【家庭菜園】 オクラの育て方|夏の収穫を楽しむための栽培のコツ
夏に旬を迎えるオクラは、家庭菜園の初心者にもぴったりの野菜です。
ひとつの株にたくさんの実がなり、長く収穫を楽しむことができます。
今年の夏は、オクラ栽培にチャレンジしてみませんか?
今回は、オクラの特徴やおすすめの品種、基本的な育て方、管理方法など、さまざまな情報をご紹介します。収穫のコツや栽培時に起こりがちなトラブルの対処方法などもお伝えするため、ぜひ参考にしてみてください。
- 目次
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- オクラの図鑑情報
- 動画でわかりやすく!植物のお悩みをQ&A形式で回答する【PlantiaQ&A】
- 暑いところでよく育つ!夏野菜として人気のオクラ
- 栄養豊富な夏野菜
- 品種豊富なオクラ
- 初心者にもおすすめのオクラの品種
- 苗の選び方
- 収穫時期
- プランターでも簡単!オクラの育て方
- 栽培場所
- 土づくり
- 種まき、育苗
- 苗の保温
- 植えつけ
- オクラを美味しく収穫するための管理方法
- 水やり
- 肥料
- 土寄せ
- 支柱立て
- オクラの収穫方法やコツ
- オクラの収穫時期やタイミング
- オクラの収穫方法
- オクラ収穫時の注意点
- 収穫後の保存方法
- 収穫後の整枝・摘葉
- オクラの収穫後の片付け
- オクラの種の採取
- オクラ栽培で起こりがちなトラブル
- 発芽率が悪い
- 実がならない
- 曲がり果・いぼ果の発生
- 実のネバネバがない
- 実がかたい
- オクラ栽培で気をつけたい病害虫対策
- アブラムシ対策
- カメムシ対策
- うどんこ病対策
- モザイク病
- 苗立ち枯れ病対策
- おわりに
オクラの図鑑情報
科名:アオイ科
原産地:アフリカ
分類:一年草
耐寒性:弱い
耐暑性:強い
栽培適温:20℃~30℃
種まき時期:5月
植えつけ時期:5月~6月中旬
収穫時期:7月~10月
動画でわかりやすく!植物のお悩みをQ&A形式で回答する【PlantiaQ&A】
☘58:オクラの育て方|植えつけ方法や日々の管理、プランターでの育て方や収穫のコツなどご紹介
暑いところでよく育つ!夏野菜として人気のオクラ
オクラの原産地はアフリカの北東部です。
本来は多年草ですが、日本の気候では冬越しが難しく、一年草として育てられています。
暑さには強いため、夏に収穫できる野菜として人気です。
ひとつの株から次々と花を咲かせて実をつけるため、適切に管理できればたくさん収穫が行えます。
栄養豊富な夏野菜
オクラは栄養豊富で夏野菜として人気です。
独特のネバネバは、ペクチンやガラクタン、アラバンなどの食物繊維に由来するものです。
とくにペクチンは、整腸作用があることで知られています。
ほかにも、オクラにはβカロテンやビタミンB1、ビタミンCなどが豊富に含まれています。暑い季節でも元気に過ごしたいときは、ぜひオクラを使った料理を食べてみましょう。
品種豊富なオクラ
オクラにはさまざまな品種があります。主に異なるのは実の形や色です。
赤い実をつけるものや、断面が五角形のもの、丸いものなど、幅広い種類があります。
変わり種としては、花の部分を食べる「花オクラ」が知られています。ふんわりと柔らかいオクラの花は、実とおなじようにネバネバしており、サラダや天ぷらなどに使われます。
また、実の大きさも品種によって異なります。よく見かけるオクラは実が10cm程度ですが、なかには20cmを超えるまで大きくなるものも。ぜひ育ててみたい品種を探してみましょう。
初心者にもおすすめのオクラの品種
オクラは、形によって丸莢種・五角種・多角種などの種類に分けられます。丸莢種は、莢(サヤ)の断面が丸くなっているものです。五角種は断面が五角形のもの、多角種は断面が六角形や八角形などになる品種となります。
