【家庭菜園】ズッキーニの育て方|栽培や収穫のコツ、トラブルの対処方法
ズッキーニは、花も実も食べられる育てやすい野菜です。収穫期間が長く、一株から多くの実を収穫できます。夏の収穫を目指し、ぜひご自宅でズッキーニを栽培してみましょう。今回は、ズッキーニの特徴や基本的な栽培方法、管理のコツ、よくあるトラブルなどについてご紹介します。
- 目次
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- ズッキーニの基礎知識
- ズッキーニの育て方
- ズッキーニの好む栽培環境の準備
- ズッキーニの土づくり
- ズッキーニの種まき、育苗
- ズッキーニの植えつけ
- ズッキーニの水やり
- ズッキーニの肥料
- ズッキーニのお手入れ方法
- ズッキーニの支柱立て
- ズッキーニの病害虫対策
- ズッキーニの下葉刈り
- ズッキーニの人工授粉や収穫方法
- ズッキーニの人工授粉の方法
- ズッキーニの収穫の時期、方法
- ズッキーニ栽培でありがちなトラブルや対処方法
- 実が大きく育たない
- 収穫期間の途中から実ができなくなる
- 育ちすぎて折れてしまう
- 雌花が咲かなくなる
- 実が黒ずんで腐る
- おわりに
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ズッキーニの基礎知識
イタリア料理の食材として有名なズッキーニは、ウリ科カボチャ属の野菜です。日本では1980年代から広く扱われ始めたといわれています。ビタミンCやビタミンB2、食物繊維、カリウムなどを含んでおり、基本的には生食ではなく加熱して食べます。ただ、薄切りにしてそのまま食べることも可能です。開花時期の早朝に花を摘んでおしべやめしべを取り除き、揚げ物や蒸し物として料理する花ズッキーニのレシピもあります。
大きいキュウリのような円筒形の果実が有名ですが、丸い形の品種や鮮やかな黄色の品種など、さまざまなタイプが存在します。旬の時期は初夏~夏です。脇芽が伸びにくいことから「つるなしカボチャ」と呼ばれることも。丈夫な性質のため、家庭菜園初心者にもおすすめできる野菜です。
ズッキーニの育て方
ズッキーニは、春に種まきをすると夏頃に収穫できます。ご自宅でズッキーニを育てて、新鮮な実や花を堪能しましょう。こちらでは、ズッキーニの基本的な育て方をご紹介します。
ズッキーニの好む栽培環境の準備
ズッキーニは、暖かく日当たりの良い場所で育てます。日にしっかりと当てられるスペースを用意しましょう。風通しが良いことも重要ですが、エアコンの室外機から出る風が直接当たるところは避けます。地植えの場合は、1株あたり1m四方のスペースがあると安心です。プランター栽培の場合、12号以上の大きめの鉢に1株を植えるのが目安です。
ズッキーニの土づくり
植えする場合、植えつけ2週間前に苦土石灰や堆肥、肥料などを混ぜて耕します。高さ15cm、幅90cm程度の畝を立てておきましょう。
プランター栽培の場合は、市販されている野菜用培養土を使うことがおすすめです。購入してそのまま使えるように土が配合されています。
おすすめは、排水性、通気性、保水性、保肥性など、よい土の条件を備えた「今日から野菜 野菜を育てる土」です。
ズッキーニの種まき、育苗
ズッキーニは種からでも育てやすい野菜です。育苗ポットひとつにつき2~3粒の種をまきましょう。種まき適期は4月頃で、発芽適温は25℃程度です。この時期は日が暮れると気温が下がってしまうこともあるため、ポットにトンネルやホットキャップなどをかぶせて保温しましょう。水を切らさないように管理していくと、5日前後で発芽します。発芽後はしっかりと日に当てましょう。
ズッキーニの植えつけ
