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【ユリの育て方】初心者でもできる!球根から始める栽培ガイド

【ユリの育て方】初心者でもできる!球根から始める栽培ガイド

ふんわりと香る花と、すらりとした姿が美しいユリ。咲くだけで庭やベランダがぱっと華やかになります。
種類によっては初心者でも育てやすいのがユリの魅力です。

今回は、そんなユリの育て方をご紹介します。

【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介

☘128:ユリの育て方|きれいな花を咲かせるには?水やりや肥料など日々の管理もご紹介

ユリの育て方|特長と魅力

ユリは大輪の美しい花を咲かせる多年草です。花の色は白が有名ですが、黄やオレンジ、赤、ピンク、複色など、さまざまな色が存在します。

草丈は品種によって大きく異なり、50cm程度のものもあれば2m近く育つものもあります。

また、ユリの原産地は北半球の温帯で、日本原産のものも多数存在します。

現在では世界各地でさまざまな園芸品種がつくられていますが、日本のユリが元になっている花も少なくありません。

ユリの育て方|主な品種と系統

品種選びは、ユリ栽培を成功させるための第一歩です。

ユリの主な品種として、「オリエンタル系(オリエンタル・ハイブリッド)」や「スカシユリ系(アジアティック・ハイブリッド)」、そして「テッポウユリ系」などが挙げられます。

まずは、それぞれの系統の特長を知っておきましょう。

オリエンタル系

日本には10種類を超えるユリが自生しているといわれています。

日本原産のユリを交配してつくられたのが「オリエンタル系(オリエンタル・ハイブリッド)」と呼ばれる種類です。

大輪の美しい花をつける品種が多く、華やかな香りが漂います。オランダでつくられた有名品種の「カサブランカ」もオリエンタル系です。

スカシユリ系

スカシユリは海岸の近くで見かけることの多いユリです。やや小型で、上を向いた花を咲かせます。

花びらの付け根が透けて見えることからこの名前がついたとされています。北海道をはじめとする寒い地域に自生する「エゾスカシユリ」や「ヒメユリ」などの仲間が有名です。

エゾスカシユリやヒメユリなどを交配してつくられたのが「アジアティック・ハイブリッド」と呼ばれるスカシユリ系の種類です。

上向きの花を咲かせるものが多く、香りはオリエンタル系と比較して控えめです。

テッポウユリ系

テッポウユリは、ラッパ型の優美な花姿とやさしい香りが特長です。日本の屋久島や沖縄などに自生しているユリのひとつで、「琉球百合」とも呼ばれています。

開花時期は7〜8月で、高さは80~150㎝と背が高く育ちます。白や黄色の花が横向きに咲き、茎が成熟すると1本に12〜20輪もの花をつけることもあります。

ユリの育て方|基本の栽培方法

ユリ

ユリにはさまざまな品種があり、少しずつ性質が異なります。ご自宅で育てる場合は品種を確認し、どういった環境を好むユリかを調べておきましょう。

こちらでは、多くの品種に共通するユリの基本的な育て方をご紹介します。

土づくり

ユリの好む土は品種によって異なりますが、基本的には水はけの良いものを用意しましょう。

『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』がおすすめです。水はけが悪い場合は砂を混ぜてあげましょう。

植えつけ

ユリは球根を入手して育てられます。植えつけ適期は10月~11月です。冬を乗り切れるように、早めに植えて根が張るまで育てておきましょう。

ユリの球根の上部からは上根、下部からは下根が伸びてきます。両方の根をしっかりと張ることで丈夫な株に育つため、深植えにして根が伸びるスペースを確保するのが大切です。

