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【多肉植物の育て方】かわいらしい形が人気!初めての方におすすめ、多肉植物の基本と栽培方法 

【多肉植物の育て方】かわいらしい形が人気!初めての方におすすめ、多肉植物の基本と栽培方法 
目次

多肉植物とは

多肉植物は、葉、茎または根に水分を蓄えられる種類の植物の総称です。この中ではサボテンが一番有名ですが、サボテン以外にも沢山の種類があり、その形状も丸みを帯びているものや、尖ったもの、葉や茎が長く伸びるものまで色々ありますが、共通した特徴は肉厚であることです。

 

原産地は北アフリカや中央アフリカ、メキシコやマダガスカルで、その中でも砂漠や海岸のような乾燥地方に生息しています。ふっくらとした肉厚な葉や茎の中に水分を含むことで乾燥地帯でも生育することができます。昼間は水分の蒸散を防ぐために気孔を閉じ、夕方から夜に気孔を開き呼吸をします。他にも、葉を厚く丸くしたり、茎を太く短くしたり、幹を肥大させたり、茎が球状になり土の中に隠れていたり、茎や葉の表面にワックス成分をつけて水分の蒸散を防いだり、葉を繊毛で覆い霧や夜露を吸収しようとするなど、水分の少ない過酷な環境下で生き抜くためにさまざま工夫をこらし、独自の進化を遂げてきました。

 

その結果、原種だけで1万種類以上と、非常に数の多い属になりました。さらに、園芸品種も含めると2万種類以上となります。サボテンだけでも種類が非常に多いので、園芸ではサボテンと、その他の多肉植物に分けています。多肉植物は世界中に多くの愛好家がいて、サボテンやアロエなどの有名なもの以外でも、数多くの珍しい品種が売られています。

 

植物なのに植物らしくないという多肉植物特有の見た目と、室内栽培ができ乾燥に強いので水やりの回数が少なくあまり手間がかからないというので、家やカフェなどの空間を彩るインテリアプランツとして人気を集めています。

 

グラスやタンブラーを使って透明なガラスから土が見えるアレンジは様々な種類の多肉植物を様々な種類のグラスに入れてリズムを作ることで素敵なアレンジになります。窓際に並べてクリアで涼しげな印象を出します。

 

また、定番なのはこぶりな多肉植物をトレーにまとめる寄せ植えです。百均のかごや空きボトルを使うなど、創意工夫を楽しむことができます。

 

多肉植物はそのままでも魅力的ですが、飾り方を工夫することで多彩なアレンジのできる自由度の高さも人気の秘訣です。

多肉植物の種類

多肉植物は分類学上、リュウゼツラン科、サボテン科、ベンケイソウ科、ハマミズナ科、キョウチクトウ科、ディディエレア科、トウダイグサ科、ツルボラン科、スベリヒユ科に分かれますが、園芸の世界ではサボテン科を除き、科の下の属の単位でグループ分けしています。

 

では有名な属を見ていきましょう。

セダム属

セダム属

葉が小さく肉厚でぷっくりとしているセダムは、一番身近で多肉植物らしい多肉植物です。

 

暑さや寒さや乾燥にも強く、日当たりの良いところを好みます。日本の夏の高温多湿環境下での蒸れに弱いところはありますが、日本の気候になじみやすく育てやすい多肉植物です。

 

丘のように小高く群生するマウンドタイプ、茎が下に垂れるタイプ、上向きに伸びて群生するタイプがあり、マウンドタイプはビルの屋上緑地化にも使われます。下に垂れるタイプはハンギングにもよく合います。

 

「虹の玉」が有名です。プリッとしてツヤツヤの立体的な葉が特徴です。はっきりとした色合いで、寄せ植えの時の欠かせないメンバーです。

ハオルチア属

ハオルチア属

ハオルチア(ハオルシア)属は500種類ぐらいの品種があると言われ、ほとんどの種類は春と秋に成長期を迎える春秋生育型で、柔らかい葉の「軟葉系」と硬い葉の「硬葉系」に分かれます。

