ネギの育て方|家庭菜園で楽しむ長ネギ・葉ネギの育てわけ
ネギは特有の風味と辛みが特長で、鍋物や薬味、汁物など毎日の食卓に欠かせない野菜です。昔からかぜのときに首に巻くとよいとされるなど、栄養価が高く、体を温める効果や疲労回復の効果があるといわれています。
そんなネギは家庭菜園でも育てやすい野菜です。春と秋の年2回栽培でき、基本的な育て方を押さえれば、園芸初心者でも立派なネギを育てることができます。
この記事では、ネギ栽培の特長から主な品種、基本の育て方、病害虫対策まで徹底的に解説します。
- 目次
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- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- ネギの育て方|基礎知識
- ネギとは?
- ネギの栄養価
- 長ネギと葉ネギの違い
- ネギの育て方|主な品種
- 根深ネギ(長ネギ・白ネギ系)
- 葉ネギ(青ネギ系)
- ネギの育て方|基本の栽培方法
- ネギが好む栽培環境
- ネギの生育適温
- ネギの栽培時期
- 土づくり
- 苗床の作り方
- 種まき
- 植えつけ
- 水やり
- 土寄せ
- 収穫
- ネギの育て方|病害虫対策
- ネギによくある害虫や対策
- ネギによくある病気や対策
- ネギの育て方|連作障害とコンパニオンプランツ
- 連作障害とは何か?
- 水田と畑の輪作
- コンパニオンプランツとは?
- ネギの育て方|よくある栽培トラブル
- ネギが太くならない原因は?
- 葉が黄色くなるのはなぜ?
- ネギ坊主が出たときの対処法は?
- とう立ちを防ぐには?
- 葉先が枯れる原因は?
- おわりに
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘119:【Q&A】葉ネギの育て方|何度も収穫するためのコツや、種まきや肥料などの管理方法もご紹介
ネギの育て方|基礎知識
ここではまず、ネギ栽培の特長や栽培時の基本的なポイントについて紹介します。
ネギとは?
ネギは中国西部を原産とする歴史の古い野菜です。日本には8世紀ごろに伝わりました。ヒガンバナ科に属する野菜で、産地によってさまざまな品種があります。
ネギは大きく「長ネギ」と「葉ネギ」に分けられます。一般的に、関東以東では長ネギ、関西以西では葉ネギが多く栽培されています。
ネギの栄養価
ネギはカルシウムやミネラル、β-カロテン、ビタミンA、ビタミンCなどの栄養素に加え、特有の辛み成分である硫化アリルも含まれており、疲労回復効果や、体調を整える働きがあるとされています。
栄養価は葉の部分に集中しているため、根元だけでなく葉も積極的に食べましょう。
特に葉ネギは根深ネギより栄養が豊富で、ビタミンCは2倍以上含まれています。
長ネギと葉ネギの違い
長ネギ
長ネギは、白ネギや根深ネギとも呼ばれ、日本では主に東日本で栽培されています。長ネギは、主に葉鞘(ようしょう)と呼ばれる白い部分を食べます。
ネギ特有の辛みや風味がありますが、古くからかぜの初期症状のときに食べたり、体を温める効果のある野菜として重宝されてきました。
長ネギは葉鞘を長く伸ばすために、植えつけ後は土寄せや追肥をして育てます。葉ネギに比べると種まきから収穫までの期間は長めです。
長ネギの品種は、下仁田ネギ、深谷ネギなどが有名です。
苗から育てる場合は品種が限られるため、いろいろな品種のネギを育ててみたい方には種から育てることをおすすめします。
葉ネギ
