コキアの育て方|栽培方法、寄せ植えにおすすめの植物を紹介
秋に鮮やかに紅葉するコキアは、その丸みを帯びた可愛らしいフォルムが魅力的です。
庭植えはもちろん、寄せ植えにもぴったりな丈夫で育てやすい植物で、たくさん植えることで、ユニークで印象的な景観を演出できます。
今回は、コキアの基本的な情報や育て方、おすすめの寄せ植え植物についてご紹介します。
コキアを育てて、彩り豊かなガーデニングを楽しみましょう。
【Plantia Q&A】ガーデンニングのお悩み解決!植物の育て方
☘126:コキアの育て方|こんもりと丸く育てるには?水やりや肥料など日々の管理もご紹介 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
コキアの育て方|特長や種類
コキアはユーラシア大陸原産の一年草で、季節によって姿が大きく変わるのが魅力の植物です。
春から夏にかけてはふわっと丸い草姿に鮮やかな緑の葉を広げ、秋になると一面が赤く紅葉して、庭や鉢を華やかに彩ってくれます。
9月頃には、淡い黄緑色の小さな花を咲かせる姿も見られます。
種類によって草丈や葉の色に違いがあるため、植える場所や目的に合わせて選ぶ楽しみもあります。
庭植えでも鉢植えでも育てやすく、四季の移ろいを感じられる植物です。
特長
コキアは見た目の可愛らしさと実用性を兼ね備えた、人気のガーデンプランツです。
春〜夏のふわふわした緑の姿も、秋の真っ赤な紅葉も、どちらも存在感抜群で、庭を彩るアクセントになります。
「ほうき草」とも呼ばれるように、乾燥させた茎を束ねれば手作りのほうきに、若い葉はおひたしなどに使える食材になります。
さらに、実は「畑のキャビア」と呼ばれる「とんぶり」として食用にもなります。
コキアの種類
コキアには葉の色や形、草丈などが異なる様々な種類があります。
- トリコフィラ:観賞用として広く知られているスタンダードな品種
- アカプルコ・シルバー:斑入りで葉の先端が白くなる
- 草ほうき:乾燥させてほうきとして利用することができる、伝統的な品種
- 矮性品種:草丈が低く、鉢植えとしても利用できる
- サマーサイプレス:鮮やかな緑が特長で、秋には紅葉する
紅葉を楽しめるものや、コンパクトで鉢植えに適したものなどがあります。 自分好みのコキアを見つけて、季節ごとの変化を楽しみましょう。
コキアの育て方|基本的な栽培方法
コキアが好む環境
コキアは、日当たりと風通しの良い場所を好みます。
コキアは日光を好む植物で、日照不足になると生育が悪くなり、紅葉も綺麗に色づきません。また、風通しが悪いと蒸れて病害虫が発生しやすくなります。
条件を整えることで、コキアは健康に育ち、秋には鮮やかな紅葉を楽しむことができます。
土づくり
コキアは土質をそれほど選ばない育てやすい植物ですが、水はけが良い土壌を使用すると元気に育てることができるでしょう。
鉢植えの場合は、赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた土がおすすめです。
市販の草花用培養土『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』をそのまま使っても問題なく育てることができます。
地植えの場合、排水性が悪い場所では根腐れを起こしやすくなるため、腐葉土や川砂を加えて土を改良しておくと良いでしょう。
また、酸性に傾いた土壌では生育が悪くなることがあるため、必要に応じて苦土石灰を混ぜてpHを調整すると安心です。
種まき
コキアは一年草のため、基本的には種で増やします。発芽率を高めて、元気な苗を育てるには、発芽適温と種まきの時期を守ることがとても大切です。
種まきには、気温が安定してくる4月中旬〜5月頃が適しています。発芽の適温は20〜25℃前後なので、寒さが残る時期や、気温が上がりすぎる真夏を避けて行いましょう。
種は均一にまき、覆土は薄めに行いましょう。発芽するまでは乾燥しないように注意し、土の表面が乾かない程度にやさしく水やりを行います。
移植を嫌うため、苗を育てるには直播きやポットへまくのがおすすめです。
丁寧に種まきをしておくことで、発芽後の苗が揃いやすく、秋にはきれいな紅葉を楽しめるコキアに育ちます。
植えつけ
植えつけは本葉が3枚以上になってから行います。コキアの根は繊細で植えかえを嫌うため、できるだけ小さいうちに植えつけを済ませるのがおすすめです。
育苗ポットに根が回る前に、大きな鉢や花壇などに移してあげましょう。
コキアの苗を植えつけるときは、鉢植えでも地植えでも、水はけと風通しのよい環境を整えることが大切です。
