ネフロレピスの育て方を解説します!夏越しや冬越しについてもご紹介

ふんわりとした繊細な葉が魅力のネフロレピスは観葉植物の中でも育てやすく、室内を彩るグリーンとして人気があります。
シダの仲間であるネフロレピスは湿度を好むため、適切な環境を整えることで一年中元気な姿を楽しめます。
この記事では、ネフロレピスの基本的な育て方から、夏越し・冬越しのポイント、植えかえや増やし方、病害虫対策まで解説します。
ネフロレピスとは?

ネフロレピスは、シダ植物の一種で、美しい緑の葉が特徴です。
一般的に「タマシダ」とも呼ばれ、鉢植えやハンギングプランツとして広く親しまれています。葉が細かく分かれて羽のように広がるためボリューム感があり、インテリアグリーンとしても人気です。
ネフロレピスは、熱帯から温帯にかけての地域が原産で、特に南米やアジア、アフリカなどの湿度の高い地域に広く分布しています。代表的な品種には以下のようなものがあります。
- ネフロレピス・エクサルタータ:最も一般的な品種で、観葉植物として人気
- ネフロレピス・ボストニエンシス:ボストンファーン(シダ)とも呼ばれ、葉が波打つようにカールしている
- ネフロレピス・ダフィー:葉が細かく繊細な印象の品種。葉(羽片)が丸く短く、コンパクトに育つため省スペースでも楽しめる
ネフロレピスは、その美しい葉と空間に溶け込むデザイン性の高さから、リビングや玄関、寝室に飾ることで、空間に癒しを与えるインテリアグリーンや、葉が垂れ下がる特徴を活かし、吊るして楽しむハンギングプランツなどに使われています。
また、ネフロレピスは風水的にもよいとされ、「邪気を払う」「気の流れを整える」といわれています。
さらに、NASAの研究によると、空気中の有害物質を吸収する効果があるとされ、特にホルムアルデヒドやベンゼンの除去に役立つとされています。
ネフロレピスの育て方

ここからは、ネフロレピスの育て方について解説します。
栽培環境、栽培場所

ネフロレピスは、明るい日陰を好みます。直射日光が当たると葉焼けを起こしやすいため、レースカーテン越しの柔らかい光が当たる場所が理想的です。
また、風通しのよい環境を整えることで、葉の美しさを保ちやすくなります。
適した置き場所の例
- 室内の窓際(南向きや西向きの窓ならガラス越しにする)
- 玄関や廊下など、明るい間接光が当たる場所
- ベランダや庭の半日陰(夏場は直射日光を避ける)
注意点
- 直射日光が長時間当たると葉焼けを起こすので、カーテンやブラインドで光を和らげる
- 風通しが悪いと湿気がこもり、カビや病害虫の発生原因になる
温度
ネフロレピスの適温は15〜25℃です。寒さには弱く、10℃以下になると生育が鈍り、5℃以下では枯れる可能性があります。そのため、冬場の管理には注意が必要です。
温度管理のポイント
- 夏場は30℃以上になると蒸れやすいため、風通しを良くし、エアコンの風が直接当たらない場所に置く
- 冬場は10℃以下にならないように室内に移動し、特に夜間の冷え込みに注意する
- 窓際に置く場合は、夜間に冷気が当たらないようにカーテンを閉めるか、鉢を移動する
用土
水はけのよい土を好みます。市販の観葉植物用培養土でも問題ありません。
自作する場合は、赤玉土(小粒):腐葉土:軽石(小粒)=5:3:2の割合で混ぜあわせてください。
用土選びのポイント
- 根腐れを防ぐため、水はけのよい配合を選ぶ
- 水持ちを良くするために、赤玉土や腐葉土を適度に配合する
- 市販の「シダ植物専用の培養土」を使う
水やり
ネフロレピスは湿度を好むため、土が乾いたらたっぷりと水を与えます。
しかし、過湿になりすぎると根腐れの原因になるため、適切な頻度を守ることが大切です。
株の上からの水やりは葉が蒸れる可能性があるため、鉢の脇から与えるようにしましょう。
季節ごとの水やりの目安
- 春〜秋(成長期):土の表面が乾いたらたっぷり与える(週に2〜3回)
- 夏場:気温が高く、水分が蒸発しやすいため、1日1回の頻度で与える
- 冬場: 乾かし気味に管理することで低温に耐える
葉水を行う
ネフロレピスは乾燥に弱いため、特にエアコンや暖房の影響を受ける室内では葉水(霧吹き)を定期的に行いましょう。
- 春〜秋:週に2〜3回、葉全体に霧吹きで水をかける
- 夏場:毎日1回、特に朝や夕方の涼しい時間帯に行う
- 冬場:週に1〜2回、乾燥が気になるときに追加で行う
水やりのコツ
- 根腐れしないよう受け皿に水を溜めないようにする
- 冬場は水の温度が低すぎないようにする
- 葉水をすることで、病害虫(ハダニなど)の発生を防ぐ
肥料
成長期(春から秋)には、薄めた液体肥料を月に1〜2回与えると、葉が元気に育ちます。冬場は成長が緩やかになるため、肥料は控えめにしましょう。
おすすめの肥料
- 液体肥料(観葉植物用):『ハイポネックス原液』成長期には2週間に1回程度、水やりの際に薄めて使用
- 緩効性肥料(置き肥):『プロミック 観葉植物用』春と秋に1回ずつ、株元に適量を置く
肥料の与え方の注意点
- 肥料の濃度が濃すぎると根を傷めるため、規定量の半分程度から試す
- 冬場は成長が緩慢になるため、肥料を与える頻度を減らす
- 元気がないときに即効性のある液体肥料を少量与えると回復しやすい
ネフロレピスを夏越し・冬越しさせる方法

