丈夫で育てやすい!大切な人に贈りたいシクラメン
シクラメンは、その愛らしい見た目と、育てやすい丈夫さから、ガーデニングからプレゼントまで人気のある植物です。花を咲かせる植物が少ない冬季において、華やかな彩りで楽しませてくれる数少ない植物の1つでもあります。
大変丈夫で、冬季以外でも咲き、1度咲けば比較的長く花を楽しむことができます。多くの品種があり、さまざまな花びらの形や色のバリエーションがあります。
そんな魅力あるシクラメンのエピソードや、育て方や手入れのポイントをご紹介します。
内気、恥じらい……しとやかなシクラメンの魅力
シクラメンは地中海沿岸を中心にヨーロッパで自生している植物です。一般的に見られるシクラメンの多くは園芸品種として品種改良されたもので、花びらの形や色など多種多様な品種を楽しむことができます。
和名には2種類あり、シクラメンが明治時代に伝わった際、花を見た貴婦人が「篝火のような花ですね」と言ったことから、「カガリビバナ」という和名がつきました。
また、古来ではジャガイモの代わりに食用とされており、その名残で「ブタノマンジュウ」という和名もつけられています。
シクラメンに関する伝説として、植物好きだったソロモン王とのエピソードがあります。ソロモン王が王冠のデザインに取り入れようとさまざまな花と交渉しますが断られてしまい、唯一承諾してくれたのがシクラメンでした。
王が礼を言うと、シクラメンははにかんでそれまで上向きだった花をうつむかせてしまいました。うつむき気味の花の形に基づいたエピソードであり、シクラメンの花言葉「内気」「はにかみ」はここからきています。
プレゼントにおすすめ。ただし注意点も
愛らしい見た目と控えめな花言葉、育て方や手入れの簡単さから、シクラメンは贈り物としても人気のある植物です。しかし、贈る相手やシチュエーションによっては、思わぬ誤解を生んでしまうことがあります。
シクラメンには花にわずかな毒を含んでおり、幼児やペットが誤って口にすると体調を崩してしまう可能性もあるため、妊婦や小さな子ども、ペットがいるご家庭へのプレゼントは避けた方が良いでしょう。
また、シクラメンという名前の語呂合わせから、「死」や「苦」といったイメージを持つ人もいるため、妊娠中であったり病気療養中の人への贈り物としても避けた方が無難といえます。鉢植えで「根付く」イメージもあるため、入院中のお見舞いにもあまり向きません。
とはいえ、シクラメンのハートに似た独特な花の形や、1鉢でもパッと華やぐ豪華な見た目はプレゼント映えするものです。
マイナスなイメージを気にしない信頼関係がある場合には、シクラメンは贈り物としてぴったりの植物といえるでしょう。
窓辺が最適。シクラメンの手入れ方法
シクラメンは冬季を中心に花を咲かせる植物ですが、育て方や手入れが上手であれば春まで花を楽しむことができます。
長持ちする育て方としては、日中は窓辺に置き、たっぷりと日光に当てるのがポイントです。たまに鉢を回してまんべんなく日が当たるようにしましょう。
暑さや湿気に弱いので、暖房が直接当たる場所は避けます。水やりは毎日やる必要はなく、土が乾いてから、受け皿にしみ出るまでたっぷりと水を与えましょう。
底面給水方式になっている鉢の場合は、鉢底の水を切らさないように注意が必要です。咲き終わった花は根本からひねり抜きましょう。
春になって花が終わると、夏の間シクラメンは休眠します。うまく夏を越せば2年目も花を咲かせます。育て方としては、葉を残す非休眠法と葉をすべて落とす休眠法があります。
どちらも育て方としてはそれほど差がないので、ぜひ2年目の開花にもチャレンジしてみましょう。ただし、夏季の姿はほとんど葉もないため、ゴミと間違って捨てないように気をつけましょう。
この記事で紹介された植物について
シクラメン
学名:Cyclamen persicum /科名:サクラソウ科 /別名:カガリビバナ、ブタノマンジュウ /原産地:北アフリカ~中近東、ヨーロッパの地中海沿岸地域 /分類:多年草 /耐寒性:やや弱~弱 /耐暑性:中
冬に室内用の花として人気のあるシクラメン。暑さや蒸れに弱いので、夏越しに注意することが肝要です。
公開: 2016年12月21日
更新:2024年11月26日