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【家庭菜園】 野菜作り初心者の方におすすめ! 春植えと秋植えも楽しめるジャガイモの育て方 失敗しない育て方のコツを紹介します。

【家庭菜園】 野菜作り初心者の方におすすめ! 春植えと秋植えも楽しめるジャガイモの育て方 失敗しない育て方のコツを紹介します。

ジャガイモは、プランターでも露地でも育てやすい家庭菜園向きの野菜です。ジャガイモ栽培といえば、春作が一般的ですが、暖かい地域や冷涼地を除いた中間地くらいの地域であれば、秋にもジャガイモ栽培を楽しめます。

今回はこれから初めて家庭菜園を始める方や、ジャガイモ栽培に挑戦したいと思っている方へ、春ジャガイモと秋ジャガイモの特徴をはじめ、種イモの特徴や植え方、収穫までの基本的な育て方を『春植え』と『秋植え』に分けて、栽培のポイントを詳しくご紹介します。

ジャガイモ栽培の特徴

じゃがいも栽培

ジャガイモは、南米アンデス地方原産のナス科の野菜です。食卓に欠かすことのできないジャガイモはいろいろな料理に使えますし、家庭菜園が初めての方でも失敗が少なく育てやすいことが魅力です。

 

ここでは、ジャガイモ栽培の特徴をについてご紹介します。

ジャガイモ栽培は春植えと秋植えの年2回!

ジャガイモは、「春植え」と「秋植え」の年2回栽培できる野菜です。春植えが育てやすくておすすめではありますが、温暖な地域であれば、8月下旬から9月上旬までに植えつけることで秋植え栽培を楽しむことも可能です。春植えと秋植えはそれぞれ育て方にポイントがあります。基本さえしっかりおさえていれば、どちらともあまり手間がかからないので、お子さまといっしょに家庭菜園や芋掘りを楽しみたいときにもぴったりの野菜です。

ジャガイモは種イモから育てる!

ジャガイモ栽培では、種から育てるのではなく、「種イモ」を種の代わりに植えて育てるのが基本です。食用に購入したジャガイモは種イモには向きません。あと(「種イモについて」)で詳しく紹介しますが、ジャガイモ栽培で使う種イモは法律によって検査が義務付けられており、それに合格したもののみが販売されています。

 

病害虫の伝染や拡大を避けるためにも、必ず検査済みの種イモを購入してください。

ジャガイモは土寄せして露出させない!

ジャガイモを育てるときのコツのひとつが、「土寄せ」です。ジャガイモは地上に露出して日光に当たると緑化して変色する他、毒素のあるソラニンという物質が作られてしまいます。

用土を少なめにして育てながら土寄せをし、その都度、用土を足しながら、ジャガイモを地表に露出させないことが上手に育てるコツです。

春植え・秋植え、それぞれに適した品種がある!

ジャガイモは、世界中で栽培されている野菜です。メークインや男爵などの品種が有名ですが、最近は、直売所に限らず、スーパーやホームセンター、園芸専門店などにもたくさんの品種の種イモが販売されています。

 

品種によって、春植え専用の品種や、秋植え向きの品種など、それぞれに特性があります。ほとんどの品種は春植えで育てられますが、秋植えをする場合は休眠時間が短い品種を選ぶことで育てやすくなります。

ジャガイモ栽培では石灰は控えめする!

野菜を育てるときは、土に追肥や腐葉土を入れ、元肥に肥料、そして石灰を一緒に加えることが多いです。石灰を混ぜることでカルシウムを土に補給できるといった効果がありますが、ジャガイモ栽培の場合は必ずしも石灰を加える必要はありません。

 

ジャガイモは弱酸性の土を好むので、石灰を与えすぎると「そうか病」の原因になりやすいとされています。酸性に傾きすぎているときは酸度を調整するために石灰を加えることもありますが、前作で石灰を加えている場合は無理に混ぜる必要はないでしょう。

秋植えは植えつけ時期が短い!