葉ネギは、青ネギや万能ネギとも呼ばれるネギです。主に西日本で発展してきたネギで、京都の伝統野菜として有名な九条ネギが代表的な品種です。
白い葉鞘の部分が長く伸びる長ネギに対し、葉ネギは葉鞘よりも緑色の葉身が長く伸びるのが特長です。
葉鞘ももちろん食べられますが、細かく刻んだ葉身は薬味として重宝され、ミネラルやビタミン、カロテンなどの栄養素が豊富に含まれています。
土寄せにより葉鞘を軟白にする必要が無いため、種まきから収穫までの期間が短いのが特長です。
葉ネギに似た品種としてワケギやアサツキがありますが、これらは球根から育てるのに対し、葉ネギは種から育てます。
ネギの育て方|主な品種
ここでは、国内で栽培されているネギの主な品種を、「根深ネギ(長ネギ・白ネギ系)」と「葉ネギ(青ネギ系)」に分けて紹介します。
用途や育てやすさが異なるため、栽培環境や料理に合わせて選びましょう。
根深ネギ(長ネギ・白ネギ系)
下仁田ネギ
群馬県甘楽郡下仁田町の特産品で、一般的な長ネギの2倍~3倍ほどの太さが特長です。
加熱するととろけるような柔らかさと強い甘みが出るため、すき焼きや煮込み料理に適しています。
石倉一本ネギ
前橋市石倉町周辺で昭和初期から栽培されてきた千住群の品種です。生育旺盛で軟白部は太く、長さ40cm~45cmほどに伸びます。
やわらかくて甘みに富んでおり、広い範囲の土壌に適応する作りやすい多収品種です。
千住ネギ
根深ネギの代表的な品種です。巻きが多くて身が締まっており、煮崩れしにくく、加熱すると柔らかくとろけるような甘さが際立ちます。
青い部分も甘くて柔らかく、葉先までおいしく食べられます。
岩槻ネギ
埼玉県さいたま市岩槻区が発祥の特産品です。分けつ性が極めて高く、1株から10本以上に増えることもあります。生育が早いため、家庭でも育てやすい品種です。
ホワイトスター
一代交配の品種で、ネギ特有の辛みが少なく甘みが強いのが特長です。
耐暑性・耐寒性に優れ、軟白部は太く品質が安定しているため初心者でも育てやすい品種です。
葉ネギ(青ネギ系)
九条太ネギ
京都特産で約1,000年前から栽培されてきた九条群の代表品種です。
葉は肉厚で、葉先まで柔らかく芳香に富み、加熱すると甘みが増してとろけるような食感になります。
九条細ネギ
淡い緑色で葉が細長い系統のネギです。九条太ネギと比較して耐暑性が高く、夏~初秋に収穫されます。
万能ネギ
博多万能ネギとも呼ばれる品種で、普通のネギに比べて生長が早く、病害虫に強いため手入れがしやすいです。
切り戻すことで繰り返し収穫でき、必要な分だけ使えるため家庭園芸で人気の高い品種です。
越津ネギ
愛知県津島市越津町原産の伝統野菜で、千住群と九条群の中間的な性質を持つ品種です。
名古屋を中心とした尾張地域で古くから親しまれています。
ネギの育て方|基本の栽培方法
ネギが好む栽培環境
ネギは日当たりや風通しの良い場所を好みます。暑さや寒さにも比較的強いので、日当たりの良い場所に置いてしっかり発芽させることがポイントです。
できれば年間を通して日当たりの良い場所で育てるのが理想ですが、葉ネギであれば半日陰でも育てることができます。
通気性が悪くなると病害虫が発生しやすくなるので注意が必要です。
ネギの生育適温
ネギの生育適温は、15℃~20℃前後です。春と秋の年に2回栽培シーズンがやってくるネギは、比較的暑さにも寒さにも強いです。
品種によっては、一定期間低温に当たると花芽が形成され、トウ立ちが起こることがあります。特に秋まきの場合、トウ立ちが起こりやすくなるので注意が必要です。
