更新日:2025.05.21
エスキナンサスの育て方を紹介!剪定時期や注意すべきトラブルも

エスキナンサスは、しなやかなつると鮮やかな赤やオレンジの花が特徴的なインテリアグリーンとして人気の観葉植物です。
垂れ下がる姿が美しく、ハンギングバスケットや高い場所からの飾り方が映えます。
この記事では、エスキナンサスの失敗しない育て方のポイントや季節ごとの管理方法、さらに増やし方まで詳しく解説します。
エスキナンサスの育て方

エスキナンサスは日当たりと風通しのよい場所を好む観葉植物です。水やりや温度管理に注意しながら育てれば、美しい花を咲かせてくれます。
まずは、エスキナンサスの具体的な育て方を解説します。
植えつけ・植えかえ

エスキナンサスは、気温が安定する春から初夏(5〜6月)が成長期のため植えつけ・植えかえに適した時期です。根が密集すると鉢の中で根詰まりを起こしやすいため、2年に1回を目安に行いましょう。
また、下葉が落ちてきた場合も植えかえの合図です。古い土を落とし、根鉢をやさしくほぐしてから、新しい鉢と水はけのよい新鮮な土に植えかえることで、根の発育を助けます。
鉢のサイズは、今のエスキナンサスの根が入るよりもひと回り大きなものを選ぶのがポイントです。植えかえの際には、まずは古い土と黒ずんで傷んだ根を落とし、健康な白い根を優先的に残しましょう。
植えかえ作業後は、直射日光を避けた明るい日陰で数日間管理します。
栽培環境・日当たり
エスキナンサスは明るい日陰や半日陰の環境を好みます。強い直射日光に当たると葉焼けを起こす可能性があるため、レースカーテン越しにやわらかい光が差し込む場所に置きましょう。
一方向に光が当たってしまう場合、日が当たらない葉が枯れるリスクがあります。その場合全体に光が当たるように、定期的に鉢を回して角度を変えてあげましょう。
室内で育てる場合は、南向きや東向きの窓際が理想的です。また、空気の流れが悪いと病害虫の発生リスクが高まるため、風通しがよい場所に置くことも大切です。
春から秋にかけては屋外の明るい日陰に置いて管理できますが、急な温度変化や強風には注意しましょう。
適した温度
高温多湿を好むエスキナンサスは、15〜25℃程度の温暖な環境で元気に育ちます。寒さにはあまり強くないため、冬は室内で管理し、最低でも10℃を下回らないように注意が必要です。
特に冬場の窓際は夜間に気温が下がりやすいため、カーテンや断熱材などで冷気が直接当たらないような工夫をするとよいでしょう。
逆に夏の猛暑時には、強い直射日光と高温で株が弱ることがあるため、風通しをよくしつつ適度に明るい日陰で管理するのがポイントです。
適した土
エスキナンサスが好むのは排水性(水はけ)と通気性に優れた土です。市販の観葉植物用培養土のほか、自作する場合は赤玉土(小粒)5:腐葉土3:軽石(小粒)2の割合を目安にします。
土の水はけが悪いと根腐れを起こしやすいため、鉢底には軽石を敷いて土の表面に水が溜まりにくいような配合を心がけてください。
また、土のpHは弱酸性が適していて、酸性に傾きすぎると生育が鈍る場合があります。植えかえ時には古い土を落として新しい土にすることで根の健康を保てます。
水やりの頻度
エスキナンサスの水やりは、季節や気温に応じて調整することが大切です。春から秋の生育期には、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えましょう。
夏場は水切れに注意が必要ですが、常に湿った状態が続くと根腐れの原因につながりますので、必ず土の乾き具合を確認してから水を与えてください。
一方、冬は成長が緩やかになるため、水やりの頻度は控えめにしましょう。土の中までしっかり乾いてから与える「乾かし気味」の管理が理想です。
寒い時期は、日が出て暖かい日中に水やりを行い、夜間の冷え込みで根が傷まないように工夫しましょう。
また、葉に霧吹きで水を与える「葉水」も、乾燥対策や病害虫予防などに役立ちます。葉の裏側にもまんべんなくスプレーすると、特にハダニ対策として効果が期待できます。
空気が乾燥しがちな冬場やエアコンを使用する時は、1日1回の葉水を習慣にするとよいでしょう。ただし鉢皿に水を溜めっぱなしにしないようにしてください。
肥料のやり方

エスキナンサスには、生育期である春から秋にかけて緩効性の置き肥や液体肥料を定期的に与えると効果的です。
2ヵ月に1回、『プロミック 観葉植物用』などの置き肥タイプの緩効性肥料を鉢の縁に置くか、1週間から10日に1回薄めた液体肥料『ハイポネックス原液』を水やり代わりに与える方法があります。
液体肥料は速効性がありますが、与えすぎると根に負担をかけてしまうため、量と頻度に注意しましょう。
また、肥料の種類によって花つきが変わることもあります。チッソ成分が多い肥料は葉が茂りやすいですが、花つきが悪くなるためリン酸を含むバランスの取れたタイプを選ぶとよいでしょう。
肥料焼けや根のダメージを防ぐため、土が乾燥している状態では施肥を避けて水で軽く湿らせてから行うのがポイントです。
肥料を与える時期
肥料は春から秋の生育期に与えます。気温が20℃を超えて安定してから始めると効果的です。冬場は成長が止まるため、施肥は控えましょう。
剪定方法