春植えは、植えつけの時期が2月下旬から3月までと比較的長いですが、秋植えの場合は、適期が8月下旬から9月下旬までと短いので、植えつけ時期を逃さないように注意します。適期よりも早すぎても遅すぎてもジャガイモの生育に影響がでてしまうので、地域に適した時期に植えつけをすることがポイントです。

ジャガイモは袋栽培もOK!

初心者も取り組みやすいジャガイモ栽培は、プランターや大きめの鉢がなくても「袋栽培」で育てられます。土袋やお米が入っていた袋を使えば、プランターをわざわざ購入しなくても簡単にジャガイモを育てられます。

袋栽培の手順は、プランターでジャガイモを育てるとき同じです。ベランダに大きなプランターは置けないときや、コストをあまりかけずに始めたいといったときは袋栽培でじゃがいもを育ててみてくださいね。

春ジャガイモと秋ジャガイモについて

春ジャガイモ

春ジャガイモ

春ジャガイモは、2月下旬から3月までに植えつけをしてから3か月ほど経った初夏に収穫できます。気温や湿度が高くなるとジャガイモは傷みやすいので、出来れば梅雨の時期に入る前に収穫を済ませられるように植えつけのタイミングを調整するのがおすすめです。

 

ジャガイモには、芽の生長が一定期間止まる「休眠期」が存在します。一般的に、春植えに適した品種は休眠期間が長いとされています。ジャガイモ品種として一般的によく知られる「男爵」や「メークイン」は休眠時間が長いことから、春植えに向いている品種です。「キタアカリ」、「ベニアカリ」、「アトランチック」、「マチルダ」などは休眠が長いとされています。

 

春植えに向いている春ジャガイモは秋植えをしても収穫できる見込みはほとんどありません。春ジャガイモは休眠期間が長いので、秋植えしても芽が出るのに時間がかかり、収穫期を迎える前に冬が来てしまうからです。

秋ジャガイモ

秋ジャガイモ

秋ジャガイモは、8月下旬から9月下旬という短い期間に植えつけをし、本格的な冬に突入する前に収穫します。夏じゃがいもと同じく、植えつけから3か月ほどで収穫できるようになります。

 

夏植えに比べて秋植えの場合、収穫量はやや少なめになりますが、でんぷん質が多く、ホクホクとした食感が増すのが特徴です。

 

秋植えに向いている品種は、秋じゃがいもの代表格として知られる「デジマ」です。病気にも強く、夏ジャガイモ男爵のようにホクホク感を楽しめます。「ニシユタカ」、「アンデスレッド」など休眠時間が短い品種は秋植え向きです。

 

秋ジャガイモは春植えもできる場合が多く、二期作にも向いています。ただ、春ジャガイモのほうが収穫量は多く、日持ちもするので、春には春ジャガイモを植えたほうが良さそうです

ジャガイモ栽培の土づくり

家庭菜園で大きなジャガイモを育てるには、植えつける前に行う「土づくり」の作業がとても大切です。ここでは、ジャガイモ栽培を始める前に用意するもの、ジャガイモ栽培を成功させるための土作りのやり方とポイントについて紹介します。

 

ジャガイモ栽培を始める前に、以下のものを用意します。

 

・大型で深めのプランター

ジャガイモを家庭菜園で育てるときは、60㎝以上の大型のプランターを用意してください。ジャガイモ栽培では「まし土」をよく行うので、浅めタイプではなく、深さ30cm以上の深めタイプを選びます。プランターといっしょに、底石用の軽石やネットを用意しておきましょう。

 

 

・肥料

元肥(肥料)がブレンドされていない培養土を使う場合や、土を自作する場合は、元肥として、化成肥料を用意して下さい。おすすめは、元肥・追肥に使え、2~3か月肥料効果が持続する粒状肥料『今日から野菜 野菜の肥料』です。