トウ立ちしたネギは、食味が落ちるため、早めに収穫するか、採種目的で育てましょう。
ネギの栽培時期
ネギの栽培時期は品種や地域により異なります。以下の栽培時期は目安です。
春まきの栽培期間
3月中旬~3月末頃までに種まきをします。2ヵ月~3ヵ月ほど育苗し、7月初旬頃に植えつけをします。収穫は11月~2月末頃に行いましょう。
ネギは寒さに当たることで甘みが増す性質があるので、収穫して食べるまでに時間を置く場合は土がついたまま保存しておきましょう。
秋まきの栽培期間
9月中旬~10月頃までに種まきをします。半年ほど育苗し、暖かくなった3月~4月頃に植えつけをします。秋まきの収穫時期は6月~10月頃までです。
ネギは種からでも苗からでも育てられますが、比較的種の発芽率が高いので、いろいろな品種を育ててみたい方には種からを育てることをおすすめします。
土づくり
ネギの種をまく前に、まずは育苗幼の苗床を用意します。苗床はネ、最終的に苗を植えつける畑とは別に作ると管理がしやすくなります。
苗床の作り方
ネギは土中深くに根を伸ばす野菜です。土の性質が生長に大きく影響するので、種まきの2週間前までにネギが好む土を準備しておきましょう。
苗床の畑に苦土石灰を施し、土深くまでしっかり耕します。ネギは酸性の土を嫌うため、pH6.0~6.5を目安に酸度を調整しましょう。
苦土石灰で酸度を調整したら、種まきより1週間前までに堆肥と元肥『プランティア 花と野菜と果実の肥料』を施し、再び土深くまでしっかり耕します。
ネギは肥料焼けを起こしやすい野菜なので、元肥は少なめに入れて、土の表面が平らになるように整えておきます。
栽培する量が多い場合は露地に苗床を作るのがおすすめです。
少量の場合は育苗箱に野菜用の培養土『今日から野菜 野菜を育てる土』を入れて育てるのが簡単でおすすめです。
種まき
苗床を用意できたら、早速ネギの種をまきましょう。
種から育てる場合、春まきは3月中旬~3月末頃まで、秋まきなら9月中旬~9月末頃までを目安に種まきをします。
品種や地域により種まきの適期は異なります。種を購入したら袋に記載されている栽培時期を必ず確認しましょう。
ネギの種は、一般的に1年~2年が寿命といわれています。種から育てる場合は古い種ではなく、新しい種を用意することをおすすめします。
【畑】ネギの種まきと育苗の手順
畑に用意した苗床でネギの種を育苗する場合は、まず条間15cmくらいのまき溝を作ります。まき溝を作ったら、1 cm~2cm程度の間隔で条まきし、5mmほどの厚さになるように軽く覆土をかけます。土をかけた後は、種が飛ばされないように手でしっかり押さえ、最後にたっぷりの水を与えます。
ネギの種が発芽するまでは寒さや乾燥を防ぐために、藁や不織布をかけておきましょう。発芽後は藁や不織布を取り除きます。
草丈が6cmほどになった頃に間引きを行い、株間を1.5cm~2cmに保ちます。種まきから1ヵ月ごとに追肥を施し、1m2あたり50gを目安に与えてください。
苗の草丈が10cmほどになった頃に2回目の間引きを行い、株間が約3cmになるように1本立ちにします。その後は、草丈が30cm程度になるまで育てて土寄せと追肥を行います。
春まきの場合は約3ヵ月、秋まきの場合は約6ヵ月を目安に日当たりのよい場所で育苗してください。
【育苗ポット】ネギの種まきと育苗の手順
育てるネギの量が少ない場合は、育苗ポットに種をまいて育てる方法がおすすめです。
用意した培養土に指先や綿棒などを使って、深さ1cm程度のまき穴を作ります。プランターで育苗する場合は、15cm間隔になるようにまき穴を作ります。
