冬の寒さが少しずつ遠ざかり、春の日差しが降り注ぐようになる3月。続々と花が咲くこの季節は、ガーデニングを楽しむのにぴったりです。
今回は、3月に咲く花を5種類ピックアップして、特徴や基本的な栽培のコツをご紹介します。いずれも育てやすいものばかりのため、ぜひ参考にしてみてください。
3月に咲く花1:アネモネ
アネモネは2月から5月にかけて咲く多年草です。名前の由来はギリシャ語の「風(anemos)」ともいわれています。風に吹かれるアネモネの姿を見ると、春の訪れを感じる方も多いのではないでしょうか。
アネモネは花の色がとても豊富で、赤や白、ピンク、紫、青など、さまざまな花を咲かせます。鮮やかな色をつけるものもあれば、シックなカラーが特徴の品種も見られます。一重や半八重、八重など、咲き方もさまざま。丈夫で育てやすいため、ぜひお好みの品種を見つけて栽培してみましょう。
アネモネの育て方
アネモネの好む栽培環境
アネモネは水はけと風通し、日当たりの良い場所を好みます。石を敷き詰めたロックガーデンでも栽培可能です。
鉢植えの場合は、季節ごとに鉢を移動させることがおすすめです。発芽後から初夏までの間は日なたで管理しましょう。花が終わり、地上部が枯れてからしばらくは日陰に置いておきます。10月頃から再び日の当たる場所へ移しましょう。冬場は凍結を避けられる場所へ移動させます。
球根の植えつけ
アネモネは気温の下がった秋に球根を植えつけます。10月に植えつけ作業を行う場合は、事前に1週間ほど吸水させておきます。湿ったバーミキュライトなどに球根を埋め、冷暗所に置いておきましょう。11月以降であれば吸水せずにそのまま植えつけ可能です。用土を湿らせたら、球根を浅く植えつけましょう。ただし、寒冷地の場合は霜や凍結を避けるため、深めに植えつけます。
肥料
アネモネの花をたくさん咲かせるためには、しっかりと肥料を与えることが大切です。植えつけの際は元肥として緩効性肥料マグァンプK中粒 を土に混ぜ込みます。鉢植えの場合は、さらに10月~3月にかけて追肥を行います。1週間~10日に1回程度の頻度で液体肥料ハイポネックス原液をあたえます。
水やり
地植えのアネモネは、基本的に雨水のみで栽培できます。乾燥した日が続いて土が乾いてしまったら水をあげましょう。鉢植えのアネモネには、土の表面が乾いてから水やりします。花後、地上部が枯れてきたら水やりをやめて土を乾かしましょう。10月になったら、また水やりを始めます。
アブラムシ対策
アネモネ栽培で注意したい病害虫のひとつがアブラムシです。発生しているのを見つけたらすぐに駆除しましょう。防除効果のある薬剤を使うのも効果的です。
虫を予防するマグァンプD は肥料やり+害虫の予防・退治が同時にできるのでおすすめです。
☘127:アネモネの育て方|きれいな花を咲かせるには?水やりや肥料など日々の管理もご紹介 【PlantiaQ&A】
3月に咲く花2:ハナモモ
サクラの開花時期と同じ頃、ピンクや白、赤色などの花を咲かせるハナモモ(花桃)。ひとつの木にたくさんの花が咲く姿はとても華やかです。中国原産ですが、日本でも古くから親しまれてきた歴史があります。縁起が良い花としても知られており、桃の節句ではハナモモが飾られます。
ハナモモは耐暑性・耐寒性ともに優れており、園芸初心者の方も育てやすい庭木でもあります。春にぴったりのハナモモを、ぜひご自宅で育ててみましょう。
ハナモモの育て方
ハナモモの好む栽培環境
ハナモモは日当たりの良い環境できれいに花を咲かせます。日陰だと花つきが悪くなることがあるため気をつけましょう。高木のため、地植えすると樹高は5m以上になることもあります。木が十分に生長できるよう、広い場所へ植えてあげましょう。枝が折れてしまわないよう、強風を避けられる場所を選ぶこともポイントです。
苗木の植えつけ
ハナモモの苗木は、落葉中の11月~3月に植えつけを済ませます。ただし、寒さが厳しくなる真冬の作業は避けましょう。
地植えの場合は根鉢よりも2倍ほど大きな穴を掘って植えつけます。鉢植えの場合は、鉢の底に軽石を敷いて排水性を高めましょう。植えつけ後はたっぷりと水やりします。
肥料
植えつけの際は、元肥として肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料マグァンプK大粒を土に混ぜ込みます。花後にはお礼肥(追肥)を施しましょう。追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続するプランティア花と野菜と果実の肥料がおすすめです。
1月~2月頃には寒肥を与えます。寒肥にはBrilliantGardenバラの有機肥料がおすすめです。BrilliantGardenバラの有機肥料を施すことで「肥料」+「土壌改良」の二つのすぐれた効果を発揮します。