植えつけの際は、球根2個~3個分の深さに穴を掘り、球根を入れて土をかぶせます。

下根が出ている場合は、広げてから植えつけてあげます。上下をさかさまにしないよう、しっかりと確認しましょう。

肥料

ユリの場合、上根と下根の両方に施肥するのがポイントです。

下根用の肥料は植えつけ時に元肥として与えます。下根の張る鉢底の土などに、『マグァンプK中粒』を混ぜておきましょう。

上根用の元肥は球根から少し上のほうの土へ混ぜておきます。

発芽したら『プランティア 花と野菜と果実の肥料』で追肥を行い、生育期間になったら1週間~10日に1回の頻度で液体肥料の『ハイポネックス原液』を与えましょう。

水やり

ユリの水やりは土の表面が乾いたタイミングで行います。地植えの場合は降雨に任せてかまいません。

ただし、雨が降らない日が続いたら水を与えます。また、ユリは花が枯れたあとも球根で冬越しを行います。

植えっぱなしにする場合は、休眠期に入るため水やりは控えめにしましょう。土の乾燥に注意し、乾燥を感じたら水やりをしてください。

花がら摘み

開花が終わりに近づいたら、自然に花がらが落ちる前に摘み取ってしまいましょう。そのままにしておくと種をつけはじめ、球根の栄養が奪われてしまいます。

葉は球根を肥大させるために、できるだけ残しておきます。自然に枯れるまで待ってから、地上に出ている部分を刈り取ります。

ユリはそのまま植えっぱなしにしても翌年には再び芽を出してきます。移動させたい場合は掘り上げて良いですが、乾燥を防ぐため、すぐに別のところに植えつけしましょう。

ユリの育て方|支柱立てと管理

草丈が高くなる品種では、開花期に花の重みで倒れてしまうことがあるため、早めの支柱立てが重要です。

切り花の楽しみ方や夏の暑さを乗り切るための対策も、長く健やかに育てるために欠かせません。

支柱立ての時期と方法

支柱は、蕾がついた時点で支柱を立てて誘引してください。支柱の高さは、成長後の草丈の3分の2ほどを目安に選びましょう。

特にオリエンタル系やテッポウユリ系のように、花が大きく草丈が高い品種では、花の重みで倒れやすいため支柱が欠かせません。

切り花として楽しむコツ

ユリを切り花として楽しむなら、収穫は朝がおすすめです。早朝は茎に水分がたっぷりと含まれており、花もちがよくなります。

また、茎全体の3分の1以上を残すように切るといいでしょう。

夏越しの注意点

関東以西のように暑さの厳しい地域では、根元の温度管理が大切です。

たとえば夏場は、土の表面をマルチで覆い、地温の上昇をやわらげることで根を涼しく保つことが出来ます。

これにより、株の負担が軽減し、安定して夏越しができます。

ユリの育て方|病害虫対策と管理

ユリ

ユリは育てやすい植物ですが、元気に育てるには病気や害虫への注意が必要です。

特に湿気が多い時期や成長期には被害が出やすくなります。

ここでは、ユリによく見られる病害虫と、その予防や対策、日ごろの管理のコツをご紹介します。

アブラムシ対策

ユリを育てるときに気をつけたいのがアブラムシです。気温が上がると発生しやすくなり、ユリの茎や葉、蕾などを枯らしてしまうことがあります。

肥料と殺虫剤がひとつになった『ハイポネックス原液 殺虫剤入り』で駆除しましょう。

植えかえ

鉢植えのユリは、毎年植かえを行います。地植えの場合は2年~3年は植えっぱなしで大丈夫です。

適期は植えつけと同じく10月~11月です。そのころには地上部が枯れて球根だけの状態になっているため、土から掘り上げて別の鉢や花壇などへ植えつけましょう。

植えかえ時は球根から出ている根を傷つけないよう、優しく扱うのが大切です。

分球

ユリの増やし方には、球根から鱗片を採取して植える「鱗片挿し」や、「むかご」や「木子」などの採取、種まきなど、さまざまな方法があります。

いずれの方法も開花までに数年かかることが多いため、ご家庭では「分球」で増やすのがおすすめです。

ユリの球根は、土のなかで自然に分球し、子球ができていることがあります。球根を掘り上げた際に子球のついたものを見つけたら切り離し、新しい球根として植えつけてみましょう。

これまで同様に育てていけば、次のシーズンには発芽して花を咲かせてくれるかもしれません。

ユリの育て方|特殊な栽培方法

ユリ栽培には、冷蔵ユリや食用ユリ(ユリ根)などの特殊な栽培方法があります。

なかでも冷蔵ユリは、家庭でも手軽に取り入れられるため、ガーデニングの幅を広げたい方におすすめです。

冷蔵ユリとは?

