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【果樹栽培】りんごの育て方|栽培のポイントや剪定方法などを紹介します!

【果樹栽培】りんごの育て方|栽培のポイントや剪定方法などを紹介します!

「りんご」を栽培するには農家などのように本格的な管理をしないと育てられないと思っている方も多いのではないでしょうか。

りんごは病害虫が多いため、こまめな管理と薬剤散布などの対策が必要です。また、よく生育するため大きく育ちすぎて管理が難しいといった面があります。

一方で、病害虫の対策や適した剪定を行うなど栽培のポイントを知ることで、家庭菜園でもりんごを育てて収穫できるようになります。

今回はりんごの栽培のポイントや剪定方法などを紹介します。

りんごの基本情報

りんごは、もっともポピュラーで親しまれている果物です。

りんごの概要

りんごはバラ科リンゴ属の果樹で、学名「Malus pumila」、りんご(林檎)は和名です。ヨーロッパ東南部やアジア西部などが原産地です。

りんごの花から実への生育過程

りんごは、葉が生育してから花が咲きます。4月中旬~下旬ごろ、桜の開花の2週間後くらいが開花時期です。

品種により花の色や形は異なりますが、5つの丸い花弁で白色やピンク色をしていて、1箇所に5個くらいの花が集まって咲きます。

5つほど集まった中心部の花(中心花)がまず咲いて、周辺の花(側花)は少し遅れて咲き始めます。

中心花が完全に開いて側花がまだ開いていない状態は、見ごたえもあり癒しを感じさせてくれます。

開花が終わって花が落ちると、花弁の裏側にある「がく」といわれる部分が内側に閉じていきます。閉じた「がく」の根本の部分が徐々に膨らみ、リンゴの実となっていきます。

開花後、30~60日後には大きくさせたい実を選別し、あとは摘み取る作業が必要です。

りんごの栽培スケジュール

品種により異なりますが、りんごの主な栽培スケジュールは以下のとおりです。

開花時期:4月中旬~下旬

収穫時期:8月下旬~11月下旬

植えつけ:11月~3月(極寒期を除く)

肥料(鉢植え):2月・5月・9月

肥料(地植え):11月~2月・9月

剪定:1月~2月・7月~8月

りんごの特性と栽培ポイント

りんごの特性と栽培のときに注意しておきたいポイントを紹介します。

りんごは大きく生育する

りんごの樹高は、2~5mほどに生育します。木の勢いがとてもよいため、一定のサイズをキープしたい場合は適切な時期に切り戻し、剪定で枝を整える作業が必要です。

矮性品種がおすすめ

近年は、りんごの矮性品種(わいせいひんしゅ)が開発されています。矮性とは樹高や草丈が大きくならないものを指し、家庭菜園などに重宝されます。

矮性の苗を台木にした接ぎ木苗であればコンパクトに育てることも可能で、日々のお手入れがしやすくなります。

また矮性品種は木の生育スピードを抑えつつ、実の収穫までの期間は2年ほど早まる嬉しいメリットもあります。

味などの品質は変わらないため、住宅地などでスペースが限られていてもりんごの収穫が可能です。

受粉木が必要

りんごは基本的に、異なる品種を植えつけするか人工授粉しなければ結実しません。

一部、単体でも受粉する品種もありますが、育てたい品種がある場合は受粉の相性などを確認して異なる品種を植えつける必要があります。

苗木の購入の際は、意識して選ぶようにしましょう。

耐寒性に強い

りんごは寒さに強い果樹で冷涼な環境のほうが栽培に適していますが、工夫をすれば暖かい地域でも育てられます。

りんごは病害虫がつきやすい

りんごは、病害虫がつきやすいという弱点があります。病害虫のしっかりと対策を行いましょう。対策をしなければうまく育てられず、実の収穫も期待できません。

りんごの品種

りんごの品種は、日本だけでも2,000種ほどあるとされています。以下の4品種は有名で、一度は聞いたことがある方も多いでしょう。

  • ふじ:国内生産量がもっとも多く、実が大きい・酸味がない・甘みが強いといった特徴があります。
  • つがる:甘みが強く果汁の多い品種です。
  • 王林:果皮は黄緑色をしており、小さな茶色い斑点模様が特徴です。
  • ジョナゴールド:シャキシャキの食感と甘酸っぱさのあるさわやかな品種です。

