お正月 | 縁起が良いとされる花・植物のおすすめ16選
お正月は、1年のなかでも特別な日です。普段はお花や植物を飾らないけれど、お正月は特別に花を飾りたいという方もいらっしゃることでしょう。
お正月は玄関先に、「門松」や「しめ縄」が飾られることは有名ですが、そのほかにも縁起が良いとされる花や植物たちが飾られています。
また、縁起が良いとされるのにはさまざまな理由が存在するため、知っておくと選ぶポイントにもなりお正月気分もアップさせてくれます。
今回は、お正月におすすめの縁起が良いとされる花・植物と、それぞれ縁起が良いといわれる理由や意味をあわせて紹介します。
お正月に縁起が良いとされる花・植物のおすすめ16選
お正月に縁起が良いとされる花や植物には、どのような種類があるのでしょうか。ここではおすすめの16選を紹介します。
松
松は日本庭園などでよく見かけ、盆栽としても楽しまれる「和」を象徴する植物です。古くから神様が宿るとされ、縁起の良い木といわれています。とくに正月の飾りといえば、門松をイメージする方も多いことでしょう。
松は常緑樹であるため、1年中葉が青く「永遠の命」を象徴しています。また、松の寿命は長く、なかには数千年の樹齢となるものもあり「不老長寿」の花言葉も持っています。
松という言葉は、葉が青いまま冬を迎えることから「雪を待つ」が「松」になった説や、寿命が長いことから「日が持つ」が「松」に転じたという説があります。
竹
竹は空洞部分に神様が宿ると考えられ、古くから神秘的で縁起の良い植物として親しまれてきました。竹は華道や茶道などの道具や、生活道具としても使われるように、古くから日本の文化を支えてきた歴史があります。
門松の軸としても使われているため、お正月のイメージも強い植物です。
竹は強風や嵐の中でも折れにくく生長スピードが早いことから、「生命力」、「成長」の象徴とされています。また、常に曲がらずに真っすぐ生長するようすと、根を張って新芽を出すようすから「子孫繁栄」の意味も込められています。
さらに、竹は清浄な植物のひとつとされています。地鎮祭などの神事を行う際に、不浄を避けるために四隅に「斎竹(イミダケ)」を立てる風習もあります。
竹はさまざまなシーンで縁起の良いもの、清浄なものとして取り入れられており、お正月にぴったりな植物です。
梅
梅はお正月の飾りに使われるのはもちろん、年賀状のイラストや初売りのポスターにもよく使われるため、お正月の花というイメージを持つ方も多いでしょう。
梅がお正月の花として使われる理由は、開花時期にあります。梅は、2〜3月ごろの早春に開花する植物です。この時期に開花する植物は珍しく、ほかの花よりもっとも早く開花することから春を知らせる花とされ「出世」や「開運」などの象徴とされています。
厳しい寒さのなかでも凛とした花を咲かせることから、縁起が良いともいわれています。
また、梅の花言葉は「上品」、「忠実」、「高潔」などがあり、梅の色によっても花言葉が異なります。紅梅の花言葉は「つややか」、「優美」であり、赤やピンクの花を咲かせる華やかな姿に由来しています。
白梅は「気品」という花言葉もあり、白い凛とした姿に由来したとされています。お正月に梅を飾りたいけれど色で迷う方は、花言葉で決めてみてもよいでしょう。
南天
南天(ナンテン)は、冬になると小さくて真っ赤な実をたくさんつける低木です。「なんてん」という言葉の響きが「難を転ずる」という意味に通じることから、縁起の良い植物とされています。
南天が縁起物とされてきた歴史は古く、戦国時代には勝利を祈願するために鎧を収める箱に南天の葉を一緒に入れ、出陣の際には南天の枝を床に挿したとされています。
また、お正月の掛け軸として、南天と水仙を描いたものは縁起が良いとされて好まれていました。
さらに江戸時代に入ると、南天を庭に植えると火災を防ぐ効果があると信じられ、多くの家が庭に南天を植えていたそうです。