 

 

・野菜用の培養土or土を自作

ジャガイモをプランターで栽培するときは、野菜の培養土を使用します。野菜の培養土は元肥入り(肥料がブレンドされた培養土)なのですぐに植えつけできますし、管理しやすくて便利です。最近はジャガイモ専用の培養土もあります。

プランターでジャガイモを育てる場合の土づくり

プランターでジャガイモ

ジャガイモは、水はけや水もちのいい用土を好みます。プランターでジャガイモを育てる場合は市販の野菜の培養土を使うと簡単ですが、土を自作する場合は、赤玉土を7腐葉土2、砂とバーミキュライト0.5づつ混ぜておきます。

 

畑でジャガイモを育てる場合の土づくり

畑でジャガイモ

ジャガイモを畑で育てるときは、種イモを植えつける1ヶ月前、遅くとも2週間前には土作りを始めましょう。排水性の良い土壌を作ることを心がけ、石灰は1㎡あたり石灰50g、堆肥は1㎡あたり500gまきます。

野菜を育てるときは、石灰を土に混ぜ込んで酸度を調整しますが、ジャガイモ場合は弱酸性の土を好むので、石灰は少なめにする、場合によっては石灰を入れないこともあります。

 

ペーバーメーターを使って畑の土壌酸度を測定します。畑のpH値が5.0~6.0の範囲になるのが目安です。酸性に傾きすぎている時は、植えつけの2週間前までに石灰を畑全体に散布して耕しておきます。pH6.0以上あるときは石灰を入れる必要はありません。pH7以上だと、アルカリ性の土壌となり、そうか病が発生しやすくなるからです。

 

畝立て

畑でジャガイモを育てる場合は、畝を立てます。畝の幅は70㎝~80cm、畝の高さは植えつけ時で10㎝くらいが目安です。畝を高くするとより排水がしやすくなり、育ちも良くなるので、畑の状態に合わせて高さを調整しましょう。

 

マルチ

ジャガイモを栽培するときにマルチを張ると、乾燥予防や霜焼け予防に効果があります。また、雨の日の泥はね予防や、除草の手間も省けておすすめです。ジャガイモを植えつけて発芽したら、マルチから芽を外に出すために穴をあけておきます。

種イモについて

種イモ

ジャガイモは、種からではなく、「種イモ」を植えつけて育てる野菜です。食用や自家栽培で収穫したじゃがいもはウイルスにかかっている可能性があるので、家庭菜園や畑でジャガイモを育てるときは必ず種イモを購入してください。

ホームセンターや園芸専門店、スーパーなどで購入するときは、必ず、農林水産省の検査機関で検査済みで、ウイルスに侵されていない品質の保証されている種イモを選ぶことが大切です。

 

種イモは40g~60g以上の小ぶりのものが適当とされています。秋ジャガイモを育てるときは、寒さに負けないように、出来れば60g以上の種イモを選ぶのがおすすめです。種イモの皮をチェックして、表面に黒ずみや腐敗、シワがないもの、芽が一か所に集中するのではなく、分散されているものを選んでください。

 

 

春植えと秋植えでは、種イモの事前準備の方法が違います。それぞれに適したやり方と種イモの選び方について紹介します。

 

【春植え】種イモ準備

2月下旬から3月に植えつけるので、植えつけの1ヶ月前から種イモの準備を始めます。春植え用の種イモは、男爵やメークイン、ニシユタカ、キタアカリなどの品種が初心者向きでおすすめです。

 

STEP1.種イモを貯蔵して芽を伸ばす

STEP2.50g以上のものだけは切り分ける

STEP3.切り口に草木灰をつける。又は切り分けた断面をよく乾燥させる

 

春植え用の種イモは、丈夫な若芽が発芽するように、20℃前後の暖かい場所に貯蔵します。この時、種イモが乾燥しすぎないようにクッキングペーパーなどをかけておきます。

浴光で育芽することで発芽が早まり、より早く収穫できるようになります。

 