初めて育てる方は、りんごがかかりやすい病気である「斑点落葉病」に強い、「ふじ」「つがる」「ぐんま名月」などがおすすめです。

暖地で育てる場合は、「つがる」「ふじ」「千秋」などがあります。

また、1本でも結実の可能性がある「バレリーナツリー」や「アルプス乙女」などの選択肢もあるでしょう。

コンパクトなスペースや鉢植えに向いているもの、蜜が入っていてジューシー、味わいに強みがあるものなど多くの苗が販売されているため、栽培環境などにも配慮しながら選んでみてください。

りんごの基本的な育て方

りんごの最適な環境や育て方について紹介します。

りんご栽培に最適な環境

りんごは寒さに非常に強く、マイナス25~30℃くらいまでの耐性も備えています。健康に育つために最適な気温は、6~14℃とされています。

りんごの有名な産地は青森県など寒冷地ですが、実は耐寒性と耐暑性の両方を兼ね備えています。そのため、中国地方や四国地方など暖かい地域でもりんごを育てられます。

しかし耐寒性ほどの強さはないため、直射日光などは避けるなどの対策は必要です。

りんごは鉢植えで育てることも可能なため、庭のスペースの都合や品種の大小などに合わせて植え方を決められます。

りんごに必要な日当たり

りんごは日差しを好むため、地植え・鉢植えともに日当たりのよい場所を選びます。

ただし、直射日光が当たると葉や実が日焼けを起こすことがあります。直射日光や西日は避けて、やわらかい日差しが当たる場所がベストです。

りんごに適した用土

りんご栽培には、排水性と保水性のあるバランスのとれた土が適しています。鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)7~8割に対し、腐葉土2~3割を混ぜ合わせて作ります。

もしくは『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』はそのまま使用できるので便利です。

りんごの水やり

夏場は、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。鉢底から水が流れ出るくらいが目安です。地植えの場合は降雨のみで育ちますが、日照りが続く場合にはしっかりと水やりします。

とくに開花から収穫までのあいだは、乾燥が続かないよう注意が必要です。冬場の水やりは控えますが、土が乾いてきたら水やりをしてください。

りんごの肥料

りんごは肥料の吸収がとてもよい植物です。

【地植えの場合】

元肥:11月~2月/追肥:9月

元肥・追肥ともに使える堆肥と肥料成分がひとつになった『Plantia(プランティア)花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。

【鉢植えの場合】

元肥:5月/追肥:9月

鉢植えでも元肥・追肥ともに使える『Plantia(プランティア)花と野菜と果実の肥料』が効果的です。

りんごの植えつけ

りんごの植えつけは、接ぎ木苗を使います。根がたくさんついていて、大きな芽があるもの苗を選ぶのがポイントです。

植えつけの時期

りんごの植えつけは、真冬を除いた11月~3月ごろが適期です。冬場に雪が積もるような地域では、春植えがおすすめです。

地植えの場合の植えつけ

  1. 直径・深さとも50cmほどの穴を掘ります。
  2. 『Plantia(プランティア)花と野菜と果実の肥料』を土に混ぜ込みます。
  3. 接ぎ木の部分が出るように浅めに植えつけます。
  4. 支柱を立てて支えます。
  5. 植えつけ後、植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。

鉢植えの場合の植えつけ

  1. 7~8号サイズの鉢を用意します。深さ30cm以上あるものが望ましいです。
  2. 鉢底石を敷きます。
  3. 『Plantia(プランティア)花と野菜と果実の肥料』を土に混ぜ込みます。
  4. 鉢の半分くらいの深さまで土を入れます。
  5. りんごの苗を置き、接ぎ木の部分がでるようにして周りに土を被せます。
  6. 地表から70cmほどの高さに切り戻します。
  7. 支柱を立てて支えます。
  8. 植えつけ後、植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。