また、まだ苗木のうちは、9月頃にも1回だけプランティア花と野菜と果実の肥料で追肥を行いましょう。
水やり
ハナモモは過湿を嫌います。地植えする場合は降雨に任せて問題ありません。ただ、7月~9月頃の乾燥しやすい時期には、土が乾きすぎの場合は、水やりが必要になることがあります。
鉢植えの場合は、地植えよりも土が乾きやすいため注意が必要です。土の表面が乾いてから水を与えるようにしましょう。
アブラムシ対策
アブラムシは4月以降に発生しやすくなります。放置しているとすぐ増えるため、見つけたらすぐ駆除しましょう。
剪定
理想の樹形や高さを保ち、花数を増やすためにも、剪定は定期的に行いましょう。適期は花後と落葉期です。
花後はすぐに剪定を済ませましょう。今年花がついた枝は、基部から2~3芽を残して切り落とします。
落葉期に入る頃には、すでに来年の花芽がついています。不要な枝を剪定するだけにとどめましょう。枯れ枝や混雑している部分の枝などを整理していきます。主幹から出た小枝やひこばえなども切ってしまって問題ありません。
3月に咲く花3:ラナンキュラス
ラナンキュラスは3月~5月に開花する春の花です。繊細な花びらがいくつも重なった花の姿が特徴で、切り花としても人気があります。多くの品種がつくられており、白や黄、オレンジ、ピンク、赤、紫など、多彩な色が存在します。八重咲きや一重咲き、フリンジ咲き、アネモネ咲き、カール咲きなど、咲き方もさまざまです。
ラナンキュラスは球根をつくる多年草で、何年も育てていくことができます。幅広い品種のなかからお好みのものを見つけて、栽培にチャレンジしてみましょう。
ラナンキュラスの育て方
ラナンキュラスの好む栽培環境
ラナンキュラスを日陰で栽培すると、花がつきにくくなってしまいます。日当たりの良い場所で育てると茎ががっしりと丈夫になり、元気よく花を咲かせてくれます。
また、ラナンキュラスの繊細な花を長く楽しむためには、雨に当たらない場所に植えることがおすすめです。鉢植えの場合は雨が降りそうになったら屋根のあるところへ移動させましょう。
球根・苗の植えつけ
ラナンキュラスは球根から育てられます。植えつけ適期は10月~11月の涼しい時期です。土の温度が高すぎると球根が腐ってしまうこともあるため気をつけましょう。植えつけ後しばらくは直射日光を避けられる場所で管理することがおすすめです。苗を購入して育てる場合は12月~3月に植えつけましょう。
肥料
ラナンキュラスの美しい花を咲かせるためには、しっかりと肥料を与えることがポイントです。開花時期に肥料が不足すると、花が咲かなくなってしまうこともあります。
植えつけの際は元肥として緩効性肥料マグァンプK中粒 を土に混ぜ込みます。
その後は、蕾ができ始めたタイミングで速効性の液体肥料の追肥を始めましょう。
3月末頃まで、1週間~10日に1回程度の頻度で液体肥料ハイポネックス原液をあたえます。
水やり
ラナンキュラスの水やりは、地面が乾いてから行います。開花が終わり、葉が枯れ始めたら徐々に水やり頻度を減らしていきましょう。葉が完全に黄色くなったら水やりをストップします。
アブラムシ対策
アブラムシは新芽や蕾など、さまざまな場所に発生します。風通しの良い環境を保って予防しましょう。予防・駆除効果のある薬剤を使用することも効果的です。
虫を予防するマグァンプDは肥料やり+害虫の予防・退治が同時にできるのでおすすめです。
球根の掘り上げ
ラナンキュラスは耐暑性が弱く、地上部を枯らして球根のみの状態になって夏越しします。球根を掘り上げて風通しの良い場所で保管しておきましょう。
球根の掘り上げ時期は花後の5月~6月です。なるべく梅雨が来る前に済ませましょう。地上部が枯れたら球根を土から掘り上げ、土を落として2~3日は陰干しします。乾燥させたら、通気性のある紙袋などに球根を入れて保存しましょう。10月頃から再び植えつけて育てることができます。
☘65:ラナンキュラスの育て方|球根から育てるコツ、日々の管理や肥料の与え方、球根の掘り上げ方もご紹介【PlantiaQ&A】
3月に咲く花4:フリージア
ほっそりとした茎に、香りの良い可憐な花をつけるフリージア。原産地は南アフリカといわれています。開花時期は3月から5月にかけてです。黄やオレンジ、白、ピンク、赤、紫など、さまざまな色の花を咲かせます。
フリージアのカラフルな花を植えると、お庭やベランダがとても華やかな印象になります。春らしいガーデンをつくりたいときは、ぜひフリージアを育ててみましょう。
フリージアの育て方
フリージアの好む栽培環境
フリージアは日なたに植えつけて栽培しましょう。日陰では徒長してしまい、花つきが悪くなってしまいます。