まき穴1ヵ所あたり、2粒~3粒の種をまき、1cmくらいの厚さになるように軽く覆土して手で押さえます。
種をまいたら水をたっぷり与えて、土が乾燥しないように藁や不織布をかけましょう。
およそ1週間で発芽しますが、発芽までは土はやや湿った状態に保つことがポイントです。土の表面が乾いている場合は、霧吹きなどで湿らせると良いでしょう。
草丈が5cm~6cmになったら、丈夫な芽だけを残して間引きを行います。
植えつけ
苗床や育苗ポットで育てた苗を畑やプランターに植えつけする方法を紹介します。
【畑】植えつけの手順
苗床で育苗した苗の草丈が40cm~50cm程度まで生長した頃を目安に植えかえます。
時期は、春まきの場合は7月初旬頃、秋まきの場合は4月初旬頃が最適です。
植えつけの前に畑をよく耕しましょう。苗床を作った際と同様に苦土石灰を施し、酸度を調整します。畑の土に堆肥を施し、深く耕したら幅60cm、高さ10cmの畝を立てましょう。
育苗した苗は、伸びた根に傷をつけないように注意しながら掘り起こし、株を1本ずつ分けておきます。植え溝を掘る際は、3条の場合は20cm間隔、5条の場合は10cm間隔で幅15~20cm、深さ25~30cmくらいを目安にしましょう。
植え溝ができたら、植えつけをする前に元肥を施し、苗を溝の片側に立てかけるように1本ずつ垂直に置きます。株間は5cmくらいに密植させると生育がよくなります。
根が隠れる程度に土をかけて、根元を手で軽く押さえます。その上から藁をかけると通気性がよくなり、病害虫の防止にも役立ちます。
畑に植えかえた場合や植えつけ直後は、水やりは基本的に不要です。
【プランター】植えつけ手順
ネギは土深くまで根を伸ばすので、幅は50cm以上、深さは15cm以上のプランターを用意しましょう。
プランターの底にネットを敷き、半分程度の深さまで鉢底石を入れます。
その上に野菜用培養土『今日から野菜 野菜を育てる土』を入れたら肥料をプランター全体に均等に施します。
プランターの中心に植え溝を掘り、5cm間隔で苗を1本ずつ立てかけて置きます。
苗の根元が隠れるくらいに土を寄せて、根元に藁や不織布をかけて保温します。
水やり
種をまいた後はたっぷりと水を与えて、発芽までは土が乾燥しないように管理します。
ただし、発芽後や畑に植えつけた後は基本的に水やりの必要はありません。
ネギは水はけの悪い土を嫌うため、水気が多すぎると生長に影響することがあります。多少乾燥していてもネギは育野菜です。
地植えの場合、夏場などまとまった雨が長期間降らず、土が乾燥しているときにだけ朝や夕方の涼しい時間帯に水やりをしましょう。冬場の水やりは不要です。
プランター栽培の場合は、土が極端に乾燥しているときや葉がしおれているときにだけ水やりをします。
土寄せ
ネギの白い部分を長く育てるために必要な作業です。植えつけ後から収穫までの間に、生長に合わせて4回に分けて行います。
一度に寄せる土の量が多すぎると、根元の通気性が悪くなり、生育不良の原因となります。土寄せを行う際は量に注意しましょう。
土寄せは白い部分を長くするだけでなく、株元を安定させる効果があります。
【畑】土寄せと追肥
畑でネギを地植え栽培する場合は4回に分けて土寄せをします。土の量をあまり多くしすぎずないように注意してください。
また、分けつ部に土がかかると生育が悪くなるので、分けつ部より5cmほど下まで土寄せをします。
1回目の土寄せは植えつけから1ヵ月~1ヵ月半ごろを目安に行います。
まずは、ネギの反対側の畝の端、「畝肩」(うねかた)と呼ばれる部分に追肥を施します。
