ジャスミンの育て方|植えつけ方法や肥料の与え方、剪定・挿し木のポイント
香り高いジャスミンの花は、古くからさまざまな国で親しまれてきました。基本的に丈夫で病害虫被害を受けにくいことから、初心者でも育てやすい花木としても知られています。ご自宅でジャスミンの花や香りを堪能したい方は、ぜひ栽培にチャレンジしてみましょう。今回は、ジャスミンの主な種類や基本的な育て方、剪定の方法、増やし方などについてお伝えします。
ジャスミンの特徴や種類
ジャスミンは香りの良さと可愛らしい花で知られるモクセイ科の植物です。日本では、主にハゴロモジャスミンやマツリカなどの種類が育てられています。ハゴロモジャスミンは中国原産の花木で、つるを伸ばして生長します。開花時期は4月から5月にかけてです。内側が白く、外側が薄紅色の小さな花をたくさんつけます。ジャスミンのなかでは耐寒性が強いほうであり、暖地では地植えにしても冬越しすることができます。
マツリカ(茉莉花)は熱帯アジア原産のつる植物です。樹高は1mを超え、3m近くまで伸びることも。鉢植えの場合はよりコンパクトに栽培可能です。ジャスミンティーの原料には、マツリカの花が使われています。ハーブティーや精油、食品の香りづけなど、幅広い用途で活躍する花です。肉厚の白い花は7月から9月にかけて咲きます。耐寒性が弱く、地植えで冬越しさせるのは管理が難しいため、鉢植えにすることがおすすめです。
ほかにも、スタージャスミンや黄梅などの種類があります。また、カロライナジャスミンやマダガスカルジャスミンなど、名前にジャスミンが入る植物もあります。これらは花や香りが似ているだけであり、厳密にはジャスミンの仲間ではありません。
ジャスミンの育て方
ジャスミンは、品種によって細かい育て方が異なります。こちらでは、日本で栽培されることの多いハゴロモジャスミンやマツリカを中心に、ジャスミンの基本的な育て方を解説します。
ジャスミンの苗選び
植物の苗は、茎ががっしりとしたものを探すことが基本です。ひょろひょろとした弱々しい株は避けましょう。葉色の良さや、虫やカビなどがついていないかもチェックします。
ジャスミンが好む栽培環境の用意
ジャスミンは温暖な環境を好む植物です。できるだけ温かく、日光が当たる場所を用意しましょう。温室やサンルームなどがあると快適に過ごせます。
品種によっては鉢植えにして、春から秋は屋外で、冬になったら室内で育てることがおすすめです。蒸れやすい場所は避け、風通しの良さにも気を配りましょう。
ジャスミンの土づくり
ジャスミンは水はけが良い肥沃な土で元気に育ちます。地植えする場合は、植えつけの前に腐葉土や堆肥、緩効性肥料「マグァンプK大粒」を加えて耕しておきましょう。
自分で鉢植えの用土を配合する場合は、赤玉土と腐葉土を6:4で混ぜたものを基本にします。元肥として緩効性肥料「マグァンプK大粒」を土に混ぜておきましょう。または、市販の園芸用土を使うこともできます。すでに肥料の入っている培養土を使う場合は、元肥を追加する必要はありません。
ジャスミンの植えつけ
ジャスミンの植えつけ適期は、気候が穏やかな春や秋です。3月下旬から4月にかけて、もしくは9月下旬から10月にかけての時期がおすすめです。鉢植えにする場合は、鉢底石や鉢底ネットを用意して敷いておきましょう。
植え穴は根鉢よりも2回り大きなものを掘ります。ポットから苗を取り出す際は、根を傷つけないように気をつけましょう。植え穴に苗を入れたら土をかけ、たっぷりと水を与えます。
ジャスミンの水やり
地植えのジャスミンは、根づいた後はほとんど水やりの必要がありません。基本的には降雨に任せます。極度に乾燥しやすい真夏などは水を与えましょう。日中は避け、朝や夕方の涼しい時間に水やりします。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたタイミングで水を与えます。開花時期は水切れしないよう、こまめに土の様子をチェックすることがおすすめです。冬になったら水やり頻度を減らし、乾燥気味に管理しましょう。
鉢植えの場合は受け皿に水をためておかないように注意が必要です。水をためたままにしておくと、根腐れの原因になることもあるため気をつけましょう。