りんごの剪定方法

剪定を行うことで枝葉を抑えて花や実に栄養を行き渡らせ、木の内部の日当たりや風通しを良くし病害虫を予防する効果もあります。

りんごの剪定時期

夏場7月~8月と、冬場1月~2月の時期に剪定します。

りんごの剪定方法

夏場は間引き剪定と、切り戻し剪定を行います。間引き剪定は不要な枝を根元から切り落とす方法で、真上や真下に伸びている枝や細い枝などを剪定します。

切り戻し剪定は、樹形を小さくしたりサイズをキープしたりするための剪定で、枝の先端や途中から切り落とします。

新しい枝が伸びやすく、花や実に栄養が行き渡りやすくなります。なお冬場は強い剪定は避け、枯れた枝など不要な枝のみ取り除きます。

剪定のポイント

りんごの花芽は、枝の先端になります。1年目に伸びた枝の先端に花芽がつきますが、その部分は剪定してしまい側枝の生育を促します。

2年、3年目に伸びた短い側枝に結実させるのがポイントです。主枝は一方向ではなく、四方に伸びている枝を複数選びます。主枝同士は、30cmほど間隔が空いているほうがよいです。

【おいしいりんごを育てるコツ1】人工授粉

りんごは1本では実がならず、異なる品種を並べて植えつけることで自然に受粉して実がつきます。

結実率のよい果樹ではありますが、確実に成功させるためには人工授粉で促してあげるとよいでしょう。

りんごの花を摘みとり、異なる品種の花にやさしくこすりつけます。人工授粉は、開花してから10日以内に行います。

また、授粉には品種の組み合わせも重要なポイントです。相性が悪く、人工授粉をしても実がつかないこともあるため、苗木を購入する際は相性の確認が必要です。

【おいしいりんごを育てるコツ2】捻枝(ねんし)

