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家庭で育てるプルーン|剪定・収穫の時期や育て方のコツ

家庭で育てるプルーン|剪定・収穫の時期や育て方のコツ

プルーンは甘みと酸味のバランスが魅力の果樹で、その実は栄養価が高く、家庭でも育てやすい果樹です。

適切な栽培環境づくり・管理を行えば、美しい花とともに、大きな果実を収穫できます。

本記事では、プルーンの特徴や家庭栽培の魅力に加え、剪定・収穫のタイミング、水やり・肥料のコツ、病害虫対策まで、家庭での育て方を分かりやすく解説します。

プルーンとは|特徴や育て方の魅力

プルーンは、ヨーロッパ東部からアジア西部を原産とする落葉性の中高木です。

バラ科・スモモ属(サクラ属)に分類される果樹で、甘みと酸味、深い味わいを特徴とする黒紫色の実をつけます。

管理の手間がかかりにくく、適切な手入れを行えばおいしい実の収穫が期待できるため、家庭栽培にもおすすめの果樹といえます。

プルーンの基本情報

プルーンの原産地は、ヨーロッパ東部からアジア西部にかけての地域です。涼しく乾いた環境を好む性質があり、樹木は2mを超える高さまで生長します。

春先に美しい白色の花を咲かせるのも魅力の一つです。その実は栄養価が高く、鉄分やビタミン類、食物繊維を豊富に含みます。

プルーンの主な品種

プルーン栽培で人気の品種は、「サンプルーン」と「シュガープルーン」の2つです。どちらも育てやすく、おいしい果実を収穫できるため、初心者からベテランまで広く親しまれています。