一般的に広く知られているのは五角種で、角オクラとも呼ばれます。丸莢種は丸オクラともいわれ、沖縄の島オクラが代表的な品種です。
また、オクラの色といえば緑色をイメージする方が多いのではないでしょうか。オクラには、白っぽい薄緑色の莢をつける「白オクラ」や、濃い赤紫色の莢をつける「赤オクラ(紅オクラ)」などの種類もあります。
以下では、初心者にも育てやすいおすすめの品種をピックアップしてご紹介します。
島オクラ(丸オクラ)
島オクラは沖縄の在来種とされる品種です。丸い莢をしていることが特徴で、柔らかく食べやすい点が特徴とされます。よく見られる角オクラと比較すると細長い形状をしています。莢を15cm程度まで伸ばしても柔らかいまま食べられるのが魅力です。
ヘルシエ(丸オクラ)
島オクラ同様、丸莢系のオクラの一種です。淡い緑色をした白オクラで、食べてみると強い粘り気を感じられます。莢は肉厚で柔らかめです。
クリムソン・スパインレス(多角種)
断面が六~八角形の多角種のオクラです。草丈は大きめで、2mほどまで生長することも。莢はきれいな緑色をしています。花の美しさも楽しめるとされる品種です。
ピークファイブ(五角オクラ)
五角形の断面をしている、一般的な形状のオクラです。草丈は小さめで、ベランダ菜園のようにスペースが狭くても栽培しやすいメリットがあります。
楊貴妃(白オクラ)
五角形の白オクラです。莢に厚みがあり柔らかく、生食にも向いています。草丈はやや高めで、葉も大きく広がります。栽培するときはある程度のスペースを確保しましょう。
島の恋(赤オクラ)
赤く丸い莢の形が特徴の赤オクラです。一株からたくさん収穫することができます。
「島の恋」に限らず、赤オクラは茹でることで赤い色が抜け、緑色になってしまいます。盛りつけの際に赤色を活かしたいなら、生で食べることがおすすめです。加熱したい場合は、電子レンジを活用すると良いでしょう。電子レンジでの短時間の加熱であれば、赤い色を残したまま調理できることがあります。
苗の選び方
オクラの苗は、下葉が落ち枯れているような苗は避け、葉がしっかり濃い色のものを選びましょう。株元がグラグラしていたり、徒長してひょろひょろとしていたりする苗も避けます。
根がよく張っていてポットの底穴から根が見えるような、株元ががっしりしているものがおすすめです。ただし、ポットの穴から茶色い根がたくさん出ているものは、根が傷んでいる可能性があるため気をつけましょう。
また、生長しすぎているものよりは本葉3枚~4枚程度の苗を選ぶのがおすすめです。大きく育ったオクラは、その分だけ根も伸びています。
植え替え時、根が傷んでしまうこともあるため注意が必要です。あまり大きな苗よりも、本葉3枚~4枚がついている程度の大きさのほうが植え替えやすいでしょう。
収穫時期
オクラの収穫適期は7月~10月にかけてです。花は1日で散ってしまいますが、その後にすぐ実をつけます。開花後1週間ほどで収穫できるため、タイミングを逃さないように気をつけましょう。
プランターでも簡単!オクラの育て方
オクラは手間がかかりにくく育てやすい野菜です。畑はもちろん、プランターでも育てられるため、ベランダ菜園にチャレンジしたい方にもおすすめできます。ぜひ夏にぴったりのオクラを育ててみましょう。こちらでは、オクラの基本的な育て方から収穫までをご紹介します。
栽培場所
オクラは日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも十分に育てることができます。強い日光でも耐えられるため、初心者にも育てやすい植物です。風通しの良さにも配慮しましょう。
連作障害などの注意点