現代でも、南天は冬シーズンの生け花やフラワーアレンジメントなどの花材としてよく用いられています。とくにお正月シーズンではおせち料理や和菓子などを始め、さまざまな正月飾りの花としても大活躍する植物の一つです。
真っ赤な実がアクセントになって、お正月に華やかさを加えてくれるでしょう。
南天の「福をなす」という花言葉も、お正月を迎えるにあたってぴったりなメッセージです。
千両
千両(センリョウ)も南天と同じく、真っ赤な小さい実をたくさんつける植物で、葉の縁がギザギザになっているのが特徴です。
実をたくさん成らせる姿が、お金がたくさん成るようすを連想することから、千両という名が付けられました。千両という名前から、商売繁盛の縁起の良い木として人気があります。
千両の花言葉は、「利益」、「裕福」、「富」、「財産」「恵まれた才能」があり、たくさん実をつける姿に由来しています。どれもめでたい内容の言葉であるため、お正月にもぴったりの花言葉です。
また、千両と名前も姿もそっくりな万両(マンリョウ)という植物も縁起の良い木として有名です。万両もたくさん実を成らすようすが、お金がたくさん成る様子を連想するとして名が付けられた縁起の良い木です。
もともと千両は、仙蓼(センリョウ)と呼ばれていましたが、万両と同じように実をつけるが、万両よりも実が少ないことから千両になったといわれています。
千両と万両の容姿はそっくりですが、千両のほうが葉はギザギザしており実を葉の上につけ、万両は葉にぶら下がるようにして実をつけるといった違いがあります。
万両は切り花としてはあまり流通していないため、生け花やアレンジメントなどになっている場合は千両の場合が多いです。見かけたときは、ぜひ観察してみてください。
菊
菊は気品高い姿と芳香を放つことから、邪気払いや長寿延命の効果があるとされてきました。
もともとは中国から、不老不死の薬として日本に伝来したものです。今でも9月9日には、五節句の一つである「重陽の節句」において、菊の花を飾ったり菊の花びらを浮かべた菊酒を飲んだりして、長寿や健康を願う風習も残っています。
菊は天皇の「紋章」にも使われており、縁起の良い花として定着しています。菊の花色は豊富にあり、花の大きさも大輪や小輪などさまざまで、花持ちがよいことでも知られています。
菊の花言葉には「高貴・生命力」があり、お正月をお祝いするのにもぴったりです。
一方、菊というとお供えの花というイメージを持つ方もいることでしょう。お供えで菊が選ばれる理由は、花が長持ちして枯れにくいことと邪気を払うとされているためです。
もしも気になる場合は、お供えで用いる大輪菊ではなく、ピンポンマムなどの品種を選ぶと印象も異なるためおすすめです。
水仙
水仙(スイセン)は、すっと立ち上がる茎の先端から可愛らしい姿をした花を咲かせる植物です。水仙は寒い時期に花を咲かせることから、縁起の良い花といわれています。
上記でも紹介したとおり、南天と水仙を描いた掛け軸が縁起物として好まれてきた歴史もあります。
水仙という名は、中国から伝来した名前であり「水の仙人」からついたとされ、水仙が水を好むことと生命力の高さに由来しています。雪の中でも花を咲かせるため、北陸地方では「雪中花」と呼ばれています。
水仙は品種が豊富にあり、八重咲きスイセンや房咲きスイセンなどの12の系統に分けられ、それぞれ花の姿が豊富です。また、色味のバリエーションも豊かで、白や黄色、ピンクなどさまざまです。
とくにお正月によく使われるのは12月に開花する日本水仙であり、房咲きの凛とした姿がとても魅力的です。
葉牡丹
葉牡丹(ハボタン)は、キャベツのようにふわりと葉を広げ、11月〜3月ごろにとても可愛らしくカラフルに色づくのが特徴の植物です。
葉牡丹は縁起が良いとされており、お正月の飾りにもよく使われています。その理由は名前の由来にもなったように、牡丹の花によく似ているためです。