 

軟葉系は葉の先端部分が透明なことが特徴的です。この部分は窓とよばれ、体内に光を取り込むために進化したと言われます。葉が柔らかく透明感があります。硬葉系はシャープな形状の葉が特徴です。緑の三角形の尖った葉に白い縞模様が広がっています。

 

ハオルチアは岩陰に生息している植物のため、直射日光ではなく間接的な光を好み、そのため室内向けのインテリアプランツとして人気があります。

 

代表的な品種は硬葉系の「十二の巻」です。単色の多い多肉植物の中で、独特の縞模様を持つ葉はアクセントになります。成長の遅い植物ですので、コンパクトに育てたいという人に向いています。

アエオニウム属

アエオニウム属

アエオニウムは冬育成型の多肉植物です。灌木状に茎立ちし、その先に葉が展開して整った形のロゼットのような形をつくります。

 

代表的な品種は「カシミアバイオレット」です。葉が成長するとだんだん濃い赤紫色へと変化していきます。

アエオニウム属

クラッスラ属

クラッスラ属は種類が豊富で、ユニークな形状の品種も多いです。

 

代表的な品種はなんと言っても「金のなる木」です。葉も茎も多肉質で寒さに強く枯れにくいことから、縁起物の植物として古くから栽培されていています。しかしその名前とは違って、実は木ではなく多肉植物です。

多肉植物を育てる上の準備

多肉植物

苗の準備

園芸店やホームセンターで、お好きな苗を購入してください。このあと鉢と土の説明をしますが、園芸店のようなプロのいる店の場合、土屋肥料のバランスなどがもうできていて、土に手を加えないほうが無難な場合がありますので、お店の人に聞いてみましょう。

鉢と土の準備

多肉植物はもともと水はけの良い土を好みますので、土がいつも湿っているのは良くないです。端に水を貯める性質を持っていますので土の水が多すぎると腐って枯れてしまいます。そのため植木鉢は底に穴があいているタイプが良いです。サイズは根が窮屈にならないていどの大きさ(深さ)のものが良いです。でも、ベンケイソウ科の多肉植物は根を張る速度が遅いので浅めの鉢でも大丈夫です。素焼きの鉢なら通気性が良くてグッドです。

 

土は、鉢の底に鉢底石を敷きます。軽石や黒曜石でできていて、土が乾きやすくなります。その上に土を入れます。園芸用の土をベースにして川砂や赤玉土や鹿沼土を混ぜるのですが、初心者のうちは園芸店で販売されている多肉植物用の土を使うほうが良いでしょう。

 

多肉植物の種類によって土を使い分けます。水を好むキク科には、保水性の高い目の細かい土を選びます。ベンケイソウ科には、目が中程の土を選びます。サボテン科やハオルチなどの根がしっかりとしたものには、目の粗い土を選びます。

 

また、鉢底石の下には鉢底ネットを敷くのが良いです。多肉植物用の土は粒が細かいので、容器に直接入れると底の穴から土が出てきてしまうためです。また、受け皿付きの鉢を選び、水やりをした後に水を捨ててあげると良いです。

道具の準備

スプーン

小さな鉢に植えることが多いので、園芸用のスプーン(古くなったティースプーンなども良いでしょう)を用意しておくと便利です。

 

ピンセット

多肉植物の中には棘の生えているものもありますので、ピンセットがあると便利です。木製のマドラーがあると色々便利なのですが、園芸用のピンセットにはマドラーの代わりになるヘラのついているものもありますので便利です。

 

ハサミ

茎が伸びすぎたり葉が枯れたりしたときに剪定するのに使います。園芸用の先の尖ったハサミを使うと、葉が密に生える多肉植物で元気な方の葉に触らずに済むので良いです。

 

ジョウロ

多肉植物は水に弱いので、葉に水がかかると弱ってしまうことがあります。土に直接水を注ぐことのできる、口の狭いジョウロを選んでください。

 

