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小松菜(コマツナ)の育て方|プランター栽培から連作障害対策まで解説

小松菜(コマツナ)の育て方|プランター栽培から連作障害対策まで解説

コマツナは、炒めものやおひたし、スープなど幅広い料理に使える、家庭でも親しまれている葉物野菜です。

種まきから30日~40日程度で収穫でき、年中栽培が可能なので家庭菜園でも育てやすい点が魅力です。

また、コマツナは寒さにも暑さにも強いため、初心者でも失敗しにくい野菜といえるでしょう。

この記事では、小松菜栽培の基本から実践的なポイントを解説します。必要な知識をまとめていますので、これから小松菜づくりに挑戦する方も、ぜひ最後まで参考にしてみてください。

【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介

☘166:コマツナの育て方|美味しく収穫する方法は?植えつけ方法や、水やりと肥料の与え方などもご紹介

小松菜(コマツナ)の育て方|基礎知識

コマツナはアブラナ科の結球しない葉物野菜です。江戸時代から栽培されてきた日本を代表する野菜のひとつです。

家庭菜園やプランター栽培でも育てやすく、初心者向けの野菜ともいえるでしょう。

まずは、コマツナの基本情報を見ていきます。

コマツナとは?

小松菜

コマツナという名前は、東京都江東区小松川が発祥地であることに由来するといわれています。

ほうれん草と比べてアクが少ないため、下ごしらえが簡単に済むのが特長です。炒める、ゆでる、和える、スープに入れるなど、さまざま調理方法で楽しむことができます。

コマツナは栄養価が高い

コマツナは栄養価の高い野菜です。βカロテンやビタミンC、カルシウム、葉酸、鉄分、などのミネラルを多く含みます。

クセのない味で軽くゆでても食べられますし、歯ごたえもシャキッとしていて漬物の具材としても人気です。

コマツナは一年を通して出回る野菜ですが、特に霜に当たった旬のものは甘みが増し、栄養価が高くなります。

小松菜(コマツナ)の育て方|主な品種

家庭菜園を楽しめる品種は、ホームセンターや園芸店などで手に入ります。

適応力が非常に高いため、基本的にどの品種も育てやすいのが特長です。

ここでは、栽培時期に応じたコマツナの主な品種をご紹介します。

春・秋まき向け品種

春と秋はコマツナ栽培の最適期です。

気温が安定しているため、耐病性や晩抽性(トウ立ちしにくい性質)に優れた品種が多く、収穫を長く楽しむことができます。

さくらぎ

草姿が立性であるため、収穫作業が簡単に進められるのが特長です。

萎黄病と白さび病に耐性があり、中早生品種として安定した収穫が期待できます。丈夫で育てやすい、初心者にも育てやすい品種です。

きよすみ

春から初夏の栽培に適した品種です。濃緑色で歯切れが良い葉をしています。

収穫可能な期間が長いため、自分のペースで収穫できます。

いなむら

高温期に強い晩生品種です。株張りがしっかりしており、湿気の多い環境でも栽培できます。

充実した株に育つため、大きくて重く、歯ごたえのある葉を収穫できるでしょう。

夏栽培に強い品種

夏の高温期は小松菜栽培で難しい時期のひとつです。高温により生育が早まり、軟弱徒長しやすく、害虫の活動も活発になります。

そのため、小松菜の夏栽培では耐暑性が高く、高温期にじっくり生育する品種を選ぶと安心です。

つなしま

高温期でも葉がよく育つため、軟弱にならず丈夫な株が収穫できます。

立性で、濃緑色のツヤのある葉を持ちます。

菜々子

高温と病気に強い品種です。高温期に間延びせず、高温乾燥下でよく生育します。

葉色が濃く食味に優れ、萎黄病への耐性もあります。

夏蒼天・夏楽天

どちらも夏向けに特化した品種です。夏蒼天は多収性が特長で、量を重視する栽培に向いています。

夏楽天は生育が早く、歯切れもよいため、短期間での栽培に適しています。

周年栽培・家庭菜園向け品種

周年栽培向けの品種は暑さ・寒さに強く、露地栽培でも育てやすいのが特長です。

プランター栽培や短期間で収穫したい方は、早生品種がおすすめです。

はっけい

寒暖差に強く一年中栽培でき、萎黄病や白さび病への耐性があります。立性で作業がしやすく、露地栽培に適しています。

スピード小松菜

短期間で繰り返し栽培できる品種です。生育が早いため、プランター栽培に向いています。

ベランダのような限られた空間でも育てやすいのが特長です。若い葉は、柔らかく、そのまま食べることもできます。

小松菜(コマツナ)の育て方|基本の栽培方法

小松菜

コマツナの栽培時期

コマツナは冷涼な気候を好む野菜で、生育適温は15℃~25℃、発芽適温は20℃~30℃です。

耐暑性や耐寒性にも優れているため、厳しい寒さの冬を除けばほぼ周年栽培が可能です。

