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【果樹栽培】アケビの育て方|株分け、植えかえ時期をご紹介します。

【果樹栽培】アケビの育て方|株分け、植えかえ時期をご紹介します。

アケビは日本の山野に自生している、7~10cmほどの実がなる植物です。

果実や果皮などが食用として親しまれていますが、可愛らしい花を咲かせてくれ葉色も美しいため、観賞用としても生育を楽しめます。

アケビはひとつの株では実がなりにくいという特徴があるため、果実の収穫を楽しみたいという場合には、2株以上を生育させる必要があります。

このように聞くと育てるのが難しいのかな?と思われるかもしれませんが、自生できる丈夫な植物なので、お手入れには手間がかかりません。

この記事では、アケビの育て方や増やし方、植えかえなどについてご紹介します。

アケビとは?

アケビは食用や漢方、工芸品などさまざまなシーンで古くから親しまれています。

アケビの詳細についてご紹介していきます。

アケビの概要

アケビは、アケビ科アケビ属のつる性の植物で、日本の山野などに自生しています。

学名は「Akebia quinata」、英名では「Chocolate vine」・「akebi」といわれます。

アケビの特徴

アケビは可愛らしい花や葉、インパクトのある果実をつけることが特徴的です。

5枚の葉が円状に連なり手のひらのように可愛らしく、色味も鮮やかなグリーンで明るいため、観賞用としても人気があります。

アケビの高さは3~10mほどで、他の植物や支柱などにつるを巻きつけながら生長していきます。

もともと日本に自生している植物なので、寒さや暑さにも強く、鉢植えにして屋外で育てることも、地植えして育てられます。

アケビの果実

アケビの果実は、7~10cmほどの楕円状をしており、紫がかった色味が特徴です。

熟してくると厚みのある果皮が中央からぱっくりと割れて、中の果肉が顔をのぞかせます。果肉の部分は白いゼリー状になっており甘みがあります。

果肉には黒い小さなつぶつぶの種がたくさんあります。

鳥が果肉を食べて種を吐くことで、離れた場所にもアケビの種が拡散でき、子孫が残せるようになっています。

アケビの栽培スケジュール

  • 植えつけ:11月から3月頃の真冬を除いた休眠期
  • 植えかえ:1月から3月頃の開花前
  • 種まき:9~10月
  • 剪定:1~2月・7月頃
  • 開花の時期:4~5月頃
  • 果実の収穫時期:9~10月頃(実がつくまでには3年以上かかります。)

アケビは万能な植物

アケビは果皮や果実、新芽を食べることができます。果実は甘みがあり、そのままスプーンですくって食べることができます。

熟すと果皮がはじけて中の果肉が見えるようになり、このタイミングが食べ頃です。

果皮も山菜のように食べることができ、東北地方では食材として利用する習慣があります。

水にさらしてあく抜きする必要がありますが、天ぷらや炒め物などにして美味しくいただけます。少し苦みがあるのが特徴です。

また春頃の新芽も食べられます。アケビの新芽は柔らかい食感を楽しめます。収穫できたら天ぷらや、柔らかいのでお浸しなどにして、味わってみてはいかがでしょうか。

アケビは食用だけではなく、その他にも余すことなく活用されてきました。

アケビの種は油の原料として、茎は利尿作用や抗炎症作用を促す漢方として、そしてアケビ細工など工芸品にも活用され、まさに万能な植物なのです。

アケビの花

アケビの花は紫色や白色、クリーム色のものがあり、3枚の花弁を咲かせるのが特徴です。

アケビの花の特徴

開花の時期は4~5月頃で、木のあちこちに花を咲かせてくれ、優しい香りがします。

アケビは1株で雄花と雌花の異なる花を咲かせます。

雄花の雄しべは丸まっており、雌花の雄しべは放射状に広がっています。また雌花のほうが雄花よりも大きな花なので、見分けることができます。

アケビの花言葉

アケビの花言葉には、「才能」や「唯一の恋」などがあります。アケビは漢方に用いられ、つるや種は工芸品や油に加工されて使用されます。

また新芽や果実、果皮が食べることができ、さまざまな用途で活用されてきた植物です。

その多様性から「才能」という花言葉がつけられました。

また「唯一の恋」は、雄花と雌花が異なる花を咲かせることから、この花言葉がつけられとされています。

アケビの名前の由来

アケビには、2通りの名前の由来の説があるといわれています。

ひとつは、果実が熟してぱっくりと割れた様子が「あくび」している様子に見えることからという説と、もうひとつは、果実が割れることから「開け実(あけみ)」と呼ばれるようになり、「あけび」へと変化したという説です。アケビの別名である「通草」は、アケビのつるが空洞であることに由来しています。