エスキナンサスは剪定をすることで風通しがよくなります。また、伸びすぎたつるや混み合っている枝、弱っている部分などを切り戻すことで見た目だけでなく、株全体のバランスも整います。
剪定を怠ると蒸れやすくなり、病害虫が発生する原因につながるため、株の状態を見ながら剪定を行うことが大切です。
剪定には清潔なハサミを使いましょう。剪定は節の少し上でカットするとその部分から新しい芽が出やすくなります。
花が終わった後の花がらを取り除く「花がら摘み」も、次の開花を促すうえで有効です。
剪定後は数日間、直射日光を避けた明るい日陰で管理して株が回復するのを待ちましょう。
剪定後の水やりや肥料は控えめにして、株への負担を軽くすることもポイントです。
剪定時期
剪定はエスキナンサスの生育期に合わせた5〜6月が適しています。その理由は、生育期の始まりに行うと回復が早く、花つきもよくなるからです。
梅雨入り前に剪定を済ませておくと、風通しもよくなり、病気の予防にもつながります。
エスキナンサスの増やし方

エスキナンサスは株分けや挿し木で簡単に増やせます。どちらも春〜初夏に行うとその後の株が元気に育ちます。
ここからはエスキナンサスの増やし方について詳しく見ていきましょう。
株分け
株分けは、鉢の中のエスキナンサスの株が大きく育ち、根がいっぱいになったときに行う方法です。植えかえの際にあわせて行うのが理想で、季節は春〜初夏が適しています。
株元に複数の芽や茎があれば、根を傷めないように優しく手で分けるか、清潔なハサミなどで2つ~3つに切り分けます。このとき、各株にしっかり根が付いていることが大切です。
分けた株は、それぞれ新しい鉢と新しい土に植え、軽く押さえてからたっぷりと水を与えます。作業後は直射日光を避けて、明るい日陰で管理しましょう。
挿し木
エスキナンサスは挿し木で増やすことも可能です。清潔なハサミを使って行いましょう。
- 葉のついた茎を先から3節(10㎝~15cm)ほどカットします
- 下の方についている葉を2枚〜3枚取り除きましょう
- 切り落とした茎の切り口を土に挿して植えつけます
- 葉の付け根あたりから新しい芽が出てきたら植えつけが成功した合図です
切り口は斜めにすると発根しやすくなります。上記の土に挿す方法のほかにも水に挿す方法があります。
水挿しの場合は、切り口を水ゴケで包み鉢などの容器に入れて安定させて管理します。水ゴケから根が生えてきたら土に植えかえましょう。
発根まで2〜3週間ほどかかるため、明るい日陰で管理し、乾燥を防ぐためにビニール袋で覆うと成功率が高まります。
エスキナンサスの注意するべきトラブル

エスキナンサスを育てているなかで発生しやすいトラブルには、根腐れ・根詰まり・葉焼けなどがあります。原因と対処法を知っておきましょう。
根腐れ
水の与えすぎや通気性の悪い土によって、根が腐るトラブルです。エキセンサスの枝が垂れ下がる・しおれる・古い葉を落とし始めるなどの症状が出てきたら、根腐れが起こっているかもしれません。
また、何年も植えかえせずにいると土が劣化し根腐れを起こす場合もあります。
対処法
根腐れを起こした場合は、すぐに鉢から取り出して状態を確認します。黒ずんでブヨブヨになっている根があったらハサミで切り取り、健康な白い根だけを残します。
使用していた土は捨てて、新しい清潔な土と鉢に植えかえるようにしましょう。また水やりは控えめにし、明るい日陰で管理します。受け皿にも水が溜まらないよう注意してください。
再発防止のために、今後は土の乾き具合をしっかり確認してから水を与える習慣をつけましょう。
根詰まり
鉢の中で根がいっぱいになり、水はけや通気性が悪くなる状態です。成長が鈍くなったり、葉の調子が悪くなり葉が落ちたりする原因につながることがあります。
対処法
根詰まりを解消するためには、ひと回り大きな鉢への植えかえをしましょう。植えかえる際には根鉢を軽くほぐし、傷んでいたり手で引っ張って簡単に抜けたりするような根をカットします。
植えかえ用の新しい鉢には水はけのよい土を使い、根の張りに余裕を持たせて植えましょう。新しい鉢に植えかえた後はしばらくの間、直射日光を避けた明るい場所で管理し株が落ち着くのを待ちます。
葉焼け
強い直射日光に長時間当たることで葉が傷んで変色・変形するトラブルです。
葉の一部が茶色くなったり、色素が抜けて白っぽくなったりすることがあります。最終的には枯れてしまう可能性があるため、その前に対処しましょう。
対処法
葉焼けを起こした葉は元に戻らないため、見た目を整えるためにカットしても構いません。その後は直射日光を避け、レースカーテン越しのやわらかい光を通じて管理しましょう。
特に夏場の強い日差しには注意が必要です。環境に慣れるまでは、少しずつ明るい場所に移動させるとよいでしょう。
エスキナンサスを育てる際に気をつけるべき害虫