冷蔵ユリとは、冷蔵処理されたユリの球根を使った、元々は切り花の商業生産で用いられる栽培技術です。

この方法では、人工的に低温にさらした球根を用いて開花時期を調整するため、季節を問わず花を楽しめるのが魅力です。

ただし、温度管理や植えつけ時期に注意が必要なため、基本的な栽培に慣れた方におすすめの方法です。

冷蔵処理の一例としては、2℃で1週間、5℃で1週間、15℃で3日間など、段階的に温度を上げて処理する方法があります。

この技術を家庭でも応用すれば、冷蔵庫の野菜室を利用して春植えのユリ栽培を楽しむことが可能です。

人工的に冬を経験させることで、春に植えたときにユリが自然と花を咲かせるように誘導できます。

冷蔵ユリの育て方

まずは、秋に掘り上げた球根を湿らせたピートモスやおがくずと一緒にビニール袋へ入れます(口は閉じません)。

それを冷蔵庫の野菜室(2〜5℃)で保管しましょう。保管期間は品種や目的によって異なりますが、家庭での保存は数週間程度が目安です。

春になって気温が上がったら、通常どおりに植えつけます。

冷蔵することで、開花時期を通常よりも遅らせることができ、夏の切り花の少ない時期に花を咲かせられます。

食用ユリ(ユリ根)の栽培

食用として栽培されるユリは、観賞用とは異なり、専門性の高い分野です。

まず、食用ユリの代表的な品種として、北海道で広く栽培されている「白銀(はくぎん)」があり、収穫までにおよそ4年の歳月がかかります。

栽培期間中は毎年つぼみを摘み取り、花を咲かせないよう管理することで、球根に栄養を集中させて徐々に大きく育てていきます。

長期的かつ丁寧な管理が必要なため、家庭菜園というよりは農業に近い取り組みといえるでしょう。

ユリの育て方|よくある質問と対処法

ここでは、ユリ栽培に関する質問と回答をご紹介します。

下記をあらかじめ知っておくことで、いざという時にも落ち着いて対応できるはずです。

球根は植えっぱなしでもいい?

スカシユリ系や多くのオリエンタル系など耐寒性のある品種であれば、植えっぱなしでも問題ありません。

ただし、排水性の悪い場所では、冬の間に球根が腐るリスクがあるため注意が必要です。

そのような場合、排水性を改善するか、鉢植えにするなどして、余分な湿気から球根を守ってあげましょう。

花が咲かない原因は?

ユリが咲かない原因でもっとも多いのが、日照不足です。

ユリは日当たりのよい場所を好むため、特にスカシユリ系は十分な日照が得られる場所に植えることが基本となります。

掘り上げた球根の保存方法は?

球根を掘り上げた場合は、まず土を軽く落とし、風通しのよい場所で2日〜3日ほど乾かします。

その後、湿らせたピートモスやおがくずと一緒に通気性のある容器に入れ、冷暗所で保管してください。

乾燥しすぎないよう注意し、定期的に状態を確認して、カビや傷みがないかチェックすると安心です。

翌年の花つきをよくするには?

翌年も美しい花を咲かせるためには、花が終わったあとすぐに葉を切らないことが何より大切です。

葉が自然に枯れるまで残すことで、光合成によって球根にしっかりと栄養が蓄えられます。

また、葉が自然に枯れるまでの間、月1~2回程度液体肥料『ハイポネックス原液』を与え、球根の充実をサポートしてあげましょう。

おわりに

ユリは適切な栽培方法を身につければ、初心者の方でも美しい花を咲かせることができる植物です。

日当たりと水はけのいい環境を整え、基本的な管理を心がけてあげれば、毎年美しい花を楽しめます。

今回ご紹介した栽培のコツを参考に、ぜひユリ栽培に挑戦してみてください。

公開:2020年7月24日
更新:2025年8月18

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