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東京花散歩
身近なスポットで楽しむ今年最後の紅葉

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東京の平地の紅葉はピークを迎えています。先日、皇居乾通りの一般公開も観てきましたが、紅葉は見ごろを迎えたばかり、四季桜なども咲いて、公開期間の週末までまだまだピークは続きそうです。大嘗宮の一般公開が重なっているので、かなりの人出でしたが、今、 東京で紅葉を楽しめる最もホットなスポットですね。ただ、紅葉の名所は人出の多いところが多く、特に休日は人を見に行っているような場合もあります。景色の中で、深い秋の余韻に浸れるような雰囲気で紅葉を楽しみたい、という人もいるかもしれません。

 

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皇居乾通りのノムラモミジ

 

 

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皇居乾通りの紅葉

 

そもそも紅葉は、大きな景色としての紅葉と、モミジやケヤキなど、樹木そのものの紅葉を愛でる二つの要素がありますが、山の紅葉や渓谷美など大きな景色としての紅葉はおおむね終わっています。東京の平地では、樹そのものの紅葉や、寺社等などで愛でる紅葉は、まだまだ見ごろのスポットが数多くあります。私も、紅葉を愛でる場所はここ数年、割と身近な場所で楽しんでいます。そして、それはみなさんそれぞれの身近にもあるはずです。ここでは私のお気に入りの東京紅葉スポットをご紹介したいと思います。

 

 

紅葉が美しい石神井公園エリア

練馬区にある石神井公園、ボート池や三宝寺池など遊びや散策で知られているわりと大きな公園です。そして、秋は紅葉でも知る人ぞ知る名所でもあります。まずお勧めは、公園の南側にある石神井公園記念庭園です。池があって大きなモミジやその他の木に覆われた庭園ですが、ボート池から少し外れているせいか、時折、散歩する地元の人やカップルが訪れる程度で、石神井公園を訪れる人もほとんどここまで足を延ばしません。きっと、ここが紅葉の名所とは知らないからだと思います。

 

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モミジの大木の紅葉・石神井公園記念庭園

 

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池の島のモミジの紅葉

 

晩秋は、地面が落ち葉で一面覆われ、池の中の島のモミジが赤く色づいてくると、池の水面にも映ってきれいな景色を醸し出します。そして、丘の上からはモミジの大木の枝が伸びて、空にむかって伸びる大きなモミジの紅葉が、池と島の紅葉を下に臨みながら、目の前と頭上で楽しめます。

 

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池の水面に映る紅葉

 

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見上げると青い空を背景にした紅葉が美しい

 

そして、ボート池を西側へ、三宝寺池に行ってみましょう。三宝寺池は自然が残るナチュラルな空間です。昔からある池は、涸れない、凍らないと言われた池ですが、近年水量が減ってきているようです。また沼や沢に生える植物群落は、昭和10年に天然記念物に指定されています。今でも野草類や水鳥、野鳥などがたくさん見られます。

 

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三宝寺池のモミジ

 

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水鳥たち

 

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池を巡る遊歩道沿いのモミジ

 

紅葉は、モミジはそう多くはありませんが、広葉樹も多くその黄葉も楽しめます。また、練馬の名木の一つ、メタセコイアの晩秋の姿も絵になります。樹高22メートル、幹周り2.3メートルとかなり大きな樹です。池の西側の高台も公園の一部ですが、そこにもモミジの大木があり紅葉がきれいです。

 

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メタセコイアの大木

 

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水辺に落ちる枝も黄葉している

 

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池の上の高台のモミジの大木も紅葉が始まった

 

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水面に映る木々

 

三宝寺池から歩いて、氷川神社の境内を参詣しながら抜けて、三寶寺方面へと歩きます。三寶寺には、やはり練馬の名木、大きなイチョウの木があります。樹高26メートル、幹周り3.6メートルと立派な樹で、秋の黄色に染まるときが見ごろです。

 

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三宝寺の大イチョウ

 

さらに東側へ進むと、豊島山道場寺の山門が現われます。ここは禅寺で、モミジの赤やカエデの橙が美しいところです。三重塔もあり、寺院そのものもよい佇まいがあります。そして紅葉シーズンは、とにかくモミジの紅葉が美しく、山門から本堂への景色がとても素晴らしいのです。しかし、紅葉シーズンでも訪れる人は少なく、時折参拝や散策の人が来る程度。禅寺ということもあり、雰囲気が厳かですっきりとした紅葉を楽しめます。

 

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道場寺の山門。モミジが美しい

 

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三重塔とモミジ

 

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本堂と黄葉の美しいカエデ

 

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紅黄葉と手入れの行き届いた美しい庭

 

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モミジの葉色のグラデーションが美しい

 

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車道の頭上を覆うモミジ

 

東京の紅葉の名所として、石神井公園として紹介されることが多いのですが、そのエリアでも紅葉はいろいろ。人に知られていないスポットにも、意外に見ごたえのある紅葉がたくさんあるのがお分かりいただけたでしょうか。 そして、寺社ではぜひ参詣参拝をお忘れなく。

 

 

山手線の内側、都心に残る自然

もう一つ、これは施設ではありますが、港区白金という地名を聞いても、知らない人はまさかそんな土地に、大規模な自然が残っているとは思いもしないスポットです。正式名称は国立科学博物館附属自然教育園、 私は白金自然教育園と呼んでいますが、山手線の内側で、皇居以外これだけ自然が残る場所はそうそうありません。園内は江戸の昔、武家屋敷だったとのことですが、屋敷の中に自然が残っていたのでしょう。池や大木はその名残だと思います。そしてこの季節、紅葉も素晴らしいのです。決して、人の手が入った風景ではないので、各地の紅葉園のような景色はありませんが、真っ赤なモミジが自然に他の木々や草と混じってある、みたいな里山の自然のような景色がよいと私は感じています。

 

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真っ赤なモミジが印象的

 

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紅葉と黄葉のコラボレーション

 

園内に入ると、池のある場所で遠景にビルが見えることで、決して山里ではないとわかりますが、それ以外では外が見えないせいか、ここが目黒から徒歩10分の場所とは思えない景色、空気、静けさです。来日する数多くのインバウンドに、日本的な自然を体感できる場として、ぜひ来てもらいたいと思うスポットです。

 

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湿原から見える都心のビル

 

東京都内の知られざる紅葉スポット2か所をご紹介しました。みなさんのご近所にも、きっとまだまだ知られていない素敵な紅葉スポットがあると思います。私の知る殿ヶ谷庭園や大田黒公園、九品仏なども紅葉の名所です。あまり有名になってしまってもなんですが、SNSの時代です、それぞれが知るスポットを発信して紅葉スポット情報を共有できればいいですね。東京の紅葉はまさに“今”です。

 

写真と文 出澤清明 

園芸雑誌の元編集長。植物自由人、園芸普及家。長年関わってきた園芸や花の業界、植物の世界を、より多くの人に知って楽しんでもらいたいと思い、さまざまなイベントや花のあるところを訪れて、WEBサイトやSNSで発信している。

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