捻枝とは、枝を捻って下向きに曲げることです。りんごは高い位置にある芽のほうに栄養が送られる性質があります。

捻枝によって枝の生育を抑えられると、花や実に栄養を促せるようになります。念枝の適期は5月上旬ごろです。

【おいしいりんごを育てるコツ3】摘果

摘果はりんごに限らず、果実の収穫には欠かせない作業です。

摘果とは

摘果とは、実を間引く作業です。実を間引くことでひとつひとつの実に栄養が行き渡り、おいしいりんごが収穫できるようになります。

花を咲かせて実をつけるにはエネルギーをたくさん消耗するため、実をそのまま育てると味わいだけでなく翌年に実がつかなくなることもあります。

摘果のタイミング

りんごの摘果のタイミングは、4月下旬ごろに開花が終わってからの1か月後と2か月後の2回です。

5月~7月ごろは実が生育するために大切な時期なので、それまでに摘果しておくとよいでしょう。

摘果の方法

1回目の摘果は、中心の大きな実を残してあとは摘果します。ひとかたまりになっている中心部の実が大きく、周りに小さい実がついているので判別がつきやすいです。

また、りんごは1つの枝に何箇所か実がつきます。

品種により異なりますが、大玉サイズにしたい場合は4~5箇所のうち1果、中玉サイズは3~4箇所に1果を目安にすることが多いようです。

あとから袋かけの作業がしやすいように、下向きになっている実を優先して残すとよいでしょう。

2回目の摘果は、大きくきれいな形で育っているものを残します。病害虫の被害に遭ったり傷んだりしているものは取り除きます。

摘花した実を活用

「せっかくなった実を摘みとるだけではもったいない」と考える方は、アレンジして料理に活用してみてはいかがでしょう。

摘花した実は完熟したりんごよりも少し硬くて、甘みがなく酸味や渋みがあります。

生でそのまま食べるには難しいかもしれませんが、すりおろしてドレッシングに加えたり、煮詰めてジャムにしたりアレンジするのがおすすめです。

【おいしいりんごを育てるコツ4】袋かけ

りんごは病害虫がつきやすいため袋かけを行います。

袋かけのタイミング

摘果が終わったタイミングで早めに行います。まず殺虫剤と殺菌剤をまき、乾燥させてから袋かけするのがポイントです。

そのため、晴れている日に行うとよいでしょう。雨に濡れたまま袋かけすると、病気にかかったり傷んだりする恐れがあります。

袋かけの方法

袋かけ用の袋は市販されているものを用いるか、新聞紙などでも代用できます。袋かけしないほうが色づきはよくなり甘みも増しますが、その分消毒する回数が増えます。

作業は増えますが病害虫から守るため家庭栽培の場合でも袋かけをしましょう。

【おいしいりんごを育てるコツ5】着色を促す

収穫の1か月ほど前を目安に袋を外します。りんごの実に日を当てて、きれいに色づけるためです。袋を外したら葉を摘んだり、実を回したりしてまんべんなく日が当たるようにします。

葉が実に重なっている場合は、日が遮られてきれいに色づきません。そのため、2~3回に分けて実にかかる葉を摘み取って着色を促します。

実の反対側に日が当たるように、実を回転させる作業も必要です。

りんごの収穫

大切に育てたりんごをいよいよ収穫します。

収穫の時期と目安

りんごの収穫時期は8月下旬~11月下旬ごろで、りんごの品種などによって異なります。実が色づいたものが収穫の目安ですが、早めに収穫してしまっても問題ありません。

りんごの収穫方法

傷がつかないように、ひとつひとつ丁寧に収穫しましょう。りんごのヘタ部分をハサミで切り取ります。きれいに色づいた食べごろのりんごから順に、数回に分けて行うとよいでしょう。

りんごの植えかえ

鉢植えで育てている場合、りんごの根詰まりを防いで通気性をよくするために植えかえする必要があります。

植えかえの頻度と時期

2~3年に1回に植え替かえします。植えかえの適期は、11月~3月ごろです。

植えかえの方法

  1. りんごの株よりも一回り大きい鉢を用意します。
  2. 鉢から抜いたら根についた土を軽くはらいます。
  3. 古い根や傷んでいる根を切ります。
  4. 植えつけの時と同じ手順で新しい鉢に移します。

りんごの増やし方

りんごを増やすには、接ぎ木が一般的です。

接ぎ木

接ぎ木とは異なる株をつなぎ合わせる方法で、土に埋める土台となる部分を台木、芽を出して生育させる部分を穂木といいます。接ぎ木は2~3月ごろに行います。

【接ぎ木の手順】

  1. 台木は2年生以上のしっかりしたものを使います。
  2. 穂木は葉や芽がしっかりした枝を選び、病害虫がないかチェックします。
  3. 穂木となる枝を10cmほどの長さに切ります。
  4. 台木に切り目を入れて穂木を挿します。
  5. 接続部分を接ぎ木用のテープなどで固定し、ビニール袋で覆います。
  6. 台木から伸びてくる枝や芽はとります。穂木へと栄養が渡るようにするためです。

種まき

食べたあとに残ったりんごの種をまくと、芽が出ることがあります。芽が出ればそのまま育てられますが、実がつくまでに生育するには長期間かかり、品質のよいものはあまり期待できません。

庭にスペースが余っている、種から育ててみたいなどの目的であればチャレンジしてもよいかもしれませんが、しっかりと育てて収穫を目的にしたい方は苗木を購入するのがおすすめです。

りんごの病害虫

りんごがかかりやすい病気は、斑点落葉病・うどんこ病・黒星病などです。病気にかかった部分は元に戻ることはないため、その都度切除します。

こまめなチェックと定期的な薬剤散布などで予防することが大切です。『ブリリアントガーデン サルバトーレME』は、予防と治療効果が期待できるのでおすすめです。

りんごにつきやすい害虫は、シンクイムシです。枝や果実に侵入して食害するやっかいな害虫です。害虫も薬剤散布での予防や、袋かけを行うことが対策になります。

ちょっとしたコツでおいしいりんごを育てましょう

りんごの基本的な育て方と、おいしい実をつけるコツを紹介しました。りんごの実に栄養分を送ることと、病害虫予防で薬剤散布や袋かけを行うなどの管理が大切です。

品種も豊富にあり自宅の栽培環境にあったものを選べるため、ぜひこの機会にりんごを育ててみてはいかがでしょうか。

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