【カボチャの育て方】初心者でも甘い実がどっさり!品種選びから収穫まで解説

カボチャは生育が早く、家庭菜園初心者にも育てやすい野菜です。土質をあまり選ばないことから、日当たりのよい場所であればツルをぐんぐんと伸ばして力強く育ちます。
この記事では、カボチャの基本情報から栽培の流れ、育てるうえで気をつけたいポイントまでをわかりやすく紹介します。
基本を押さえて、ぜひご家庭でさまざまな品種のカボチャ栽培に挑戦してみてください。
- 目次
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- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- カボチャの育て方|基礎知識
- 甘くなる仕組みと旬の糖度
- プランターでも栽培できる?
- かぼちゃは栄養価の高い緑黄色野菜
- カボチャの育て方|主な品種
- 西洋カボチャ
- 日本カボチャ
- ペポカボチャ
- ガーデニング初心者におすすめの品種
- カボチャの育て方|基本の栽培方法
- カボチャが好む栽培環境
- 種まき
- 土づくり
- 植えつけ
- 水やり
- 肥料
- 支柱立て
- 整枝
- 人工授粉
- 摘果
- 玉直し
- 収穫
- キュアリング
- 長期保存のコツ
- カボチャの育て方|連作障害
- 輪作におすすめの野菜
- カボチャの育て方|病害虫対策
- うどんこ病
- ウリハムシ
- 敷きわらで乾燥や防虫防止
- カボチャの育て方|よくある栽培トラブル
- 発芽しづらいのは気温や湿り気が足りないからですか?
- かぼちゃの実がならない理由は?
- 花は咲くのに実が太らず黒くなって腐る原因は?
- うどんこ病や疫病はいつ出やすく、どう防ぎますか?
- おわりに
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘81:カボチャの育て方|色艶の良い、おいしいカボチャを育てるには?植えつけや水やり、肥料の与え方などもご紹介
カボチャの育て方|基礎知識

カボチャはウリ科カボチャ属に分類される野菜で、原産地は南北アメリカといわれています。
日本に伝わったのは16世紀後半頃で、古くから食文化に根づいてきました。
「冬至カボチャ」という呼び名から秋冬の野菜と思われがちですが、実際の収穫期は7月〜8月と、れっきとした夏野菜です。
カボチャは保存性が非常に高く、夏に収穫した実を寝かせておくと熟成が進み、栄養価やうまみが増していきます。
そのため、秋から冬にかけてが食べ頃となり、冬の食卓に登場するようになります。
甘くなる仕組みと旬の糖度
カボチャの甘さは、収穫後の保存期間によって変化します。
収穫直後はでんぷん質が多く糖度が低い状態ですが、保存中にでんぷんが糖へと分解され、しだいに甘みが増していきます。
この過程は「キュアリング」と呼ばれ、品種によって差はあるものの、収穫後7日〜10日ほど追熟させた頃に糖度がもっとも高まります。
よく熟したカボチャでは糖度10〜15度に達し、これはりんごやスイカに匹敵する甘さです。
プランターでも栽培できる?
カボチャは広い畑が必要と思われがちですが、実際にはプランターでも栽培できます。
60cm以上の大型プランターに支柱を立ててつるを立体的に誘引すれば、ベランダなどの限られたスペースでも十分育てることができます。
さらに、最近は手のひらサイズのミニカボチャや、袋栽培に適した品種も登場しています。
袋栽培なら市販の培養土の袋をそのまま利用し、上部を開いて苗を植えるだけで始められます。
とても手軽なので、ガーデニング初心者の方にもおすすめです。
かぼちゃは栄養価の高い緑黄色野菜

程よい甘みとホクホク感がおいしいカボチャは、栄養満点の野菜です。
昔は、野菜が不足する冬至の時期の貴重な栄養源として、長期保存可能な野菜であるカボチャが重宝されていました。
カボチャを食べると「風邪をひかない」、「長生きする」、「お金に困らない」など、縁起の良い食べ物としての意味合いもあったそうです。
カボチャは、体内でビタミンAになるβカロテンを豊富に含みます。果肉のオレンジ色がより濃いほどβカロテンは豊富で、日本カボチャよりも西洋カボチャのほうが多く含まれているといいます。
他にも、食物繊維やたんぱく質、カルシウム、ビタミンC、ビタミンB₂、ビタミンEなどの栄養成分が豊富に含まれています。
栄養価の高いカボチャは、風邪予防や肩こり対策、冷え性対策、便秘改善などの効能が期待できます。
普段は果肉だけを食べることが多いですが、実は、皮や種、ワタもまるごと調理して食べることができます。
果実以外の部分にもたくさん栄養が詰まっているカボチャは、加熱すると甘みが引き立ちます。
煮物はもちろん、茹でてサラダにしたり、炒め物や揚げ物にしたりいろいろな料理でおいしく食べてみてください。
カボチャの育て方|主な品種