切り分けるときは、いくつも芽が出ている部分を中心にして切ります。このとき、1つの片に2芽から3芽つくようにするのがポイントです。切り分けた種イモは切り口に草木灰をつけるか、しっかり乾燥させてから植えつけます。

 

種イモは、50g以上のものは切り分けます。50g以下のものは切り分けずに、そのまま植えつけます。

【秋植え】種イモ準備

8月下旬から9月下旬に植えつける秋植えは、春植えと同じように、植えつけの1ヵ月前から種イモの準備を始めます。春植え用の種イモでは上手く育たないので、休眠期間の短い秋植えに向いている品種を選びます。

 

STEP1.種イモを貯蔵して芽を伸ばす

STEP2.ペーパーをかけて若芽を太く伸ばす

POINT:秋植えの場合は種イモを切り分けない

 

秋植えの場合も、春植えと同じように種イモを貯蔵することで若芽を太く伸ばします。乾燥しないようにペーパーをかけて、20℃前後の暖かく、多湿にならない場所に貯蔵します。

 

春植えでは大きさによって種イモを切り分けていましたが、暑い時期に植えつけを行う秋植えの場合は、切り分けたことで腐りやすくなるので、種イモはそのまま植えつけます。

ジャガイモの植え方について

ジャガイモ植えつけ

種イモの準備が出来たら、プランターや畑に植えつけます。

植えつけ方(プランター)

プランター・軽石・用土・肥料(元肥)・種イモを用意します。

 

STEP1.プランターに軽石を入れる

STEP2.半分くらいの深さまで土を入れる

STEP3.種イモを10㎝ほどの深さに植えつける

STEP4.土を5㎝ほどかぶせる

STEP5.手のひらで軽く土を押さえる

STEP6.水をたっぷりあげる

 

土づくり

市販の元肥入り培養土であればそのまま植えつけることが出来ます。

 

元肥が入っていないものや、自作の土の場合は、土に元肥を混ぜ込むようにしましょう。

元肥には、追肥にも使え、2~3か月肥料効果が持続するコーティング肥料『今日から野菜 野菜の肥料』がおすすめです。

 

 

深めのプランターを用意して、底に軽石を入れます。ジャガイモは管理している間に何度かまし土をするので、土が溢れないようにプランターの半分くらいの高さまで土を入れます。土を入れ過ぎると水やりをした時に、土が流れ出てしまうことがあるので注意してください。

 

プランターに土を入れたら、種イモを20㎝から30㎝くらいの間隔で植えつけます。プランター栽培の場合は種イモは2個まで、鉢植え栽培の場合は1個までが目安です。種イモを植えつけたら、その上に5㎝くらいの土をかぶせて、手のひらで軽く土を押さえてください。

<プランター植えつけポイント!>

春まき:切り分けた種イモは、切り口を下にして植えつけよう!

秋まき:若芽がよく伸びているほうを上にして植えつけよう!

植えつけ方(畑)

種イモを植えつける2週間前までに畑を十分に耕しておきます。じゃがいもは深く根を張るので、20㎝くらいの深さまでしっかり耕すのがポイントです。

 

STEP1.畝の中央に深さ5㎝くらいの溝を掘る

STEP2.種イモを溝に30㎝間隔で並べる

STEP3.2、3㎝覆土する

STEP4.種イモ間に元肥を施す

STEP5.肥料をまく

STEP6.10cmくらい土を盛り上げる

STEP7.マルチまたは敷き藁を被せる

 

畝の中央に深さ5㎝ほどの浅めの溝を掘ります。掘った溝に種イモを株間30㎝くらいで並べます。株間が狭すぎるとジャガイモの根が干渉し合い、生育が悪くなったり、収穫したときに根が土中に残ってしまったりするので十分な間隔をとりましょう。

 

種イモを並べたら、2、3㎝くらい覆土します。種イモ同士の間に『今日から野菜 野菜の肥料』をまきます。

10cmくらい土を盛り上げて軽く土を押さえます。ジャガイモは浅植えすることで大きく育てやすくなります。植えつけ後は基本、水やりはしなくて大丈夫です。

 

 

<畑植えつけポイント!>

種イモを植えつけた部分は水がたまりやすので、あらかじめ高く盛り上げて排水しやすいようにしておきましょう。

 

春まき:切り分けた種イモは、切り口を下にして植えつけよう!

