青空に映える春の花ハクモクレン。家庭での育て方は?
一株に大ぶりな花をたくさん咲かせるハクモクレンは、庭のシンボルツリーとしても人気の木です。春の訪れとともにハクモクレンの花が開くと、あたりが一気に華やかになります。
今回は、ハクモクレンの基本的な知識やご家庭での育て方、増やし方などをご紹介します。
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☘159:木蓮(モクレン)の育て方|苗の植えつけや水やりと肥料の与え方、剪定作業もご紹介
春の訪れを感じるハクモクレン
ハクモクレンは、3月~4月にかけて白い花を咲かせます。花弁は大ぶりかつ肉厚で、完全には開きません。
よく似た花にコブシがありますが、そちらは花弁が薄く、全開するのが特長です。また、ハクモクレンの花はすべて同じ方向に向かって開きますが、コブシの花はバラバラの向きで咲きます。
香りは豊かで、甘く上品な芳香が楽しめるのも人気の一因です。
ハクモクレンの花は短い
ハクモクレンの開花時期は短く、3日ほどで散りはじめます。満開の時期は一瞬ですが、真っ白なハクモクレンが枝をにぎわせる様子は格別です。
ただし、花弁は変色しやすく、傷がついたり霜が降りたりするとすぐに茶色くなってしまいます。
モクレンは古くから存在する植物
ハクモクレンはモクレン属の植物です。モクレンは一億年ほど前の化石がみつかっており、人類が出現するずっと前から同じような姿で地球上に存在していたと考えられています。
ハクモクレンの原産は中国大陸といわれており、つぼみは漢方薬の材料としても使われてきました。現在は北米・ヨーロッパ諸国などでも栽培されています。
欧米ではツバキやツツジと合わせ、三大花木と称されることもあるようです。
大きさに注意!
ハクモクレンは庭木の中でも大きく育つ植物です。10m~15m近くなる可能性もあります。ご家庭で育てる際は、十分なスペースがあるか確認しましょう。
こまめに剪定をして大きさを調整すれば、小さいまま育てることも可能です。
ハクモクレンの育て方
ハクモクレンの好む栽培環境
ハクモクレンは日当たりと風通しの良い環境を好みます。日照不足になると花つきが悪くなることがあるため、できるだけ日当たりの良い場所で育てましょう。
また、強い西日や乾燥した風が当たり続ける場所では株が傷むことがあるため、極端な環境は避けると安心です。
庭植えでは根を広く張るため、植えつけ場所にはある程度のスペースを確保しておきましょう。水はけが悪い場所では根腐れの原因になることもあるため、排水性の良い土壌で管理してください。
土づくり
ハクモクレンは水はけがよく、少し湿った土を好みます。庭に植えるときは土に腐葉土やピートモスなどを混ぜ、栄養のある土づくりをしましょう。
大きく生長するため、鉢植えよりも庭植えが主流ですが、鉢植えの場合は、赤玉土と腐葉土を混ぜたものを使うのがおすすめです。水はけが良くなるよう、鉢の底に敷く石は多めに入れましょう。
植えつけ
植えつけは、暖かい地域では11月~12月、寒い地域では1月~3月の間に行います。深く植えすぎないように注意してください。
植えつけの際には元肥として、約2年間肥料効果が持続する『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込んでください。
幹が細いうちは支柱を立てて倒れないように補助しましょう。
植えつけ後、根付くまでは土が乾燥しないよう定期的に水を与えます。根の活着促進には植物用活力液『リキダス』を水で1,000倍に希釈して与えると効果的です。
鉢植えの場合も同じ時期に植えます。ハクモクレンは根がよく育つのが特長です。鉢を土の上に直接置いておくと、根がはみ出して土に張ってしまうことがあります。鉢の下にレンガやブロックなどを置いて防ぎましょう。
水やり
庭植えの場合、自然の降雨でほとんど育つため、基本的には頻繁な水やりは必要ありません。ただし、植えつけ直後や乾燥が続く時期は、土の様子を見ながら水を与えましょう。
鉢植えでは土が乾きやすいため、表面が乾いたらたっぷり水を与えます。受け皿に水をためたままにすると根腐れの原因になるため注意してください。
夏場は乾燥しやすくなるため、朝や夕方の涼しい時間帯に水やりを行うと株への負担を抑えやすくなります。
肥料
ハクモクレンは植えつけ時にしっかり土づくりを行えば、その後は比較的育てやすい花木です。ただし、花つきを良くし、健やかに育てるためには適度な施肥も大切になります。
植えつけ時には、元肥として緩効性肥料『マグァンプK大粒』を土へ混ぜ込んでおきましょう。根の生育を助け、植えつけ後の活着をサポートします。
庭植えの場合は、冬の寒肥として腐葉土や有機質肥料を株元へ施すと、春の生育を助けやすくなります。鉢植えでは、春から初夏にかけて緩効性肥料を与えると花後の株の回復につながります。
ただし、肥料を与えすぎると枝葉ばかり茂って花つきが悪くなることもあります。株の様子を見ながら、控えめを意識して管理しましょう。
剪定
ハクモクレンは生長が早いため、樹形を整えるために定期的な剪定を行います。特に鉢植えでは枝が混み合いやすいため、こまめに管理すると育てやすくなります。
花芽は短い枝の先につくため、剪定では長く伸びすぎた枝や混み合った枝を中心に整理しましょう。
軽い剪定であれば、花が終わった直後から6月頃までが適期です。この時期なら花芽への影響を抑えながら樹形を整えやすくなります。
一方、太い枝を切るような強い剪定は、落葉後の11月~2月頃に行います。葉が落ちると枝の状態を確認しやすく、樹形を整えやすくなります。
なお、生育が盛んな8月~10月頃に太い枝を切ると、株へ負担がかかり枯れ込みの原因になることもあるため注意しましょう。
ハクモクレンの増やし方
ハクモクレンは、接ぎ木や種まきなどで増やすことができます。
ただし、花木の中ではやや増やす難易度が高く、特にさし木は発根しにくいため、一般的には接ぎ木で増やされることが多い植物です。
また、種まきでも育てられますが、開花までに年数がかかるため、じっくり育てたい方向けの方法といえるでしょう。
ここからは、ハクモクレンの接ぎ木と種まきの方法についてご紹介します。
接ぎ木
接ぎ木とは、別々の植物をつなぎ合わせて増やす方法です。ハクモクレンでは、丈夫で育てやすい「コブシ」を台木に使うことが一般的です。
接ぎ木の適期は2月~3月頃です。穂木にするハクモクレンの枝を5cmほどの長さで切り取り、芽がつく部分を残しておきます。
台木となるコブシには切れ込みを入れ、斜めに切った穂木を差し込みます。その後、接ぎ木テープでしっかり固定しましょう。
接ぎ木後は、活着するまでテープを外さずに管理します。乾燥を避けながら、明るい日陰で様子を見てください。
種まき
ハクモクレンは、秋に熟した実から種を採取して増やすこともできます。
花後に実がつき、10月頃になると細長い実が熟して裂け始めます。種を採る場合は、裂ける直前の実を収穫し、陰干しして自然に開くのを待ちましょう。
種を取り出したら果肉を水で洗い流し、乾燥する前にまきます。用土には赤玉土など水はけの良い土を使い、種は深く埋めず軽く土をかぶせる程度にします。
発芽までは土を乾かさないよう管理し、生長してきたら大きさに合わせて鉢増しを行いましょう。
ただし、種から育てた場合は開花まで長い年月がかかることがあります。じっくり育てたい方向けの増やし方といえるでしょう。
おわりに
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