スコップ

土を入れるのに使います。小さなものが使いやすいです。

多肉植物を育てる上のポイント

多肉植物を育てる上のポイントは2つです。一つ目は苗選びを上手に行うこと、二つ目は夏型種・冬型種・春秋型種の育て方の違いを知ることです。

苗選びのポイント

葉や枝の緑色がはっきりしているものを選んでください。これは光合成がうまくいって元気に育っているということです。
また繊毛で覆われているタイプは、その繊毛がしっかり生えているかどうかを見ましょう。その状態になっていないと日照不足かもしれません。茎がひょろひょろしていませんか?
この状態を徒長といい、栄養不足のサインです。

栄養不足には、うすめずそのまま使える活力液『キュートサボテン・多肉植物用』がおすすめです。

新芽が黒ずんでいると病気にかかっているかもしれません。新芽は害虫の好物なのです。

夏型種・冬型種・春秋型種の育て方の違いのポイント

夏型種は夏の暑さに強く、冬は休眠します。春から秋にかけて成長します。冬型種は秋から春にかけて成長し、夏は休眠します。春秋型種は春と秋に成長し、真夏と真冬は休眠します。

 

夏型種は春から秋にかけて日当たりがよく風通しの良い所に置きます。夏の暑さには強いですが、蒸し暑さには強くないですので、風通しの悪い締め切った部屋に置くと蒸れて枯れることがあります。また雨に当たると蒸れて腐ったり、直射日光で葉が焼けたり、レンズ効果で葉が溶けてしまうことがあります。

乾燥には強いのですが、成長期には土が乾いたら水をたっぷり与えてください。ただし土がすでに湿っているときは水を与える必要はありません。冬になると休眠するので水を与えなくても良いです。

 

冬型種はもともと高山地帯に自生していたため、夏型種に比べると暑さと直射日光に弱いですので、遮光をした明るい日陰で育ててください。直射日光は葉焼けを起こす原因となります。真夏は扇風機を当てて植物の体温と鉢を冷やしたり、除湿の効いた部屋に移すなどで、暑さから避難させて夏を乗り切ってください。冬は、冬型種といってもそれほど寒さに強いわけではないので、屋外ではなく室内で越冬します。冬は直射日光に当てても大丈夫です。

水やりは成長期にはたっぷり与え、休眠期には控えるようにします。

 

春秋型種は夏型種と比べると直射日光に弱いので、夏は遮光してください。冬は日当たりの良い場所に置きます。日のよく当たる窓際などに置き、風通しを心がけ、エアコンの風や加湿器が直接当たらない場所においてください。

成長期の春と秋には土が乾いたら鉢底から水が流れるぐらい水をたっぷりと与え、休眠期の夏と冬には水やりを控えてください。

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多肉植物の植え替え時期

植え替えのタイミング

多肉植物を鉢植えで植えていると、だんだん鉢土の団粒構造が崩れ、土の質が低下していきます。土の質が低下すると水はけが悪くなり、根腐れを起こしてしまうことがあります。土の中の栄養素が減り、成長が鈍くなってしまいます。このため、多肉植物は定期的な植え替えをする必要があります。1年に一度程度は植え替えをするべきだと言われていますが、その他の兆候もあります。具体的には下記のような兆候です。

 

  • 鉢底から根が出ている。根詰まりをおこしてる可能性があります。
  • 鉢いっぱいに生育している。さらに成長するためによりたくさんの土が必要です。
  • 下葉が落ちて、その茎から根が出てきて新しい株になりそうな時。
  • 蒸れたり水やりのしすぎでもないのに外側の葉が枯れてきたら、用土が悪化している可能性があります。
  • 観賞用にいろいろな品種の寄せ植えをしている場合は、成長タイプが違うと育て方が違うので植え替えが必要です。

植え替えの時期

植え替えの時期のポイントは2つです。

 