南北アメリカ原産とするカボチャは、ポルトガル船によって日本に伝来したとされています。大きく3種類に分けることができます。
西洋カボチャ
現在流通しているほとんどのカボチャが、西洋カボチャです。
皮はツルっとしたものが多く、果肉はホクホクとした粉質で、食感と甘みの強さから「栗カボチャ」とも呼ばれています。
西洋カボチャは、日本カボチャよりもβカロテンやビタミンEが多く含まれているのが特長です。
冷涼で乾燥した気候を好む西洋カボチャは、高冷地で多く栽培されています。
日本カボチャ
日本カボチャは、昔から栽培されてきた在来の品種です。
皮はゴツゴツしており、ねっとりとした食感と、程よい甘みが特長です。煮崩れしにくく、淡白な味わいから煮物にぴったりです。
西洋カボチャが主流となった現在は手に入れるのが難しくなり、高級素材として日本料理店などで主に使用されています。
高温多湿の環境に強い日本カボチャは、日本のような温暖な国で栽培されています。
ペポカボチャ
ペポカボチャは、そうめん南瓜やズッキーニ、バターナッツなど変わった品種が多いです。
色や形などを楽しむ観賞用の品種もあり、個性豊かな見た目が特長です。
また、耐暑性に優れているため、心者でも育てやすい種類といわれています。
ガーデニング初心者におすすめの品種
ポイントは、小型で管理がしやすい品種を選ぶことです。
たとえば、ミニカボチャの代表格「プッチィーニ」は手のひらサイズで愛らしく、プランター栽培に向いています。
また、ひょうたん型で皮が薄くスープに最適な「バターナッツ」や、小型で育てやすく皮ごと生食できる「鈴カボチャ」も人気の品種です。
いずれも大型の西洋カボチャに比べてスペースをとらず、ベランダや小さい庭でも気軽に育てることができるため、ガーデニング初心者におすすめします。
カボチャの育て方|基本の栽培方法

カボチャは土質を選ばず、病害にも強い野菜なので、ガーデニング初心者の方でも比較的簡単に育てられます。
ここからは、カボチャの基本となる栽培方法を詳しくご紹介します。
カボチャが好む栽培環境
カボチャの生育適温は17℃~20℃で、10℃以下になると生長が止まり、霜が当たると枯れてしまうこともあります。十分暖かくなってから種まきや植えつけを行いましょう。
プランター栽培をするときは、仕立て方法によってつるや葉が伸びてしまい、カボチャ全体に日光が当たりにくくなります。
果実を均等に育てるためにも、プランターで育てるときは定期的に場所を移動して、カボチャ全体に日光が当たるようにしてあげましょう。
種まき
カボチャを種から育てるときは、地域によって種まきの適期が少し異なります。
暖地:3月初旬頃~4月下旬頃
一般地:3月中旬頃~5月中旬頃
寒冷地・冷涼地:4月中旬~6月初旬頃
育苗期間はおよそ1ヵ月で、その後プランターや畑に植えつけ定植させます。定植した苗は2ヵ月くらいで収穫できるまで大きくなります。
また、市販の苗を購入して育てても構いません。1株につき5個くらいのカボチャを収穫できるので、種が発芽したら生育がよいものだけを残して間引きをしてあげます。
土づくり

カボチャの種まきから約30日後、ちょうど本葉が3枚くらいになった頃が植えつけをおこなう目安です。育苗ポットで育てたカボチャの苗を植えつける前に、土を用意しましょう。
土づくりは、遅くても植えつけの2週間前までに始めておくと安心です。
市販の培養土『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』を利用すると手軽に始めることができます。
土を自作するときは、赤玉土6、腐葉土を3、バーミキュライトを1混ぜ、そこに酸性の土を中和させる苦土石灰を混ぜておきます。
植えつけをする1週間前に深さ約30cm、直径30cm~40cmの穴を掘り、堆肥や、元肥として緩効性肥料の『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を混ぜ込みます。
窒素が少なめの肥料であれば、ツルボケを防ぐことができます。
ツルが広範囲に伸びるカボチャを畑に植えつける場合は、地這い栽培するために、幅80cm~00cm、高さ10cm~15cmの畝を作っておきましょう。
植えつけ