牡丹も古くから縁起が良い花とされており、お正月の飾りに用いられていますが、牡丹よりも生命力が高く価格も抑えられる葉牡丹が使われるようになったとされています。
また、葉牡丹の花言葉は「祝福」、「愛を包む」など、お祝い事に適したものばかりです。
万年青(オモト)
万年青は長い葉がアーチ状に伸びる植物で、文字通り一年をとおして葉が青々しています。葉を観賞する植物として、古くから親しまれてきました。
万年青の歴史は古く、徳川家康が江戸城完成のお祝いとして家臣から贈られた万年青を大切に飾り、その後、数百年に渡って江戸幕府が繁栄したことから縁起の良い植物だと言い伝えられるようになりました。
万年青の花言葉は「長寿」、「長命」などがあり、葉を落とす習性がないことに由来しています。「万年家が栄える」という意味もあり、縁起の良い植物であることから、お正月にもよく用いられます。
胡蝶蘭
胡蝶蘭(コチョウラン)は、蝶が舞っている様子をイメージすることから名付けられた花で、ラン科の植物を代表する品種です。名前の由来のとおり、豪華さと優雅な印象を与えてくれます。
とくに胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」というポジティブな内容が含まれており、開業や新築など、お祝いのお花としても重宝されています。
また、胡蝶蘭の色によっても花言葉は異なり、白の胡蝶蘭は「純粋」や「清純」、ピンクの胡蝶蘭は「あなたを愛します」、青・紫の胡蝶蘭は「誠実」や「尊敬」です。
いずれも素敵な花言葉であるため、新年を迎えるお正月の場面にも相応しいといえます。
また、胡蝶蘭は管理の手間がかからず、花持ちがよいことも魅力です。年末からお正月にかけてはなにかと多忙な時期であり、「お花のお世話ができない」ということもあるでしょう。
胡蝶蘭であれば、手間いらずで美しい花を長く楽しめるためお正月にもぴったりです。お正月に、鉢植えで花を贈りたいという場合にもおすすめです。
シンビジウム
シンビジウムは胡蝶蘭と同じくラン科の植物で、長期間花を楽しめるのが魅力です。「上昇」や「豊かさ」の象徴とされ、縁起の良い花といわれています。
東南アジアから東アジアの冷涼な地域に自生しているため、ラン科のなかでも耐寒性に強くとても丈夫です。
開花期は12月〜4月ごろで、1つの茎に10コ以上の花をつけることもあり、白や黄、ピンク、オレンジ、緑、茶など色味のバリエーションが豊富なことも魅力です。
そのほかの花と組み合わせても相性が良いため、一緒に正月のお飾りに選んでみてはいかがでしょうか。
シンビジウムは鉢植えとしての贈り物はもちろん、アレンジメントなどの切り花としても楽しめるためおすすめです。
デンファレ
デンファレは、ラン科デンドロビウム属ファレノプシス系の植物で、茎が膨らんだ部分から花茎を伸ばし、胡蝶蘭によく似た花を咲かせます。ラン科の花であることから、比較的花持ちが良いことが特徴です。
胡蝶蘭のような高級感があるため、誕生日やお祝いごとに選ばれることはもちろん、お正月のお飾りにもよく選ばれています。
デンファレは白や紫、緑、ピンクなど豊富な色味があり、シンビジウムと同じくほかの花を組み合わせたアレンジメントにも最適です。
お正月用の植物や花を選んだあとに、「何か足りないな」と感じたらデンファレをあわせてみてはいかがでしょう。デンファレはメインでも、脇役でも活躍できるお花です。
ユリ
ユリは、大きくて凛とした様子が美しい花です。ユリは和風と洋風のどちらでもあわせやすく、どのような空間でも華やかにしてくれます。
1年を通して流通しているため、お正月というイメージはあまり持たないかもしれませんが、とても丈夫な花でお正月の時期にも枯れる心配がありません。
ユリは蕾の状態からアレンジメントに使われることも多いです。一つずつ開花していくようすを鑑賞し、長い期間楽しめる点が魅力です。
ちょうど元旦に開花してくれたら、お正月がより華やかになるでしょう。