ズッキーニの本葉が3枚~4枚になったら植えつけできます。4月下旬になり、霜の心配がなくなってから植えつけましょう。深植えを避け、浅めに植えることがポイントです。
ズッキーニはつるを長く伸ばさないものの、葉が大きくなって広がるため、スペースを広めにとることが大切です。特に地植えの場合は株が大きく育ちやすいため、株間を1mほど開けましょう。
ベランダ菜園のように、スペースが限られる場合は1株だけ育てることもあるでしょう。ズッキーニは複数株を植えることで受粉しやすくなりますが、2株以上育てる場所がない場合は、人工授粉すると良いでしょう。
植えつけが終わったら、ビニールや敷き藁などでマルチングすることがおすすめです。土を保温できるほか、乾燥も防ぎやすくなります。
ズッキーニの水やり
ズッキーニの水やりは、土が乾いてから行います。収穫時期には水をたくさん必要とするため、水切れしないように気をつけましょう。水やりは朝のうちに行うことがおすすめです。真夏は乾燥しやすいため、1日に2回~3回の水やりが必要になることがあります。
ズッキーニの肥料
収穫期間の長いズッキーニは、肥料切れしないように定期的に施肥を続けていくことが大切です。植えつけ時には元肥を加えておきます。ただし、元肥を過剰に与えるとつるぼけし、実がつきにくくなることがあるため気をつけましょう。元肥は少なめにして、その分、生育期間中に追肥を行います。
最初の追肥は、ズッキーニの果実がなり始めたタイミングで施します。その後は、2週間に1回の頻度で追肥していきましょう。
元肥・追肥には、野菜の生育に必要な成分と有機成分をバランスよく配合し、おいしい野菜 収穫できる「今日から野菜 野菜の肥料」がおすすめです。
ズッキーニのお手入れ方法
ズッキーニを収穫するためには、さまざまなお手入れを行うことが大切です。支柱立てや病害虫対策、下葉刈りについてチェックしていきましょう。
ズッキーニの支柱立て
ズッキーニは根を浅く張り、葉を横に広げて生長するため、強風によって倒れてしまうことがあります。収穫までに倒れることのないよう、支柱を立てて固定しておくことがおすすめです。
基本的には、株元に2本~3本の支柱を立てて主枝を紐で結びます。太さがあり、しっかりとした支柱を選びましょう。
ズッキーニの病害虫対策
ズッキーニ栽培では、うどんこ病やアブラムシに注意しましょう。うどんこ病は、葉や茎などに白い粉をふいたような状態が生じる病気です。原因は糸状菌と呼ばれるカビの一種で、植物の周辺が蒸れやすい環境にて発生しやすくなります。被害が生じた部分は、薬剤散布をして治療しましょう。
うどんこ病の治療には、ズッキーニが適用作物として登録されている「ブリリアントガーデン ハッパ乳剤」です。
「ブリリアントガーデン ハッパ乳剤」の有効成分は天然のなたねから抽出したなたね白絞油で有機農産物栽培に使用でき、収穫前日まで安心してご使用いただけます。
アブラムシは小さな虫で、放置しておくとどんどん増えていきます。ズッキーニを吸汁して弱らせるだけではなく、ウイルス病を媒介することもあるため、発見したらすぐに駆除しましょう。
うどんこ病とアブラムシの被害を防ぐには、風通しの良い状態を維持することが重要です。また、専用の薬剤を使って対処することも効果的です。
ズッキーニの下葉刈り
ズッキーニが生長して株が大きくなってくると、葉が込み合って風通しが悪くなります。実を収穫したら、下についている葉はカットしていきましょう。一度にたくさん刈り取るのではなく、回数を分けて取り除いていくことがポイントです。下や横に向かって垂れ下がっている葉から優先的に切りましょう。
ズッキーニの人工授粉や収穫方法
ズッキーニを確実に収穫するためには人工授粉することがおすすめです。こちらでは、人工授粉や収穫の方法をお伝えします。
ズッキーニの人工授粉の方法
