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杏美のキノコ旅日誌3
石垣島と西表島 〜色彩豊かな生き物との出会い〜

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今回の旅は、人生初めての八重山諸島…。ワクワクとドキドキで眠れない日もありました。いろんな出会いと感動が多かった旅の始まりです。

光るキノコとの出会い

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楽しい石垣島で

 

2018年6月2日ははじめての石垣島へ。私を乗せた飛行機は滑走路から宙に浮き始め、どんどん空高くへと飛んで行きました。綿のような白い雲を突き抜けて、気がつけば住んでいた街並みは点描を描いたかのようにどんどん小さくなっていきました。ここからは空の旅……空を眺めていると真っ青な海の上には雲が綺麗に整列をしていて影と共にゆっくりと流れていました。途中、島々を通り過ぎていると雨が降っているのか、飛行機の動きに合わせて多彩な虹も一緒に動いていました。機内アナウンスの後、飛行機はだんだん下がりはじめ波の様子もはっきりと肉眼で見えるくらいに近づいてきました。いよいよ石垣島に到着です。

 

初めての石垣島は、灰色の厚い雲が視界いっぱいに広がっていました。先程まで雨が降っていたのか、道路は濡れていてとても湿度が高く生暖かい空気が漂っていました。石垣島の森の中は、生き物の声が響き渡る賑やかな森でした。私の背よりもずっと高いヤエヤマヤシやヘゴの仲間。ホウオウノキやゲットウなど色彩豊かな花々たち。落ち葉の振動に驚いてか鮮緑色のサキシマカナヘビが驚いて飛び出してきました。

 

「あみちゃん、あったわよ!!」

 

案内人の女性の声が聞こえてきました。

声の場所に行ってみると、枯れた切り株に白いキノコが生えてました。見た目は真っ白で古くなると黒茶色になる……正直素通りしてしまいそうなキノコでした。

 

「これが、シロヒカリタケですか!?」

「そうよ。夜、光るのが楽しみね。」

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シロヒカリダケ

実は、この‘シロヒカリタケ’こそ私が見てみたかったキノコの一つなのです。(絵1 シロヒカリタケ)

 

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光るシロヒカリダケ

 夜、辺りは暗く何も見えなくなっていました。それにもかかわらず、生き物たちはせわしなく動いているのをなんとなく感じていました。シロヒカリタケが見つかった場所に行ってみると、遠くからでも白っぽい優しい光が見えました。近づいて、そっと触れると自分の指がはっきりと見えるくらいに強い光でした。(絵2 シロヒカリタケ発光)

青いタネとはじめてのキノコ

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サガリバナ

 

次の日の朝、虹の橋を拝みながら宿の周りをうろうろしてみると線香花火のように咲き誇る〝サガリバナ〟が咲いていました。(写真1 サガリバナ)サガリバナの近くでは甘い香りがしていて、虫たちを誘うのでしょう。昨夜、スズメガの仲間が飛んでいたのを確認できました。日が昇るにつれてサガリバナの花は地面に落ちていきました。まるで楽しかったお祭りの最終回を見ているようでした。

そして約2週間後。今日は晴天。石垣島から出ているフェリーに乗って西表島を目指します。浅葱色の透明な海は、所々にサンゴ礁の影を見せながら先に見える山々に向けて前進していきました。西表島に到着し、近くのお店に立ち寄った時のことです。お店の端にある棚の上に一風変わった植物が飾ってありました。それは、一つ一つが青色の衣をまとった種のようでした。

「すごくきれい……」

「それはタビビトノキという植物の種だよ」

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タビビトノキの種

 確かに、この名前は聞いたことがありました。私が中学生くらいの頃、地元の植物園で見た記憶があります。しかし、こんなに間近で見ることができるとは……。(写真2 タビビトノキの青色の種)

 

ここは、小さな川が流れている森の中。水は意外とひんやりしていて見た目よりも深い場所がいくつもあり、長靴に水が入らないように気をつけて歩きました。陸に上がり、車が一台通れるような少し広い道を歩いていきます。森の中は相変わらず湿度や温度が高めで歩き始めてすぐに汗が流れてきました。キノコを見つけて写真を撮ろうとしゃがむと、メガネのレンズが曇りだし、いかに曇る前に写真を撮るのかで私と自然との競争をしていました。歩いていると、蜜柑色のようなカラフルなキノコが生えていました。よく見ると、地元で見たことある〝タマゴタケ〟というキノコにそっくりでした。

 

「すごい!フチドリタマゴタケだ!」

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フチドリタマゴタケの正面(上)と裏側(下)

先日石垣島に行った際にフチドリタマゴタケは話題に上がっていたキノコでした。もちろん、フチドリタマゴタケは初めて見ますし、これも見て見たかったキノコの一つでした。(絵3.4 フチドリタマゴタケ正面と裏側)名前に〝フチドリ(縁取り)〟とつくように、このキノコのヒダには黄褐色の縁取りが見られるのが特徴です。(絵5 ヒダの縁取り)

 

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フチドリタマゴタケの襞の縁取り

 

そして、キノコはこれだけでは終わりませんでした…。少し先には、石垣島でも見られた〝シロヒカリタケ〟やほぼ全体が菫色の〝スミレニガイグチ〟(絵6 スミレニガイグチ)など、他にも名前が分からないキノコも複数ありました。

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スミレニガイグチ

 

楽しかった旅もあっという間、どの地でもキノコを探して歩いていると、すぐに時間がすぎていきます。

 

 

 

kinoko

岩間杏美(いわま あみ) 25 歳、きのこ女子。所属:きのこびと、大分きのこ会、菌類懇話会、日本菌学会、日本冬虫夏草の会。高校生のときにキノコが好きになり、そのときからスケッチをしている。日本列島キノコ旅は、各地のキノコ関係者に会うことと、私の住む福岡県以外の各地のキノコが、どんなところで発生するのか、自分の目で見るために取り組んでいる。

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今回の旅は、人生初めての八重山諸島…。ワクワクとドキドキで眠れない日もありました。いろんな出会いと感動が多かった旅の始まりです。

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