春まき:霜よけや早掘りを目的としてマルチ栽培もおすすめ!

秋まき:地温の上昇を抑えるためにマルチや巻き藁を被せる!

秋まき:植えつけ後に雨が降らないときは水やりをして出芽を早める!

ジャガイモの芽かき

ジャガイモ芽かき

「芽かき」は、種イモから伸びた芽を刈り取り、1株あたりの芽の数を減らすための作業です。芽かきをしないと芽の数が増える反面、枝や葉が生い茂り、養分が分散するので実が大きくなりません。

ジャガイモを大きく育てたいときは、芽かきの作業は絶対に欠かせません。

植えつけから1ヶ月後が芽かきのタイミング!

種イモを植えつけてから、1ヶ月くらいすると、芽が3~5本ほど出ます。草丈が10㎝~15㎝くらいに成長したら、このタイミングで芽かきを行います。

 

春植えの芽かき:4月中旬から下旬くらい

秋植えの芽かき:9月中旬から下旬くらい

じゃがいもの芽かきのやり方

芽かきの本数は、ジャガイモの品種や収穫時期によって変わります。通常は、茎が黒くて色の濃い丈夫そうな芽を2~3本残して他の芽はすべて取り除きます。早掘り栽培をする場合や、大きなジャガイモを収穫したい場合は1本だけ芽を残します。

 

地面をしっかりと押さえて、間引く芽以外の根元部分を斜めの方向に倒すように引き抜くと上手に芽かきができます。引き抜いたときに種イモが抜けてしまったときは、また植え直します。

ジャガイモの水やり

ジャガイモの花

ジャガイモは比較的乾燥に強い野菜ですが、過湿の状態は好みません。湿気が多いと土の中で腐ってしまうことがあるので、「水はけのよい土を用意すること」、「畑で育てるときは種イモを植えつけた部分を周囲よりも高めにすること」がポイントです。

 

プランター栽培の場合は、植えつけ後にたっぷり水やりをしますが、その後は基本的に土が乾いてきた頃に水やりをするくらいで十分です。水やりをするときはプランターの底から水が流れるくらいたっぷり与えると、土全体に水が行き渡るようになります。

 

畑栽培の場合は、雨がよく降るようであれば水やりはしなくても大丈夫です。秋植えを行い、その後、雨があまり降らないようであれば植えつけ後に水やりをしてあげてください、

 

露地栽培では基本的に自然の雨だけで十分育ちます。ただ、晴天が続いていて土が乾いているようなら、状態をみながら水やりをしてあげてください。

ジャガイモの追肥と土寄せ

ジャガイモ肥料

芽かきが終わったら、追肥と土寄せを行います。

ジャガイモの追肥

ジャガイモの生育状態をみながら、肥料(追肥)を与えます。肥料が切れると大きく育たないので、1回目と2回目にわけて追肥をします。

 

1回目の追肥は、植えつけから1ヶ月くらいで芽かきを行うタイミングに合わせて行います。2回目の追肥は、1回目の追肥から2、3週間後、草丈が30cmくらいで蕾がついた頃に行います。追肥を行うときは、肥料が株に直接触れないように注意しましょう。

ジャガイモの土寄せ

収穫まで1、2週間おきに「土寄せ」を繰り返し行います。ジャガイモは大きくなると、土の表面から実が出てくることがあります。太陽の光に当たった実は、緑色に変色するだけでなく、ソラニンと言う有害物質の含有量が増えてしまいます。