種まきは3月~11月、収穫時期は4月~12月が目安にしてください。

周年栽培を行うには、春まき・夏まき・秋まきと種まきの時期をずらすことで、長く収穫を楽しむことができます。

特に、秋まきのコマツナは害虫被害が少なく、霜や寒さに当たってさらに甘みが増すのが特長です。

コマツナが好む栽培環境

小松菜

コマツナは、日当たりと風通しの良い場所を好みます。

直射日光に長時間当たる場所や、西日が強い場所は避けましょう。

また、連作障害を避けるため、アブラナ科の野菜を育てた場所での栽培は、1年~2年程度間隔を空けてください。

鉢植え・プランター栽培

コマツナは露地栽培だけではなく、プランターや鉢でも栽培できます。

プランターは、長さ40cm、深さ15cm以上のものを用意してください。

少量の株を育てる場合は、鉢植えを使うこともできます。

土づくり

小松菜土作り

コマツナは、有機質に富んだ弱酸性(pH6.0~pH6.5)の土を好みます。

水はけと水もち、どちらも優れたバランスの良い土壌が理想ですが、極端な粘土質土壌を除いたほとんどの土壌で栽培ができます。

地植えの場合

種まきの2週間前までに1m2あたり100g~150gの苦土石灰を混ぜ込んで畑の酸度を調整しましょう。

また、1m2あたり1kgの堆肥を混ぜ込み、水はけと保水性の良い環境をつくります。

1週間前になったら『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を混ぜ込んでおきましょう。

土が完成したらコマツナの種を植える場所に、幅75cm、高さ10~15cm、条間15~20cmになるように畝を立てます。

鉢植えの場合

プランターや鉢植えの場合、『今日から野菜 野菜を育てる土』を使うと便利です。

種まき

小松菜種まき

コマツナには春まき・夏まき・秋まきの3回、種まきのタイミングがあります。

発芽適温は20℃~30℃が目安となるので、晩秋までには種まきを行いましょう。

地植えの場合

幅75cm、高さ10~15cm、条間15~20cmの畝に種をまく場合は、2列になるように条間は15cmくらいでまき溝を作ります。

支柱や棒を使って深さ1cmのまき溝を作ったら、1cm間隔で種を条まきします。

種をまいたら周りの土を寄せて覆土し、上から手で軽く押さえます。最後に種が流れないように気をつけて水やりをします。

鉢植えの場合

プランターに鉢底石を入れて水はけを良くします。その上に土をプランターの8分目まで入れ、ウォータースペースを残しておくことがポイントです。

土を入れたら支柱などを使って3mm~5mm程度のまき溝を作り、1cm間隔で種を条まきします。

標準サイズの65cmプランターであれば10cm~15cm程度間隔を空けて2列にまいてください。

種をまいた後は、厚さ5mmくらいになるように覆土して、種が流れないように手で軽く押さえて固定します。

コマツナの種まきは、発芽の時期がバラつかないようにまき溝を同じ深さにするのがポイントです。

農薬を使わずに育てる場合は害虫被害に遭いやすいので、種まきをしたら防虫ネットをかけるなどして対策をします。

また、秋頃に種まきをする場合は、寒冷紗被覆をかける、またはビニールトンネルを設置して寒さ対策をしましょう。

プランター栽培の場合、発芽までは土が乾燥しないように湿らせた新聞紙を上にかけておくのもおすすめです。

水やり

小松菜水やり

コマツナは生育段階や栽培方法によって水の与え方に注意しましょう。

種まきから発芽まで、芽が小さい間は土が乾かないようにこまめに水やりを行います。種や小さな芽は水の勢いで流れたり、倒れたりしやすいので、ジョウロなどを使ってやさしく水を与えてください。

水を与えすぎると根腐れを起こすため、与えすぎないことも重要です。

地植えの場合

地植えの場合、発芽までは土が乾燥しない程度に水やりを続けますが、その後は基本的に水やりの必要はありません。雨が降らない日が数日続き、

乾燥が続いているときは、たっぷりと水を与えてください。

鉢植えの場合

鉢植えの場合、土の量が少なく乾燥しやすいため、水切れに注意してください。

基本的には土の表面が乾いた頃に、底穴から水が流れるまでたっぷり与えます。

1日に1回を目安としますが、夏場は朝夕の2回水やりが必要になることもあります。

受け皿に水を溜めたままにすると根腐れの原因になるため注意が必要です。

肥料

肥料を好むコマツナは、種まきをする前に元肥として十分な肥料を施しておくことが大切です。

種まき後は肥料の与えすぎに注意し、生長のスピードや葉の色を確認しながら、必要に応じて追肥を行います。

追肥のタイミング

追肥は2回目の間引きと同じタイミングで、本葉が3~4枚、草丈は7~8cm程度に生長したら、『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を与えてください。

