ズッキーニの育て方|品種選び・プランター栽培・人工授粉のポイント
ズッキーニを育ててみたいけれど、「家庭菜園でできるのかな」「広い畑がないと難しそう」と感じる方もいるのではないでしょうか?
大きな葉を広げる野菜ですが、25L以上の容器と日当たりのよい場所を用意すれば、プランターでも育てられます。開花当日人工授粉や初期の株づくり、水切れを防ぐ管理が、元気なズッキーニを育てるポイントです。
この記事では、ズッキーニの基礎知識から品種選び、人工授粉の方法、栽培中の管理のコツまで、家庭菜園で育てるために押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。
- 目次
-
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- ズッキーニの育て方|基礎知識と特長
- ズッキーニとは?
- つるなしカボチャと呼ばれる理由
- 栽培カレンダー
- ズッキーニの育て方|主な品種と選び方
- 緑果タイプ
- 黄果タイプ
- 秋どり向き品種
- ズッキーニの育て方|基本の栽培方法
- ズッキーニが好む栽培環境
- 土づくり
- 種まき・育苗
- 植えつけ
- プランター栽培のポイント
- 支柱立て
- 水やり
- 肥料
- 着果のコントロール
- 人工授粉
- 雌花と雄花の見分け方
- 収穫
- 下葉の整理
- ズッキーニの育て方|病害虫対策
- うどんこ病
- ウイルス病
- 灰色かび病
- アブラムシ
- ウリハムシ
- ズッキーニの育て方|よくある栽培トラブル
- 実が腐る原因は?
- 実がならない原因は?
- 雌花ばかり・雄花ばかりになるのはなぜ?
- 実が大きくならない原因は?
- 株が折れてしまうのはなぜ?
- おわりに
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘225:【Q&A】ズッキーニの育て方|美味しく育てるコツや収穫方法は?水やりや肥料など、日々の管理もご紹介
ズッキーニの育て方|基礎知識と特長
まずは、ズッキーニの基礎知識や栽培カレンダーをチェックします。
ズッキーニとは?
ズッキーニの見た目はキュウリに似ていますが、ウリ科カボチャ属の野菜です。つるが長く伸びにくく、株元から大きな葉を広げて育ちます。
項目 | 内容 |
|---|---|
| 学名 | Cucurbita pepo |
| 和名/別名 | つるなしカボチャ |
| 英名 | Zucchini |
| 原産地 | 北アメリカ南部、メキシコ周辺 |
| 分類 | ウリ科カボチャ属 |
| 発芽地温 | 25℃〜30℃前後 |
| 生育適温 | 20℃〜25℃前後 |
ビタミンCやビタミンB2、食物繊維、カリウムなどを含んでおり、炒め物や焼き物、煮込み料理など幅広い料理に使われます。
薄切りにすれば、生のままサラダやマリネで楽しむこともできます。花も食用になり、開花した花を使った花ズッキーニの料理も楽しまれています。
大きいキュウリのような円筒形の果実が有名ですが、丸い形の品種や鮮やかな黄色の品種など、さまざまなタイプが存在します。
つるなしカボチャと呼ばれる理由
つる(節間)が長く伸びないことから、ズッキーニは「つるなしカボチャ」と呼ばれることもあります。丈夫な性質のため、家庭菜園初心者にもおすすめできる野菜です。
つるは長く伸びないものの、株元から大きな葉を広げながら育つため、ある程度のスペースを確保して育てる必要があります。
畑では株間を広めに取り、プランターで育てる場合は25L以上の大きめの容器に1株ずつ植えると管理しやすくなります。
栽培カレンダー
時期 | 主な作業 |
|---|---|
| 4月〜5月 | 種まき、育苗 |
| 4月下旬〜5月 | 苗の植えつけ |
| 5月〜6月 | 初期着果コントロール、支柱立て |
| 6月〜8月 | 人工授粉、収穫、水やり、追肥 |
| 7月〜8月 | 病害虫対策、下葉整理 |
これからズッキーニ栽培を始めるなら、栽培カレンダーで種まきや植えつけ、収穫までの流れを押さえておきましょう。
毎朝のぞくたびに花や実の表情が変わるため、家庭菜園らしい楽しさを感じられるはずです。