  1. 成長期に入る前に行う。
  2. 植え替えの直前は土を乾かし気味にする

 

植え替えというのは植物にダメージを与えますので、成長期ならばそのダメージを回復できるのですが、休眠状態である休眠期に植え替えをしてしまうと、多肉植物が枯れてしまうことがあります。

 

その成長期は多肉植物の品種によって異なります。夏型種の成長期は夏ですので、植え替えに適しているのは3月〜6月になります。冬型種の成長期は冬なので植え替えの適期は8月〜11月、春秋型種の成長期は春と秋なのですが、植替えの適期は3月〜5月のほうが良いです。

 

植え替えの前は水やりを控えて土を乾かし気味にしておきます。植え替えの具体的な手順は次節で説明しますが、基本的に苗を土ごと鉢から抜いて、その後土をほぐして取り除いていきます。ですので、土が濡れている状態での植え替えをしてしまうと、根に絡んだ土をほぐしにくく、それを強引に崩すと根を痛めてしまうからです。

多肉植物の植え替えの手順

用土と用具の用意

多肉植物の植え替えで使う土は、園芸店などで販売されている水はけの良い多肉植物専用の土を使います。苗で買ってきたときのまま育てていて、初めての植え替えというときに家にあるピートモスを多く含んだ観葉植物用の土を流用しないようにしてください。ピートモスを多く含んだ観葉植物用の土は保水性が高いために根腐れの原因となります。使い古した用土も土の劣化や病害虫がいる場合がありますので避けます。

必要な用具は、植え替え用の鉢。株より一回り大きなものにします。軽石や日向石などの鉢底石。鉢底ネット。それと割り箸と清潔な園芸用ハサミです。ハサミは熱湯消毒するか、火で炙って消毒しておきます。根に雑菌が入るのを防ぐためです。

植え替えの手順

  1. 植え替え元の鉢から多肉植物をていねいに取り出します。根がなるだけ崩れないように気をつけます。やさしく支えるようにして多肉植物を持ち、無理やり引っ張ったりしないように気をつけながら傾けて抜きます。抜けにくい場合は鉢を軽く叩くなどして隙間を作ります。
  2. 古い土を丁寧に落とします。このとき根の整理もします。茶色く乾燥して干からびていたり、黒ずんだ根は切り取ります。このときハサミが消毒されていないと根腐れの原因となるため、ちゃんと消毒しましょう。
  3. 根が蒸れていると植え替えた後に根腐れを起こすことがありますので、根が蒸れている場合は風通しの良い半日陰になる場所に2〜3日置いて根を乾燥させます。植え替えの前に水やりを控えるのはこのためです。水不足で株の見た目が変わって心配になりますが、これは株へのダメージを減らすための方法ですので心配しなくても大丈夫です。
  4. 植え替え先の鉢に鉢底ネットと鉢底石を入れます。その次に土を鉢の四分の一ぐらい入れます。鉢底石が隠れるぐらいが目安です。
  5. 鉢に値を植えつけ、根回りに用土を流し込みます。多肉植物を置く前に肥料を少し入れておいも良いです。割り箸を使って下部周辺の表土を軽くつき固めて土をなじませます。力を込めすぎると根が傷んでしまうので注意してください。このときに用土に軽く水を通し湿らせて株を固定しても良いですが、与えすぎないようにします。また、最後に割り箸で根を避けて鉢のへりのあたりの土を刺すと良いと言われます。これは水を与えたときに溢れかえってしまうことを防ぐためです。

水やりについて

植え替えた直後は、明るい日陰で土が乾くのを待ちます。このとき水を与えないようにしてください。多肉植物はもともと乾燥地帯が自生地であり乾燥には強いのです。逆に水が多いことに弱いので、このときになんとなく水をたくさん与えてしまいたくなりますが、そのようにしないようにしてください。1週間から10日ほどすると、株の状態が落ち着いてきますので、徐々に土が乾いてきたら、水やりを行います。