 

追肥を行ったあとなどは必ず土寄せをして、ジャガイモの実が土の外に出ないようにすることが重要です。土寄せをするときに雑草があればその都度取り除き、状態をみながら必要であれば土を追加します。

 

プランターで育てるときは、花が咲きはじめたら支柱を立てます。ジャガイモは花をたくさん咲かせますが、そのまま放置すると実に養分が行き渡らなくなるので、少し残念ではありますが、が咲いたら摘んでおきましょう。

じゃがいもの収穫

ジャガイモ収穫

ジャガイモの収穫時期は品種や天候によって変わりますが、茎や葉が黄色く枯れてきた頃を目安に収穫します。湿気を嫌うジャガイモは、雨の日や雨上がりに収穫すると腐りやすいので、晴天が続いていて、土が乾いているときに掘り上げるのがおすすめです。

 

春植えの収穫目安:5月下旬から6月中旬頃

秋植えの収穫目安:11月中旬から12月上旬頃

 

春植えしたジャガイモの収穫

春ジャガイモの収穫時期は、6月中旬頃が一般的ですが、品種や地域によって収穫時期は変わります。茎や葉の8割が枯れて黄色くなってきた頃を目安に晴れている日に収穫しましょう。試し掘りをして、まだ実が小さいようであれば大きくなるのを待って収穫しましょう。

 

秋植えしたジャガイモの収穫

秋ジャガイモは、12月頃を目安に収穫しますが、地域によっては地表面が氷点下になって、ジャガイモが凍結してしまうことあるので、その場合は早めに収穫したほうがいいでしょう。

ジャガイモの収穫方法

ジャガイモ収穫方法

STEP1.株元から少し離れた部分をスコップで掘り上げる

STEP2.株元を手でしっかり持ち丁寧に実を掘り上げる

STEP3.土の中に残っているジャガイモをすべて掘り上げる

STEP4.風に当てて乾燥させる

STEP5.冷暗所で保存する

 

ジャガイモの皮を傷つけないように、スコップを使って株元から少し離れた部分をゆっくり掘り上げます。皮が傷つくと腐りやすくなるので、やさしく丁寧に掘り上げてください。

 

また、掘り上げたときに実が緑色に変色しているものや、500円玉よりも小さな実はソラニンを多く含んでいるので食べないで処分してください。

ジャガイモの保存

掘り上げたジャガイモは、実についた土を払い落としてから、日に1~2時間ほど当てて乾かします。泥を落とそうと水洗いすると腐りやすくなるので、保存する場合は水洗いはぜず、食べる直前にだけ水で洗うようにしましょう。

 

乾燥させたじゃがいもは、雨のあたらない風通しのいい冷暗所で1週間くらい陰干しします。傷んでいるジャガイモがあれば処分して、芽が出てきたらその都度芽を取り除いておくといいでしょう。

 

また、ジャガイモは、日光はもちろん、蛍光灯の明かりでもえぐみが出たり、緑化したりするので、冷暗所で保存する、遮光ネットをかぶせて直接光を浴びないように保管しましょう。

 

 

<ジャガイモの保存ポイント>

・10日から2週間くらい保存して追熟させると甘みが増す!

・通気性のいい冷暗所で保存する!

・収穫したじゃがいもは種イモとして使わない!