ズッキーニの育て方|主な品種と選び方
ズッキーニは、実の色や収穫時期、育てる場所に合わせて品種を選ぶことが大切です。
初めて育てるなら定番の緑果タイプ、料理の彩りを楽しみたいなら黄果タイプが向いています。
プランター栽培に向く品種や、秋どりに適した品種もあるため、栽培スタイルに合わせて選びましょう。
緑果タイプ
炒め物やグリルに使いやすい定番のズッキーニです。
ダークヤングマン
濃い緑色の円筒形の実をつける品種です。つるが伸びにくく、家庭菜園でも株を管理しやすいタイプといえます。ズッキーニらしい見た目と使い勝手を重視したい方におすすめです。
夏みのる
夏の収穫を狙いたいときにぴったりの緑果タイプです。暑い時期の栽培に向いた緑果タイプで、家庭菜園でも取り入れやすい品種です。
黄果タイプ
鮮やかな黄色の実をつけるズッキーニです。炒め物やグリルに加えると、緑果タイプとは異なる軽やかな彩を楽しむことができます。
イエローヤングマン
黄色い円筒形の実をつける品種です。開花後4日〜6日、長さ20cm前後が収穫の目安とされており、採り遅れないうちに収穫すると株への負担を抑えられます。
家庭菜園で黄色いズッキーニを家庭菜園で楽しみたい方に適しています。
オーラムEX
濃い黄色の円筒形の実をつける黄皮ズッキーニです。果皮色が安定しやすい品種として知られており、鮮やかな黄色を楽しみたい方におすすめです。
秋どり向き品種
夏の終わりから秋にかけて収穫を狙いたい場合に向く品種です。
植えつけが遅れると、株が十分に育つ前に気温が下がるため、地域の気候に合わせて早めに準備しましょう。
秋ズッキーニ
つるが伸びにくく、黒緑色の円筒形の実をつける品種です。限られたスペースでも管理しやすく、プランター栽培にも向いています。
果肉は加熱するとジューシーで、クセが少なく、炒め物や揚げ物、煮込み料理に向いています。収穫は開花後4日〜6日、長さ20cm前後を目安にし、大きくなりすぎる前に採りましょう。
ズッキーニの育て方|基本の栽培方法
ズッキーニは、春に種まきをすると夏頃に収穫できます。ご家庭でも育てやすい野菜ですが、元気に育てるにはいくつかのポイントがあります。
ここでは、ズッキーニの基本的な育て方をご紹介します。
ズッキーニが好む栽培環境
ズッキーニは、暖かく日当たりの良い場所で育てます。日にしっかりと当てられるスペースを用意しましょう。
風通しのよい環境を好みますが、エアコンの室外機から出る風が直接当たるところは避けてください。
土づくり
地植えの場合、植えつけ2週間前までに苦土石灰をまいて土を耕しておきます。
さらに1週間前を目安に、堆肥と元肥として『マグァンプK 中粒』を混ぜ込んでおきましょう。高さ15cm、幅90cm程度の畝を立てておくと管理しやすくなります。
プランター栽培の場合は、水はけ・通気性・保水性のバランスがよい野菜用培養土を使うと手軽です。
市販の培養土を使えば、元肥入りのものも多く、植えつけ準備がしやすくなります。『今日から野菜 野菜を育てる土』などがおすすめです。
種まき・育苗
ズッキーニは種からでも育てやすい野菜です。育苗ポットひとつにつき2粒~3粒の種をまきましょう。種まき適期は4月頃で、発芽適温は25℃程度です。この時期は夜間に気温が下がることもあるため、不織布やビニールで覆うなどして保温しながら育てましょう。
水を切らさないように管理していくと、5日前後で発芽します。発芽後はしっかりと日に当てましょう。
植えつけ
ズッキーニの本葉が3枚~4枚になったら植えつけできます。4月下旬〜5月頃になり霜の心配がなくなってから植えつけましょう。深植えを避け、浅めに植えることがポイントです。
ズッキーニはつるを長く伸ばさないものの、葉を大きく広げて育つため、スペースを広めにとることが大切です。特に地植えの場合は株が大きく育ちやすいため、株間を1mほど開けましょう。
植えつけが終わったら、ビニールや敷き藁などでマルチングすることがおすすめです。地温を保ちやすくなるほか、土の乾燥も防ぎやすくなります。
プランター栽培のポイント
ズッキーニはプランターでも育てられますが、葉が大きく広がり、根もよく張るため、容器の大きさと水・肥料の管理が収穫量を左右します。