植えつけのタイミングは育てる地域によって多少違いはありますが、種をまいてから1ヵ月、一般地であれば4月下旬~5月下旬ごろに行ってください。
ポットで育てた苗の本葉が3枚くらいに成長している頃が目安です。
プランターに植えつける場合
カボチャをで栽培するときは、60㎝以上の幅があり、深さのある大型のものを用意してください。
2週間前から作っておいた土をプランターの8分目くらいまで入れます。株間を60cm~70cmくらいあけて2株植えつけましょう。
苗を植えつけるときに根鉢を崩さないようにやさしく扱い、大きめにあけた穴に水を入れてから浅く植えつけましょう。
畑に地植えする場合
地植えするときも、プランターと同じように株間を60cm~70cmくらいあけて植えつけます。
支柱を立てない、地這い栽培をする場合は、カボチャのツルがどんどん伸びるので株間を100cm以上あけておくといいでしょう。
植えつけるまえに育苗ポットを水につけておく、または穴に水をたっぷり入れてから苗を植えつけましょう。
これにより、植えた直後の苗がしっかり水分を吸収しやすくなります。
植えつけ後に冷え込むこともあるので、防寒や防虫対策のためにトンネルをかけておくのがおすすめです。
水やり

カボチャは乾燥に強い野菜なので、地植え栽培の場合は基本的に水やりの必要はありません。
過度な水やりは、うどんこ病などの病害虫による被害を招く原因となるためです。
プランターで育てる場合は水切れを防ぐために、土が乾燥したら水を与える程度で問題ありません。
肥料

定植したカボチャは、2回に分けて追肥をおこないます。
1回目の追肥は、植えつけから1ヵ月くらい経過した6月中旬頃~7月中旬頃におこないましょう。
実がにぎりこぶし大くらいのサイズになった頃に追肥をおこないます。葉が茂っているときは、追肥の量を少なくしてください。
株元から離れた場所に肥料をまくと、肥料焼けを起こす心配がありません。肥料の量は、株の状態に応じて調整してください。
2回目の追肥は、緩効性肥料の場合、1回目の追肥から約1ヵ月後を目安におこないます。
最初についた実が大きくなり始めた頃や、2番目以降の実がついたタイミングで追肥をしてください。
肥料を与え過ぎるとツルボケを起こしてしまうので、1回目の追肥であげた量と同じくらいの肥料を与えていきます。
追肥には『今日から野菜 野菜を育てる肥料』がおすすめです。
支柱立て

プランター栽培や、畑のスペースが限られているときは、支柱を立てる立体栽培で効率よく育てることができます。
立体栽培は、最小限のスペースでカボチャを育てられますし、地這栽培よりも風通しがよくなり、全体的に日光が当たりやすくなるので、病気にかかりにくいといったメリットがあります。
支柱を立てて伸びてきたツルを誘引するには、あんどん仕立てがおすすめです。 90㎝~100㎝くらいの支柱4本と紐を用意します。
カボチャの苗が真ん中になるように四隅に支柱を立てて、まわりに紐を張って固定します。カボチャのツルが伸びたら、巻きつけるように支柱へ誘引します。
プランター栽培であんどん仕立てにしたときは、全体に日光が当たるように場所を移動する、または定期的にプランターを回転させてください。
整枝
整枝とは、不要なツルや葉を切って、育てるツルを選ぶ作業のことです。風通しがよくなり、実がつきやすく、形もよく育つようになります。
西洋カボチャは、親ヅルに実がつきやすいので、摘心せずにそのまま育てましょう。
元気のいい子ヅルを2本伸ばして3本仕立てにして、同じ方向になるように支柱に誘引します。
残すツル以外の実がついていない枝は、風通しをよくするためにも刈り取りましょう。
日本カボチャは、子ヅルを4本残し、本葉が5枚~6枚くらいになった頃に親ヅルの先端を摘芯することで子ヅルに実がつきやすくなります。
人工授粉

