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秋植えジャガイモの育て方|春植えとの違い、種いも準備、病害虫対策まで解説

秋植えジャガイモの育て方|春植えとの違い、種いも準備、病害虫対策まで解説

ジャガイモは、プランター栽培から露地栽培まで楽しめる家庭菜園向きの野菜です。春に植えるイメージが強い一方で、「秋にも育てられるの?」と気になっている方もいるでしょう。

中間地では8月下旬〜9月上旬ごろ、暖地では9月上旬〜下旬ごろが植えつけの目安です。実際の適期は地域やその年の気候によって前後します。秋植えでは植えつけできる期間が短く、種イモの扱いや高温によるトラブルにも注意が必要です。

この記事では、秋植えのジャガイモ栽培を中心に、春植えとの違い、植えつけ前の準備、収穫・保存、病害虫対策などを分かりやすく解説します。

目次

【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介

☘62:ジャガイモの育て方|春植えと秋植えの違いは?大きく育てる方法は?芽出し、芽かき、土寄せなどもご紹介

秋植えジャガイモの育て方|基礎知識

じゃがいも栽培

ジャガイモは南米アンデス地方原産のナス科の野菜で、初心者でも失敗が少ない作物です。

まずは、秋植えを始める前に知っておきたい基本をおさらいします。

ジャガイモ栽培は春植えと秋植えの年2回

ジャガイモは、「春植え」と「秋植え」の年2回栽培できる野菜です。春植えが育てやすい作型ですが、中間地では8月下旬〜9月上旬ごろ、暖地では9月上旬〜下旬ごろに植えつけることで、秋植え栽培も楽しめます。

あまり手間がかからないので、お子さまといっしょに家庭菜園や芋掘りを楽しみたいときにもぴったりの野菜です。

ジャガイモは種イモから育てる

ジャガイモ栽培では、種から育てるのではなく、「種イモ」を種の代わりに植えて育てるのが基本です。

種イモは法律によって検査が義務付けられており、合格したもののみが販売されているため、食用に購入したジャガイモは種イモには向いていません。病害虫の伝染や拡大を避けるためにも、必ず検査済みの種イモを購入してください。

ジャガイモは土寄せして露出させない

ジャガイモを育てるときのコツのひとつが、土寄せです。ジャガイモは地上に露出して日光に当たると緑化して変色する他、毒素のあるソラニンという物質が作られてしまいます。

用土を少なめにして育てながら土寄せをし、その都度、用土を足しながら、ジャガイモを地表に露出させないことが上手に育てるコツです。

春植え・秋植えに適した品種がある

春植え・秋植えでは適した品種が異なります。ほとんどの品種は春植えで育てられますが、秋植えをする場合は休眠期間の短い品種を選ぶことが成功のポイントです。

ジャガイモ栽培では石灰は控えめに

ジャガイモは弱酸性の土を好むため、石灰を与えすぎるとそうか病が発生しやすくなります。

土壌酸度を確認し、必要な場合のみ石灰で調整しましょう。前作で石灰を施している場合は、追加しなくても問題ありません。

ジャガイモは袋栽培もできる

初心者も取り組みやすいジャガイモ栽培は、プランターがなくても培養土の袋や米袋を利用した「袋栽培」で育てられます。

プランター栽培と同じように管理できるため、ベランダなどの限られたスペースや、コストを抑えて栽培を始められます。

秋植えジャガイモの育て方|春植えとの違い

秋植えを成功させるには、春植えと同じ感覚で進めないのがコツです。以下で違いを整理します。

春植え

秋植え

植えつけ時期

2月下旬〜3月ごろ中間地は8月下旬〜9月上旬ごろ、
暖地は9月上旬〜下旬ごろ

収穫時期

5月下旬〜6月中旬ごろ11月中旬〜12月上旬ごろ

種イモの扱い

50g以上は切り分ける切らずにそのまま植える

適した品種

休眠が長い品種(男爵・メークイン)休眠が短い品種(デジマ・ニシユタカ・アンデスレッドなど)

収穫量・食感

収穫量は多めで、日持ちしやすい収穫量はやや控えめで、ホクホク感を楽しめる

秋植えでは、休眠期間の短いデジマ、ニシユタカ、アンデスレッドなどが向いています。

残暑のなかで植えつけるため、種イモは切らずに使い、地温が上がりすぎないように管理することが失敗を防ぐコツです。

秋植えは植えつけ適期を逃さないことが大切

秋植えは植えつけできる期間が短いため、適期を逃さないように準備を進めましょう。

植えつけが早すぎると残暑の影響を受けやすく、遅すぎると生育期間が不足して収穫量が減ることがあります。

地域ごとの適期を確認し、タイミングよく植えつけることが成功のポイントです。

春ジャガイモ

春ジャガイモ

春ジャガイモは、2月下旬~3月頃に植えつけ、約3か月後の5月下旬~6月頃に収穫します。収穫量が多く、貯蔵性にも優れているため、家庭菜園でもっとも一般的な作型です。