多肉植物のお手入れ

水やりの方法

多肉植物はもともと乾燥した地域や高山に自生していて、水の少ない過酷な環境に適応した植物です。そのため水のあげすぎはNGです。多肉植物はほとんどが水でできており、水をたくわえている植物なので、水をあげすぎてしまうと、その水をためきれずに腐ってしまいます。水のたくわえがあるとき多肉植物はぷりっと太っていて、水を欲しているときは葉が少ししおれています。
多肉植物は、夏型種、冬型種、春秋型種の3タイプがありますが、それぞれのタイプで水やりのポイントが異なります。どのタイプでも成長期に水分を必要としますので、夏型種は夏に、冬型種は冬に、春秋型種は春と秋に、月に3回程度水やりをしてください。土の表面が乾いてから2〜3日後に水やりをします。1回の水の量は鉢から水が流れるぐらいです。底穴のない鉢で栽培しているときは、鉢を傾けてよけいな水は捨てます。休眠期は土が乾いていても水やりは不要です。株に直接水を掛けると弱ってしまうので、株を避けて水やりをするようにしてください。

多肉植物の置き場所

多肉植物はほどよく日が当たり、通気性の良い場所に置きます。夏型種と春秋型種は雨が当たらないところで、風通しの良いところです。冬型種は室内の日当たりの良いところで、夏場は鉢の温度が上がりすぎないように注意します。どのタイプも夏の直射日光には当てないようにします。葉やけしたり、土の温度が上がりすぎて根を痛めてしまいます。多肉植物は蒸れに弱いので、水やりをした後は換気をするのも良いです。窓辺やベランダは通気性が良いので多肉植物を育てることのできる場所ですが、雨水がかからないようにしましょう。

肥料の与え方

多肉植物はもともと栄養の少ない環境に適応した植物ですので、とくに用土を肥沃にしなくても、適切な用土と水やりで育つことができます。しかし元気な状態を保つためには、肥料を与えましょう。成長期に月1回〜2回程度、2,000倍に薄めた液体肥料「ハイポネックス原液」を少しだけ与えてください。もしくは、植え替えのときに根焼け、肥料焼けの心配が少ない緩効性肥料「マグァンプK大粒」を少し混ぜておいても良いです。一般的な水溶性の肥料が多すぎると肥料焼けがおこす場合があります。また、用土の栄養分が多すぎて根の水分が減って弱ってしまう症状です。

多肉植物の置き場所

多肉植物がもともとの姿や期待していた姿とは違って、ひょろひょろと長く伸びたりしていることはないでしょうか。この症状を徒長(とちょう)といいます。徒長は日照不足などが原因で起こりますので、多肉植物の置き場所を変えて住み替えを行うか、伸びた部分を剪定してしまいましょう。ここでは置き場所について説明します。

徒長とはなにか

多肉植物の徒長とは、葉は膨らんでいるのに茎がひょろひょろしていて、葉と葉の間に茎が見えてしまっているような状態です。徒長は主に日照不足によって起こります。陽の光を追い求めて先へ先へと伸びてしまうのです。徒長を放置しても多肉植物が枯れてしまうわけではありませんが、一度徒長した植物が縮むことはないので、見た目が悪くなります。また害虫に弱くなってしまうとも言われます。
徒長は日照不足以外にも、水分過多で起こる場合や、栄養過多や栄養不良によっても起こります。まずは徒長の予防とこれ以上の防止のために、原因別に対策を見ていきます。

日照不足による徒長

多肉植物は光合成のために暖かく日当たりの良い場所を好むので、日光を求めて伸びていきます。そのためひょろひょろと長くなってしまいます。
この場合は日当たりの良い場所に多肉植物を移してあげましょう。しかし夏の直射日光はきつすぎて葉が焼けてしまう場合がありますし、冬も屋外や窓際は寒すぎて枯れることがあります。まめに移動をして日当たりの良い場所に置きつつ過酷過ぎる場所を避けるようにしてください。季節ごとに場所を移動させるのも良いでしょう。

