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サツマイモの育て方|苗選び・土づくり・つるぼけ対策と収穫の目安

サツマイモの育て方|苗選び・土づくり・つるぼけ対策と収穫の目安

秋から冬にかけて収穫のピークを迎えるサツマイモ。焼き芋やふかし芋などで素材の味を楽しむのはもちろん、料理やスイーツなどでアレンジすることもできます。

ただし、サツマイモを育てていると、つるや葉はよく茂っているのに、掘ってみるといもが少ないことがあります。収穫時期になっても茎や葉の変化がそれほどなく、いつ収穫すればよいのか迷う方もいるでしょう。

こうした悩みを減らすには、苗選びや土づくりのときから栽培環境を整えることが大切です。植えつけ後も、株の状態に合わせてお手入れしましょう。今回は、サツマイモの苗選びや収穫・貯蔵、畑とプランターで栽培する際に押さえておきたい育て方のポイントをご紹介します。

家庭菜園でサツマイモを育ててみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

サツマイモ

【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介

☘201:【Q&A】サツマイモの育て方|甘く、大きなサツマイモを収穫する方法は?水やりや肥料などの管理方法もご紹介

サツマイモの育て方|基礎知識

サツマイモ

サツマイモは暖かい環境を好み、苗の節から伸びた根の一部が太って、いもになります。

植えつけは、地域ごとの目安時期を参考にしながら、晩霜の心配がなく、気温と地温が十分に上がってから行いましょう。

原産地と生育温度

サツマイモは中南米の熱帯地域が原産とされるヒルガオ科の植物です。高温や乾燥に比較的強く、養分の少ない土地でも育ちます。

発根を始める温度は15℃以上、茎葉の生育適温は30℃〜35℃、いもが太りやすい地温は22℃〜26℃が目安です。植えつけは晩霜の心配がなくなり、平均気温が18℃以上、地温が15℃以上で安定してから行います。

品種・用途・栽培カレンダー

サツマイモには多くの品種があり、それぞれ食感や色などが異なります。

たとえば、代表的な品種である「紅はるか」や「紅あずま」は黄色い果肉ですが、紅はるかのほうはしっとりとした食感で、紅あずまはホクホクとしています。

「パープルスイートロード」や「アヤムラサキ」などは果肉が紫色です。パープルスイートロードは紫芋のなかでも甘く、ホクホクした食感を楽しめます。対して、アヤムラサキは鮮やかな色を生かして加工されるのが一般的で、甘みは強くありません。

また、家庭で蒸したり焼いたりして味わう品種のほか、干しいもや菓子、色を生かした加工に向いている品種があります。収穫後の楽しみ方をイメージして、育てる品種を選ぶのがおすすめです。

主な用途

品種例

こんなときに選びたい

青果用紅あずま、紅はるか焼きいも、蒸しいも、料理など家庭で幅広く味わう
蒸切干し用紅はるか、タマユタカ干しいもなど、乾燥加工に使う
紫色を生かす青果・加工利用アヤムラサキ、パープルスイートロード紫色を生かした加工をしたい:アヤムラサキ
焼きいもや料理で味わいたい:パープルスイートロード
でんぷん・焼酎用コガネセンガンなどでんぷんや焼酎の原料として利用される

同じ用途の品種でも、収穫までの早さ、つるぼけの起こりやすさ、病害虫への強さは同じではありません。苗を購入するときは品種ラベルを残し、栽培適地や収穫日数も確かめておきましょう。

時期

主な作業

作業のポイント

西日本:4月下旬〜5月上旬
東日本:5月中旬〜下旬
東北:6月上旬以降
苗の植えつけ晩霜の心配がなく、平均気温18℃以上、地温15℃以上になってから植える
植えつけ後〜つるが畝を覆うまで根づくまでの管理・除草新芽が立ち上がるまでは土を乾かしすぎず、つるが広がるまでは雑草を取り除く
植えつけ後120日〜140日ごろ試し掘り・収穫いもの太り具合を確かめ、初霜が降りる前に収穫する

同じ地域でも、標高やその年の気温、品種によって作業時期は前後します。植えつけのタイミングは晩霜と地温、収穫は試し掘りと初霜が降りるまでの余裕を確かめて決めましょう。