土と軽く混ぜ合わせてから畝のくぼみに土を入れて、平らにならします。
2回目以降はネギの生長に合わせて、3週間前後を目安に土寄せと追肥を繰り返します。
4回目の土寄せは収穫の1ヵ月前までに行いましょう。その際、追肥は必要ありません。
追肥として、野菜の生育に必要な成分と有機成分をバランスよく配合した『今日から野菜 野菜を育てる肥料』がおすすめです。
【プランター】土寄せ(増し土)と追肥
プランターや鉢植えでネギを育てる場合は、畑のように土寄せができないので、代わりに「増し土」を生長に合わせて4回行います。
植えつけから約1ヵ月後に、1回目の増し土と追肥をします。
一度の増し土で入れる土は、分けつ部より5cmほど下までを目安に量を調節してください。
あまり入れすぎるとネギが腐ったり、生長が悪くなったりするため注意が必要です。
増し土と同時に肥料を施しますが、野菜用の培養土を使う場合は元肥が含まれていることが多いため、基本的には追肥の必要はありません。
ただし、生長が遅れている場合や、自作した配合土で育てている場合は、液体肥料『ハイポネックス原液』や緩効性肥料『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を与えましょう。
2回目以降はネギの生長に合わせて、1回目と同じように増し土や追肥を施します。
4回目の増し土では、プランターが土でいっぱいになるため増し土のみ行ってください。
同じ場所での栽培は1~2年の間隔を空ける
ネギは連作障害が発生しにくい野菜とされていますが、できれば同じ場所での栽培は1年~2年ほど空けるとより生育がよくなります。
ネギの根には、コンパニオンプランツとしての利用に役立つ拮抗菌と呼ばれる微生物が共生しています。
拮抗菌は土壌病害の発生を抑える働きがあり、セロリやブロッコリーなど相性のよい野菜と一緒に栽培すると害虫を寄せ付けにくくする効果も期待できます。
収穫
収穫時期は、春まきは12月~2月末頃、秋まきは9月初旬~11月末頃までが目安です。
ネギは寒さや霜に当てることでより甘みが増すといわれています。必要なときに必要な分だけ収穫するとよいでしょう。
ただし、春になり気温が高くなり、日照時間が長くなるとトウ立ちしてネギ坊主が増えます。
トウ立ちする前に収穫を終えたほうがよりおいしく食べることができます。
ネギの収穫の仕方
収穫時期を迎えたネギは、太いものから順に収穫します。無理に抜き取ると葉鞘部が切れてしまうので、丁寧に作業しましょう。
収穫前に、土寄せや増し土をした側の土を崩します。その後、スコップやクワを土の深い場所まで差し込み、周囲の土を持ち上げるようにして掘り起こします。
ネギの株元をしっかりつかみ、葉鞘が折れないように注意しながらゆっくりと抜き取ります。
ネギの保存方法
収穫後のネギは土を落とし、水で洗い流したらすぐに食べられます。すぐに食べないときは土をつけたまま新聞紙に包んで、冷暗所で保存すると鮮度を保つことができます。
また、土を入れたプランターや植木鉢などに、収穫したネギを埋めて保存する方法もあります。
土に埋めて保存する場合は、ネギ全体がしっかりと埋まるように土をかぶせるのがポイントです。
ネギ坊主は摘み取る
一定期間、ネギの苗が低温に当たるとトウ立ちし、花芽であるネギ坊主ができることがあります。トウ立ちの前に収穫を済ませておきましょう。
品種によっては春にトウ立ちが起こりやすくなります。ネギ坊主ができるとネギの生長が止まり、味や品質が落ちてしまいます。
収穫する前にトウ立ちが起こってしまったときはネギ坊主を摘み取っておきましょう。