ユリの花言葉は「純潔・威厳・無垢」であり、お正月を迎えるにあたって雰囲気のあう言葉ばかりです。
シクラメン
シクラメンは冬の定番ともいえる花で、花の咲き方や色味のバリエーションが豊富にあることが特徴です。
シクラメンというと、クリスマスシーズンから販売されていることもあり、クリスマスや洋風のイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、一緒にあわせるお花や飾り方によっては、お正月の雰囲気にもあわせられる万能なお花です。
シクラメンは寒さに比較的強く地植えできる種類もあり、ガーデニングや鉢植えとしても楽しめる植物です。
お正月のお飾りとして縁起の良いお花たちと一緒に寄せ植えにするなど、室内に鮮やかな色のシクラメンを飾ってみてはいかがでしょうか。
金豆(キンズ)
金豆(キンズ)は、ミカン科キンカン属の植物であり、常緑樹で矮性であることから盆栽としても親しまれています。実が熟した実のようすが、まるで金の豆に見えることから金豆と名づけられ、縁起物として重宝されてきました。
お正月シーズンに小さな黄色い実をつけるため、お正月の飾りにもぴったりです。和の雰囲気があり、お正月気分を盛り上げてくれます。
金豆の実は食用には向いておらず、鑑賞を楽しむものです。お正月に鑑賞を楽しんだら実は早めに摘み取っておくと、翌年の実つきもよくなり鑑賞を楽しめます。
また、寒さには弱いため、室内に飾って楽しみましょう。
金柳・銀柳
柳は雨風や雪にもよく耐えて、春にはいち早く芽吹くことから縁起の良い木とされています。柳の枝を金や銀の塗料で染めた花材のことを「金柳」「銀柳」といい、お正月の花飾りとしてもよく用いられています。
単体で花瓶に飾っても絵になり、松などほかの花や植物とあわせれば豪華な印象をプラスし、お正月の雰囲気を演出できます。金柳や銀柳をぐるりと巻いて、お正月のアレンジメントやリースに加えてみるのがおすすめです。
お正月の花・植物はどこに飾るのがよい?
お正月の花・植物は、玄関やリビング、和室であれば床の間などに飾るのがおすすめです。
お正月は年神様をお迎えし、新年の幸福と無病息災を祈願するものです。また、新年の挨拶のために、親戚や近隣の方が家に訪問しに来ることもあります。
お正月の花や植物は、神様やお客様を招くために飾るものであるため、人を迎え入れる場所やよく集まる場所に飾るとよいでしょう。素敵な飾りで、自宅や部屋が一気にお正月ムードに華やぐと、神様にもお客様にもきっと喜んでもらえることでしょう。
冬場の管理
1. 水やりの管理
頻度: 冬は生育が穏やかになるため、水やりは控えめに。土の表面がしっかり乾いてから行うようにします。
タイミング: 午前中に行うと、夜間の冷え込みによる根の傷みを防げます。
注意点: 室内で管理する場合は、暖房等により土が過度に乾燥している場合がありますので注意してください。
2. 温度
適温: 植物の種類によりますが、多くの観葉植物は15~20℃が適温です。
防寒: 屋外の鉢植えは寒風を避け、暖かい場所に移動させます。
室内: 室内では暖房の風が直接当たらない場所に置くようにしましょう。
3. 日当たり
日照時間: 冬は日照時間が短くなるため、日当たりの良い場所に置くことが大切です。
室内植物: 窓辺が最適ですが、夜間は窓ガラス越しの冷気に注意が必要です。場合によっては窓から少し離して管理します。
4. 肥料
冬場は成長が緩やかになるため、植物用活力液『リキダス』がおすすめです。
肥料を与える場合は500~1,000倍に希釈した液体肥料『ハイポネックス原液』を1週間~10日に1回の頻度であたえましょう。
まとめ
お正月に縁起の良い花や植物を飾れば、一年の始まりを気持ちよく迎えられます。縁起の良いとされる花や植物は、お正月の定番のものからアレンジメントで合わせるのにぴったりなものまでさまざまあります。お正月の飾りに、素敵な花・植物を選んでみてください。