サツマイモの育て方|土づくり・植えつけ・植え方

サツマイモを育てるときは、適した土や元気な苗を用意することが大切です。

また、複数の植え方があるため、ぜひいろいろ試してみましょう。こちらでは、サツマイモの土づくりや植えつけ、植え方のポイントを解説します。

pH・元肥・土づくり

サツマイモは酸性の土でも育ちやすい作物です。家庭菜園では、土壌診断などで現在のpHを確認し、pH5.5~6.0程度を目安に整えます。

土のpHを確認せずに石灰を施すと、必要以上にアルカリ性へ傾くことがあるため、まずは土の状態を確認しましょう。

植えつけ場所は日当たりと水はけのよい場所を選びます。事前に25cmほどを目安に深く耕し、土をやわらかくしておきましょう。

土が硬くなっていると根へ酸素が届きにくく、細い根や形の乱れたいもが増えやすくなります。粘りの強い土や雨のあとに水がたまりやすい場所では、高畝にして排水をよくすることも大切です。

サツマイモは肥料の少ないやせ地での栽培に向いています。肥料を与えすぎると、葉やつるばかりが茂っていもが育ちにくくなる「つるぼけ」につながることがあります。

これまでほかの野菜などを育てており、肥料が残っている土であれば、元肥を入れずに植えつけたほうが良い場合もあります。

初めて使う土で肥料分が不足している場合は、堆肥や緩効性肥料『マグァンプK 中粒』などを加えて耕しておくとよいでしょう。

なお、プランター栽培では、水はけのよい野菜用培養土を使うと手軽です。元肥入り培養土へ別の肥料を加えると過剰になるため、袋の表示に目を通しておきましょう。最初から肥料が入っている場合は、追加しなくても問題ありません。

苗選びと植えつけ間隔

サツマイモは「挿し苗」と呼ばれるつるを植えつけて育てるのが一般的です。

長さは30cm程度で、葉が5枚~6枚ついています。葉の色があせておらず、茎ががっしりと太いものを選びましょう。節がたくさんついていると、多くの芋を収穫しやすくなります。

植えつけ時は、切り口に近い2節〜3節を土に埋め、生長点は埋めずに地上へ出すことが大切です。土をかぶせてしまうと芽が伸びず、地上部を育てることができません。

ただし、葉まで埋めると傷みやすいため、節だけが土に入る深さに調整しましょう。

苗選びと植えつけ間隔

サツマイモは「挿し苗」と呼ばれるつるを植えつけて育てるのが一般的です。長さは30cm程度で、葉が5枚~6枚ついています。葉の色があせておらず、茎ががっしりと太いものを選びましょう。節がたくさんついていると、多くの芋を収穫しやすくなります。

植えつけ時は、切り口に近い2節〜3節を土に埋め、生長点は埋めずに地上へ出すことが大切です。土をかぶせてしまうと芽が伸びず、地上部を育てることができません。ただし、葉まで埋めると傷みやすいため、節だけが土に入る深さに調整しましょう。

栽培場所

株間

畝幅・植えつけ本数

調整のポイント

畑30 cm〜35cm30 cm〜35cmつるがよく伸びる品種や肥沃な畑では、間隔を広めにとる
プランター容器の大きさに合わせる1容器につき1本〜2本土が十分に入る大きめの容器を使い、苗を詰め込みすぎない

また、畑では、つるの伸び方や土の状態に合わせて、株間と畝幅を調整します。プランターで育てる場合は、1つの容器につき1本〜2本を目安とし、土が十分に入る大きめの容器を使いましょう。

植えつけは曇りの日か夕方を選ぶと、強い日差しによる乾燥を抑えられます。畝が乾いているときは植えつけ後に水を与え、数日は乾いた風や直射日光から苗を守りましょう。

植え方の比較

サツマイモの植え方には、以下の表のようにさまざまな種類があります。苗の長さや土の乾きやすさ、いもの個数や大きさに合わせて選びましょう。

植え方

植えつけ方

いものつき方の傾向

向いている場面・注意点

水平植え苗を浅く水平に寝かせ、複数の節を土へ入れるいもがつく節を多く確保しやすい長さのある苗に向く 浅く植えるため、根づくまでは乾燥に注意する
船底植え苗の中央部をやや深くし、船底のように曲げて植える複数の節を土へ入れやすい苗が収まる深さを確保しやすい 苗を強く折り曲げない
斜め植え 苗を斜めに挿し、切り口に近い2節〜3節を土へ入れる水平植えより土へ入る節が少なくなりやすい短めの苗でも植えやすく、家庭菜園に取り入れやすい
垂直植え苗を地面に対して立てるように挿すいもの数が少なく、一つひとつが大きくなりやすい短めの苗に向き、プランター栽培にも取り入れやすい
釣り針植え苗の先を釣り針のように曲げて土へ入れる土へ入れた節の位置をそろえやすい短い苗にも使えるが、生長点や茎を傷めないように植える