カボチャは虫による自然受粉で実をつけますが、虫が飛んでいない雨の日や、高層階のベランダや、確実に着果させたい場合は人工受粉をおこないましょう。
雄花と雌花はそれぞれ下記のような特長があります。
・雄花(おばな):花の下にふくらみがない
・雌花(めばな):花の下に、小さな実のようなふくらみがあります
1番はじめに咲いた雌花を受粉させると、ツルや葉っぱがちょうどよい具合に茂るので収穫率が高くなります。
人工授粉をするときは、花がしぼんでしまう前(日が高くなる前)、できれば晴れた日の早朝に雄花をとっておきます。
雄花の花弁を取り除いたら、雄しべを雌花の柱頭にこすりつけて受粉させます。
摘果
カボチャはツルの勢いが強く、たくさんの雌花が咲きますが、実をつけすぎると栄養が分散し、どれも小さくなりがちです。
株元に近い雌花は早めに取り除き、1本のツルに実は3個までに抑えましょう。
着果の数をしぼることで、養分が集中し、甘くて立派なカボチャが育ちます。
玉直し

開花~40日くらいがカボチャの収穫時期です。収穫の1週間~10日くらい前に、玉直しという作業をおこなうことで、カボチャ全体がきれいに色づきます。
表面が緑色にならなくても味はかわりませんが、見た目を整えるためにも2日おきに向きを変えてあげましょう。その際はヘタが取れないように扱ってください。
プランターで育てるときは、プランターを回転させてあげましょう。
収穫

開花から西洋カボチャは約40日~45日、日本カボチャは約25日~40日で収穫時期を迎えます。
西洋カボチャは、ヘタの部分がコルク状に乾燥してきた頃、日本カボチャはヘタが褐色の状態になってきた頃が収穫に適しています。
収穫の際は、ハサミでヘタ部分数センチ残して切り取ります。収穫したカボチャは、風通しがよい日陰で1週間~1ヵ月ほど置いて追熟させることで甘みがさらに増してきます。
保存性に優れたカボチャは、常温で2ヵ月~3ヵ月保存可能です。
キュアリング
収穫直後のカボチャはでんぷん質が多く、甘みが少ない状態です。
そこで「キュアリング」と呼ばれる追熟をおこなうと、でんぷんが糖に変わり、甘みが増すだけでなく保存性も向上します。
方法はシンプルで、収穫したカボチャを風通しのよい日陰に置き、25℃前後の環境で1週間〜1ヵ月ほど追熟させるだけです。
この期間に皮が硬くなり、長期保存に適した状態へと仕上がります。
長期保存のコツ