春植えには、休眠期間が長い品種が適しています。代表的な品種は「男爵」「メークイン」「キタアカリ」「ベニアカリ」「アトランチック」「マチルダ」などです。

秋ジャガイモ

秋ジャガイモ

秋ジャガイモは、8月下旬~9月下旬頃に植えつけ、約3か月後の11月~12月頃に収穫します。春植えより収穫量はやや少ないものの、品種によってはホクホクとした食感を楽しめます。

秋植えには、休眠期間が短い「デジマ」「ニシユタカ」「アンデスレッド」などが向いています。残暑の時期に植えつけるため、適期を逃さず、地域に合った品種を選ぶことが栽培成功のポイントです。

秋ジャガイモは春植えもできる場合が多く、二期作にも向いています。ただ、春ジャガイモのほうが収穫量は多く、日持ちもするので、春には春ジャガイモを植えたほうがよさそうです。

秋植えジャガイモの育て方|土づくり

家庭菜園で大きなジャガイモを育てるには、植えつけ前の土づくりが重要です。プランターと畑、それぞれの土づくりのポイントを紹介します。

用意するもの

プランター

深さ30cm以上・幅60cm以上の大型プランターがおすすめです。土寄せを繰り返すため、深さのあるタイプを選びましょう。底石用の軽石やネットを用意しておくと安心です。

肥料

土を自作する場合は、元肥として、化成肥料を用意してください。

おすすめは、元肥・追肥に使え、2~3ヵ月肥料効果が持続する緩効性肥料『今日から野菜 野菜の肥料』です。

土づくり

プランターの場合

プランターでジャガイモ

ランター栽培の場合、『今日から野菜 野菜を育てる土』が手軽です。

自作する場合は、赤玉土7:腐葉土2:砂とバーミキュライト0.5ずつを配合しておきます。

 

畑の場合

畑でジャガイモ

ジャガイモを畑で育てるときは、種イモを植えつける1カ月、遅くとも2週間前には土づくりを始めましょう。排水性のよい土壌を作ることを心がけ、石灰は1㎡あたり50g、堆肥は1㎡あたり500gまきます。

ジャガイモは弱酸性(pH5.0~6.0)を好むため、石灰は入れすぎないよう注意しましょう。

畑のpH値は5.0~6.0の範囲になるのが目安です。酸性に傾きすぎている時は、植えつけの2週間前までに石灰を畑全体に散布して耕しておきます。

なお、pH7以上だとそうか病が発生しやすくなるため、pH6.0以上なら石灰は不要です。

畝立て

畑でジャガイモを育てる場合は、畝を立てます。畝の幅は70㎝~80cm、畝の高さは植えつけ時で10㎝くらいが目安です。

畝を高くするとより排水がしやすくなり、育ちもよくなるので、畑の状態に合わせて高さを調整しましょう。

マルチ

ジャガイモを栽培するときにマルチを張ると、乾燥予防や霜焼け予防に効果があります。

また、雨の日の泥はね予防や、除草の手間も省けておすすめです。ジャガイモを植えつけて発芽したら、マルチから芽を外に出すために穴をあけておきます。

秋植えジャガイモの育て方|種イモの準備

種イモ

ジャガイモは種ではなく、種イモを植えつけて育てます。食用や自家栽培で収穫したジャガイモは病気を持っている可能性があるため、必ず農林水産省の検査に合格した種イモを使用しましょう。

種イモは40g〜60g程度のものが目安です。秋植えでは60g前後の種イモが育てやすく、表面に黒ずみや腐敗、しわがなく、芽が一か所に偏らず分散しているものを選びます。

秋植えの種イモ準備

秋植えでは、春植え用の種イモでは芽が動きにくいことがあるため、デジマ、ニシユタカ、アンデスレッドなど、休眠期間の短い秋植え向きの品種を選びましょう。

植えつけまでは風通しのよい涼しい場所で管理し、芽の状態を確認します。入手時にすでに芽が動いていることが多いため、春植えのような浴光育芽は基本的に必要ありません。

また、秋植えでは種イモは切り分けず、そのまま植えつけるのが基本です。残暑の時期は切り口から腐敗しやすいため、60g前後の種イモをそのまま植えつけ、小さい種イモも分割せずに使用しましょう。

