
更新:2025年10月29日
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