更新日:2026.09.13
お礼肥とは|寒肥との違い・与える時期・失敗しない使い方
庭木の花が咲き終わったあとや、果樹の実を収穫したあとに、「このまま休ませてよいのか、肥料を与えたほうがよいのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
そんな花後・収穫後の株へ行うお手入れのひとつが「お礼肥」です。株の状態を確認して、その植物に合った施肥の時期を判断しましょう。
今回は、お礼肥の意味や寒肥・芽出し肥との違い、植物別の時期、肥料の選び方、根を傷めにくい与え方などをご紹介します。
お礼肥とは|お礼肥の意味と役割
お礼肥を与えるか迷ったときは、花や実が終わったかだけでなく、その後も株が生育を続けているかを確認しましょう。
読み方と意味
お礼肥は「おれいごえ」と読みます。花木や球根の花が終わったあと、果樹の実を収穫したあとなどに施す追肥のひとつです。株がその後も生育を続け、次の芽や花に備えるための養分を与えます。
花を咲かせたり実をつけたりして養分を消耗した植物に、お礼をするような気持ちで肥料を与えることから、お礼肥と呼ばれます。植えつけ前に土へ混ぜる元肥とは役割が異なるものです。
与える場面と与えない条件
花後も緑の葉が残って新芽が動く花木や、収穫後も枝葉を伸ばしている果樹には、お礼肥を与えます。球根植物や草花、野菜は、その後も育て続ける株が対象です。
栽培を終えて片づける株や、葉や茎などの地上部が枯れて休眠に入ったものには与えません。また、株が弱っているときはお礼肥を控え、先に不調の原因に合ったお手入れを行います。
寒肥・芽出し肥との違い
植物への肥料は、いつでも同じ目的で与えるものではありません。花後、休眠期、芽が動き始める頃など、その時々に合わせた与え方があります。
お礼肥・寒肥・芽出し肥の違いは、与える時期と目的を比べるとわかりやすくなります。どのような肥料が選ばれやすいのかも、あわせて見てみましょう。
呼び名 | 与える時期 | 主な目的 | 選ばれやすい肥料タイプ |
|---|---|---|---|
| お礼肥 | 開花後・収穫後 | 消耗した株の回復や次の開花・生育へ向けた養分補給 | 植物や時期に合わせて、速効性肥料や緩効性肥料など |
| 寒肥 | 主に冬の休眠期 | 春の生育に向けた土づくり・養分補給 | 有機質肥料や緩効性肥料など、ゆっくり効く肥料 |
| 芽出し肥 | 芽が動き始める頃 | 新芽や枝葉の生長を促す | 速効性のある肥料など |
同じ植物でも、花が終わった直後と休眠中、芽が動き始めた頃とでは、肥料を与える目的が変わります。花や葉、新芽の様子を見ながら、そのときの株に合う肥料を選びましょう。
お礼肥とは|適した肥料
お礼肥に使う肥料は、花後や収穫後の株の状態に合わせて選びます。種類が合っていても、濃度や量が多すぎると根を傷めることがあるため、肥料の性質だけでなく、使い方にも気を配りましょう。
肥料の種類と選び方
花を咲かせたり実をつけたりしたあとの株は、養分を消耗しています。お礼肥には、花後や収穫後の株の状態や、その後の生育時期に合わせて肥料を選びます。速効性のある肥料は、必要な養分を比較的早く補給できるため、花後や収穫後の生育を続ける植物に使われることがあります。
花後や収穫後の追肥には、速効性のある液体肥料『ハイポネックス原液』などがおすすめです。水で薄めて使用するため、植物の生育状況に合わせて施肥できます。また、『ストレート液肥 オールパーパス用』は薄めずそのまま使うことができるため、希釈の手間がかからず簡単に使えます。速効性があり、幅広い植物に使用できます。
固形肥料にも速効性の製品や緩効性の製品があります。肥料の形だけで判断せず、効き始めるまでの早さと、効果が続く期間を確かめて選びましょう。
『マグァンプK 小粒』は約2カ月かけてゆっくり効く緩効性の粒状肥料で、追肥にも使用できます。錠剤肥料『プロミック いろいろな植物用』は早く効く成分とゆっくり効く成分を含み、安定した肥料効果が約2カ月間持続します。土の上に置くだけで使えるため、手軽に追肥できます。
一方、有機質肥料は、一般に土の中で微生物に分解されながら植物に利用されるため、効き方がゆるやかなものが多くあります。お礼肥にも使えますので、植物の種類や生育状況、肥料の特性に合わせて選びましょう。『プランティア 花と野菜と果実の肥料』は有機成分を含む緩効性肥料で、草花・野菜・果実・花木など幅広い植物の元肥・追肥に使用できます。
『ブリリアントガーデン バラの有機肥料』は、天然原料100%のバラ専用有機肥料で、肥料としてだけでなく土壌改良の効果もあります。
肥料焼けを避ける使い方
液体肥料を決められた濃さより濃くしたり、固形肥料を一箇所にまとめて置いたりすると、根を傷める「肥料焼け」を起こすことがあります。
前回の施肥から十分な間隔が空いていないときや、複数の肥料で量・成分が重なるときも、追加の肥料を控えましょう。
お礼肥とは|植物別のお礼肥の時期
お礼肥を与える時期は、カレンダーの日付ではなく、花や実が終わったあとの植物の状態と種類に合わせて決めます。確認したいポイントを押さえておきましょう。
植物の区分 | 検討する時期 | 施す前の確認 |
|---|---|---|
| 花木・多年草 | 主な開花が終わった後 | 葉が健全で生育を続けているか |
| 果樹 | 収穫後(種類・品種で異なる) | お礼肥の適期で、葉が健全に残っているか |