室内でも発生することのある害虫には注意が必要です。発見したら早めの対処が大切です。
ハダニ
ハダニは乾燥した環境で発生しやすい害虫で、葉の裏に寄生して汁を吸い葉に白い斑点が出るのが特徴です。放置すると葉が落ちたり、株全体が弱ったりすることがあります。
ハダニの予防のひとつに、葉の裏にこまめに霧吹きで水をかけて湿度を保つことがあります。発生初期であれば水で洗い流すだけでも効果がありますが、広がっている場合は専用の殺虫剤を使いましょう。薬剤は用法を守って安全に使うようにしてください。
カイガラムシ
カイガラムシは、硬い殻のような体で葉や茎に付着し植物の栄養を吸い取ります。
初期は見つけにくいですが、繁殖すると葉がべたつきやすくなったり、すす病を引き起こしたりすることもあるため、見つけ次第すぐに歯ブラシや綿棒などでこすり落としましょう。
数が多い場合は、薬剤を併用して駆除します。カイガラムシは葉の付け根や茎の裏などに潜みやすいため、細かい部分まで丁寧にチェックしましょう。
アブラムシ
アブラムシは新芽や柔らかい葉に群がって汁を吸い、植物の生育を阻害します。大量発生すると株全体が弱ってしまうため、早期発見・対処がカギです。アブラムシを見つけたらすぐにテープで取り除くことも大切です。
市販の殺虫剤を使う場合は植物に適したものを選んでください。また、アブラムシ予防には風通しと日当たりのよい環境を整えることが効果的です。
コバエ
コバエは湿った土や有機質の多い培養土に発生しやすく、室内で育てる場合には特に悩まされがちです。発生源は土の表面や鉢皿の水、枯れた葉などです。予防としては、水やりを控えめにして土の表面が乾くように管理するのがひとつの方法です。
また鉢皿の水をこまめに捨てたり、枯葉はすぐに取り除いたりしましょう。発生してしまった場合は、黄色の粘着シートや専用の駆除剤を使うのもコバエ退治に効果的です。
エスキナンサスの育て方に関するQ&A

エスキナンサスを育てていると気になる、よくある疑問やトラブルの原因と対処法をご紹介します。
葉が落ちる原因は?
エスキナンサスの葉が落ちる主な原因は過度な水やりや乾燥、急激な環境変化などです。特に、エアコンの風が直接当たる場所や、急な温度差のある場所では葉がストレスを受けやすくなります。
また、根腐れや根詰まりなど、根のトラブルも葉落ちの原因につながります。まずは置き場所と水やりの見直しをして、根の状態も確認しましょう。
葉がしわになるのはなぜ?
葉がしわしわになる原因の一つに、水不足や根の不調があります。特に、土が長く乾燥したままになっている場合、水分が葉に行き渡らずに葉にしわが寄ります。
一方で、根腐れによって水を吸い上げられない場合もあるため、根の状態をチェックすることも大切です。
また、エアコンの風による乾燥や、鉢が小さすぎて根が詰まっている場合も葉にしわが寄るのに影響します。その際は水やりの頻度とタイミングを調整しましょう。
葉やつるが枯れてしまったらどうすればよい?
葉やつるが枯れてしまった場合、まずは枯れた部分を清潔なハサミで取り除きましょう。その後、エスキナンサスの根の状態や土の湿り具合、置き場所などを確認します。
もし置き場所の環境が要因と考えられる場合は、日当たりや風通しのよい場所に移動して水やりや温度管理を見直すことが必要です。
特に冷暖房の影響を受ける場所にエスキナンサスの鉢を置くのは避けましょう。早めに対処すれば、再び元気に育つ可能性も十分あります。
花が咲かないのはなぜ?
エスキナンサスが花を咲かせない理由には、日照不足・肥料不足・剪定のタイミングの悪さなどがあります。
花芽は生育期にしっかり光を浴びることで形成されるため、光が足りないと咲きにくくなります。また、窒素分の多い肥料を使いすぎると葉ばかり茂って花がつきにくくなることもあります。
根詰まりによる栄養不足も要因の一つです。剪定は花芽が形成される前に行うようにしましょう。
まとめ

エスキナンサスは、鮮やかな花と優雅なつるが魅力の観葉植物です。日当たり・風通し・水やりのバランスを整えれば、初心者でも育てやすく、長く楽しむことができます。植えかえや剪定、増やし方を正しく知ることで、さらに美しい姿を引き出せます。
また、トラブルや害虫の対処法をあらかじめ理解しておくことで、万が一のときも落ち着いて対応できるでしょう。この記事を参考に、ぜひご自宅でエスキナンサスとのグリーンライフを楽しんでください。
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