地植えより乾燥や肥料切れが起こりやすいため、プランターならではのポイントを押さえて育てましょう。
大きめの容器に1株ずつ植える
プランター栽培では、深さ30cm以上、容量25L以上の大きな容器を選び、1鉢1株を基本に育てます。
土の量が少ないと根が詰まりやすく、水切れや肥料切れも早く出るため注意してください。
真夏は鉢の温度上昇に注意する
真夏のベランダでは、床面の照り返しによって鉢内の温度が上がりやすくなります。
鉢の下にすのこや断熱材を敷いておくと、根への負担をやわらげることができます。
追肥頻度を株の様子で調整する
プランターは地植えより土が乾きやすく、肥料分も流れやすいため、株の様子をこまめに観察することが大切です。
葉色が薄くなる、実の太りが悪くなるといった変化が見られたら、追肥のタイミングを確認しましょう。
支柱立て
ズッキーニは葉が大きく、株元が風で揺れやすいため、植えつけ後に短い支柱を立て、株を軽く支えると、根が安定しやすくなります。
茎は生長とともに太くなるため、ひもはきつく結ばず、余裕を持たせましょう。生長に合わせて結び直すと、茎を傷めにくくなります。
水やり
ズッキーニの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えるのが基本です。収穫期には水を多く必要とするため、水切れしないよう注意しましょう。
水やりは朝のうちに行うのがおすすめです。真夏は乾燥しやすいため、株の様子や土の乾き具合を見ながら回数を調整してください。
肥料
収穫期間の長いズッキーニは、肥料切れしないように定期的に施肥を続けていくことが大切です。植えつけ時には元肥として『マグァンプK 中粒』を混ぜ込んでおきましょう。
ただし、元肥を過剰に与えるとつるぼけして実がつきにくくなることがあるため、与えすぎには注意が必要です。
追肥には、野菜の生育に必要な栄養素をバランスよく配合した液体肥料『今日から野菜 野菜を育てる液肥』を、1週間~10日に1回を目安に与えましょう。
ななお、地植えで長く収穫したい場合や、株の勢いを安定して保ちたい場合は、液肥に加えて少量の粒状肥料『今日から野菜 野菜の肥料』を追肥として併用する方法もあります。
着果のコントロール
株が若いうちに最初の実を太らせると、根や葉の生長に養分が回らず、株づくりが遅れることがあります。
初期は株を充実させることを優先し、1〜2番目の雌花は開花前に摘み取っておくと、その後の収穫が安定しやすくなります。
人工授粉
ズッキーニの花は早朝に開き、お昼前にしぼんでいきます。晴れた日の朝のうちに行いましょう。
雄花を切り取ったら花びらをすべて取り、おしべを露出させます。雌花のめしべの柱頭に、雄花のおしべを直接こすりつけて花粉を付けたら作業は完了です。筆や綿棒などで花粉を取り、めしべに付けてもかまいません。
また、人工授粉の前に、開花している雄花のおしべに触り、花粉が指に付着するかを確かめておきましょう。花粉が出ていない雄花では、人工授粉をしてもうまく受粉できないことがあります。
雌花と雄花の見分け方
雌花は、花のつけ根に小さな実のようなふくらみがあるのが特長です。一方で雄花はつけ根が細く、花粉を出すおしべがあります。
見た目の違いがはっきりしているため、比較的見分けやすいでしょう。
収穫
品種によって異なりますが、一般的なズッキーニの収穫適期は開花から4日~1週間ほどが目安です。
長さ20cmほどに育ったら、付け根をハサミで切って収穫しましょう。採り遅れると実が大きくなりすぎて食味が落ちるため早めの収穫を心がけてください。
花ズッキーニを味わいたい場合は、花が咲きかけの蕾のうちに収穫します。雌花の場合は、実が10cmほどに育った頃が目安です。花びらを傷つけないように注意して収穫しましょう。
常温ではすぐに花がしぼんでしまうため、できるだけ早く冷蔵庫へ入れておきます。
下葉の整理
古くなった下葉や、地面に触れて傷んだ葉は早めに取り除きます。株元の風通しがよくなり、病気の予防にもつながります。
ただし、一度に多くの葉を取ると株が弱ることがあるため、黄色くなった葉や混み合った葉から、少しずつ整理しましょう。
ズッキーニの育て方|病害虫対策
ズッキーニ栽培では、うどんこ病や灰色かび病などの病気のほか、アブラムシやウリハムシなどの害虫に注意が必要です。