ネフロレピスは高温多湿の環境を好みますが、日本の夏の蒸し暑さや冬の乾燥には注意が必要です。適切な環境を整えることで、ネフロレピスを健康に育てられます。
夏越しの方法
- 直射日光を避ける
夏の強い日差しは葉焼けを引き起こす原因になります。
屋外に置く場合は、半日陰(午前中のみ日が当たる場所)に置くか、すだれや遮光ネットを使用して直射日光を和らげる工夫をしましょう。
- 風通しをよくする
高温多湿の環境では、蒸れによって葉が傷んだり、病害虫が発生しやすくなったりします。
室内ではサーキュレーターや扇風機を使い、空気を循環させる、鉢を床に直置きせず、鉢スタンドを使用して通気性を確保するなどの対処を行いましょう。
また、葉が密集している部分は、軽く剪定して風通しをよくします。
- 水やりと湿度管理
夏場は水分が蒸発しやすいため、朝か夕方の涼しい時間帯に水をたっぷりと与えます。
ただし、鉢の底に水が溜まらないように注意しましょう。加えて、葉水(霧吹き)を1日1回行うと、湿度を保ちつつハダニの発生を抑えられます。
- 室内管理の場合の注意点
エアコンを使用する室内では、冷房の風が直接当たると乾燥してしまい、葉が傷みやすくなります。
エアコンの風が直接当たらない場所に置き、加湿器を併用するとよいでしょう。
冬越しの方法
- 室内の暖かい場所に移動させる
ネフロレピスは寒さに弱く、気温が10℃以下になると生育が鈍り、5℃以下では枯れてしまう可能性があります。
そのため、冬場は室内に移動し、暖かい環境を保つことが重要です。
- 適切な置き場所
窓際に置く場合は、夜間の冷え込みを防ぐためにカーテンを閉めます。
床からの冷気を避けるため、鉢スタンドや棚の上に置く。暖房の風が直接当たらないように注意しましょう。
- 水やりの頻度を減らす
冬場は成長が緩やかになるため、水やりの頻度を調整します。
過湿を防ぐために、霧吹きで葉水を与えつつ湿度を保ちましょう。
- 乾燥対策
冬の室内は乾燥しやすく、葉がカラカラになってしまうことがあります。
その場合、加湿器を使用して室内の湿度を50〜60%に保つことや、葉水(霧吹き)を週に2〜3回行うこと、鉢の近くに水を張ったトレーを置いて、蒸発する水分で湿度を調整することなどが乾燥対策になります。
- 温度管理のポイント
室温が10℃を下回る場合は、暖房のある部屋に移動させましょう。暖房を使う場合は、乾燥対策を徹底し、暖房の風が直接当たらないようにしてください。
温度変化が大きい場所(玄関や窓際など)は避け、なるべく一定の温度を保つことが大切です。
ネフロレピスの夏越し・冬越しは、温度・湿度・風通しの3つのポイントを意識しましょう。
特に夏場は蒸れ対策、冬場は乾燥対策をしっかりと行い、適切な環境を整えることで、ネフロレピスを健康に育てられます。
ネフロレピスの植えつけ・植えかえ

