フジバカマの育て方|植えつけ・水やり・肥料・冬越しのポイント
フジバカマは、淡い色の小さな花をたくさん咲かせる、秋の七草のひとつです。古くから日本で親しまれてきた趣のある花で、乾燥させた葉や茎からは桜餅のような香りがすることでも知られています。また、アサギマダラが蜜を吸いに訪れる植物としても人気があります。
多年草で丈夫なため、庭植えや鉢植えで楽しむことができます。この記事では、フジバカマの特長や魅力、植えつけ、水やり、肥料、切り戻し、冬越しなど、育て方とお手入れのポイントを初心者にも分かりやすくご紹介します。
フジバカマの育て方|古くから親しまれてきた秋の七草
フジバカマは、キク科ヒヨドリバナ属の多年草です。茎の先に小さな花が集まって咲き、淡い紅紫色を帯びた白色などの花を楽しめます。開花時期は地域や栽培環境によって多少異なりますが、8月下旬~10月頃が目安です。
フジバカマは秋の七草のひとつで、万葉集にも登場するなど、古くから日本で親しまれてきました。名前は、花の色が藤色を帯び、花の形が袴を思わせることに由来するといわれています。
多年草で、地中に根を張って生長するため、植えつけ後は毎年花を楽しむことができます。
野生の品種と園芸で流通する品種
フジバカマは、河川の氾濫原などの湿った草地に自生する多年草です。環境省の2025年版レッドリストでは、フジバカマ(Eupatorium japonicum)は準絶滅危惧(NT)に分類されています。河川の開発などによって、生育に適した環境が減少していることが要因のひとつとされています。
一方、園芸店などで「フジバカマ」として販売されている植物には、近縁種や交雑種なども含まれます。そのため、購入する際は植物名や品種名を確認するとよいでしょう。
フジバカマは、秋の七草として古くから日本人に親しまれてきた植物です。万葉集にも登場し、現在でも庭植えや鉢植えでその趣のある花を楽しむことができます。
香り
フジバカマは「蘭草(らんそう)」や「香草(こうそう)」などの別名を持つ、香りのある植物としても知られています。
ただし、生の葉や茎では香りを感じにくく、乾燥する過程で桜餅を思わせるような香りが生まれます。これは、植物に含まれる成分が乾燥することで変化するためです。
香りを楽しみたい場合は、花だけでなく葉や茎も含めて乾燥させる方法があります。風通しのよい場所で乾燥させると、フジバカマならではの香りを楽しめます。
アサギマダラとの関係
フジバカマは、長距離を移動する蝶として知られるアサギマダラが訪れる植物のひとつです。秋になると、フジバカマの花にアサギマダラが蜜を求めて飛来することがあります。
庭やベランダでフジバカマを育てて、花だけでなく、蝶が訪れる様子を楽しむのもおすすめです。
ただし、アサギマダラが飛来する時期や数は地域や環境によって異なるため、フジバカマを植えれば必ず見られるわけではありません。
フジバカマの育て方|基本的な栽培方法
フジバカマは、暑さや寒さに比較的強く、丈夫な多年草です。一方で、乾燥を嫌うことや、地下茎を伸ばして株が広がりやすいことには注意が必要です。
日当たりと水はけのよい場所を選び、土の乾燥に気をつけながら育てましょう。
フジバカマが好む栽培環境
フジバカマは、日当たりのよい場所を好みます。半日陰でも育てられますが、日照が不足すると茎が細く伸びたり、花つきが悪くなったりすることがあります。花をたくさん楽しみたい場合は、できるだけ日当たりのよい場所を選びましょう。
また、フジバカマは乾燥を嫌うため、適度に水分を保てる土壌が適しています。一方で、水がたまり続けるような場所では根が傷むことがあるため、水はけのよさも大切です。
地植えでは、日当たりと水はけがよく、極端に乾燥しない場所を選びます。鉢植えの場合も、日当たりのよい場所に置き、土の乾燥具合を確認しながら管理しましょう。
土づくり
フジバカマは、水はけがよく、水持ちもよい土を好みます。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土『ブリリアントガーデン バラの培養土』などを使うと手軽です。赤玉土(小粒)6:腐葉土4などの配合土でも育てられます。
地植えの場合は、植えつけ前に腐葉土などを混ぜて土を耕し、水はけのよい環境を整えておきましょう。
地下茎の広がりを防ぐ
フジバカマは地下茎を伸ばして株を広げる性質があります。地植えでは、植えた場所から地下茎が広がり、ほかの植物の生育場所まで侵入することがあるため、植えつけ時に根域を制限しておくと安心です。
株の周囲に板などを埋めて仕切りをつくったり、大きめの鉢に植えてから鉢ごと地面に埋めたりする方法があります。スペースに余裕がない場合は、鉢植えで育てるのもよいでしょう。
植えつけ
フジバカマは、苗から育てると手軽です。植えつけ時期は3月~4月頃が目安です。日当たりのよい場所を選びましょう。日照が不足すると、茎がひょろひょろと伸びたり、花つきが悪くなったりすることがあります。