秋植えジャガイモの育て方|植えつけ

ジャガイモ植えつけ

種イモの準備ができたら、プランターまたは畑へ植えつけます。秋植えでは種イモは切り分けず、そのまま植えつけましょう。

プランターでの植えつけ

  • STEP1.プランターの底に軽石を敷く
  • STEP2.半分ほどまで培養土を入れる
  • STEP3.種イモを深さ約10cm、株間20〜30cmで植えつける
  • STEP4.土を5㎝ほどかぶせる
  • STEP5.手のひらで軽く土を押さえる
  • STEP6.植えつけ後は水をたっぷりあげる

ポイント

  • 元肥入り培養土ならそのまま植えつけできます。
  • 元肥が入っていない場合は、植えつけ前に緩効性肥料『今日から野菜 野菜の肥料』を混ぜ込みます。
  • 深さ30cm以上のプランターを使用し、土は半分程度まで入れておくと、その後の土寄せがしやすくなります。
  • 60cmプランターなら種イモ2個、鉢植えなら1個が目安です。

畑での植えつけ

  • STEP1.深さ約5cmの植え溝を掘る
  • STEP2.株間30cmで種イモを並べる
  • STEP3.2~3cm覆土する
  • STEP4.種イモの間に元肥を施す
  • STEP5.約10cm土を盛る
  • STEP6.マルチまたは敷きわらを敷く

ポイント

  • 植えつけ2週間前までに20cm程度の深さまで耕しておきます。
  • 株間を十分に確保すると、生育がよくなり収穫もしやすくなります。
  • ジャガイモは浅植えのほうが育ちやすくなります。
  • 植えつけ後の畑では、雨が降らない日が続く場合を除き、基本的に水やりは不要です。

秋植えジャガイモの育て方|芽かき

ジャガイモ芽かき

芽かきは、種イモから伸びた芽を間引き、1株あたりの芽の数を減らすための作業です。養分を集中させて大きなジャガイモを育てるための作業です。

植えつけから約1ヵ月後、草丈が10cm~15 cmくらいに生長したら行います。

芽を2本~3本残し、他の芽はすべて根元から取り除きましょう。掘り栽培をする場合や、大きなジャガイモを収穫したい場合は1本だけ芽を残します。

芽を抜く際は、株元を押さえながら不要な芽を斜めの方向に倒すように引き抜きます。種イモが抜けてしまったときは、植え直しましょう。

秋植えジャガイモの育て方|水やり

ジャガイモの花

ジャガイモは乾燥には比較的強い一方で、過湿には弱いため、水の与えすぎには注意しましょう。

プランター栽培では、植えつけ直後にたっぷり水を与え、その後は土の表面が乾いてから与えます。水やりの際は、鉢底から流れ出るまでしっかり与えましょう。

畑栽培では、基本的に自然の雨だけで十分育ちます。雨が少なく土が乾燥している場合のみ、様子を見ながら水やりをしてください。

秋植えジャガイモの育て方|追肥と土寄せ

ジャガイモ肥料

ジャガイモは生育に合わせて追肥と土寄せを行うことで、大きく育ちやすくなります。

追肥

肥料切れを起こすと大きく育たないため、追肥は2回を目安に行います。

追肥には、元肥・追肥のどちらにも使え、約2~3か月肥料効果が持続する緩効性肥料『今日から野菜 野菜の肥料』がおすすめです。

1回目は植えつけから約1ヵ月後、芽かきのタイミングに行います。2回目は1回目から2~3週間後、草丈が30cmほどでつぼみが付き始めた頃に行いましょう。

肥料は株に直接触れないよう、株元から少し離して施してください。

土寄せ

追肥後や生育に合わせて、1〜2週間おきに土寄せを行います。

ジャガイモの実は生長すると、土の表面から出てくることがあります。日光に当たった実は、緑化し、ソラニンなどの有害物質が増える原因になるため、実が見えないよう土を寄せて管理してください。

追肥を行ったあとなどは必ず土寄せをしてください。また土寄せの際は、雑草も一緒に取り除き、必要に応じて土を補充しましょう。

プランター栽培の管理

プランター栽培では、花が咲き始めたら株が倒れないよう支柱を立てます。

また、花を咲かせたままにすると養分が分散するため、イモを充実させたい場合は花を摘み取るのがおすすめです。

秋植えジャガイモの育て方|収穫

ジャガイモ収穫

ジャガイモは、茎や葉が黄色く枯れてきた頃が収穫の目安です。雨の日や雨上がりは実が傷みやすくなるため、晴天が続き、土が乾いている日に収穫しましょう。

収穫手順

  • STEP1.株元から少し離れた部分をスコップで掘り起こす
  • STEP2.株元を手でしっかり持ち、傷つけないように掘り上げる
  • STEP3.土の中に残っているジャガイモを取り残さないように確認する
  • STEP4.風通しのよい場所で表面を乾かす
  • STEP5.冷暗所で保存する