たとえば、乾きやすい畑で水平植えにすると、苗が根づくまで時間がかかりやすくなります。

苗が短いときやプランターでは、斜め植えや垂直植えが適しています。節を無理に折り曲げず、苗が収まる方法を選ぶとよいでしょう。

サツマイモの育て方|日頃のお手入れとつるぼけ対策

サツマイモ

サツマイモを育て始める前に、肥料の施し方や水の与え方などについて調べておくことが大切です。土と株の状態を観察し、必要なお手入れを行いましょう。

肥料と水やり

サツマイモは肥料分の少ない土でも育ちやすい作物です。特にチッソ肥料を与えすぎると、葉やつるばかりが茂って、いもが育ちにくくなる「つるぼけ」につながるため、追肥は基本的に必要ありません。

ただし、栽培中に葉色が薄くなったり、生育が弱くなったりするなど、肥料不足が疑われる場合は、植物の状態を確認したうえで追肥を検討します。追肥には、野菜に使用でき、ゆっくり長く効く『プランティア 花と野菜と果実の肥料』などがおすすめです。

植えつけ直後は、根付くまでは土が乾燥しないように水をたっぷりと与えます。活着した後は、土の表面が乾いてから水やりを行い、過湿にならないように注意しましょう。サツマイモは乾燥に比較的強い一方、水はけの悪い土では生育が悪くなることがあります。

つる返しと発根の確認

以前は、伸びたつるを持ち上げ、節から土へ伸びた根をはがす「つる返し」を行うことがありました。

しかし、つるの節から根が出ていても、その根がすべていもになるわけではないため、現在主流となっている品種では、つる返しを基本的に行う必要はありません。

そのため、つるが伸びて地面に広がっていても、基本的にはそのままにしておきましょう。品種や栽培方法によってつる返しを行う場合は、つるを無理に引っ張らず、土に根づいた部分を傷めないよう、必要な範囲だけつるを持ち上げます。

つるぼけの原因と予防

つるぼけとは、葉やつるばかりが旺盛に生育し、いもの肥大が進みにくくなる状態です。主な原因はチッソ肥料の与えすぎで、肥料分が多い土や元肥・追肥の量が多すぎると起こりやすくなります。

また、肥料だけでなく、水はけが悪く土が過湿になっている場合や、日照不足などの環境条件によって、つるや葉ばかりが茂ることがあります。

つるぼけを防ぐには、肥料を与えすぎないことが大切です。前作の肥料分が残っている場合は元肥を控え、追肥も生育状態を確認しながら必要な場合だけ行いましょう。また、日当たりと水はけのよい場所を選び、過湿にならないように管理します。

つるぼけが疑われる場合は、追加の肥料を与えず、まずは肥料や水分量、日当たりなど栽培環境を見直しましょう。つる返しは基本的に必要ないため、つるぼけ対策として行う必要はありません。

サツマイモの育て方|収穫と貯蔵

秋になったら、いよいよサツマイモを収穫できます。収穫のタイミングを把握するとともに、収穫後の貯蔵方法も知っておきましょう。

収穫時期と積算温度

サツマイモの収穫時期は、植えつけからの日数や積算温度を目安に判断します。積算温度とは、植えつけ後の毎日の平均気温を足していった数値です。

たとえば、平均気温20℃の日が10日続いた場合、積算温度は200℃になります。

サツマイモは、植えつけ後120日〜140日程度、平均気温の積算温度2,200℃〜2,500℃が収穫の目安です。ただし、地域や品種、作型によって前後するため、試し掘りでいもの大きさも確かめましょう。

日数や積算温度が収穫の目安に近づいたら、株元の外側から土をよけて、いもの太り具合を確かめます。十分な大きさまで育っていれば、収穫しましょう。

収穫は土が乾いた晴天の日に行います。葉が黄色くなり始めることもひとつの目安ですが、乾燥や根の傷みでも黄変することがあるため、葉色だけでは決めないようにしましょう。

初霜の予報が出ている地域では、霜が降りる前に掘り終えます。貯蔵性も低下し、長期貯蔵に向かないためちゅういしましょう。

収穫方法

収穫するときは、まずつるを株元から切り、手で軽く土を掘っていもの位置を確かめます。スコップや鍬は株元から少し離れた場所に入れ、いもを傷つけないように周囲の土を掘り起こしてから、手で掘り上げましょう。