鉢植えの場合
鉢やプランターの鉢底にネットを敷き、鉢底石を詰めます。用意しておいた用土を少し入れたら、苗を植えつけてください。
育苗ポットから丁寧に苗を取り出し、根鉢は崩さずにそのまま植えましょう。
苗を鉢へ入れたら、残りの土をかぶせていきます。土と根の間に隙間ができないようにやさしく抑えながら埋めていきましょう。
植えつけたあとは、根の活着促進のため活力液『リキダス』を希釈して与えるのがおすすめです。
鉢底から水が流れ出てくるようにたっぷりと与えてください。
地植えの場合
地植えの場合も、鉢植えとほとんど手順は変わりません。ふたつ以上植える場合は、株間を40cm以上あけて風通しを良くします。
植えつけが完了したら、水をたっぷりと与えてください。根がしっかりと張るまでは水切れを起こさないように注意します。
水やり
コキアは乾燥に強く、多湿を嫌いますが、タイミングに応じた水やりが重要です。
水を与えすぎると根腐れの原因になるため、状況を見ながら調整することがポイントです。コキアの様子をよく観察しながら、タイミングよく水やりをしてあげましょう。
鉢植えの場合
鉢植えの場合、地植えに比べて土の量が限られている分、乾燥しやすいため注意が必要です。土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。
特に夏場は乾燥しやすいので、朝夕の涼しい時間帯に1日2回水やりを行うと良いでしょう。
冬場は成長が緩やかになるため、水やりの頻度を減らして、乾燥気味に管理します。
地植えの場合
地植えの場合、基本的に水やりは不要です。自然の降雨に任せて構いません。
植えつけ直後や夏場の乾燥時、雨が降らない時には土の表面が乾いているのを確認してからたっぷりと水を与えてください。
特に夏場は、朝夕の涼しい時間帯に水やりを行うのがおすすめです。根がしっかりと張れば、自然の雨だけで十分に育ちます。
肥料
コキアを元気に育てるには適切な肥料が欠かせません。
肥料は、コキアの生育に必要な栄養分を補給し、丈夫な株を育てるために重要です。肥料が不足すると、葉の色が悪くなったり、生育が鈍くなったりする原因になります。
植えつけ時や植えかえ時には、元肥として『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込むことで、ゆっくりと効果が持続します。
生育期間中には、速効性の液体肥料『ハイポネックス原液』を水やり代わりに与えてください。
肥料の種類によって効果や与えるタイミングが異なるため、コキアの状態や生育状況に合わせて使い分けることが大切です。
植えかえ
植えかえは、コキアの生育を良くするために欠かせない作業です。
コキアは成長が早く、根詰まりを起こしやすいため、定期的な植えかえが必要です。根詰まりを起こすと、生育が悪くなるだけでなく、病害虫にもかかりやすくなります。
<植えかえのサイン>
- 鉢底から根が出ている
- 水やり後の水の吸い込みが悪い
- 下葉が黄色くなってきた
- 生育が鈍くなった
これらのサインが見られたら、植えかえの時期です。植えかえは、一回り大きな鉢に、新しい培養土を使って行います。
植えかえを行うことで、根詰まりが解消され、コキアは再び元気に成長します。
コキアの育て方|病害虫対策
コキアは比較的病害虫に強い植物ですが、アブラムシやうどんこ病には特に注意が必要です。
それぞれの対策方法について詳しく解説していきます。
アブラムシ対策
アブラムシは植物の汁を吸い、生育を阻害するだけでなく、ウイルスを媒介する可能性もあります。そのため、早期発見と適切な対策が重要です。
アブラムシは、気温が上がってくる春から秋にかけて繁殖します。特に、風通しが悪く、過密に植えている場所では発生しやすいので注意しましょう。
テントウムシなどアブラムシを食べてくれる昆虫を利用したり、薬剤を散布するのも効果的です。また、少量であれば粘着シートを設置して取り除きましょう。
こまめに観察して早めの対処を心がけましょう。
うどんこ病対策
うどんこ病は、糸状菌(カビ)の一種が原因で発生する病気で、葉や茎の表面に白い粉をまぶしたような斑点が現れます。
見た目の問題だけでなく、光合成をさまたげて生育不良とします。
発見したら、被害が少ないうちは薬剤を使用せずに、患部を切り取って処分するのが効果的です。
薬剤を使用する場合は、適用のある殺菌剤を使用し、使用方法をよく読んでから散布してください。
また、日頃から風通しを良くし、肥料を与えすぎないように注意することも予防につながります。
コキアの育て方|管理方法と増やし方