ただし、葉が濃い緑色でイキイキとしている場合は肥料が足りている状態なので、無理に追肥を行う必要はありません。

間引き

小松菜間引き

間引きは、コマツナを健全に育てるために欠かせない作業です。

株が混み合った状態のまま育てると、生長が悪くなり、病気も発生しやすくなるため、適切なタイミングで行いましょう。

間引きは2回に分けて行います。

1回目は発芽後、本葉が2~3枚出た頃に行います。

株間が2cm~3cmになるよう、生育のよい元気な苗を残します。葉に傷がついている苗や弱々しい苗は引き抜いておきましょう。

密集している場合は、無理に引き抜かずにハサミで根元を切って取り除きます。

2回目は本葉が3~4枚になった頃に、株間が5cm~6cm程度になるように間引きを行います。

草丈は7~8cmくらいまで生長していますので、間引きをするのと同時に追肥や中耕、土寄せを行いましょう。

引き抜いた若い苗は、サラダやおひたしなどにして無駄なくおいしく食べることができます。

収穫

コマツナは種まきをした時期によって収穫までの栽培期間が異なります。

春まき

種まきから45日~60日くらいで収穫期を迎えます。トウ立ちしやすいので、収穫期を迎えたら早めに収穫します。

夏まき

種まきから25日~30日くらいで収穫期を迎えます。耐暑性に優れているので比較的暑さには強いですが、真夏は種をまいたら遮光と防虫のために寒冷紗をかけてあげましょう。

秋まき

種まきから45日~60日くらいで収穫期を迎えます。晩秋まきは、60日~100日くらいで収穫を迎えます。

収穫方法

草丈が20cm~25cmくらいに生長したら収穫の目安です。草丈が20cmを超えると生長が急速に進み、葉が固くなり、アクも増えて味が落ちます。大きくなりすぎる前に収穫しましょう。