オクラは連作障害を起こすことがある植物です。同じアオイ科の植物を育てた土を再度利用するのは止めましょう。同じ場所で育てたい場合、最低でも2年~3年はあけてから植えつけることがおすすめです。
また、オクラは縦に背が伸び、根もまっすぐ伸びる直根性の植物です。株間は狭くても十分に育ちます。複数の株を育てる際は、20~40cmほど間隔をあけて植えられるスペースを確保しましょう。
株間に他の野菜を植えて一緒に育てることもできます。ただ、ニンジンやゴボウなどの混植は害虫を増やす原因になることもあるため避けたほうが無難です。
土づくり
オクラは水はけの良い土を好みます。プランター栽培の場合、『今日から野菜 野菜を育てる土』がおすすめです。
地植えの場合、植えつけの2週間前までに堆肥と苦土石灰を混ぜて耕しておきます。プランター栽培も地植えも元肥として『今日から野菜 野菜の肥料』を土に混ぜ込んでおきましょう。
種まき、育苗
オクラは種から育てられます。10℃以下では生育が停滞してしまうため、暖かくなってから種まきを行いましょう。地域にもよりますが、適期は4月~5月です。また、オクラの種はかたく、そのまま土へまいても発芽しないことがあります。種まき前に1日だけ水につけると発芽しやすくなるでしょう。
種は育苗ポットにまくか、プランターや畑に直まきします。深さ2cmほどの小さな穴に種を入れ、土をかぶせましょう。種まきが終わったら、たくさん水をあげて暖かい場所で管理します。日光にたくさん当ててあげるのも大切です。発芽してしばらくたったら、元気な株を残して間引きましょう。本葉が2枚~3枚つく頃には一本立ちにします。
苗の保温
オクラの種の発芽適温は25℃~30℃ともいわれています。種まきの時期によっては、念のために防寒対策をしておくことがおすすめです。トンネルを張って苗を保温しましょう。
トンネルの張り方
トンネルを張る場合は、トンネル用の支柱や被覆資材、固定用のトンネルパッカーなどを用意します。トンネルパッカーは洗濯ばさみなどでも代用可能です。
被覆資材にはさまざまな種類があります。苗の保温を目的とする場合、ビニールフィルムや寒冷紗、不織布などをかけます。トンネル支柱は、ひとつずつ土に挿して立てていきましょう。基本は地面に向かって垂直に立てますが、両端のものだけは斜めに挿します。
被覆資材で支柱を覆ったら、端のほうを押さえて固定しましょう。杭を打つ、重しを乗せるなどの方法で、資材が飛ばないように工夫します。支柱と被覆資材は、適宜固定しましょう。
マルチビニールの張り方
畑に直接種まきしたい場合はマルチビニールを張っても良いでしょう。土づくりの後、畝を立てて整えたらマルチシートをかけていきます。
まずは端に土を寄せて仮押さえし、たるまないように引っ張っていきましょう。固定の際はUピンを使用します。風で飛ばないよう、土や石を使って重しにしましょう。最初から穴が開いているシートもありますが、ない場合は刃物を使ってあけていきます。
また、できるだけ風のない日を選んで作業すると、ビニールがあおられて飛ぶことがなくなります。
植えつけ
オクラの植えつけ時期の目安は5月中旬から6月中旬にかけてです。本葉が2枚~4枚ついた頃に植えつけましょう。適温を保てるよう、暖かくなってから植えつけ作業を行うことがコツです。
植えつけ時、オクラの根が傷んでしまうと生育が悪くなってしまいます。
育苗ポットから取り出す際は、根鉢を崩さないよう優しく扱いましょう。
プランターの場合
深さ30cm以上の鉢を準備しましょう。草丈があまり高くならない品種を選ぶのも有効です。複数の株を植える場合、株間は20cm程度あけます。
地植えの場合
4月~5月上旬に行う場合、朝晩冷え込むことがあるため、マルチングをしてあげましょう。病害虫予防にもなります。株間は40cm以上あけましょう。土を盛って畝をつくり、排水性を高めておくのがおすすめです。