ジャガイモの病害対策

ジャガイモに発生しやすい病害で気をつけたいのは、「そうか病」、「疫病」、「モザイク病」です。それぞれの特徴や対策方法についてご紹介します。

そうか病

ジャガイモに発生しやすい細菌性の病気です。そうか病にかかると、ジャガイモの表皮にかさぶた状の病斑がでてきます。皮を厚くむけば食用は可能ですが、一度かかると防ぐことができないので注意が必要です。

 

そうか病は、アルカリ性の強い用土で発生しやすい病気です。pH7以上だと高く確率で発生するので、土作りをする際や畑を耕すときは、酸度をチェックしたうえで、石灰の入れすぎに注意してください。

疫病

梅雨の時期、5月から6月頃に発生しやすい病気です。ジャガイモの葉に暗い緑色の病斑がでて、急速に被害が広がっていきます。病原菌が残ると株全体に広がり葉が変色していきます。実に感染すると異臭がするようになり、腐ってしまうので注意が必要です。トマトを近くに植えると疫病が発生しやすくなるので、植えつけ場所に注意してください。生育状況を確認しながら、定期的に薬剤を散布して対策していきましょう。

モザイク病

葉っぱにモザイク状の模様が入っている、他の株よりも葉が縮れて小さい、葉の色が薄い、といった症状が現れているときはモザイク病が原因かもしれません。

モザイク病はアブラムシがウイルスを媒介することで発生するので、害虫を見つけ次第すぐに補殺しましょう。

ジャガイモの害虫について

ジャガイモに発生しやすい害虫は、「アブラムシ」、「テントウムシダマシ」、「ヨトウムシ」などです。病原菌を媒介する害虫もいるので、発見したときは早めに補殺する、または薬剤をまいて対策をしましょう。

アブラムシ

ジャガイモだけでなく、さまざまな植物に発生する害虫です。体長は1mmから4mmで、葉や茎に棲みついて吸汁し、ジャガイモの生育を妨げます。アブラムシは、ジャガイモに発生しやすいモザイク病のウイルスを媒介するので、見つけた時点で駆除しましょう。

 

テントウムシダマシ

5月から8月までに発生しやすいテントウムシダマシは、じゃがいもの葉の裏から食害します。波のような食い跡がついているときはテントウムシダマシが発生している可能性があるので、見つけ次第駆除してください。

ネキリムシ

じゃがいもの地ぎわの茎を食害する体長40mmくらいのヤガ類の幼虫です。苗が噛み切られて倒れていたらネキリムシの可能性が高いので、見つけたら補殺してください。

ジャガイモの育て方まとめ

ジャガイモ栽培の育て方のポイントや注意点についてまとめています。

 

・ジャガイモは春植えと秋植えの年2回栽培できる

・温暖な地域なら秋植えOK!(植えつけ適期は8月下旬から9月上旬)

・秋植えは植えつけの適期を逃さないように注意する

・ジャガイモは種イモから育てるのが基本

・検査済みの種イモを購入する

・春植えと秋植えそれぞれに適した品種がある

・土の酸性度をチェックして石灰は控えめにする

・切り分けた春ジャガイモの種イモは切り口を下にして植えつける

・秋ジャガイモは切り分けずに植えつける

・植えつけ前に発芽させる

・土寄せして露出させずに育てる

・芽かきはジャガイモの大きさに影響する大切な作業

・湿気を嫌うので水やりは土が乾いてからでOK

・茎や葉が枯れた頃が収穫目安

ジャガイモ土落とす

食卓に欠かせないジャガイモの育て方やポイントについてご紹介しました。ゴロゴロとたくさんのジャガイモは畑で育てられているイメージがありますが、今回紹介したようにプランターを使って育てることもできます。

 

春植えと秋植えの年2回栽培できますし、春ジャガイモと秋ジャガイモでは、それぞれ異なる味わいやおいしさを楽しむことができます。植えつけをしてから収穫までは約3か月と短いので家庭菜園が初めての方にもおすすめの野菜です。ぜひこの機会に「ジャガイモ栽培」に挑戦してみてくださいね!

【PlantiaQ&A】

☘62:ジャガイモの育て方|春植えと秋植えの違いは?大きく育てる方法は?芽出し、芽かき、土寄せなどもご紹介

 

 

公開: 2020年9月21日

更新: 2021年9月8日

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