春まきの場合、トウ立ちが起こる前に収穫すれば問題ないですが、秋まきの場合はトウ立ちが起こりやすいです。
できれば晩抽性品種と呼ばれるトウ立ちが起こりにくい品種を選ぶとよいでしょう。
ネギの育て方|病害虫対策
ネギによくある害虫や対策
ここでは、ネギに発生しやすい害虫とその対策についてまとめています。
アザミウマ
アザミウマは、ネギの葉に寄生する害虫で、気温が高く、乾燥しやすい夏に多く発生します。
葉を吸汁・食害し、被害が進むと葉に白っぽい小さな斑点ができ、葉が変形して生長に影響を及ぼします。
被害が広がると株全体に広がるため、見つけたときはその場取り除きましょう。
雑草が生い茂る環境に発生しやすいため、土寄せや追肥のタイミングに合わせてこまめに除草をしましょう。
アブラムシ
アブラムシは繁殖力が非常に強く、ネギの新芽や葉の裏側に群生する害虫です。
ネギの汁を吸って生育を阻害するだけでなく、ウイルス病であるモザイク病を媒介することもあります。
また、アブラムシの排せつ物が原因で、すす病が繁殖したり、甘い分泌物が原因でアリを大量に引き寄せたりすることもあります。
アブラムシを放置すると被害が急激に広がるため、見つけたときは増える前に取り除きましょう。
繁殖力が強いため、必要に応じて薬剤で防除してください。
薬剤を使いたくない場合は除草を徹底し、風通しと日当たりのよい環境で育てましょう。
ヨトウムシ
ヨトウムシは、ネギの株元に潜んでいる夜間に葉を食害する害虫です。
昼間は株元に隠れているので、食害の跡を見つけたら、その周囲を探して、見次第取り除いて駆除します。
ヨトウムシは葉の裏に卵を産みつけ、ふ化した幼虫が集団で葉を食害します。
幼虫は成長するにつれて見つけにくくなるため、若いうちに防除して被害を未然に防ぐことが重要です。
ネギによくある病気や対策
ネギがかかりやすい病気や対策についてまとめます。
べと病
べと病は、夏の終わり頃や多湿で気温が20℃前後に下がった時期に、密植などが原因で発生しやすい病気です。
葉に黄白色のぼやけた病斑ができるのが特長で、胞子が飛び散ると周囲に伝染して被害が広がることがあります。
病斑を見つけたときは、その部分を丁寧に取り除き、畑の外で処分しましょう。
また、発生箇所の土は、病原菌が残らないように土深くまで耕します。
予防として、水はけをよくすること、密植を避けることが効果的です。
さび病
さび病は、5月~6月頃や10月頃に発生しやすく、糸状菌が原因となり起こる病気です。
胞子が飛散して伝染するため、発生が確認できた場合は石灰をまいて菌の広がりを抑えましょう。
さび病にかかったネギは、鉄さびのようなオレンジ色の病斑ができます。
株が弱っているときや、水はけの悪い環境に発生しやすい病気なので注意が必要です。
萎凋病
葉が部分的に黄化してしおれたようになり、病斑が進むと生育不良を起こして株が枯れてしまいます。
萎凋病は、糸状菌と呼ばれるカビの一種が原因で、土壌から伝染して感染します。
防除としては、清潔な土壌に植えつけることや、前作で萎凋病が発生した土は使用しないことが重要です。
すでに発病している場合は、株ごと抜き取り、畑の外で焼却して処分します。
ネギの育て方|連作障害とコンパニオンプランツ
ネギを同じ場所で何年も栽培すると、土壌に病原菌が蓄積し、根腐れや立枯れなどのトラブルが起こりやすくなります。
この連作障害を防ぐには、輪作と呼ばれる別の作物との交互栽培や、コンパニオンプランツとの混植が有効です。
ここでは、それぞれの方法について詳しく解説します。
連作障害とは何か?