コンパクトに育てるための植え方
オクラはぐんぐん生長し、たくさんの実をつけてくれる野菜です。ただ、あまり畑に通えない場合、収穫が追いつかず採り遅れてしまうことがあります。
採り遅れたオクラはかたくなり、食感が落ちてしまうのが難点です。ご家庭によっては、大量に採れても食べきれないこともあるでしょう。そういった場合、オクラを小さめに育て、生育のスピードが遅めになるように工夫してみることがおすすめです。
オクラをコンパクトに育てたいときは、あえて密植にします。たとえば、種まきの際は一カ所に3粒程度の種をまきますが、間引きせずにそのまま育ててみましょう。密植することで一つひとつの株は小さくなりますが、莢が生長するスピードはゆるやかになります。柔らかい実を収穫しやすくなるでしょう。
オクラを美味しく収穫するための管理方法
美味しいオクラを収穫するためには、適切に管理してあげるのが大切です。ここでは、オクラの収穫までの管理方法についてご紹介します。
水やり
オクラは乾燥に強いものの、水切れすると株が弱くなります。実がつくのが遅くなり、品質が落ちてしまうこともあります。とくに乾燥しやすい夏場は水をたくさんあげましょう。
種まき後の水やり
オクラの種まきをした後は、発芽するまでしっかりと水をあげます。土の表面が乾かないように管理しましょう。発芽後は土の表面が乾いてから水を与えるように切り替えます。
植えつけ後の水やり
オクラの苗を植えつけた後は、根づくまではたっぷりと水やりすることが大切です。水切れしないように用土をチェックし、乾いていたら水をあげましょう。
根づいた後の水やり
植えつけから1週間程度たち、新しい葉が元気よく伸び始めたら根づいたと考えて問題ありません。
基本的に、土の表面が乾いたら水やりするようにしましょう。開花の時期に入り、実ができるようになったら水が不足しやすくなります。水切れしないように気をつけて管理しましょう。
ただし、生育初期に水をあげすぎると徒長の原因になることがあります。過湿になるほど水を与えないように気をつけましょう。
夏の水やり
夏場は、晴れた日が続く場合、プランターの土を確認して朝晩2回水やりをしてもかまいません。とくに実がつき始めたら、しっかり水を与えましょう。地植えの場合、特別な水やりは不要ですが、雨が何日も降らず乾燥している場合は、水を与えます。乾燥を防ぐために藁を敷いておくこともおすすめです。
冬の水やり
日本ではオクラの冬越しができません。15℃以下にならないような環境で管理できれば冬越しできますが、その場合、水やりは控えめに行います。基本的には、一年草として扱いましょう。
水切れのサイン
オクラが水切れすると葉がしなびてしまうことがあります。葉の切れ込みが深くなってしまうことも。また、発芽しない、実がつかないといったトラブルの原因になることもあるため水不足にならないよう管理することが大切です。
肥料
オクラの元肥
オクラは肥料を好みますが、肥料を吸収する力が強いため、元肥が多すぎるとかえって徒長したり、実つきが悪くなったりします。そのため、植えつけ時に元肥を与える際は適量を施すように気をつけましょう。元肥には、野菜栽培のために必要な成分がバランスよく含まれた『今日から野菜 野菜の肥料』がおすすめです。
オクラの追肥
一番果を収穫するタイミングで『今日から野菜 野菜の肥料』又は1週間~10日に1回の頻度で液体肥料「ハイポネックス原液」を使い追肥を行います。オクラは次々と花を咲かせて実をつけていくため、追肥でしっかりと栄養を与えてあげましょう。
オクラの肥料不足のサイン