ふんわり丸いシルエットが可愛らしいコキアは、育てる過程も楽しめる植物です。
しっかりと管理し、増やす方法を覚えておくことで、より元気で美しい姿を長く楽しむことができます。
剪定
コキアは生育旺盛で、放っておくと枝や葉が伸びすぎてしまい、形が崩れてしまいます。丸いシルエットを維持し、健康に育てるには定期的な剪定が重要です。
剪定により、株の間の風通しが良くなり、病害虫の予防にも繋がります。また、全体の形を整えることで、より観賞価値を高めることができます。
時々様子を見ながら、適切に整えてあげましょう。
コキアの育て方|寄せ植えで相性が良い植物
コキアはそのふんわりとしたシルエットや秋の紅葉が美しいことから、単体で育てても魅力的ですが、寄せ植えにするとさらに魅力が増します。
色や高さ、開花時期などそれぞれの植物の特長を理解し、バランスを考えて選ぶとより美しい寄せ植えを楽しめるでしょう。
ここでは、コキアと相性が良い植物を紹介します。
ナスタチウム
ナスタチウムは、個性的な香りを持つ一年草です。
赤やオレンジ、黄色など鮮やかな花が特長で、コキアの紅葉した姿と互いを引き立て合い、美しいコントラストを生み出すでしょう。
また、ナスタチウムは育てやすいので初心者にもおすすめです。
食用の花と葉は料理にも活用でき、サラダなどに加えると見た目も味も華やかになります。コンパニオンプランツとして害虫を遠ざける効果も期待できるでしょう。
アスター
アスターは、秋に開花するため、紅葉したコキアとタイミングが重なり、寄せ植え全体を華やかに彩ってくれます。
ピンクや紫、白など、花色が豊富で、草丈の調整もしやすいため、鉢や花壇でも扱いやすいのが特長です。
また、比較的手がかからず育てやすいので、ガーデニング初心者でも安心して取り入れることができます。
秋の雰囲気にぴったりなアスターは、コキアとの組み合わせでお庭を一気に華やかにしてくれるでしょう。
センニチコウ
センニチコウ(千日紅)は、丸く小さな花が長く咲き続ける愛らしい植物です。
夏から秋にかけて花を咲かせるため、コキアの紅葉シーズンともうまく重なり、寄せ植えの彩りを長く楽しむことができます。
花びらのように見える色づいた「苞」の部分は色あせしにくく、ドライフラワーとしても楽しめるため、観賞後の活用もできます。
コキアのふんわりとした姿とセンニチコウのかわいらしい花の組み合わせは、見るたびにほっこりした気持ちにさせてくれますよ。
バーベナ
バーベナは、コキアととても相性のいい植物です。どちらも日当たりと水はけのよい環境を好むため、一緒に植えると元気に育ちやすくなります。
また、バーベナはカラフルな花が魅力で、コキアの緑や、秋に紅葉した色をぐっと引き立ててくれます。開花期が長く、育てやすいのも嬉しいポイントです。
コキアの育て方|増やし方
コキアは種まきや挿し木で増やすことが出来ますが、一年草のため種から育てるのが一般的です。
種の採取時期や方法、保管方法をしっかりと把握しておくことが、コキアを増やすための第一歩となります。
種の採取方法
秋の紅葉が終わった後、茶色く枯れてきた頃が種を採取する適期です。種を採取するタイミングを逃すと、自然に種が落ちてしまうため注意が必要です。
採取した種は、風通しの良い日陰で数日間乾燥させましょう。湿気が残っていると、カビが発生しやすく発芽率が低下する原因となります。
種の保管方法
乾燥させた種は、紙袋や封筒に入れ乾燥剤と一緒に密閉容器へ入れて、冷暗所で保管してください。冷蔵庫の野菜室も適した保管場所の一つです。
湿気はカビの原因となり、発芽率を著しく低下させます。直射日光は避け、温度変化の少ない場所を選びましょう。
種を保管する際には、採取日や品種を記載したラベルを貼っておくと翌年の種まきの際に、便利です。
適切な方法で保管すれば、数年間は発芽能力を維持できます。
コキアの育て方|コキアが枯れたら
秋になってコキアが枯れてきたら、実がつく前に刈り取って、ほうきを手作りしてみませんか?
刈り取ったコキアを陰干しでしっかりと乾燥し、余分な枝を取いてください。お好みの長さの棒に束ねて形を整えたら完成です。
自分で育てた植物が、実用品に生まれ変わるのはとても楽しい体験です。愛着のわく、世界にひとつだけのほうきになるでしょう。
おわりに
コキアは種からでも苗からでも育てやすく、季節ごとの変化も楽しめる魅力的な植物です。庭やベランダに彩りを添えてくれることでしょう。
ぜひ、この記事をきっかけにコキア栽培にチャレンジしてみてください。育てる楽しさを、あなたの暮らしの中にも取り入れてみませんか?
公開:2021年1月20日
更新:2025年10月8日
#コキア #寄せ植え #特集