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【里芋の育て方】初心者でも失敗しない栽培方法|植えつけから収穫まで

【里芋の育て方】初心者でも失敗しない栽培方法|植えつけから収穫まで

独特のぬめりを持つ里芋は、日本でも古くから親しまれてきた食材です。採れたてのみずみずしい里芋を味わいたいなら、ご自宅のお庭やベランダで栽培してみてはいかがでしょうか。

本記事では、里芋の特徴や栽培手順、日々のお手入れ方法、上手な収穫のタイミングなどを詳しくお伝えします。

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☘286:【Q&A】里芋(サトイモ)の育て方|おいしい里芋を育てるコツや収穫方法は?水やりや肥料など、日々の管理もご紹介

里芋の育て方|特徴と品種

サトイモ

里芋は土の中で肥大した親芋や子芋、孫芋を収穫して食べます。

まずは、里芋の特徴や品種などについてご紹介します。

里芋とは

里芋は熱帯アジア原産のサトイモ科の植物で、日本には古い時代から伝わっている歴史ある作物です。

地下で肥大した茎の部分を食用とし、親芋を中心に子芋、孫芋が次々と形成されて育ちます。品種によっては子芋ができにくく、大きく育った親芋のみを食べることもあります。

家庭菜園で里芋を育てるメリット

里芋を家庭菜園で育てると、1株から複数の芋が採れ、家族分を十分にまかなえます。

さらに、収穫直後ならではの香りと、ねっとりした食感を味わえるのも、家庭菜園ならではの楽しみです。

里芋の主な品種

代表的な子芋専用種には「土垂(どだれ)」や「石川早生(いしかわわせ)」があり、やわらかく煮崩れしにくい食感が特長です。

親芋を楽しみたい場合は、たけのこのような形をした「タケノコイモ(京いも)」がおすすめです。

また、タケノコイモは別名「エビイモ」としても知られています。

親芋と子芋の両方を食べられる兼用種には、「八つ頭」「セレベス(赤芽大吉)」などがあります。

里芋の育て方|基本の栽培方法

サトイモ

里芋は春に植えつけを行い、秋に収穫するのが一般的です。採れたてのみずみずしい里芋を味わいたいなら、ぜひお庭やベランダで栽培してみてはいかがでしょうか。

本記事では、里芋の特徴や栽培手順、日々のお手入れ方法、上手な収穫のタイミングなどを詳しくお伝えします。

初心者の方でも安心して取り組めるように解説いたしますので、ぜひ里芋作りに挑戦してみてください。

里芋の好む栽培環境

里芋の草丈は1mを超え、葉の大きさは30cm以上になります。縦にも横にもスペースが必要なため、広い場所に植えることがおすすめです。

ベランダでプランター栽培することも可能ですが、壁などに干渉しないよう気をつけましょう。

また、熱帯アジア原産の里芋は、暖かい気候を好みます。生育適温は25~30℃です。日当たりが良く暖かい場所に植えましょう。

里芋の芽出し

里芋は種芋から育てることが一般的です。種芋が発芽していない場合は、芽出し(催芽)をすることがおすすめです。

育苗ポットなどを用意して種芋を植え、隠れる程度に土をかぶせましょう。種芋の向きは芽が出るほうが上になるよう注意します。

不織布やビニールをかけて保温し、土を乾かさないように管理しましょう。

3月中旬にスタートしたら、約1ヵ月でカ月で芽が出てきます。芽出し作業の手間を省きたい場合は、芽が出ている種芋を購入しましょう。

里芋の土づくり

里芋は乾燥を嫌いますが、水浸しになると病気になってしまうこともあります。水はけと水もちの良さを兼ね備えた土へ植えることが大切です。

畑へ植える際は、植えつけ2週間前に苦土石灰を、1週間前に通気性を良くするための堆肥や元肥『マグァンプK中粒』を加えて耕しておきましょう。

プランター栽培の場合は市販の野菜用培養土で問題ありません。

里芋の畝づくり

植えつけの際は幅1mほどの広めの畝を立てます。過湿気味の場所では高畝にして排水性を向上させましょう。

生育時に土寄せを行うため、植えつけ当初はごく低い畝で十分です。

里芋の植えつけ

里芋の植えつけ適期は4月下旬から5月上旬です。しっかりと暖かくなってから植えつけましょう。複数株を植える場合、株間は40~50cmほどあけておきます。

種芋の先端が深さ5㎝~10cm程度の位置に来るように植えつけましょう。植えつけ後にビニールマルチを張って保温しておくと初期生育が良くなります。

プランター栽培の場合は、深さと直径がともに30cm以上ある鉢で育てます。ひとつのプランターにつき1株が目安です。

鉢底石を敷いたら土を半分ほど入れ、中央に種芋を植えつけましょう。土は里芋が生長するたびに足していきます。

里芋の水やり

里芋は乾燥した状態を嫌います。土が完全に乾いてしまわないように水やりを行いましょう。とくに梅雨明け以降は乾燥しやすくなるため注意が必要です。

プランター栽培の場合は土が乾くのもはやいため、夏は1日2回以上の水やりが必要になることもあります。土の表面が乾いたタイミングで、たっぷりと水をあげましょう。

里芋の肥料

里芋は栽培期間が長くなるため、肥料をしっかりと与えることが大切です。

植えつけの際は元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みます。

生育期間中は定期的に追肥してください。5月下旬~6月上旬の本葉が3枚~4枚になる頃に最初の追肥を行いましょう。

追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2ヵ月~3ヵ月間持続する『プランティア 花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。