収穫したいもは、土を軽く落とし、雨の当たらない日陰で乾かします。貯蔵する場合は水洗いせず、土がついたまま乾かしましょう。

追熟と貯蔵の注意点

サツマイモは、収穫直後よりも2〜3週間ほど貯蔵して追熟させたほうが、でんぷんが糖に変わって甘みが増します。

貯蔵する際は、土を軽く落として乾かしたいもを1本ずつ新聞紙で包み、空気穴をあけた段ボール箱や発泡スチロール箱などに入れます。風が直接当たらない、暗くて温度変化の少ない場所で保管しましょう。

貯蔵温度は13℃~15℃程度が目安です。10℃以下では低温障害を受けやすいため、冷蔵庫や冬の屋外に置くのは避けましょう。一方、暖かすぎる場所では発芽しやすくなるので、暖房の風が当たる場所も不向きです。

長く保存する場合は、温度に加えて乾燥にも注意します。家庭では温度と湿度を一定に保つのが難しいため、状態を確認しながら早めに使い切りましょう。

掘るときに傷がついたものや皮がむけたもの、軟らかいものは長期保存には向かないため、早めに使い切りましょう。保存中も定期的に状態を確認し、異臭や軟化などの異常があるいもは取り除きます。

サツマイモの育て方|よくある質問とトラブル対策

サツマイモを育てていると、「苗がなかなか根づかない」「葉やつるばかりが茂って、いもが少ない」といった悩みが出ることがあります。生育の様子を確認しながら、原因に合わせて対処しましょう。

苗が根づかない原因は?

サツマイモの植えつけ直後は葉がしおれることがあります。これは、まだ根が十分に張っていないために起こることがあり、新芽が緑色で、数日後に葉が立ち上がってくれば、根づき始めているサインです。

土が乾いている場合は、水を与えましょう。強い日差しや乾いた風が続く場合は、新聞紙やわらなどで苗を一時的に覆い、乾燥を防ぐ方法もあります。ただし、苗が根づいたら早めに取り除き、蒸れないようにしましょう。

植えつけからしばらくたっても新芽が動かない場合は、低温や乾燥、過湿、植え方、苗そのものの傷みなどがないか確認します。サツマイモは地温が15℃以上になる時期に植えつけ、苗の節を土に入れて植えることが発根のポイントです。

茎が黒く変色していたり、軟らかくなったりしている場合は、過湿などによって苗が傷んでいる可能性があります。状態の悪い苗は取り除き、必要に応じて健全な苗に植えかえましょう。

収穫量が少ない原因は?

葉やつるばかりが茂って、いもが少ない、または大きく育たない場合は、チッソ肥料が多すぎないか、前作の肥料が土に残っていないかを確認します。

特にチッソ肥料が多いと、葉やつるばかりが茂る「つるぼけ」につながります。前作の肥料分が残っていないか、追肥を与えすぎていないかも確認しましょう。

また、植えつけた節の数が少ない場合や、株間が狭すぎる場合も、収穫量やいもの大きさに影響することがあります。植えつけ時には、適切な株間を確保し、十分な日当たりと水はけを確保しましょう。

収穫時期が近づいているのにいもの大きさが気になる場合は、試し掘りで確認します。まだ小さく、初霜まで十分に時間がある場合は、いもを傷つけないように土を戻して、そのまま肥大を待ちましょう。

おわりに

サツマイモは、植えつけ後の管理が比較的少なく、家庭菜園でも育てやすい作物です。

一方で、肥料が多いと葉やつるばかりが育ち、土水はけが悪いと根が傷みやすくなるため、植えつけ前に土の状態を確認しておくことが大切です。

苗が根づいた後は、土や株の様子を見ながら必要な管理を行い、収穫時期が近づいたら試し掘りで、いもの太り具合を確かめましょう。

また、品種や地域、畑やプランターなどの条件が変われば、適した植えつけ時期や水やり、収穫時期は異なります。地域の気候や栽培場所に合わせて、管理方法を調整しましょう。

自分で育てたサツマイモは、いも掘りの楽しさに加え、収穫後に追熟させることで甘みが増していく過程も楽しめます。ぜひご家庭でサツマイモを育てて、秋の収穫を体験してみてはいかがでしょうか。

公開日:2023.04.14
更新日:2026.09.27

#サツマイモ #家庭菜園 #特集

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