苗をポットから取り出したら、根鉢を崩しすぎないように植えつけます。地植えの場合は、根鉢が無理なく入る大きさの植え穴を掘り、植えつけ後にたっぷりと水を与えます。
鉢植えでは、根が広がることを考えて、十分な大きさの鉢を選びましょう。
水やり
フジバカマは乾燥を嫌うため、水切れに注意します。
鉢植えは、土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えます。特に春から秋の生育期は、土の乾燥具合をこまめに確認しましょう。
地植えは、植えつけ直後や雨が降らない日が続いたときなどを除き、基本的に降雨に任せて育てられます。ただし、夏に乾燥が続く場合は、土の状態を確認して水やりを行います。
肥料
植えつけ時には、元肥として緩効性肥料『マグァンプK 中粒』を土に混ぜ込んでおきましょう。
地植えでは、元肥を施しておけば、その後の追肥は必ずしも必要ありません。生育が悪い場合や、葉色が薄い場合などは、植物の状態を見ながら追肥します。
鉢植えは、土の量が限られているため、春から初夏にかけて生育の様子を見ながら、緩効性肥料『プランティア 花と野菜と果実の肥料』などで追肥を行います。
肥料を与えすぎると、茎葉ばかりが茂って花つきが悪くなることがあるため、適量を守ることが大切です。
切り戻し
フジバカマは生育が旺盛で、草丈が高くなりやすい植物です。草丈を抑えてまとまりよく育てたい場合は、5月~6月頃を目安に切り戻します。
草丈の半分程度を目安に切り戻すと、わき芽が伸びて株がこんもりと育ち、開花時の草丈を抑えやすくなります。切り戻しの時期や程度は、株の生育状態や仕立てたい草丈に合わせて調整しましょう。
フジバカマの育て方|長く楽しむための管理方法
フジバカマは多年草のため、適切に管理すれば翌年も花を楽しむことができます。
ここでは、病害虫への対策や冬越し、植えかえ、株分けなど、フジバカマを長く育てるための管理方法をご紹介します。
病害虫対策
フジバカマは、アブラムシなどの害虫が発生することがあります。特に新芽や若い葉などはこまめに観察し、害虫を見つけたら早めに対処しましょう。
アブラムシが発生した場合は、適用のある薬剤を使用して防除します。肥料とアブラムシ対策を同時に行いたい場合は、『ハイポネックス原液 殺虫剤入り』もおすすめです。
また、葉に白い粉をまぶしたような斑点が広がる場合は、うどんこ病の可能性があります。
発生した葉は取り除き、株が混み合っている場合は風通しをよくするなど、適切に管理しましょう。症状が広がる場合は、植物や病気に適用のある薬剤を使用します。
冬越し
フジバカマは、冬になると地上部が枯れたようになり、地中の根や地下茎の状態で冬を越します。特別な冬越しの作業は基本的に必要ありません。
地上部が枯れたら、枯れた茎を株元から切り取って整理しておくと、春の芽出しを迎えやすくなります。
鉢植えの場合は、冬も完全に水を切らさないようにし、土が乾きすぎたときは水やりを行います。冬は生育が緩やかになるため、水やりの頻度は生育期より少なくして、土の状態を確認しながら管理しましょう。
植えかえ
鉢植えのフジバカマは、根が鉢の中いっぱいに回って根詰まりしてきたら植えかえます。鉢底から根が見える、土が乾きやすくなるなど、株の状態を見て判断しましょう。植えかえの適期は3月~4月頃です。
植えかえの際は、根鉢を取り出して古い土を軽く落とし、傷んだ根があれば取り除きます。根が詰まっている場合は、根鉢を少し整理して、ひと回り大きな鉢に植えかえましょう。
植えかえ後はたっぷりと水を与え、日当たりのよい場所で管理します。
株分け
フジバカマは地下茎を伸ばして株を広げるため、株が大きくなったときには株分けで増やすことができます。株分けは、植えかえと同じく生育が始まる前の3月~4月頃が適期です。
株を掘り上げたら、地下茎や根の状態を確認しながら、芽がつくようにいくつかに分けて植えつけます。株分けした後は、根が乾燥しないように注意し、植えつけ後はたっぷりと水を与えましょう。
フジバカマは地下茎が広がりやすいため、株分けは株を整理しながら増やせる方法のひとつです。
おわりに
秋の七草のひとつとして、古くから日本で親しまれてきたフジバカマ。淡い色の花だけでなく、乾燥させた葉や茎から生まれる香りや、秋にアサギマダラが訪れることがあるのも魅力です。
フジバカマは比較的丈夫な多年草ですが、乾燥を嫌うため水切れに注意し、地下茎の広がりや病害虫などにも気を配りながら育てましょう。適切に管理すれば、翌年も花を楽しむことができます。
庭や鉢でフジバカマを育てながら、秋ならではの風情や季節の移ろいを楽しんでみてはいかがでしょうか。
公開日:2019年10月2日
更新日:2026年10月4日
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