ズッキーニの花は早朝に開き、お昼前にしぼんでいきます。作業は晴れた日の朝早くに行いましょう。
雄花を切り取ったら花びらをすべて取り、おしべを露出させます。雌花の中にあるめしべの柱頭に、直接おしべを擦りつけて花粉を付けたら作業は完了です。もしくは、筆や綿棒などで花粉を擦り取り、めしべに付けてもかまいません。
また、人工授粉をする前に、開花している雄花のおしべに触り、花粉が指に付着するかを確かめておきましょう。花粉がつかないうちはおしべが未熟なため、人工授粉をしてもうまくいきません。
ズッキーニの収穫の時期、方法
品種によって異なりますが、一般的なズッキーニの収穫適期は開花から1週間ほどのタイミングです。長さ20cmほどに育っていれば、摘み取って食べることができます。付け根をハサミでカットして収穫しましょう。採り遅れると実が大きくなりすぎて味が落ちてしまいます。早めの収穫を心がけましょう。
花ズッキーニを味わいたい場合は、花が咲きかけの蕾の時期に収穫します。雌花の場合は、実が10cmほどに育った頃が目安です。花びらを傷つけないように注意して収穫しましょう。常温ではすぐに花がしぼんでしまうため、すぐに冷蔵庫へ入れておきます。
花ズッキーニは、花の中に肉やチーズなどを詰めて調理するレシピが人気です。お好きな方法で食べてみましょう。
ズッキーニ栽培でありがちなトラブルや対処方法
ズッキーニは育てやすい野菜ですが、育て方や条件によって、いくつかのトラブルが発生することがあります。主なトラブルや対処方法について確かめておきましょう。
実が大きく育たない
ズッキーニの実ができたものの、いつまでたっても大きくならず、そのうち腐ってしまうことがあります。その場合は、受粉がうまくいっていない可能性を疑ってみましょう。特に、2株以上植えていない場合は人工授粉させることがおすすめです。
収穫期間の途中から実ができなくなる
ズッキーニの株には次々と実がなります。収穫期間の途中から急に実ができにくくなった場合、肥料切れを起こしているかもしれません。肥料不足に陥らないよう、株の様子を見ながら定期的に追肥していきましょう。収穫適期を逃さずに摘み取り、株が疲れないようにすることも大切です。
育ちすぎて折れてしまう
ズッキーニの株が大きくなると、重さの影響で折れてしまうケースがあります。倒れる前に支柱を立ててあげましょう。実を早めに収穫するほか、下葉刈りなどのお手入れをすることで、株をすっきりとさせることも大切です。
雌花が咲かなくなる
ズッキーニの雌花が少ないと、実の数も少なくなってしまいます。雌花が咲かないときは、栄養の過不足が原因かもしれません。肥料を適切に与えられているか、再確認してみましょう。
また、雌花が枯れてしまったときは、受粉がうまくいっていない可能性があります。その場合も人工授粉をすることで対処できるため、試してみましょう。
実が黒ずんで腐る
ズッキーニの生育期間は湿気の多い梅雨や夏の時期と重なります。実が黒ずんで腐ってしまったときは、カビが原因になっているケースも見られます。湿度が高い時期はカビの発生に注意しましょう。予防のため、花がら摘みをこまめに行うことがおすすめです。花がらを放置しているとカビの原因になることがあるため気をつけましょう。また、実の先端が黒ずんできたらすぐに切り落とし、被害が拡大するのを防ぎましょう。
おわりに
夏野菜のズッキーニは、育てやすいため園芸初心者にもおすすめです。収穫した実や花は、さまざまなレシピで味わうことができます。ズッキーニの収穫を長く楽しむためには、支柱立てや病害虫対策などをしっかりと行い、適切な管理をすることが大切です。ぜひ今回ご紹介した情報も参考にしながら、おいしいズッキーニを育てていきましょう。
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