「サンプルーン」は、自家結実性のある品種です。受粉樹を別に用意しなくても実がなり、1本だけでたくさんの果実が収穫できます。

その果実は中粒で、酸味と甘みのバランスがよく、ジャムやコンポートなどの加工に最適です。

一方の「シュガープルーン」は糖度が高く、濃厚な甘みが魅力です。果肉は柔らかくジューシーで、完熟した実はそのまま生食で楽しめます。

プルーンを家庭で育てる魅力

家庭でプルーンを育てる醍醐味は、完全に熟した状態の果実を味わえることにあるでしょう。市販されているものでは体験できない、濃厚で深い甘みを堪能できるのが魅力です。

また、春先に美しい花を咲かせるのもポイントです。栽培の過程で季節の移ろいを感じられるのは、家庭栽培ならではの楽しみといえるでしょう。

収穫のタイミング

プルーンの収穫時期は、8月~9月の上旬ごろです。果実がしっかりと色づき、やさしく触れただけで枝から外れるくらいになったら、収穫に適した状態といえるでしょう。

収穫後は、風通しのよい日陰で一時的に追熟させると、さらに甘みが増します。その後は冷蔵庫で保管しましょう。

乾燥プルーンや保存の工夫

乾燥プルーンにすることで保存性が高まり、長期間にわたって楽しめます。

天日干しや食品用乾燥機を使えば、水分が抜けて糖分が凝縮され、生の果実とは異なる、濃厚な甘みを引き出せます。

乾燥以外にも、ジャムやシロップ煮などに加工できます。これらはヨーグルトのトッピングやお菓子作りにも活用でき、日常の食卓に彩りを添えるでしょう。

プルーンの育て方と好む栽培環境

プルーンは、きちんとした環境づくりを行えば、家庭でも十分に育てられる果樹です。

ここでは、プルーンが好む栽培環境についてご紹介します。

プルーンに適した気候

日本の高温多湿な夏はプルーンにとって苦手な条件のため、梅雨の時期や夏場には湿度の管理が欠かせません。

寒さには比較的強いため寒い地域でも栽培できますが、花が咲く頃の遅霜には気をつけましょう。

日当たりのよい場所で育ててあげることで、果実の品質アップが期待できます。

鉢植えと地植えの特長

プルーンは、暖かくて乾燥した環境を好む性質があります。そのため、日本のような高温多湿の夏はやや不向きで、特に梅雨時や真夏の蒸し暑さには注意が必要です。

湿気がこもりやすい場所では病害虫が発生しやすくなるため、風通しを確保した上で、鉢植えを日陰に移すなどして対応しましょう。

一方、寒さには比較的強く、東北地方などの寒冷地でも育てられます。

ただし、開花時期に遅霜があると結実しにくくなるため、霜害のリスクがある地域では、開花前後の気温管理が大切です。

プルーンの育て方|土づくりから植えつけまで

プルーンは果樹の中でも管理の手間がかかりにくい種類ですが、適した土の環境や植えつけの方法を知っておくことがポイントといえるでしょう。

水はけのよい土と日当たりのよい場所を選び、適した時期に植えつけることで、健やかな生長と豊かな収穫が楽しめます。

プルーンに適した土

プルーンを健やかに育てるには、水はけがよく、ほどよい保水力を持つ土壌が理想ですが、土はあまり選びません。

過剰な湿気を嫌う性質があるため、水はけの悪い粘土質などの重たい土では生育不良を起こしやすくなります。

庭植えの場合、土が粘土質ならば、腐葉土や堆肥をあらかじめ混ぜ込んでおくと効果的です。これにより、排水性と通気性が改善され、根の健全な生長を後押しします。

鉢植えでプルーンを育てる場合は、赤玉土(小粒)を7~8割、腐葉土を2~3割の割合で混ぜた用土が適しています。

この配合により、水はけと保水性のバランスが整い、根の張りも安定しやすくなります。

市販の果樹用培養土を使用する場合、そのまま使うのではなく、必要に応じて赤玉土やパーライトを追加してください。

特に湿気がこもりやすい環境では、水はけの確保が重要となります。

植えつけ時期と手順

プルーンの植えつけに適しているのは、休眠期に入る11月~3月ごろです。

この時期に植えることで、根への負担が軽減され、苗木が土にしっかりと定着しやすくなります。

庭植えの場合

まずは日当たりと風通しのよい場所を選びましょう。

植穴は苗木よりもひと回り大きめに掘り、底に腐葉土や堆肥を混ぜた土を入れておきます。これにより排水性と通気性が高まり、根の活着を促進できます。

苗木を植えつける際は、接ぎ木の部分が地面より少し上になるように高さを調整してください。

深く植えすぎると病気のリスクが高まるため、注意が必要です。

鉢植えの場合

鉢植えでは、苗木のサイズに合った深めの鉢を用意しましょう。

鉢底には鉢底石を敷き、水はけをよくすることが大切です。その上に用土を入れ、苗木を中心に据えて植えつけます。

植えつけが完了したら、たっぷりと水を与えて土と根をなじませます。

苗が風で倒れないように、支柱を立ててしっかりと固定しておくと安心です。

プルーンの育て方|水やりと肥料の管理

プルーン栽培では、水やりと肥料の管理が果実の品質、収穫量に大きく関わります。そのため、季節ごとの水分調整と、樹木の成長段階に応じた施肥が欠かせません。

ここでは、プルーン栽培における水やりと肥料の管理方法についてご紹介します。

季節別の水やりのコツ

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えましょう。

一方、地植えでは通常、自然の雨に任せておけますが、乾燥しやすい時期は補助的な水やりが欠かせません。特に長い間雨が降らない場合、土の乾燥具合を確認しながら水を与えます。