肥料が足りない場合は、オクラの勢いが弱くなります。とくに、生長点と花の咲く位置が近くなってきたら、肥料不足の可能性があります。生長点とは、植物の茎や根などの先端にある部分のこと。細胞分裂が活発に行われており、生長するにつれて伸びていくのが基本です。つまり、花が茎の先端あたりで咲いている場合、株の勢いが弱っている可能性があります。理想は花の上に葉が3枚ある状態です。
また、肥料切れを起こしたオクラの葉は、正常なものと比べて小さく色が薄くなってしまいます。葉が極端に小さくなってしまったら、肥料不足を疑ってみましょう。
土寄せ
土寄せとは、文字通り土を株元に寄せることです。土寄せをせずにいると、風や水やりなどの影響で根が露出してくることもあるため、定期的に行いましょう。
主な土寄せのタイミングは、間引きや施肥の後です。それぞれの作業が済んだら土寄せをして株元の土を集めましょう。こうすることで株が倒れないように支えることができます。
また、同時に中耕や除草を行うこともおすすめです。中耕とは、株周辺の土を浅めに耕すことです。スコップや熊手などを使って、根を切らない程度に土をほぐしましょう。
支柱立て
オクラは種まきからしばらくは生育が遅いものの、あとからどんどん大きくなっていきます。草丈は1m~2mになるのが基本です。そのままだと倒れてしまうことがあるため、支柱を立ててあげましょう。
基本的に、ひとつの株に1本の支柱を立てることがおすすめです。支柱をオクラの横に突き立てたら、麻ひもなどでゆるく結びましょう。結び目が茎に当たると傷んでしまうことがあるため、支柱側に結び目をつくることがコツです。
オクラの収穫方法やコツ
オクラの花が咲いたら、いよいよ収穫が近づきます。タイミングを逃さないよう、収穫のコツを確かめておきましょう。こちらでは、オクラの収穫時期や方法、収穫後のお手入れなどについてご紹介します。
オクラの収穫時期やタイミング
オクラは、種まきから2カ月ほどたつと、ふわふわとしたきれいな花を咲かせます。花は1日で散ってしまいますが、その後にすぐ実をつけます。収穫適期は7月~10月にかけてです。寒冷地では収穫期間が8月~9月の暑い時期に集中しますが、暖地ではより長く収穫できます。
オクラの実は、基本的に若く柔らかいものを収穫します。大きくなると、筋張ってしまい、タネもかたく食べられなくなってしまうことがあります。大きくなりすぎてから収穫するより、小さくても早めに収穫したほうが良いでしょう。
タイミングを逃さないように、こまめに様子を観察することがおすすめです。基本的には、花が咲いてから5日程度で収穫が行えます。品種によりますが、5角オクラは7~8cm、丸オクラは12~15cm以内のときがベストなタイミングです。
また、家庭菜園ならではのメリットといえるのが、新鮮な花オクラの収穫も楽しめることです。花オクラ用の品種もあるため、ぜひ育てて味わってみましょう。
花オクラを食べたい場合、開花したらすぐに収穫することがポイントです。オクラの花は1日でしぼんでしまうため、朝に咲いているものを見つけたらすぐに採りましょう。収穫したらすぐに食べることがおすすめです。花びらだけ取り外して洗い、お好きな料理で楽しみましょう。
オクラの収穫方法
オクラは果梗(かこう)がかたいため、手でもぎ取ることは難しいでしょう。柔らかいうちに、根元からハサミで切り取って収穫することが基本です。作業の前後、ハサミなどの刃物は消毒しましょう。
オクラ収穫時の注意点
収穫やお手入れなどの際に気をつけたいのが、手へのダメージです。オクラには細かいトゲが生えており、素手で触るとかぶれてしまうことがあります。気になる方は、農業用の手袋などで保護して作業すると良いでしょう。
収穫後の保存方法
オクラは日持ちしにくいため、収穫したらすぐ食べることが大切です。冷蔵庫で保存する場合も数日で食べきりましょう。オクラは低温に弱いため、冷蔵庫に入れる場合は比較的温度の高い野菜室に入れるのがポイントです。