耐寒性がやや弱いため、冬は3℃以上の気温を保てる場所で管理することがおすすめです。鉢植えの場合は冬になったら室内へ移しても良いでしょう。
また、フリージアは室内栽培することも可能です。できるだけ日当たりの良い窓辺で管理しましょう。
球根の植えつけ
フリージアの球根の植えつけ適期は9月下旬~11月中旬です。冬の時期に大きく育っていると寒さの被害を受けやすくなるため、地植えする場合はなるべく遅めに植えることがおすすめです。土は4~5cmほどかぶせましょう。
鉢植えの場合は球根1個分くらいの高さの土をかぶせます。寒さによる凍結などが心配な場合は軒下や室内へ移しましょう。
肥料
フリージアを植えつける際は、用土に元肥を加えておきます。じっくりと効果が続く緩効性肥料を使うことがおすすめです。おすすめは元肥として肥効期間が約1年間持続する緩効性肥料マグァンプK中粒 です。
開花前の3月中旬頃には速効性の液体肥料ハイポネックス原液を1週間~10日に1回の頻度であたえます。
水やり
フリージアは過湿を嫌います。水をあげすぎると軟弱になることもあるため注意が必要です。基本的に土の表面が乾いて白くなってから水やりを行いましょう。とくに、発芽後は乾かし気味にすることが大切です。
防寒対策
地植えする場合は、冬の防寒対策をしておくと安心です。霜よけとして不織布やビニールをかぶせておくと良いでしょう。土を保温するため、腐葉土や藁などを敷いてマルチングすることもおすすめです。
暖かくなると、葉がどんどん伸び始めます。霜よけやマルチングなどは取り除いて日光を当ててあげましょう。
球根の掘り上げ
フリージアは花が咲き終わると地上部を枯らし、球根だけの状態になって休眠期に入ります。花後は種をつくり始める前に花がら摘みをしておきましょう。葉が枯れるまでは水やりを続けます。葉が黄色くなってきたら水やりを控え、徐々に乾燥させます。葉が枯れたら球根を掘り上げて乾燥させましょう。その後は、ネットや紙袋などに入れて風通しの良い日陰で保管します。適期が来たら再び植えつけましょう。
☘143:フリージアの育て方|きれいな花を咲かせる球根の選び方は?水やりや肥料など日々の管理もご紹介 【PlantiaQ&A】
3月に咲く花5:ハナニラ
ハナニラ(イフェイオン)は、3月~4月にかけて星のような小さな花をたくさんつけます。色は白や青、ピンク、黄など。草丈は15~25cmとコンパクトです。ハナニラという名前の通り、ニラのような独特の香りを放つことが大きな特徴となります。
ハナニラはとても丈夫で、管理の手間がかかりにくいのも魅力です。ガーデニング初心者にもおすすめのため、ぜひお庭やベランダで栽培してみましょう。
ハナニラの育て方
ハナニラの好む栽培環境
ハナニラは、しっかりと日に当てることでたくさんの花を咲かせます。おすすめは日なた、もしくは半日陰です。乾燥にとても強く、ロックガーデンに植えることもできます。
球根の植えつけ
ハナニラの植えつけ時期は9月~11月にかけてです。ヒガンバナが咲き始めた頃が目安となります。数年は植えっぱなしにでき、その間は土の中で自然と分球して増えていきます。植えつけの際は、球根が増えるのを見越して広めのスペースを確保しましょう。
肥料
ハナニラは少ない肥料で元気よく育ちます。植えつけ時には元肥として緩効性肥料を与えます。地植えの場合は1月頃に粒状肥料で追肥を行いましょう。鉢植えの場合は3カ月に1回の頻度で緩効性肥料を追肥していきます。
おすすめは、元肥・追肥に使用することができ、植物の生育に必要な成分をバランス良く配合した有機入り緩効性肥料Plantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料です。
水やり
地植えのハナニラは、ほとんど水やりの必要はなく、雨水のみで育てることができます。雨が長く降らない場合は水やりしましょう。鉢植えも同様ですが、地植えよりも土が乾きやすい点に注意が必要です。
花がら摘み
ハナニラはひとつの株に次々と花を咲かせていきます。開花期間中はこまめに花がら摘みを行い、結実を防ぎましょう。
分球
ハナニラの球根は土の中でどんどん増えていきます。鉢植えは2年に1回、地植えは4~5年に1回程度の頻度で掘り上げて分球しましょう。適期は9月~11月です。球根を掘り上げたら分割し、再び植えつけて育てていきましょう。
おわりに
寒さが和らぐ3月は、さまざまな花の観賞を楽しめる時期です。ピンクや黄、白など、春らしい色の花をつける植物もたくさん。ぜひご自宅で色とりどりの花を植えて、春のガーデニングを楽しみましょう。
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