また、プルーンは春から初夏にかけて、果実肥大が進みます。この時期は土の乾燥具合をこまめにチェックし、水分を切らさないように注意しましょう。

秋以降は気温の低下とともに水やりの回数を徐々に減らし、適度に乾燥気味に管理します。過湿を避けつつ、土の湿り気を適度に保ってください。

肥料の種類と与え方

地植え・鉢植えともに、2月・5月・9月の年3回に分けて肥料を施しましょう。

春の施肥は根の発達を促し、秋の施肥は果実の着果や樹勢の維持に役立ちます。また、鉢から養分が流れやすいため、定期的な追肥によって栄養状態を安定させてください。

与える肥料は、チッ素・リン酸・カリウムが均等に含まれているタイプが扱いやすくおすすめです。

可能であれば土壌の状態を診断し、不足している栄養素を補うとよいでしょう。

プルーンは元肥として、植えつけ時や2月ごろに緩効性肥料の『マグァンプK大粒』を与えてください。

追肥は、5月・9月に『ハイポネックス原液』を1週間~10日に1回与えるとよいでしょう。特に9月の施肥は、樹勢の回復や翌年への準備のために欠かせません。

施肥の際は、樹冠の外周(根が張っている範囲)に肥料をまき、軽く土と混ぜた上で、たっぷりと水を与えるのが基本です。

これにより、肥料成分が根にしっかりと届きやすくなります。

プルーンの育て方|剪定・整枝と受粉のポイント

プルーン栽培では、剪定・整枝といった日常管理に加え、人工授粉や摘果といった作業も重要となります。

これらの手入れを丁寧に行うことで、果実の品質や収穫量を高められます。

剪定のタイミングと基本手順

プルーンには「短果枝」と呼ばれる、短い枝に果実をつける性質があります。

そのため、長く伸びた発育枝は間引いたり、20~30cm程度に切り詰めたりすることが重要です。

こうした作業によって、短果枝の発生が促され、安定した結実につながります。

剪定の際には、まず枯れている枝や病気にかかった枝を優先的に取り除くとよいでしょう。

次に、枝が密集している部分を間引けば樹冠内部の風通しがよくなり、日当たりも改善されます。

特に交差している枝、内側へ向かって伸びている枝は樹形を乱しやすく、虫がつく原因となります。優先的に剪定しましょう。

なお、プルーンの剪定に適した時期は、樹木が休眠期に入る12月~2月にかけてです。この時期に剪定を行うことで、樹木の健康を保ちつつ、翌年の実つきをよくします。

人工授粉のコツ

プルーンには自家結実性を持つ品種と自家不結実性の品種があり、品種によって1本でも実をつけます。

ただし、人工授粉を取り入れることで、結実率がより安定し、収穫量が増えやすくなります。

人工授粉は、開花後2日~3日以内に行うとよいでしょう。綿棒や筆を使い、雄しべから花粉を採取して、別の花の雌しべにやさしく触れるように作業します。

異なる品種を交配したい場合は、開花期が同じ時期に重なる組み合わせを選ぶと、受粉の成功率が高くなります。

計画的に品種を選び、開花のタイミングを見ながら作業を進めてください。

摘果で実を大きく育てるポイント

摘果は、果実の品質を高めるとともに、樹木の健全な生長を維持するために欠かせない作業です。

適切に行えば、限られた栄養が残された果実に集中し、一つひとつの実が大きく育ちます。

摘果の時期は、果実が親指ほどの大きさになった頃が目安で、一般的には開花から4週間~5週間後が適期とされています。このタイミングで果実を整理することで、樹への負担が軽減され、全体のバランスが整いやすくなります。

作業時は、短果枝1本につき1個の果実を目安に残し、病気が見られるものや傷んでいるもの、極端に小さいものは優先的に取り除きましょう。

摘果が終わったら、残された果実の生長を助けるため、適切なタイミングで施肥します。

プルーンの育て方|病害虫対策と予防策

プルーンは湿気に弱く、日本の梅雨や夏の蒸し暑い環境では病害虫が発生しやすくなります。

ここでは、プルーン栽培における病気の予防方法や、アブラムシ・カイガラムシを中心とした害虫対策についてご紹介します。

病気の予防方法

プルーンを病気から守るためには、まずは風通しのよい環境をつくります。枝が密集している場合は剪定し、樹冠内部の通気性を確保してあげましょう。

落ち葉や落果は病気の原因になるため、こまめに清掃してください。

水やりにも工夫が必要です。葉や果実に水が直接かからないように注意し、株元に静かに水を与えることで、葉面の湿度を抑えられます。

特に梅雨時や夏の高湿期は、過湿による病気を防ぐためにも、水やりの方法に気を配りましょう。

害虫対策

アブラムシ

アブラムシは、新芽や若葉に集まり、樹液を吸い取る性質があります。

見つけた場合は、粘着テープや虫ネットによる飛来防止が有効です。また、初期であれば発見したときに虫を水で洗い流すことで被害を抑えられます。

アブラムシは羽のある成虫が飛来して繁殖するため、見逃さないよう定期的な観察を習慣づけましょう。

風通しや日当たりが悪く、湿気がこもりやすい場所で発生しやすいとされています。そのため、植えつけの際は株と株の間隔を十分にとり、密植を避けるようにしましょう。

カイガラムシ

カイガラムシは、枝が密集している場所に発生しやすい害虫です。剪定によって枝の込み合いを解消し、風通しを確保することが有効となります。

発生した場合は、ブラシでこすって取り除くか、殺虫剤を使用しましょう。

おわりに

プルーンは栽培環境を整え、適切な管理を行えば、家庭でも十分に育てられる果樹です。

土づくりや水やり、肥料の管理に加え、剪定・摘果・人工授粉などの手入れを丁寧に重ねることで、甘くて立派な果実を収穫できます。

四季を通じて楽しめる果樹として、ぜひ家庭栽培を始めてみてはいかがでしょうか。

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