| 球根植物 | 花後、葉が緑の間 | 高温で弱っておらず、葉が光合成できるか |
| 野菜・草花 | 作物・種類ごとの生育中 | 栽培を継続する株か、片づける株か |
花木・果樹のお礼肥
お礼肥の基本的なタイミングは、花木では主な花が咲き終わったあと、果樹では収穫後です。
ただし、四季咲きのバラのように次の開花に向けて生育を続ける植物は、花後に休眠へ向かう植物とは施肥の考え方や管理方法が異なります。剪定や植えかえも行う場合は、植物ごとの育て方に合わせて施肥の時期を調整しましょう。
果樹は、収穫の早い早生品種か遅い晩生品種か、暖地か寒冷地かといった違いによって、収穫期だけでなくお礼肥の適期も変わります。収穫後の葉が健全に残っているかなど、株の状態を確認し、種類や品種ごとの育て方に合わせて施肥の時期を判断しましょう。
花木や果樹のお礼肥には、『花木・果樹の粒状肥料』などの緩効性肥料が使えます。花木・果樹の生育をサポートする肥料で、ゆっくり長く効くため、追肥にもおすすめです。
バラには、『ブリリアントガーデン バラのまくだけ肥料』もおすすめです。バラの生育をサポートする緩効性肥料で、追肥にも使用できます。ゆっくり長く効くため、花後の株の生育をサポートします。
球根・野菜・草花のお礼肥
球根植物は、花がらを取ったあとも緑の葉で光合成を続け、つくられた養分を翌年の球根に蓄えます。葉は自然に黄色くなるまで残します。
遅咲きの種類では、花後が高温期に重なることもあります。暑さで株が弱っているときは施肥を控え、種類や品種に合った管理方法を優先しましょう。収穫が続く実もの野菜は、お礼肥ではなく、作物ごとの栽培方法に従って追肥します。長く咲く一年草も、栽培を終える株には施しません。花が咲き続ける株は、種類や品種に合った時期に追肥します。
速効性の液体肥料なら『ハイポネックス原液』、緩効性肥料なら『プランティア 花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。野菜の追肥には、野菜の生育に必要な栄養をバランスよく配合した『今日から野菜 野菜の肥料』もおすすめです。
お礼肥とは|正しい与え方
お礼肥は、肥料の種類だけでなく、与える量や場所も大切です。地植えでは根の広がりを、鉢植えでは土の量や水はけを見ながら、その株に合う方法で与えます。
商品ラベルの規定量を確認
肥料の量は、商品や植物の種類、鉢の大きさ、用土の量、栽培する場所の面積などによって異なります。「1株に何g」と一律には決められないため、使用前に商品ラベルで対象の植物・使用量・希釈倍率・使用間隔・与え方などを確認しましょう。元肥や前回の追肥がまだ効いている場合は追加せず、次の施肥まで間隔を空けます。
根の位置と施す場所
地植えの樹木の場合、幹のすぐそばを避け、細い根が広がる枝先の真下あたりに肥料を施します。肥料は一箇所にまとめず、数箇所に分けて与えます。
土の表面に置く肥料を使う際は、肥料が株元へ直接触れないようにします。土へ混ぜるタイプは、根を傷つけない深さにとどめます。根の広がり方は樹齢や土の状態で異なるため、深く掘りすぎないようにしましょう。
鉢植えの量と水やり
鉢植えは地植えより土の量が少ないため、肥料の与えすぎに注意します。鉢の大きさに合う量を、商品ごとに決められた間隔で与えましょう。
水やりをしても鉢底から水が出にくいときは、先に排水を見直します。根詰まりや鉢底穴の詰まりへ対処してから、お礼肥を与えましょう。
土が乾いて株がしおれているときは、肥料を加えず、水だけを与えて葉の張りが戻るのを待ちます。土が湿っているのにしおれているときは、根腐れや高温など別の原因が考えられるため、お礼肥を控えます。
お礼肥とは|よくある質問
お礼肥を与えるか、どのくらいの量が適しているかは、植物の状態やこれまでの育て方によって変わります。迷いやすい点をQ&Aでまとめました。
お礼肥は毎年必要?
毎年必ず与える必要はありません。花や実をつけたあとも生育を続ける植物には、お礼肥を与えましょう。
前回の肥料がまだ効いている場合は、すぐに追加する必要はありません。花や実のつき方、葉や新芽の伸びなどを確認し、その年にお礼肥を与えるかどうかを決めましょう。
肥料を与えすぎるとどうなる?
土の中の肥料濃度が高くなると、根が水を吸いにくくなります。しおれや葉先の傷み、根の生育不良につながるため、さらに肥料を足すのは逆効果です。
目に見える肥料の粒は、できる範囲で取り除きます。鉢植えでは水はけのよい状態を保ち、十分な水を流しましょう。
弱った株にも与えてよい?
すぐには与えません。肥料不足以外の原因で弱っていることもあるため、株の状態に合った手入れを優先します。
葉の張りや新芽の動きが戻るなど、株が回復して生育を続けられる状態になってから、必要に応じて施肥します。
おわりに
お礼肥は、花や実を楽しんだあとの株をいたわり、その後も元気に育てるために施すものです。与える時期は植物によって異なるため、花後・収穫後というタイミングだけで決めず、葉や新芽が動いているか、株に不調がないかを確認しましょう。
花が終わったあとの葉や、収穫後の枝葉にも、次の季節へ向かう変化が表れます。株の変化を見守りながら、必要に応じてお礼肥などの肥料を施し、次の芽吹きや開花、実りを楽しみに待ちましょう。
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