ネフロレピスは根詰まりしやすいため、1〜2年に1回の植えかえを行いましょう。
特に春〜初夏に植えかえると、株が新しい環境に適応しやすくなります。
準備するもの
- 今のものよりひと回り大きいサイズの鉢
- 新しい土(水はけのよいもの)
- 鉢底石・鉢底ネット
- 剪定ハサミ
- スコップ
- 割りばしや細い棒(根をほぐす際に便利)
- 手袋
- 新聞紙やビニールシート
植えかえの手順
- 鉢から株を優しく取り出し、根に付いた古い土を軽く落とします
- 根が絡み合っている場合は、無理に引っ張らず優しくほぐしましょう
- 水はけをよくするために鉢底に鉢底石を敷きます
- 新しい土を入れて株を植えつけたら、根元を軽く押さえて固定しましょう
植えかえ後はたっぷりと水を与え、明るい日陰で管理します。
植えかえの注意点
真夏や冬の植えかえは株がダメージを受けやすいため避けるようにします。また、植えかえ後1週間は根に負担をかけないため肥料は与えないようにしてください。
ネフロレピスの増やし方

ネフロレピスの増やし方には、株分けとランナーによる増殖の2種類があります。
株分けで増やす方法は最も簡単で、植えかえのタイミングで行うとスムーズです。
- 鉢から株を取り出し、根を軽くほぐします
- 自然に分かれる部分を探し、手で分けるか、清潔なハサミでカットしましょう
- 新しい鉢に、それぞれの株を植えつけます。
植えかえ後はたっぷり水を与え、明るい日陰で管理しましょう。
ネフロレピスはランナー(走出枝)を伸ばし、そこから新しい株が生まれる場合があります。このランナーを利用して増やすことも可能です。
- 親株から伸びたランナーの先に、小さな新芽が出ていることを確認します
- 新芽の部分を土に軽く埋めて、根が出るまで待ちましょう
- 根がしっかり張ったら親株から切り離し、新しい鉢に植えかえます
ランナーで増やす方法は時間がかかりますが、親株を傷めずに増やせるのがメリットです。
ネフロレピスの剪定・切り戻し

ネフロレピスは葉が茂りやすいため、定期的な剪定(切り戻し)を行うことで、美しい姿を維持し、新しい葉の成長を促せます。
剪定の前にまず枯れた葉や傷んだ葉はこまめに取り除きます。葉が密集しすぎている場合は、間引いて風通しをよくしましょう。
次に、形を整えるために長く伸びすぎた葉をカットします。剪定はまず古くなった葉を清潔はハサミを使って根元からカットしましょう。その際黄色や茶色に変色した葉も取り除きます。
葉が茂りすぎた場合は、株全体のバランスを見ながら間引きましょう。剪定後はたっぷり水を与え、数日間は直射日光を避けてください。
剪定のベストタイミングは春から夏の成長期です。冬場に剪定を行う場合は必要最低限にとどめましょう。
ただし、どの季節でも切りすぎは株を弱らせる原因になるため、全体の剪定の3分の1以内にするのがベストです。
ネフロレピスを育てる際に気をつけるべき病害虫

ネフロレピスを育てる際に気をつけたいのが病害虫です。ネフロレピスに寄り付く病害虫の種類と対処法を解説します。
ハダニ
乾燥すると発生しやすく、葉の裏に小さな点が見られるのが特徴です。葉水をこまめに行い、発生を防ぎましょう。
カイガラムシ
葉や茎に白いカイガラムシがつくことがあります。見つけ次第、歯ブラシなどで取り除きましょう。
ナメクジ
屋外で育てている場合、ナメクジが付着する場合があります。見つけ次第取り除き、ナメクジよけの対策を行いましょう。
炭そ病
葉に黒い斑点ができる病気で、湿度が高すぎると発生しやすくなります。風通しをよくし、病気が発生した場合は早めに対処しましょう。
まとめ

ネフロレピスは、湿度管理をしっかり行い、適切な環境を整えることで元気に育てられます。初心者でも育てやすい植物ですが、水やりや害虫対策を怠らないようにしましょう。
ぜひ、自宅のインテリアに取り入れて、ネフロレピスの美しい葉を楽しんでください。
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