アケビの種類

アケビにはいくつか種類があり、果実の皮の色、葉の枚数などに違いがあります。

アケビ

基本の種類で、5枚の葉、7~10cmの紫色の実、クリーム色の花がつきます。

ミツバアケビ

アケビの葉は5枚連なっているのが特徴ですが、ミツバアケビは3枚の葉が連なっており、縁はギザギザになっているのが特徴です。

ミツバアケビの種類のなかに、さまざまな園芸品種が存在します。

ゴヨウアケビ

5枚の葉が連なっており、縁がギザギザしているのが特徴です。

アケビとミツバアケビのこう配で自然に誕生したといわれています。

アケビの育て方のポイント

アケビは日本で自生できるため手がかからず、ポイントをおさえれば比較的簡単に育てられる植物です。

ここではアケビの育て方のポイントを2つご紹介します。

果実を栽培する場合は異なる株を植えつける

果実の栽培を楽しむのであれば、異なる種類の株を植えつける必要があります。

アケビは同じ株に雄花と雌花を咲かせますが、ひとつの株では受粉が難しいため、異なる種類の株を並べて植えつけて、受粉を促してあげるのがポイントです。

また実がつくまでは3年以上かかるため、葉やつるの生育や開花を楽しみながら、じっくりと実るのを待ちましょう。

つるを誘引する

アケビはつるを伸ばして大きくなると、木のようになります。支柱などを活用してつるを誘引することで、美しい株に生長させられます。

地植えの場合には、フェンスや垣根などしっかりしたものに誘引します。

庭の境界線になるフェンスや垣根などに絡ませて、自然あふれる外観を演出したり、オープンなお庭の目隠しとして利用したりでき、観賞用としてだけなく実用性の高さもあります。

アケビを育てる最適な環境は?

アケビに最適な日当たり、温度、用土をご紹介します。

庭に地植えする場合には、ぜひ参考にしてください。

アケビに最適な日当たりは?

アケビを育てるには、明るい半日陰がベストです。地植えする場合には、日当たりがよく、地の付近は日陰になるような場所を選びます。

なおかつ夏シーズンは、西日に当たらない場所を選べると安心です。

丈夫で暑さにも強いとはいえ、真夏の直射日光が当たると葉焼けする可能性があるからです。風通しのよさも考慮してあげるとよいでしょう。

アケビに最適な温度

アケビは本州から九州にかけて広く自生している植物なので、暑さや寒さにも強い耐性を持っています。

冬場は葉が落ちて自然に越冬できます。ただし新芽が出る時期に霜に当たってしまうと、枯れる可能性もあるため、株元をマルチングして保護してあげてください。鉢で育てている場合には、屋内に移動させるとよいでしょう。

夏場はつるが生長し覆い茂っているようであれば、風通しをよくするための剪定を行います。

アケビの用土の選び方

アケビは地植えだけでなく鉢植えでも育てます。

アケビは落ち葉がたくさんあるような場所で自生しているため、水はけがよく腐葉土が混ざっている用土が適しています。

鉢植えする場合、赤玉土:腐葉土を7~8:2~3の割合で混ぜ合わせて作ります。市販の果樹用の土でもかまいません。鉢のサイズは、苗よりも一回り大きなサイズを選びます。

地植えする場合には、植えつける場所に穴を掘り、腐葉土か堆肥を混ぜ合わせてから植えつけします。そうすることで水はけがよくなります。

アケビのお手入れの方法

アケビの水やりや肥料の与え方などのお手入れについてご紹介します。

アケビの水やり方法

アケビの根は浅めに張るので乾燥に弱く、夏場は水切れさせてしまわないように注意が必要です。

冬場はアケビの休眠期に入るため、水やりは控えるようにします。鉢植えの場合は2~3日に一度、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりするのがポイントです。

地植えの場合、根付くまでは土が乾いたら水やりして、根付いた後は基本的に雨だけで生育します。日照りが続いて土が乾燥したときだけ水やりします。

アケビの肥料の与え方

地植えの場合は元肥として有機質肥料を使用し、株のまわりにたっぷりと与えます。『土を豊かにする肥料』は、堆肥と肥料成分がペレット状に一つになっているのでおすすめです。

その後、地植えの場合には年に2回、2月・10月のタイミング追肥を行います。
追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続する『Plantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。

『Plantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料』は、植物の生育に必要な成分をバランス良く配合した有機入り緩効性肥料です。

鉢植えの場合は、植えつけの際に元肥・追肥に使用できる緩効性肥料Plantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料を土に混ぜ込みます。

その後、鉢植えの場合は、年に3回、2月・5月・10月のタイミングで与えます。
追肥にもバラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続するPlantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料を施しましょう。

アケビの剪定

アケビの剪定のタイミングは、年2回、1~2月と7月に伸びすぎたつるを剪定します。

あまりに剪定し過ぎると、果実がつきづらくなってしまうので、可能なかぎり剪定はしないほうが望ましいです。

剪定する場合には、花芽を2~3個残しておくようにします。

アケビの植えつけ・種まきの方法

アケビは苗を購入するか、果実から種を採取して種まきで育てることができます。

アケビの苗の選び方

まず苗の選び方からご紹介します。アケビの苗を選ぶポイントは、葉がしっかりと開いているものを選ぶことです。

ひとつの株では果実を実らせることは難しく、同じ品種どうしでも実をつけることはありません。

果実を収穫したい場合には、上述したとおり異なる品種を2株以上選んで、近くに並べて植えつける必要があります。

開花や葉の生長を楽しみに育てる場合には、ひとつの株で問題ありません。花や葉の色味などお好みのものを選ぶとよいでしょう。

アケビの植えつけ方法

植えつけは、11月から3月頃の真冬を除いた休眠期に行います。

【植えつけの手順】

  1. 深さ50~70cmほどの穴を掘ります。
  2. 腐葉土か堆肥を混ぜ合わせて、40~50cmほど土を戻します。
    『土を豊かにする肥料は、堆肥と肥料成分がペレット状に一つになっているのでおすすめです。
  3. 苗の根を広げて土をかぶせます。
  4. 植えつけ後は十分に水やりします。

アケビの種まき

果実の中にある種を採取すれば、種まきで増やしていけます。アケビの種は乾燥に弱いため、採取したらすぐに種まきするか、保存する場合には湿らせたキッチンペーパーにくるんで冷蔵庫で保存しておきます。種まきする時期は、9~10月頃です。

【種まきの方法】

  1. 育苗ポットを用意します。
  2. 用土は有機質を含まないものを選びます。
  3. 種にしっかりと土をかぶせます。
  4. 芽が出るまでは日陰で育てます。
  5. 土が乾燥しないように十分に水やりします。
  6. 翌年の春頃に新芽が出てきます。

アケビの植えかえ

鉢植えの場合、2~3年に一度のタイミングで植えかえするのが目安です。

一回り大きな鉢植えに植えかえを行うことで、根詰まりを防いで通気性もよくなります。

植えかえの際には、植物の生育に必要な成分をバランス良く配合した有機入り緩効性肥料『Plantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料』を土に混ぜ込みます。

植えかえの時期は、11月から3月頃の開花前に行い、植えかえ後はたっぷりと水やりするようにしましょう。

アケビの増やし方

アケビは挿し木で簡単に増やしていけます。挿し木のタイミングは6~7月頃です。

挿し木に使う用土は肥料が混ざっていないものを使用します。挿し木でも根が出ない場合もあるため、何本が挿し木しておくのがポイントです。

【挿し木での増やし方】

  1. つるの先端から5~10cmほどの長さをカットします。
  2. つるの先端の葉を半分にカットします。
  3. カットした周辺の葉はすべて取り除きます。
  4. 切り口の部分を1~2時間ほど水に浸けておきます。
  5. つるを用土に挿します。

アケビの病害虫

アケビは丈夫で自然の野山に自生しているため、病害虫に強い植物です。

しかし、うどんこ病にかかりやすいため注意が必要です。うどんこ病は糸状の菌で白い粉のようなものが付着し、次第に広がって繁殖していきます。放置していると株が弱っていくため、拡がらないようすぐに感染した部分を切り取る必要があります。

一度うどんこ病が発症すると、菌が残って再発する恐れがあるため、殺菌剤をまいてうどんこ病の再発を防止します。5〜6月と9〜10月の時期に発生しやすいため注意が必要です。

まとめ

アケビは、つるがどんどん生長し葉色も明るいため、美しい景観を楽しむものとして、またお庭の目隠しとして植栽するのもおすすめです。

実を栽培したい場合には、2本以上の植えつけが必要ですが、丈夫でお手入れも難しくないため、収穫を楽しみにじっくりと生育していきましょう。

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