里芋の育て方|管理のポイント

サトイモ

里芋の栽培中は、土寄せや芽かきなどのお手入れも必要になります。こちらでは、里芋栽培で知っておきたい管理のコツをご紹介します。

土寄せをする

里芋栽培で土寄せは重要な作業のひとつです。定期的に土を株元に寄せることで、芋が地表に露出するのを防ぎます。

本葉が5~6枚の頃に1回目の土寄せを行い、同時に追肥も済ませましょう。1ヵ月後には2回目の追肥と土寄せを行います。

芽かきをする

里芋の本葉が3枚程度になる頃に、株元から脇芽が伸びてくることがあります。

そのまま伸ばしてしまうと芋が小さくなったり、形が悪くなったりすることもあるため、取り除くことがおすすめです。

このとき、脇芽を引き抜くと芋も抜けてしまう可能性があるため、ハサミで切り取ることが安全です。

ただし、品種や栽培環境によっては、省略しても問題はありません。

収穫できる芋のサイズにばらつきは出ることがありますが、濃いもが覆う収穫できるという利点もあります。

土寄せを始めてからは脇芽は摘み取らず、土で埋めてしまってもかまいません。

乾燥対策をする

里芋の乾燥を防ぐためには、マルチングをすることがおすすめです。

株元にビニールマルチを張ったり、藁を敷いたりすることで、土が乾きにくくなります。

里芋の育て方|病害虫対策

里芋栽培を成功させるためには、病害虫対策が大切です。

ここでは、主な病気と害虫、症状の見わけ方、効果的な対策方法をご紹介します。

主な病気と症状

モザイク病

里芋栽培で最も注意すべき病気のひとつです。葉にモザイク状の黄緑色の斑点が現れ、生長が著しく悪くなります。

ウイルス性の病気のため、一度感染すると治療が困難です。感染した株は速やかに抜き取って処分してください。

軟腐病

高温多湿の時期に発生しやすい細菌性の病気です。茎の地際部が軟らかく腐り、悪臭を放つようになります。

水はけの悪い場所や、傷口から細菌が侵入することで発症するため、土寄せの際は茎を傷つけないよう注意してあげましょう。

主な害虫と対策

アブラムシ

アブラムシは里芋の新芽や葉裏に群生し、植物の汁を吸って生長を阻害します。また、モザイク病などのウイルスを媒介するため、早期発見・早期駆除が重要です。

発見した場合は、水圧で洗い流すか、手で取り除いてください。大量発生した場合は薬剤での防除も検討しましょう。

予防には防虫ネットの設置や、アブラムシが嫌う銀色のマルチフィルムを活用してください。

里芋の育て方|よくある失敗とトラブル対策

里芋栽培でよくある失敗例と、その解決方法をご紹介します。

事前に知っておくことで、トラブルを未然に防げるでしょう。

発芽しない・生育が悪い

里芋は地温や湿度の影響を受けやすいため、発芽しなかったり、生育が進まかったりするケースが見られます。

その原因として、植えつけ時期の早さや深さ、水分管理の不備などが挙げられます。

地温が15℃以下では発芽しにくいため、4月下旬〜5月上旬の暖かくなってから植えつけるようにしましょう。

また、種芋を深く埋めすぎると酸素不足で腐ることがあるので、土の表面から頂芽(種芋の尖った部分)までの深さを、10cm程度を目安に調整します。

さらに、水分が不足していると芽が出にくくなり、反対に水はけが悪く過湿状態が続くと、種芋が酸素不足になり腐りやすくなります。

土の湿り具合をこまめに確認し、適度な水分を保つようにしましょう。

葉が枯れる・変色する

肥料不足や水分ストレス、病気の発生が考えられます。

下葉から順に黄変する場合は、窒素不足の可能性があるため、月に1回程度、窒素を含む肥料を追肥しましょう。

収穫量が少ない

思うように芋が育たない場合は、栽培管理の見直しが必要です。その場合、土寄せの不足、養分不足、株間の狭さが原因かもしれません。

里芋は多くの栄養を必要とするため、元肥に加えて追肥も適切に行います。

また、株と株の間隔が狭すぎると根の成長が妨げられ、芋の肥大が進みにくくなるため、40〜50cmの株間を確保するようにしてください。

連作障害を避ける輪作のコツ

里芋は連作障害が起こりやすいため、栽培する場所を毎年変える「輪作」で対処しましょう。同じ場所での栽培は3〜4年程度空けるのが理想です。

その間、根粒菌を持つ枝豆やインゲンなどのマメ科作物を育ててチッソを補給したり、キャベツやレタスなどの葉菜類を育てて異なる養分バランスにしたりすると、土壌環境の改善につながります。