株元が蒸れないように風通しを確保し、傷んだ葉や花を早めに取り除くことが、病害虫の予防につながります。
ここでは、主な病害虫の特長と対策をご紹介します。
うどんこ病
うどんこ病は、葉に白い粉をまぶしたような症状が現れる病気です。風通しが悪く、株が蒸れやすい環境で発生しやすく、広がると葉の光合成が妨げられて株が弱る原因になります。
被害葉は早めに取り除き、株元の風通しを改善して予防しましょう。
発生した場合は、ズッキーニに使用できる薬剤で対処します。うどんこ病の対策には、ズッキーニが適用作物に登録されている『ブリリアントガーデン ハッパ乳剤』がおすすめです。有効成分は天然のなたね由来で、有機農産物栽培にも使用できます。
ウイルス病
葉に黄色い斑点やモザイク模様が現れたり、新葉が縮れたりする病気です。症状が進むと株の生育が弱まり、葉や果実の形が乱れることもあります。
治療薬はないため、発病した株は、被害が広がる前株ごと抜き取って処分しましょう。また、アブラムシがウイルスを媒介することがあるため、あわせて害虫対策を行うことも大切です。
灰色かび病
花や葉に灰色のかびが生じる病気で、梅雨時など湿度が高く、風通しの悪い環境で発生しやすくなります。傷んだ花や葉をそのままにしておくと広がりやすいため、こまめに取り除いて株元を清潔に保ちましょう。
水やりの際は葉や花に水がかかりすぎないよう注意し、蒸れを防ぐことが予防につながります。
アブラムシ
新芽や葉に群がって汁を吸い、株を弱らせる害虫です。さらに、ウイルス病を媒介することもあるため、見つけたら早めに駆除しましょう。
数が少ないうちは手で取り除いたり、水で洗い流したりして対処できます。発生が多い場合は、野菜に使える薬剤を利用します。
ウリハムシ
葉を丸く食害する害虫で、ズッキーニなどウリ科野菜に発生しやすいことで知られています。被害が広がると葉が傷み、生育が悪くなる原因になります。
見つけた成虫は早めに捕殺し、被害が多い場合は野菜に使用できる薬剤で対処しましょう。
ズッキーニの育て方|よくある栽培トラブル
ズッキーニは育てやすい野菜ですが、育て方や環境によっては、実が腐る・実がならないなどのトラブルが起こることがあります。
ここでは、よくあるトラブルの原因と対処法を紹介します。
実が腐る原因は?
小さな実が途中で腐るときは、受粉不良や湿気による傷みが考えられます。雌花が咲いた朝に雄花の花粉をつけ、受粉を助けましょう。
特に梅雨時期や雨が続く時期は、しぼんだ花がらを早めに取り除き、実のまわりに湿気がこもらないようにします。
実がならない原因は?
実がつかないときは、受粉不良や日照不足、肥料切れ、株の疲れなどが考えられます。収穫期の途中で実つきが落ちた場合は、株が疲れているサインかもしれません。
追肥と水やりを続けながら、収穫適期の実は早めに採り、株への負担を減らしましょう。
雌花ばかり・雄花ばかりになるのはなぜ?
ズッキーニは、気温や株の生育段階によって雌花と雄花の出方が偏ることがあります。
株がまだ若い時期は花のバランスが整わないこともあるため、日当たりや肥料の状態を整えながら育てましょう。
雄花と雌花が同じ朝に咲いたら、早めの時間に人工授粉を行いましょう。
実が大きくならない原因は?
実がついても大きくならないときは、受粉不良や水切れ、肥料切れが主な原因です。とくにプランター栽培では土が乾きやすいため、水切れに注意しましょう。
また、株が弱っていると実の肥大が止まりやすくなります。実の生長が止まったまま傷み始めた場合は早めに取り除き、次の花や実に養分が回るようにしてください。
株が折れてしまうのはなぜ?
ズッキーニは葉や実が大きくなると、重さで株が倒れたり折れたりすることがあります。株元が不安定になる前に支柱で支え、実は大きくしすぎる前に収穫しましょう。
おわりに
ズッキーニ栽培の魅力は、生長の変化が分かりやすいところにあります。大きな葉が広がり、朝に花が咲き、受粉した実が少しずつ太っていく様子は、家庭菜園ならではの楽しみです。
株の様子を見ながら手入れを続けて、夏の食卓に自分で育てたズッキーニを並べてみてください。
公開日:2022年8月19日
更新日:2026年6月23日
#ズッキーニ #家庭菜園 #特集