株元をしっかり手でつかんで株ごと引き抜くか、根元をハサミやナイフで切って収穫します。

春まきはトウ立ちを起こしやすいので、株ごと引き抜いて収穫するとよいでしょう。

秋まきや晩秋まきは生長がゆっくりなので、必要な分だけ外葉を摘み取ると長い時間収穫を楽しめます。

小松菜(コマツナ)の育て方|病害虫対策

葉物野菜のコマツナは害虫がつきやすいので、害虫対策をしっかりと行いましょう。

特に春まき・夏まきのコマツナは害虫被害が多いので、種まき後は防虫ネットを張る、不織布や寒冷紗をかけるなど対策が必要です。

生長期までに害虫被害に遭うと生長に悪い影響を与えるため、こまめな観察で早期発見、早期駆除を心がけましょう。

注意したい害虫

春から秋まではコマツナが害虫被害に遭いやすい時期です。発生しやすい害虫の種類や予防策を確認して対策を行いましょう。

アブラムシ

アブラムシは春から秋にかけて発生しやすい虫です。葉物野菜に多く発生するアブラムシは幼虫が葉を食害して穴を開け、生長に悪影響を及ぼします。

また、アブラムシはウイルスを媒介する原因ともなるため、見つけ次第すぐに駆除しましょう。

アブラムシはとても小さく、繁殖力も旺盛なので農薬を散布して防除する、農薬を使用しない場合は隙間から侵入できないように目の細かい防虫ネットを設置して予防します。

アオムシ

緑色をした幼虫がアオムシです。モンシロチョウやコナガの幼虫で、発生するとコマツナの葉を食害します。

夏場は発生しやすいため、卵を産みつけられないように農薬を散布したり、防虫ネットで侵入できないように防除したりします。

コマツナの葉の後ろを確認し、すでに産卵されている場合は発見し次第取り除きます。幼虫を発見したら食害が広がらないように、その場ですぐに駆除しましょう。

ハムシ

体長3mmと小さな虫ですが、幼虫はコマツナの葉や根を食害します。成虫になっても葉を食べて生長するので、発見したらすぐに駆除しましょう。

対策には農薬が有効とされていますが、無農薬で育てたい場合はハムシの成虫の飛来を防いで卵を産みつけさせないことが大切です。

ハムシの成虫は光の反射が苦手なので、予防策としてシルバーマルチやシルバーテープなどを設置するとよいでしょう。

栽培中に注意したい病気

コマツナの栽培時期は短いので、比較的病気にはかかりにくいといわれています。

ただし、春や秋の天候が不順な時期や、過湿になる梅雨の時期は「白さび病」「炭そ病」「モザイク病」などの病気にかかりやすくなるので注意が必要です。

発生しやすい病気の多くは、過湿が原因とされています。

生長が急速に進み生い茂ってくると通気性が悪くなるので、必要に応じて間引きをして、風通しのよい場所で育てることを心がけましょう。

白さび病

コマツナがかかりやすい病気の一つが、葉の表面や茎に白っぽい膨れた病斑ができる白さび病です。天候が不順な春や秋に発生しやすく、かびが原因で起こります。

空気伝染するため、病斑を発見したらその部分を除去して畑の外で処分します。白さび病は窒素過多になったときに発生しやすいため、肥料の与えすぎには注意してください。

白さび病はアルカリ性が嫌いなので、白さび病の発生が見られた畑で栽培する場合は、苦土石灰をまいておくと菌の拡大を防除できます。

炭疽病(たんそびょう)

炭疽病の原因はカビです。コマツナが炭疽病にかかると葉に灰色と緑色が混ざったような色の斑点ができます。症状が進むと葉が黄色くなって枯れてしまいます。

炭疽病は窒素過多になると起こりやすいので、肥料の量を調節して与えすぎには注意してください。

特に雨が多い梅雨の時期に発生しやすいので、水はけをよくして過湿状態にならないようにする、葉が混み合わないように間引きをする、水はねや泥はね防止のためにマルチをかけるなどの予防策をとりましょう。

モザイク病

モザイク病の原因はウイルスによるものです。モザイク病にかかるコマツナの葉にモザイク状の病斑が見られ、放置すると生長に悪影響をきたします。

原因となるウイルスは、コマツナに発生しやすいアブラムシにより伝染する場合が多いです。

アブラムシはウイルスを持つ株の汁液を吸い、そこからほかの株にもウイルスを媒介します。

モザイク病の病斑を発見したら株ごと抜き取り、畑の外で処分します。また、ウイルスを媒介するアブラムシを防除することもモザイク病の予防に有効です。

立枯病

立枯病の病原はカビです。コマツナが立枯病にかかると、黄色や赤色の病斑が生じます。

症状が進むと地際部が腐敗して細くなり、最終的にしおれて枯れてしまいます。

湿度の高い時期にかかりやすい病気なので、間引きをして株が混み合わないようにする、窒素過多にならないように注意する、清潔な用土を使用するなどして立枯病の発生を予防します。

すでに立枯病が発生している場合は、病気を拡大させないためにその部分を取り除いて処分し、拡大している場合は薬剤を使って防除します。

小松菜(コマツナ)の育て方|連作障害と輪作

同じ場所でコマツナを続けて栽培すると、根こぶ病などの病気が発生しやすくなります。

輪作計画を立てて健全な栽培環境を保ちましょう。

連作障害とは?

同じ畑で同じ科の作物を続けて栽培すると、土壌の病原菌の増加や、土壌の栄養バランスの偏りによって生育不良や品質低下が起こる現象です。

植物が出す毒素が生育を妨げることなどが挙げられます。

コマツナでは特に根こぶ病が発生しやすく、根がこぶ状に膨らんで株が弱り、最終的に枯れてしまいます。

輪作とは?