水分過多による徒長

葉は膨らんでいるのに茎が細くひょろひょろとなるときは水分が多すぎる可能性があります。この状況で日照不足も加わると短期間に伸びてしまうことがあります。水は鉢の土が完全に乾いたらやるようにするにしましょう。

肥料による徒長

葉が貧弱なのに茎だけが伸びてしまい、葉がぽろぽろと落ちてしまうような場合は栄養不良が考えられます。この際は用土を新しいものに取り替えるか、追肥をします。
栄養過多の場合も伸びすぎてしまいます。もともと砂漠などの栄養の少ない土地に自生している多肉植物は、栄養分が多すぎると成長のスピードが速くなり、本来の形が変形してしまうのです。

 

徒長を見分けることは難しいですが、なにか様子が変で、細長く伸びすぎているようだと感じたときは、まずは日照不足を疑い、多肉植物をまめに動かしてみるようにしてみましょう。

多肉植物の剪定

植物を育てるにあたって剪定は必要なことです。多肉植物の場合も例外ではありません。多肉植物の茎や葉が伸びすぎてしまうと見た目が悪くなりますし、根が葉や茎を支えきれなくなってしまいます。鉢植えの多肉植物は根の成長に限界がありますので、剪定をせずにいると、栄養が行き渡らなくなって、最悪の場合枯れてしまうこともあります。また、多肉植物が無くなってしまって溶けるような腐り方をした場合は風通しの悪さが原因です。この場合は腐った部分を取り除かなければなりません。

 

そのため多肉植物は定期的に剪定する必要があります。

 

とくに徒長した場合は、徒長した部分が縮んで元に戻ることはないので、思い切って伸びすぎた部分を切ることで長さを揃えて仕立て直すということができます。

剪定の時期

剪定は多肉植物に負担をかける行為ですので、多肉植物の成長期に剪定を行いましょう。多肉植物には夏型種、冬型種、春秋型種がありますので、それぞれ夏、冬、春秋の成長時期に合わせます。

剪定の道具

剪定はカッターで行います。
切り取った部分を捨ててしまう場合はカッターだけでよいですが、伸びすぎてカットした苗の切断面が十分に乾いたら、土に挿し木して増やすことができます。これを葉挿しや株分けといいます。これのやり方は次章で説明しますが、挿し木をするのなら他に道具としては、小さなペットボトルやガラス瓶などの茎を立てておく容器と、多肉植物用の土と新しい植木鉢が必要です。

剪定の方法

選定する部分をまず決めます。徒長している部分や、無駄に葉が重なり合ってバランスを崩している部分や、日当たりが悪くなっている部分の、じゃまになっている葉や株を切り離します。

 

多肉植物の剪定では、頭の部分から数センチメートル下を切り、先端の葉を数枚だけ残しておきます。頭を刈り取った茎の部分は残しておいてください。多肉植物が枝分かれするタイプである場合は、一番太い茎だけを残してあとは切り離すのも良いでしょう。

多肉植物の増やし方

多肉植物を増やすには、葉挿し、挿し木、株分けの3つの方法があります。

葉挿しのやり方

葉挿しはとれた葉を土の上に置いておくだけで、株を増やすことができます。品種によって向いているものと向いていないものがありますが、基本的には1枚の葉を、新しい土を入れた鉢にのせておくだけです。

まず、多肉植物の葉を用意します。剪定のときにとった葉でもいいですし、元気な苗から葉をとっても良いです。水分不足でカラッカラになっているものは避けます。

鉢に通常と同じように鉢底石と用土を入れます。用土は市販の多肉植物用の土が良いですが、古い土の使い回しではなく、新しい土を用意しましょう。土は乾燥していなければなりません。その土の上に切り取った葉を並べ、鉢を風通しの良い日陰に置きます。