カボチャをできるだけ長く、おいしく味わうには、収穫から保存までの扱い方が重要になります。次のポイントを意識して管理しましょう。
収穫の際は完熟を見極め、ヘタがコルク状に乾燥し、爪で押しても跡がつかない程度まで硬くなったタイミングが目安です。
加えて、収穫や運搬の際に実を傷をつけないこともポイントです。小さな傷でもそこから腐敗が進むため、丁寧に扱ってください。
保存する環境は、風通しがよく湿度の低い10℃〜15℃前後の場所が適しています。
保存中は定期的に実の状態を確認し、腐敗が始まったものは早めに取り除くことが、全体を守るポイントです。
これらの管理を徹底すれば、2ヵ月〜3ヵ月ほど保存できます。
さらに、収穫後にキュアリングをおこなえば甘さと旨みが増し、長期間にわたりおいしく味わえるでしょう。
カボチャの育て方|連作障害
カボチャはウリ科の野菜なので、同じ場所で続けて栽培すると連作障害が起こりやすくなります。
土壌中の病害虫が増えたり、養分の偏りが生じたりするため、できれば2年〜3年は別の科の野菜を植えるのが理想です。
輪作におすすめの野菜
連作障害を防ぐために毎年違う科の野菜を順番に育てていく、輪作を取り入れるのがおすすめです。
カボチャを収穫した後には、秋冬野菜や翌年の春夏野菜を組み合わせて植えましょう。
- 白菜:8月下旬〜9月に種まき
- ブロッコリー:9月に苗を植えつけ
- キャベツ:9月上旬に苗を植えつけ
- 大根:9月上旬に種まき
翌年は、ウリ科と異なる科の野菜を選ぶのがポイントです。トマト・ナス・ピーマンなどのナス科は栄養バランスがよく適しています。
また、連作障害を避けるためには、毎年の栽培計画に取り入れるのが有効です。
カボチャの育て方|病害虫対策
カボチャは病害虫が比較的少ないため、家庭菜園初心者でも育てやすい野菜です。
しかし、後半になってくると「うどんこ病」や「ウリハムシ」が発生する可能性があります。
それぞれの対策方法について詳しく解説していきます。
うどんこ病
カボチャの葉が大きく茂り出した頃に多く見られる病気で、葉っぱの表面に白く粉っぽいカビが発生します。
最初は白い点が発生する程度ですが、進行すると葉全体が真っ白になり、果実や茎にも広がります。
うどんこ病がみられたときは、その部分をきれいに除去しましょう。
乾燥している時期に発生しやすいので、適度な水やりと、不要な葉を除去して風通しを良くすることが大切です。
ウリハムシ
ウリハムシは、体長が7mm~8mmくらいの茶色い虫で、6月中旬~7月下旬頃までに幼虫が多発して、カボチャの葉を食害します。
7月中旬~8月中旬頃に成虫が発生して葉を円形状に食害するため、成虫を見つけたら早めに処分しましょう。
光の反射を嫌がるので、シルバーマルチを敷いて飛来を防ぐと効果的です。
また、雑草を取り除いて風通しのよい環境を作ってあげることも害虫予防に効果的です。
敷きわらで乾燥や防虫防止
カボチャが定植して葉が茂り、ツルが伸び始めたら、株元に敷きわらを敷きます。カボチャの株元から敷きわらをして、ツルが伸びている方向に合わせて敷きわらを広げておきましょう。
カボチャの実の下に敷きわらをすると、害虫対策に効果的なほか、カビの侵入を防ぐといった効果も期待できます。
また、地這い栽培をしたときにツルが敷きわらに沿って伸びていくので、地表にツルが固定されて雨や風に強い状態をキープできます。
カボチャの育て方|よくある栽培トラブル

家庭菜園でカボチャを育てると、初心者がつまずきやすいポイントがいくつかあります。
ここでは代表的なトラブルとその対策を紹介します。
発芽しづらいのは気温や湿り気が足りないからですか?
カボチャの発芽適温はおよそ25℃前後で、地温が低いと発芽率が下がります。
種まきは十分に暖かくなってからおこない、発芽するまでは土を乾かさないことが大切です。
乾燥や過湿も失敗の原因になるため、水分管理には注意しましょう。
かぼちゃの実がならない理由は?
果実が大きくならないときは、受粉に失敗している可能性が高いです。
畑や庭など虫が花粉を運びやすい状況では自然に受粉することが多いですが、虫の少ない場所では自然受粉が難しいため、人工授粉を検討してください。
また、うまく受粉しているのに果実が大きくならないときは、肥料の与え過ぎが原因かもしれません。
カボチャの茎や葉ばかりがぐんぐん育っている場合は、肥料の量を少なくすることで果実が大きくなることがあります。
花は咲くのに実が太らず黒くなって腐る原因は?
主に、受粉不良が原因です。高温や雨続きで訪花昆虫が減ると受粉が不十分になり、実が育たず腐敗します。
確実に実をつけたい場合は、晴れた朝に雄花の花粉を雌花の柱頭に直接つける人工授粉をおこないましょう。
うどんこ病や疫病はいつ出やすく、どう防ぎますか?
うどんこ病は乾燥気味のときに葉の表面に白い粉状の症状が出て、疫病は長雨や過湿条件で果実が腐ったり葉が褐色になったりします。
発病した葉は早めに取り除き、果実の下にマットを敷くと病気の拡大を防げます。
おわりに

カボチャは比較的育てやすく、ガーデニング初心者にも取り組みやすい野菜です。
畑や庭での栽培では水やりの手間が少なく、病害虫にも強いため、整枝や摘心といった基本的な管理を行えば、労力をかけずに育てられます。
また、広いスペースが必要と思われがちですが、支柱を立ててツルを立体的に誘引すれば、限られた場所やプランターでも十分に育てられます。
近年はミニカボチャをはじめ、家庭菜園向きの品種も数多く登場しているので、まずは扱いやすい品種から挑戦してみてはいかがでしょうか。
公開:2020年7月29日
更新:2021年8月4日
更新:2025年10月13日
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