掘り上げたジャガイモのうち、緑色に変色しているものや未熟なものは、ソラニン類を多く含むことがあるため、食べずに処分してください。

秋植えしたジャガイモの収穫

秋ジャガイモは、11月中旬〜12月上旬を目安に収穫します。

地域によっては地表面が氷点下になって、ジャガイモが凍結してしまうことあるので、その場合は早めに収穫しましょう。

秋植えジャガイモの育て方|保存方法

ジャガイモ収穫方法

収穫後は土を軽く落とし、風通しのよい日陰で十分乾燥させます。保存するジャガイモは水洗いせず、調理する直前に洗うようにしましょう。

乾燥後は、風通しのよい冷暗所で保存します。日光や蛍光灯の光でも緑化しやすいため、新聞紙や遮光できる袋などで覆って保存するのがおすすめです。

秋植えジャガイモの育て方|病害対策

ジャガイモに発生しやすい病害で気をつけたいのは、「そうか病」、「疫病」、「モザイク病」です。それぞれの特徴や対策方法についてご紹介します。

そうか病

そうか病は、いもの表面にかさぶた状の病斑ができる細菌性の病気です。一度発生すると防除が難しいため、予防が重要になります。

土壌がアルカリ性に傾くと発生しやすいため、石灰の与えすぎを避け、土壌pH6.0前後を目安に管理しましょう。

疫病

葉に暗緑色の病斑が現れ、株全体へ急速に広がる病気です。進行すると、いもまで腐敗することがあります。

風通しをよく保ち、発生初期に薬剤で防除しましょう。また、トマトなどナス科野菜との近接栽培は避けると安心です。

モザイク病

葉っぱにモザイク状の模様がが現れ、生育不良を引き起こします。

モザイク病はアブラムシがウイルスを媒介することで発生するので、アブラムシの早期駆除が予防につながります。

秋植えジャガイモの育て方|害虫対策

ジャガイモでは、アブラムシ・テントウムシダマシ・ネキリムシが発生しやすくなります。

病原菌を媒介する害虫もいるので、発見したときは早めに捕殺するか、薬剤をまいて対策をしましょう。

アブラムシ

ジャガイモだけでなく、さまざまな植物に発生する害虫です。体長は1mm~4mmで、葉や茎から汁を吸い、ジャガイモの生育を妨げます。

アブラムシは、ジャガイモに発生しやすいモザイク病のウイルスを媒介するので、見つけた時点で駆除しましょう。

テントウムシダマシ

葉を食害し、生育を弱らせます。波のような食い跡がついているときはテントウムシダマシが発生している可能性があるので、見つけ次第駆除してください。

ネキリムシ

地ぎわの茎を食害する体長40mmくらいのヤガ類の幼虫です。苗が噛み切られて倒れていたらネキリムシの可能性が高いです。

秋植えで注意したい生理障害

秋植えでは、残暑の影響による生理障害にも注意が必要です。

植えつけ時は地温が高いため、種イモは切らずに植えつけることで腐敗を防ぎます。また、いもが地表に出ると緑化してソラニンが増えるため、土寄せをしてしっかり覆いましょう。

さらに、乾燥後に急な雨が続くと、二次生長や裂イモが発生しやすくなります。土の乾湿差をできるだけ少なくすることが予防のポイントです。

秋植えジャガイモの育て方|よくある質問

ここでは、秋植えジャガイモでよくある疑問をご紹介します。

秋植えジャガイモの種イモは切ってもいい?

秋植えでは、種イモを切らずにそのまま植えるのが基本です。残暑の時期に切り分けると、切り口から腐りやすくなります。

芽出しは必要?芽が出ない原因は?

秋植え用の種イモは、入手時にすでに芽が動いていることが多く、春植えのような本格的な浴光育芽は原則、必要ありません。

ただし、芽の状態を見てから植えると、出芽がそろいやすくなります。

秋植えジャガイモの収穫時期はいつ?

秋植えジャガイモの収穫時期は、11月中旬〜12月上旬ごろが目安です。茎や葉が黄色く枯れてきたら、収穫のサインになります。

おわりに

ジャガイモ土落とす

秋植えのジャガイモは、春植えとは植えつけ時期や種いもの扱いが異なります。秋植え向きの品種を選び、植えつけ適期を守って栽培すれば、初心者でも育てやすい野菜です。

植えつけから約3ヵ月で収穫を迎えられるため、家庭菜園ならではの掘りたてのおいしさを楽しめます。ぜひ秋植えにも挑戦して、自分で育てたジャガイモの収穫を味わってみてください。

公開日:2020年9月21日
更新日:2026年7月3日

#じゃがいも #ジャガイモ #初心者におすすめの植物 #特集

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