ジャスミンの肥料
ジャスミンの花をたくさん咲かせるためには、適切な時期に適量の肥料を施すことが大切です。植えつけ時には元肥として、肥料効果が約2年間持続する「マグァンプK大粒」を土に混ぜ込み、芽が動き始める時期や花後の時期などに追肥を行いましょう。
追肥にはバラまくだけで約2-3か月間肥料効果が持続する「Plantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料」がおすすめです。
ハゴロモジャスミンは2月から3月の間に寒肥を施しておきます。春の開花が終わったら、5月下旬頃にお礼肥として「Plantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料」を与えましょう。鉢植えのマツリカは、生育期間中の春から秋にかけて、土の上に置くだけで2カ月間肥料効果が持続する「プロミックいろいろな植物用」か速効性の液体肥料「ハイポネックス原液」を1週間~10日に一回希釈して与えます。冬は生育が停滞するため肥料を控えましょう。
ジャスミンの病害虫対策
ジャスミンは病気や害虫の被害を受けにくいことが魅力です。ただし、春から秋にかけてアブラムシの被害に悩まされるケースがあります。アブラムシはとても小さな虫で、幅広い植物に発生します。風通しの悪い場所を好むため、予防のためには蒸れにくい環境を整えることが重要です。
アブラムシを発見したらすぐに駆除しましょう。放っておくと大量に増えてしまうことがあります。ウイルス病を媒介することもあるため、早めの対策が不可欠です。予防・駆除を行える専用薬剤を使うのもおすすめできます。
ジャスミンの植え替え
ジャスミンは根をよく伸ばします。鉢植えの場合は1年~2年に1回の頻度で植え替えてあげましょう。放置しておくと根詰まりすることもあるため注意が必要です。適期は植えつけ時期と同じです。寒さの心配がないタイミングで作業を行いましょう。
植え替えの際も元肥として緩効性肥料「マグァンプK大粒」を土に混ぜておきましょう
ジャスミンの花がら摘み
ジャスミンは次々と花を咲かせていきます。品種によっては花が落ちずに残るため、こまめに摘み取ってあげましょう。
ジャスミンの冬越し
冬になり、鉢を室内に移動させる場合は、日当たりの良い場所を用意してあげることがポイントです。屋外で冬越しさせる場合も、日がよく当たる位置で管理しましょう。
ジャスミンの剪定方法
ハゴロモジャスミンの剪定は花後すぐに行います。秋から花芽の形成が始まるため、早めに済ませておくことがおすすめです。強剪定すると次のシーズンに開花しないことがあるため、不要なつるを間引いていく程度にとどめたほうが良いでしょう。また、生育期に伸びるスピードがはやいため、毎月少しずつ剪定しておくこともおすすめです。
マツリカの剪定適期も花後です。込み合った部分の枝を取り除いて形を整えましょう。生育期間中も、不要な枝があればカットしてかまいません。
ジャスミンの増やし方
挿し木をすることで、親株と同じ性質を持つジャスミンを増やすことができます。株を増やしたい場合は、挿し木にチャレンジしてみましょう。
ジャスミンの挿し木の時期
ハゴロモジャスミンの場合は8月から9月、マツリカの場合は7月から9月が挿し木の適期です。その年に伸びた新しい枝を使って挿し穂にしましょう。
ジャスミンの挿し木の方法
元気が良く若い枝を選んで挿し穂とします。先端から10cm程度の部分を切りましょう。葉がたくさんついている場合、下のほうにあるものは落としてしまいます。切り口を斜めにしてから水につけて吸水させた後、新しい土へ植えましょう。発根するまでは、風通しの良い日陰に置いておきます。水切れしないように気をつけて管理しましょう。
おわりに
ジャスミンをお庭やベランダに植えていると、美しい花や芳香を楽しめます。花を収穫して、お茶やポプリなどを作ることも可能です。季節に合わせたお手入れをしながら、ジャスミンのある生活を楽しみましょう。
記事カテゴリから探す
Garden Tourから探す
いま話題のキーワード