輪作は、異なる野菜を同じ畑で順番に育てることで、土壌を健全に保つ栽培方法です。

土中の栄養が偏ったり、病害虫が増えやすくなったりするのを防ぐことができます。

コマツナはアブラナ科の野菜で、生長のために多くのチッソ(窒素)を必要とします。

そのため、同じ科の野菜を続けて栽培すると、土壌中のチッソが一方的に消費されやすくなります。

そこで、次の作物として相性がよいのがマメ科の野菜です。

マメ科の野菜の根には「根粒菌」という微生物が共生しています。この根粒菌は、空気中に含まれる窒素を植物が利用できる形に変え、土壌中に取り込む働きを持っています。

そのため、マメ科の野菜を育てることで、消費されたチッソが補われ、土壌の栄養バランスが整いやすくなります。

もう一つの利点は、病害虫の被害を減らす効果もあります。

科が異なると寄生する病害虫も異なるため、前の作物の病原菌や害虫が増殖しにくくなり、次の作物への被害を抑えられます。

輪作におすすめの野菜

コマツナの後作にはマメ科野菜がおすすめです。根粒菌により土壌に窒素を供給し、小松菜が吸収して減った窒素分を補充してくれます。

他のおすすめは以下の野菜です。

  • ナス科野菜:トマト・ナス・ピーマン
  • ウリ科野菜:キュウリ・カボチャ

これらは小松菜とは異なる科に属し、土壌の栄養を偏って消費することが少ないため、畑への負担を抑えられます。

一方で、避けるべきなのは、キャベツ・ブロッコリー・ダイコン・カブなどのアブラナ科野菜です。

同じ科の野菜を連続して栽培すると、土壌の栄養バランスが偏り、病害虫の被害が増えやすくなります。後作の野菜選びの際は注意しましょう。

1~2年土を休ませる

輪作が難しい場合や、同じ場所で再びアブラナ科野菜を育てたい場合には、土を一定期間休ませることも、連作障害を抑える有効な方法です。

アブラナ科野菜の病原菌の多くは、土壌中で休眠胞子として長期間生き残ります。

そのため、1年~2年ほど栽培を控えて土を休ませることで、病原菌の数が徐々に減少し、病気の発生リスクを低下させることができます。

また、休耕中に完熟堆肥を投入すると、土壌中の微生物が増え、病虫害の発生をさらに抑制できます。

このように土を休ませながら土づくりを進めることで、次のアブラナ科野菜を健全に育てられます。

土壌改良で連作障害を軽減するコツ

連作障害は、土壌改良によって発生リスクを軽減することができます。

有機物の投入

堆肥や腐葉土などの有機物を投入しましょう。有機物を増えることで、土壌の団粒構造が形成され、通気性と保水性に優れた土になります。

このような土では、植物の根が張りやすくなり、病気が発生しにくくなります。

緑肥作物の活用

緑肥作物とは、栽培後に土壌にすき込む作物のことで、土づくりと肥料効果を同時に得ることができます。

例えば、ライ麦は害虫の発生を抑える効果があり、クローバーは土壌を改良する効果があります。

これらを栽培後に土に混ぜ込むことで、自然な肥料と土づくりが同時に進むのです。

太陽熱消毒

太陽熱消毒は、梅雨明けから9月上旬に透明ビニールで土壌を覆う方法です。

強い日差しで土が高温になり、病原菌が死滅します。

農薬を使わずに土壌を消毒できるため、安全かつ効果的な対策です。

pH調整

石灰資材で土壌を中性からアルカリ性に傾けることで、根こぶ病菌の活動を抑制できます。

このようにpHを調整することで、特定の病気を予防しやすくなります。

小松菜(コマツナ)の育て方|よくある栽培トラブル

コマツナ栽培では葉の黄変、徒長、害虫被害、トウ立ちなど、さまざまなトラブルが発生することがあります。それぞれの原因を理解し、適切に対策しましょう。

葉が黄色くなる原因は?

葉の黄色くなるのは、窒素不足、過剰な水やり、水切れ、萎黄病などの原因があります。

液体肥料を追肥したり、適切な水やり管理、発病株の除去が有効です。

徒長してしまう理由は?

徒長は、日照不足、密植、水分過多が主な原因です。

日当たりのよい場所で栽培し、適切な間引きと水やり管理を行いましょう。

葉に穴が開いたときの対処法は?

主な原因はアオムシ類、キスジノミハムシ、ヨトウムシによる食害です。

種まき直後から、防虫ネットを設置し、シルバーマルチや反射テープで対処してください。

トウ立ちを防ぐ管理方法は?

トウ立ちは低温により花芽が形成される現象で、春まきの場合や高温期に起こりやすくなります。

適期収穫、晩抽性品種の選択、温度管理、適切な追肥で予防できます。

冬場に生育が遅い理由は?

冬場は低温により生育が停滞し、収穫まで80日~100日かかることがあります。

ハウス栽培やトンネル栽培での保温、日当たりの確保が生育を促すポイントです。

おわりに

コマツナは、これから家庭菜園を始める方にぴったりの野菜です。種まきから収穫までわずか1ヵ月ほどで完了し、寒い時期を除けばほぼ一年中栽培できます。

基本的な育て方とポイントを押さえれば、誰でも新鮮でおいしい小松菜を収穫できます。

野菜を育ててみたいなら、ぜひコマツナ栽培に挑戦してみてください。毎日のお手入れで植物の生長を感じ、収穫時に手をかけた分の喜びを味わうことができるでしょう。

公開:2021年6月4日
更新:2025年12月26日

#コマツナ #小松菜 #野菜の育て方 #特集

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