この状態で数日から1ヶ月ほど経つと根が出てきます。ここまで水やりはしないでください。根が湿ると腐ってしまいます。根が外に出ている場合は上から軽く土をかぶせます。ここまできたら、日なたに移動して霧吹きなどで軽く水をやり始めてください。後はじっくり成長させて植え替えます。

挿し木のやり方

徒長して伸びすぎてしまった多肉植物や、脇芽の伸びている多肉植物は、本来のフォルムが崩れてしまっていて残念な見た目になってしまっています。鉢が倒れるなどの被害にもつながります。そんなときは挿し木がおすすめです。まず、親株の根本の少し下をカットします。このとき茎に葉っぱが残っている場合は葉を取ります。その後3〜4日ほど切り口を乾燥させます。このとき、水は一切やりません。乾燥させるときに、剪定のところで紹介したペットボトルやガラス瓶などの茎を立てておく容器を使うと、真っすぐ伸びて植えやすくなります。ひっくり返した素焼きの鉢や、百均で売っているカゴを使っても良いでしょう。数日経つと切り口から根が生えてきますので、鉢に植え替えます。風通しの良い日陰に置き、水やりはすぐにはしないで、1週間から10日後から行います。

挿し木で増やせる多肉植物

  • セダム
  • クラッスラ
  • アエオニウム
  • パキフィツム
  • カランコエ

株分けのやり方

もともとある親株のまわりに新たな子株が発生しているような場合に、この子株を切り離して別の鉢に植えるのが株分けです。株分けは土が乾いている状態で行います。そのため、株分けを行う1〜2週間前から水やりを控えて土を乾燥させます。まず、作業の前にカットに使うハサミを消毒します。熱湯消毒するか、火で炙ります。株を土から抜きます。そのときは、軽く鉢を叩き土に隙間を作ってから、ピンセットを差し込んで持ち上げるようにして株を取り出すとよいです。その後新聞紙の上などに置いて土をしっかり落とします。値が長すぎる場合はカットして揃えます。株分けの出きるタイプの多肉植物は、親株と子株が地下茎でつながっていますので、これをハサミで切り離します。どちらにも株に根がついている状態にします。切り口を乾燥させてから新しい土に植えます。この除隊で水をやると切り口が腐ってしまうので、1週間から10日は水やりをせず、その後に水やりをしましょう。

 

株分けで増やせる多肉植物

  • アガベ
  • エケベリア
  • ハオルシア
  • クラッスラ
  • センペルビウム
  • コノフィツム・メセン類

多肉植物の病気や害虫

多肉植物は丈夫で育てやすいことが特徴ですが、それでも病気になったり害虫がつくことがあります。

うどん粉病

うどん粉病はカビで葉が白くなる病気です。カビが繁殖して白くなった部分では光合成がうまく行えなくなり、放置すると葉が枯れ、繁殖した菌が他の植物に移って被害が増えます。土や落ち葉の中にいる糸状菌というカビが原因で、風に飛ばされて他の植物で増殖します。5月〜6月と9月〜11月の晴日と雨日が交互に繰り返すころが発生しやすい時期です。かかってしまったら、専用の薬を散布します。それでも効果が出ない場合は、病変した部分をカットするか、その植物を株ごと捨てて周囲の植物への蔓延を防ぎます。

アブラムシ

アブラムシは春から秋、とくに3月〜5月に多く発生する害虫です。新芽や葉の裏にくっついて吸汁し生育を阻害します。アブラムシ対策には肥料やりと同時にアブラムムシ退治ができる液体肥料「ハイポネックス原液殺虫剤入り」がおすすめです。

カイガラムシ

カイガラムシは大きさや形などが様々で、これまでに国内で約400種が発見されています。白い貝殻に似た姿だったり茶色い綿毛のようなものだったりとさまざまですが、どれも吸汁加害です。寄生すると植物の栄養分を吸汁し、排せつ物がさまざまな病気の原因にもなります。カイガラムシは消毒用アルコールを塗布したピンセットなどで葉を傷つけないように注意しながら除去します。