里芋の育て方|収穫と保存

サトイモ

里芋が無事に大きくなったら、いよいよ収穫です。

最後に、里芋の収穫や保存方法などについてご紹介します。

里芋収穫のタイミング

里芋の収穫時期は10月~11月です。里芋は寒さに弱く、霜に当たると傷んでしまうこともあります。

寒さが厳しくなる前に収穫を済ませることが重要です。葉が枯れ始めたら収穫作業を行いましょう。

里芋の収穫方法

収穫時は、茎を根元から切り取ったら芋を掘り上げます。親芋と子芋を分け、土や根を落としておきましょう。収穫後はすぐに食べることがおすすめです。

保存しておきたい場合は水洗いせず、土をつけたまま1時間ほど乾燥させましょう。

その後は新聞紙を敷いたダンボール箱などに入れ、冷暗所で保存します。この場合もなるべく早めに食べきりましょう。

里芋を土に埋める貯蔵方法

里芋を長期保存したい場合は、子芋と親芋を分けず、土に埋めて貯蔵しましょう。畑に深さ60cm程度の穴を掘ったらもみ殻を入れ、その中に里芋を埋めておきます。

このとき、芋を上向きにしておくことで茎から水が入るのを防ぎやすくなります。穴の上には土をかぶせ、藁やビニールなどを敷いて蓋をしましょう。

この方法なら、次の春頃まで里芋を保存しておくこともできます。

里芋の育て方|活用方法

最後に、収穫した里芋をよりおいしく、長く楽しむための活用方法をご紹介します。

里芋の下処理とコツ(ぬめり取り・皮むき)

里芋は調理前のひと手間で、仕上がりが大きく変わる野菜です。特有のぬめりや皮の扱い方を知っておくことで、下ごしらえがスムーズになります。

ぬめりを取るには、皮をむいた里芋に塩をふり、手でもみ込んだあと、水でよく洗い流しましょう。これにより、煮物にした際の煮崩れも防げます。

皮むきは、事前に茹でることで簡単になります。皮つきのまま15分ほど茹でたあとに冷水にとると、手で簡単に皮をむくことができ、手荒れも軽減できます。

おすすめの調理法

里芋の定番料理は、煮物です。だし汁に醤油、みりん、砂糖を加えた煮汁で、弱火でじっくり煮込むと、やわらかく味のしみた一品に仕上がります。

ただ、強火で加熱すると煮崩れしやすいため注意しましょう。

炒め物にしても、外はカリッと中はホクホクとした食感が楽しめます。あらかじめ茹でてから炒めるのがポイントで、醤油やバター醤油との相性も抜群です。

また、コロッケや素揚げなどの揚げ物にすると、里芋本来の甘みが際立ち、お子様にも人気の料理になります。

保存期間を延ばす加工方法

冷凍や乾燥、ペースト状にしての保存するのがおすすめです。

冷凍保存の場合は、使いやすい大きさにカットして下茹でし、水気をよく切ってから冷凍します。必要なときにそのまま煮物や汁物に使えるため便利です。

乾燥保存では、天日干しにするといいでしょう。乾燥させた里芋は保存でき、水で戻してから調理に利用できます。

来年の種芋として使う場合

自家採取した芋を翌年の種芋として再利用できます。そのためには保存方法に注意が必要です。

まず、種芋には病気や傷のない、適度な大きさの健康な親芋を選びましょう。

保存時は、芋を新聞紙に包んでダンボール箱に入れ、風通しの良い冷暗所で保管します。冬の間は定期的に様子を確認し、腐敗があればすぐに取り除いてください。

翌年の3月頃から芽出し作業を行い、5月の植えつけに備えましょう。前年の経験を活かして、翌年はさらに質の高い栽培に挑戦してみてください。

おわりに

大きな里芋をたくさん収穫するためには、適した肥料を与え、水をたくさんあげながら育てることがポイントです。

土寄せや芽かきなどのお手入れも行いながら、おいしい芋の収穫を目指しましょう。

里芋が好きな方はもちろん、これまで栽培の経験がない方も、ぜひ一度家庭菜園にチャレンジしてみてください。

育てる楽しさと、収穫の喜びを味わえるはずです。

公開:2023年5月8日
更新:2025年8月22日

#里芋 #サトイモ #家庭菜園 #特集

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