【球根】【カラーの育て方】基本の栽培方法やお手入れのポイント、増やし方
フラワーアレンジメントでも人気のカラーは、ひとつの花びらがくるりと丸まったような形の花を咲かせます。
適切にお手入れを行えば、何年にもわたって花を楽しめることもあります。ぜひご自宅に植えて栽培にチャレンジしてみましょう。
今回は、カラーの花の特徴や基本的な育て方、増やし方などについてご紹介します。
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【カラーの育て方】花の特徴や基礎知識
カラーは南アフリカ原産の多年草です。6月~7月にかけて、きれいな花を咲かせます。
花びらに見える部分は仏炎苞(ぶつえんほう)です。
本当の花は中心にある棒状のもので、これは肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれます。仏炎苞は長く観賞できることが特徴で、カラーの花も日持ちしやすい点が魅力です。
カラーは種類によって「畑地性」と「湿地性」に分けることができ、花の性質や育てる際のポイントが異なる場合があります。栽培時には、品種に合った方法でお手入れしましょう。
畑地性と湿地性の違い
畑地性のカラーは乾燥した土地に、湿地性のカラーは水辺に自生します。畑地性のカラーを栽培する場合、一般的な草花と同じく水はけの良い土へ植えつけます。
湿地性のカラーは「オランダカイウ」という和名でも呼ばれることがあり、湿り気のある土を好むことが特徴です。
現在は多くの園芸品種がありますが、基本的に畑地性のカラーのほうが花の色が豊富です。湿地性のカラーは白色やピンク色の花を咲かせる品種があります。
畑地性のカラーは黄色やオレンジ色、赤色、ピンク色、白色、紫色などの花をつける品種があります。
また、畑地性の場合は休眠期がはっきりとわかり、開花が終わった秋以降は葉を枯らして球根だけの状態になります。一方、湿地性のほうは基本的に年間を通して葉をつけます。
はっきりとした休眠期があるわけではないものの、気温によっては生育が停滞し、休眠することもある点が違いです。
【カラーの育て方】基本の栽培方法
カラーを栽培するときは、育てる品種に合った方法で管理することがポイントです。
基本的な栽培方法や、畑地性・湿地性それぞれの栽培のコツを押さえておきましょう。こちらでは、カラーの基本の育て方をご紹介します。
カラーの好む栽培環境
畑地性のカラーは日当たりや水はけの良い場所を好みます。
地植えする場合は高畝にしても良いでしょう。温暖な環境を好みますが、高温多湿は苦手です。とくに、開花後は高温多湿な時期と重なり、球根が腐ってしまいやすいため気をつけましょう。
湿地性のカラーは日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。湿った場所を好むため水辺で育てられますが、一般的な花壇でも植えつけ可能です。
乾燥しやすい場所や日が当たらない場所では花つきが悪くなるため気をつけましょう。
土づくり
カラーは土質を選ばず、幅広い用土で育てられます。自分で配合する場合、小粒の赤玉土と鹿沼土、ピートモス、パーライトを均等に混ぜたものなどがおすすめです。
植えつけ
カラーの球根の植えつけ適期は3月~4月頃です。
球根にいきなり水を吸わせると腐ってしまうことがあるため注意しましょう。植えつけ時には土を湿らせておき、球根に土をかぶせたら1週間~10日は水やりせずに管理することがポイントです。
畑地性の場合、覆土は3cm~5cmほどで、深めに植えましょう。
浅く植えると根が張りにくくなるため注意が必要です。湿地性の場合は球根の頭と土の表面が同じくらいの高さになるよう植えつけます。
水やり
畑地性のカラーの場合、春から秋にかけては土の表面が乾いたタイミングで水やりします。
生育期にあたる春に水が不足すると花が咲かなくなることもあるため、こまめに土の乾燥状態をチェックすることが大切です。休眠期に入ったら水やりをストップし、乾燥させた状態で管理しましょう。
湿地性のカラーの場合、年間を通して土が完全に乾燥してしまう前に水をあげることがポイントです。
また、受け皿に水をためる腰水栽培も行えます。ただし、夏は受け皿の水の温度が上がりやすくなり、冬は水が凍ってしまうことがあります。その場合は腰水をやめて都度水やりしましょう。
肥料
カラーの花をきれいに咲かせるためには、適切なタイミングで適量の肥料を施すことが大切です。植えつけの際は元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』 を土に混ぜ込みます。
発芽から開花までの間は、1週間~10日に1回の頻度で液体肥料『ハイポネックス原液』を追肥します。
畑地性も湿地性も、夏の高温期に肥料が残っていると球根が腐ってしまう原因になることがあります。肥料が残らないよう、施肥のタイミングが遅くならないように気をつけましょう。
花がら摘み
カラーはひとつの球根から複数の芽を出し、花をつけます。花が終わったら花茎の付け根からカットしておきましょう。
ただし、葉は光合成に必要なためそのまま残しておきます。葉が枯れてしまったら摘み取って問題ありません。
カラーの花は長持ちするため、花がら摘みのタイミングに困ることがあるかもしれません。その場合は、花の色があせ、花茎が下がってしまった頃を目安としましょう。
冬越し
畑地性のカラーは冬の時期は休眠しています。耐寒性がそれほど強くないため、鉢植えの場合は室内へ取り込むことがおすすめです。
植えの場合は盛り土をするか、腐葉土やバークチップなどでマルチングしましょう。
ただし、地中まで凍ってしまうような地域では地植えでの冬越しは難しくなります。霜が降りる前に球根を掘り上げておくと良いでしょう。
球根は湿らせた水ゴケなどに包んで、5℃より上の温度を保てる場所で保管します。暖かくなった4月頃に再度植えつけましょう。
湿地性のカラーは、凍ってしまうような寒さでなければ屋外で冬越しできます。地植えの場合は腐葉土などで地面をマルチングして保温すると良いでしょう。凍結が心配な場合は球根を掘り上げます。
鉢植えの場合も同様に、凍結を避けたいときは室内へ移動させましょう。
【カラーの育て方】増やす方法や注意点
カラーは種まきや分球、株分けで増やすことができます。ご家庭でのガーデニングで挑戦しやすいのは分球・株分けです。こちらでは、カラーを増やすときの方法や注意点をご紹介します。
地性のカラーの増やし方
畑地性のカラーは球根を分球させて増やします。しっかりと肥大した球根は、植えつけ時の倍以上に大きくなっていることがあります。
根もたくさん生えてくるため、根詰まりを防ぐためにも定期的に掘り上げて分球しましょう。
分球の適期は3月~4月の時期です。くびれた箇所を手で折って分け、別々に植えつけましょう。
あまり小さく分けると開花するまで長くかかってしまうため、大まかに分けることがコツです。切り口が広いと腐ってしまいやすいため気をつけましょう。
湿地性のカラーの増やし方
湿地性カラーは株分けで増やします。株分けはいつ行っても問題ありませんが、早春の時期に行うことがおすすめです。葉は半分ほどの長さにカットしておきましょう。
畑地性の分球と同様に、切り口から腐ってしまわないように注意が必要です。石灰を塗布しておくことで腐るのを防ぎやすくなるでしょう。
おわりに
シンプルな形状とすらりと伸びた茎が美しいカラーの花は、自宅の花壇を優美に彩ってくれる存在です。
畑地性と湿地性で異なる性質を持つため、品種に合った方法でお手入れすることが求められます。
ぜひお好きな色の品種の栽培にチャレンジして、開花時期を楽しみに待ちましょう。
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