連作障害とは、同じ場所で同じ作物を繰り返し育てることで、土壌環境が悪化する現象です。
土壌中の栄養バランスが偏り、病原菌や害虫が増えることで、作物の生長が鈍くなったり、病気が発生しやすくなったりします。
長ネギの場合、同じ場所で何年も続けて育てると、フザリウム属などの病原菌が土壌中に増えやすくなります。
その結果、根腐れや立枯れといった病気が起こりやすくなるのです。
一方で、ネギ属の植物は病気に対する自然の防御力があります。
根の周りには拮抗細菌と呼ばれる微生物が多く生息しており、これらが病原菌の増殖を抑制する働きをしています。
水田と畑の輪作
ネギ栽培で特に効果が高い方法のひとつが、水田と畑を交互に使う輪作です。
水田に水を張り、稲を栽培することで、土壌中の好気性病原菌の多くが減少します。
その後、同じ土地を畑に戻してネギを栽培することで、病原菌が減少した清潔な土壌でネギを育てられるのです。
このサイクルを3年~4年ごとに繰り返すことで、土壌の健全性を保ちながら、ネギを安定して栽培することができます。
コンパニオンプランツとは?
コンパニオンプランツとは、複数の異なる作物を同じ場所に一緒に植えて、互いによい影響を与え合う栽培方法のことです。
輪作は異なる作物を「時間をずらして育てる方法」であるのに対し、コンパニオンプランツは「同じ時期に混植」することで、連作障害の予防や病気の発生を抑えることを目的としています。
ネギの場合、トマトやナス、キュウリなどと混植することで、ネギの根に生息する拮抗細菌がこれらの野菜の病原菌を抑制します。
農薬の使用を抑えながら、健全な野菜を育てられるのが特長です。
ネギの育て方|よくある栽培トラブル
最後に、ネギ栽培で起こりがちな栽培トラブルと、解決策をご紹介します。
ネギが太くならない原因は?
主な原因は気象条件、肥料不足、土寄せの失敗です。高温乾燥でネギ内の水分が失われて細くなり、根が傷みやすくなります。
対策としては、4月~5月に肥料を切らさず与えて早めに株を太らせ、土寄せで根を守ることが大切です。
また、季節に合わせた肥料を使い、気温が30℃を超える時期は、追肥を控えめにしましょう。
葉が黄色くなるのはなぜ?
原因は世代交代、病害虫、根腐れ、肥料の不足や過多などがあります。ネギの葉は15日~20日ほどで新しい葉に更新され、古い葉は自然に枯れていきます。
べと病の場合、葉に黄白色の大型病斑が生じます。一方、窒素不足では葉全体が黄色くなります。
葉の色や形、病斑の有無、生育状況を観察して原因を見極めることが大切です。
ネギ坊主が出たときの対処法は?
できるだけ早くハサミで切り取りましょう。ネギ坊主ができると生長が止まり、味も落ちてしまいます。
ネギがまだ細い場合は、とう(花茎)だけを切り取ります。すでに大きい場合は収穫しましょう。秋まきなら晩抽性品種を選ぶことをおすすめします。
とう立ちを防ぐには?
品種選び、苗の管理、保温対策が重要です。秋まきは晩抽性品種を選びましょう。
種まき前に畝にマルチを張り、発芽から本葉が5枚~6枚になるまでトンネルをかけて保温します。
昼間25℃前後の温度を6時間保つことで、低温効果を打ち消す「脱春化」の効果が期待できます。
葉先が枯れる原因は?
害虫の吸汁、チッソやカリ不足、寒冷、乾燥、過湿が考えられます。
病斑の形や色、生育環境をよく観察し、原因に応じた対処を行いましょう。
おわりに
ネギ栽培は、一見難しそうに感じるかもしれません。しかし、この記事で解説した方法を実践すれば、誰でも家庭でネギ栽培を楽しむことができます。
ネギは耐寒性と耐暑性に優れており、全国どこでも育てやすい植物です。初心者向けの品種も多いため、家庭菜園が初めての方こそ、ネギ栽培に挑戦してみましょう。
春まきと秋まきを組み合わせれば、一年を通じて自家製のネギを楽しむことができます。興味のある方は、ぜひネギ栽培に挑戦してみてください。
公開:2021年3月26日
更新:2025年1月12日
#ネギ #家庭菜園 #特集