長く保存したい場合は冷凍保存がおすすめです。保存の際はラップで包み、密閉できる袋や容器へ入れましょう。
収穫後の整枝・摘葉
オクラは風通しの良い環境を好みます。枯れた葉を見つけたら、その都度摘み取ってあげましょう。収穫後、実のついていた節の下の葉はカットします。節から1~2枚下の葉は残して摘葉しましょう。そうすることで風通しが良くなるほか、上部につく実へ栄養を回すことができます。
ただし、元々の葉の数が少ない場合は、摘葉しないほうが良いことがあります。株全体に葉が足りず、スカスカとした印象があるときは、草勢が弱まっている可能性があります。
茎が通常よりも細い、葉の色が薄い、葉の切れ目が深くなっているなども、生育が弱まっているサインです。摘葉を控えて様子を見ましょう。
実の下にある葉はすべて取らず、4枚~5枚は残しておきます。それよりも下についている葉は取り除いてかまいません。栄養を取られないよう、脇芽も摘み取ってしまいましょう。
反対に、草勢が強すぎる場合は茎が太くなりすぎ、葉は大きく濃い色になっていきます。葉のギザギザは浅くなるのが基本です。実がついている節のすぐ下の葉からすべて取り除いてしまいましょう。
オクラの収穫後の片付け
収穫時期の終盤になるとオクラの収穫量が減り、莢もそれほど大きく育たなくなってきます。株が茶色く枯れ始めたらオクラ栽培も終了です。畑やプランターから片付けて、次の家庭菜園の準備を始めましょう。
オクラを引き抜いたらしばらく置いておき、乾燥させます。そうすることで水分が抜け、処分しやすくなるためです。引き抜いた後の土は掘り返し、残っている根や石ころなどを取り除いておきましょう。
オクラの種の採取
オクラの収穫をある程度楽しめたら、種を採取してみるのもおすすめです。大きく元気に育った実を選び、枯れるまでそのままにしておきましょう。
実が枯れてから摘み取り、風通しの良い日陰で乾燥させてから種を取り出します。その後、種を2~3日乾燥させてから封筒などに入れて冷蔵庫で保管しておきます。翌年の種まき時期になったら、プランターや畑にまいて育てていきましょう。
オクラ栽培で起こりがちなトラブル
オクラは育てやすい野菜ですが、以下のようなトラブルが起こることもあります。予防・対処方法を覚えておくと良いでしょう。
発芽率が悪い
オクラは発芽率が高い野菜とはいえず、種をまいてもすべて芽を出さないことがあります。できるだけ多くの種から芽を出させるためには、発芽適温に気をつけましょう。25℃~30℃の地温が保てる時期に種まきすることがおすすめです。
また、種からではなく苗から育てる選択肢もあります。とくに、少量のみを育てる場合は、苗から始めたほうが効率的かもしれません。
実がならない
オクラの実がならない場合、つるボケ(木ボケ)している可能性があります。つるボケとは、葉や茎ばかりが茂って実つきが悪くなる状態のことです。肥料の与えすぎが原因になることがあります。オクラに適した成分の肥料を与えているか、施肥の量や頻度は適切かをチェックしてみましょう。
曲がり果・いぼ果の発生
オクラを育てていると、莢がくるりと曲がった「曲がり果」や、オクラの表面にブツブツとしたイボが生じた「いぼ果」など変形した実が生えてくることがあります。これらは、病気ではなく、ストレスにより生じた生理障害です。
それぞれ、風通しの悪さや日照不足、害虫など、さまざまな理由が考えられます。原因を特定してから対処することが重要です。ちなみに、生理障害ですので、曲がり果やいぼ果は食べても問題ありません。
実のネバネバがない
収穫したオクラを食べてみると、特有のネバネバがないことがあります。基本的に、収穫のタイミングがはやすぎる場合に起こるトラブルのため、収穫適期を見極めることが対策となります。上記の収穫期の実の大きさを基準に、開花から1週間をめどに摘み取れるよう調整しましょう。