ネジラミ

乾燥している土の根につきやすい白い綿のようなもので覆われた吸汁性の害虫です。体長は1㎜程度。対策は水で洗い流します。

ハダニ

ハダニは0.5mm程度のサイズで非常に小さく、黄緑や暗赤色の姿をしています。葉や茎などの柔らかい部分が被害にあいやすく、被害にあった部分は緑色が抜けて、白っぽくなったり黄色っぽくなったりします。ハダニは水に弱く流されやすいので、勢いのある流水をかけることで、ある程度駆除することができます。

ナメクジ

日中は鉢の裏などに潜み、主に夜間に出てきて多肉植物を食い荒らします。上を這われると跡になり株の美観が損なわれる原因になります。這った跡は白く光ります。跡があったらナメクジがどこかに潜んでいます。ナメクジ退治には雨・湿気に強くJAS(日本農林規格)が定める有機農産物にも使用できる「ナメトール」がおすすめです。

多肉植物の寄せ植え

多肉植物は色や形状が豊富なので、いくつかの種類を組み合わせて鉢に植える寄せ植えによって、さまざまなコーディネートを楽しむことができます。

寄せ植えの作り方

多肉植物の苗と土と鉢と、抜いた苗を並べておくためのトレイと、土を落とすときに敷く新聞紙等を用意します。またピンセットと消毒したハサミを用意します。苗を今生えている鉢から出し、土を落として、根をほぐしながら並べていきます。このとき長かったり枯れたりしている根があればカットします。苗が大きすぎる場合はここで剪定しても良いです。
最後に苗を新しい鉢に入れます。鉢の底には鉢底石を敷き、多肉植物用の土を入れ、多肉植物と土との間に隙間ができないようにピンセットで押し込みます。

鉢の選び方

「鉢」と書いてきましたが、どのようなものに植えるかはさまざまなバリエーションがあり、工夫次第となります。ここではポピュラーなものをあげます。

 

グラスなどの透明な容器

徒長した多肉植物から作った小さな株は小さな容器にも入ります。
多肉植物は少ない水で栽培できるので、色付きの砂(カラーサンド)も使えます。透明な容器とカラーサンドの組み合わせはとてもきれいです。

 

食器

卓上を飾るのに、食器そのものを使うとかわいらしいです。真っ白な陶器だと清潔感がありますし多肉植物のカラフルさが映えます。茶器のような和風の陶器だとシックな印象になります。マグカップやステンレス製のアイスカップもいけます。

 

ブリキ缶

ブリキは多肉植物と相性が良く、寄せ植えの定番です。ナチュラルでワイルドなイメージになります。

 

木材

同じ植物同士ですのでナチュラル感が溢れます。樽を輪切りにしたようなものでも良いですし、流木や切り株などを使ってみるのも雰囲気が出ます。

コーディネートの仕方

多肉植物は色が豊富なので、色々な色の組み合わせが楽しめます。同系色でまとめるのが基本で、グリーンだと落ち着いた雰囲気が、赤系統だと華やかな雰囲気が出ます。様々な色でまとめると、自然界の色とは思えないようなカラフルさがでます。同系色の色でもさまざまな種類がありますので、グリーンからブルーへと変わっていくなど、グラデーションを作って楽しむこともできます。エレガントです。
また形状で組み合わせることもできます。上に伸びるタイプの多肉植物を中心にして周りに低い多肉植物を組み合わせたり、小さな葉を持つ多肉植物をみっしりと植えてフラワーアレンジのようにしたり、瀬の高い鉢に垂れるタイプの多肉植物をアレンジしたりします。

 

はじめての方にもとても管理のしやすい多肉植物。

多肉植物はそのままでも魅力的ですが、飾り方を工夫することで多彩なアレンジを楽しむことができます。
毎日、鑑賞、観察することで、多肉植物の状態を確認し適切な対処を行い長く楽しみましょう。

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