実がかたい
オクラは収穫が遅くなるほど莢がかたくなっていきます。品種に応じたタイミングを覚えておき、収穫することが大切です。
また、乾燥によってかたくなっているケースも考えられます。土の乾燥が見られる場合は、水を与えておきましょう。
オクラ栽培で気をつけたい病害虫対策
オクラ栽培では、アブラムシやうどんこ病など、気をつけておきたい病害虫がいくつかあります。被害を最小限に抑えるため、対策方法を確認しておきましょう。
アブラムシ対策
オクラを栽培する際に注意したい害虫の代表格がアブラムシです。気づいたら新芽や葉などにたくさん発生していることがあります。見つけ次第すぐに取り除きましょう。放置しているとオクラが枯れる原因になります。
予防のひとつとして、シルバーマルチを使う方法があります。シルバーマルチとは、銀色で光を反射しやすいマルチのこと。アブラムシを寄せ付けにくくなる効果があるといわれています。
ただし、上記のような対策をしていても、どこからか飛来したアブラムシが付着して増えてしまうことがあります。防除が難しいときは、専用薬剤を使うのもおすすめです。大切な野菜をアブラムシから守りましょう。
カメムシ対策
悪臭被害が印象的なカメムシですが、野菜や果物などの株を吸汁して、株を枯らせる原因になることがあります。カメムシを発生させないため、周辺の雑草はできる限り抜いてきれいにしておきましょう。落ち葉や花がらなども積もったままにせず、こまめに掃除します。
うどんこ病対策
うどんこ病は、糸状菌と呼ばれるカビが原因の病気です。発症すると葉にうどんこをまぶしたような白い模様が現れます。放置しておくとどんどん広がってしまい、葉が落ちてしまいます。
最終的には枯れる原因にもなるため、すぐに取り除きましょう。患部はすぐに切り落として処分します。薬剤を使って消毒しておくことも大切です。
また、予防のために日当たりと風通しの良い環境をつくってあげましょう。葉が茂りすぎている場合は適宜取り除きます。収穫後の摘葉も忘れずに行いましょう。
乾燥しすぎることでも発生しやすくなるため、適度に水やりすることも大切です。
モザイク病
モザイク病は、ウイルスによる病気です。アブラムシをはじめとする害虫によって媒介されます。花びらや葉にモザイクのような模様が生じ、進行すると実にも影響が出てきます。
モザイク病を媒介する虫の発生を予防して対策しましょう。発症したらひとまず虫を駆除し、被害が出ている株は抜き取って処分します。ほかの株に被害が広がるのを防ぎましょう。
苗立ち枯れ病対策
苗立ち枯れ病は糸状菌が原因となって発症するとされている病気です。発症すると腐敗が進み、苗が倒れて枯れてしまいます。糸状菌は高温多湿の環境を好むため、梅雨の時期にはとくに注意しましょう。
また、苗立ち枯れ病は連作した場合に発生しやすくなることがあります。同じアオイ科の植物を植えた用土は使わず、別の土へ植えたほうが良いでしょう。
おわりに
オクラは育てやすく、一株から収穫できる数も多いのが魅力です。初心者でも家庭菜園の楽しさが味わいやすい野菜といえます。
とくに育てやすい品種を選ぶことで、栽培を楽しみやすくなるはずです。丸オクラや五角オクラ、白オクラ、赤オクラなどさまざまな品種があるため、お好みのものを探してみましょう。
ご紹介したトラブルや病害虫対策などにも気を配りながら、夏の収穫を目指して、ぜひご自宅でオクラを育ててみてはいかがでしょうか。収穫後の食事を楽しみに、こまめにお手入れしながら栽培していきましょう。
公開: 2020年8月31日
更新:2022年10月14日
更新:2023年6月12日
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