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スノードロップの育て方|特徴や栽培の流れ、増やし方について

スノードロップの育て方|特徴や栽培の流れ、増やし方について

スノードロップは、小さなしずくに似た白い花が特徴です。主に2月~3月に開花し、夏が近づくと球根の状態で休眠します。長く育てていくためには、どういったお手入れを行えば良いのでしょうか。今回は、スノードロップの基本情報や育て方、管理方法、増やし方など、さまざまな情報をご紹介します。

☘140:スノードロップの育て方|夏越しの方法は?水やりや肥料など日々の管理をご紹介

スノードロップの特徴|開花時期や名前の由来

スノードロップは、2月~3月にかけて、春を告げるように咲く可憐な花です。伸びた花茎の先に、小さな白い花びらを6枚つけます。花は地面に向かっておじぎするように垂れ下がり、耳飾りのように揺れます。草丈は10cm~20cmと低めですが、品種によってはさらにコンパクトなものも。ほかの植物と合わせやすいため、寄せ植えにも用いられています。ビオラやパンジー、クリスマスローズ、ムスカリなど、開花時期の近い花と組み合わせて育ててみるのもおすすめです。

スノードロップの名前の由来

スノードロップは、雪のしずくのような外見からこの名前がついたといわれています。和名も「待雪草(マツユキソウ)」と、雪に関連する名前がつけられています。

原産地であるヨーロッパではポピュラーな存在で、キリスト教にも深いかかわりがあるとされています。スノードロップを栽培していた修道院も多く見られたようです。

スノードロップの主な品種

スノードロップのなかでも特に有名なのが「ガランサス・ニバリス(ニヴァリス)」と「ガランサス・エルウェシー」の2種類です。日本でよく見られるのはエルウェシーですが、原産地ではニバリス(ニヴァリス)のほうが一般的といわれています。

ガランサス・ニヴァリスは、コモン・スノードロップとも呼ばれます。園芸品種もいくつかつくられています。

ガランサス・エルウェシーは、ジャイアント・スノードロップとも呼ばれます。その名の通り大きめで、ニヴァリスと比較して乾燥に強い性質を持つのが特徴です。育てやすく、現在の日本では幅広く流通しています。

スノーフレークとの違い

スノードロップとよく似た花に、スノーフレークがあります。どちらも下に向かって垂れ下がるように白い花を咲かせます。

スノーフレークの花の形は釣鐘型で、スノードロップよりも丸みを帯びている点が異なります。花の先端に緑の斑点があり、草丈も高めで、30cm~40cmあります。開花時期は3月~5月です。スノードロップの時期が終わるころ、スノーフレークが咲き始めます。

スノードロップの育て方|球根の植えつけから花がら摘みまで

スノードロップ

スノードロップは球根を植えつけて育てます。夏を乗り越えれば、何シーズンも栽培していくことが可能です。冬にぴったりのスノードロップを、ぜひご自宅で育ててみましょう。こちらでは、スノードロップの基本的な育て方をご紹介します。

球根選び、苗選び

スノードロップを栽培するときは、種ではなく球根から育てるのが一般的です。種をまいて育てていくこともできますが、花が咲くまで数年かかります。

スノードロップを元気良く育てるためには、球根にもこだわることが大切です。手に持ったときにずっしりとしており、ツヤがあるものがおすすめです。傷があるものや病害虫被害を受けているもの、シワがあるものは避けましょう。

また、芽出しされた状態の球根や、ある程度育った苗も販売されることがあります。ただし、球根と比べて購入できる期間が短いため注意が必要です。芽出し球根を買うときは、芽に元気があるものを選びましょう。苗を買う場合、すでに蕾がついているものであれば、すぐに花を楽しむことができます。傷のあるものや虫食いのあるものなどは避けましょう。

土づくり

スノードロップは、水はけの良い用土を好みます。鉢植えにする場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で配合したものがおすすめです。元肥として緩効性肥料「マグァンプK 中粒」を混ぜこみましょう。。市販されている草花用の培養土を使うと、より手軽に用土を準備できます。

地植えにする場合は、植えつけ予定地に腐葉土を加えて排水性を高めましょう。元肥「マグァンプK 中粒」も忘れずに施します。

植えつけ

スノードロップの球根は秋に植えつけます。夏が終わり、涼しくなった9月~10月をめどに作業を始めましょう。

スノードロップの球根は小さいため、鉢の大きさによっては複数株を植えることができます。ある程度まとめて植えることで、開花した際の見栄えも良くなります。鉢底にはネットと鉢底石を敷きましょう。

株間は5cm程度あけておきます。間隔が広すぎるとボリューム感がなくなってしまうため注意しましょう。

覆土は2cm程度です。地植えの際は、鉢植えよりも少々深めに植えてあげましょう。

植えつけが完了したら、水をたくさん与えます。鉢植えの場合は、底から水が流れ出る程度が目安です。

栽培環境

スノードロップ

スノードロップを栽培するときは、日当たりの良い場所を選びます。ただし、植えつけてから発芽するまでは、半日陰程度の場所で管理すると良いでしょう。発芽後は日なたへ移します。開花が終わるまでは日光にたっぷりと当ててあげましょう。

夏になり、日差しが強くなってきたら、半日陰もしくは日陰へ移します。高温が苦手なスノードロップは、真夏の直射日光が当たる環境で弱ってしまう可能性があるためです。地植えの場合は日よけをつくると良いでしょう。可能であれば、落葉樹の下に植えておくと、夏に自然と木陰がつくられるためおすすめです。

また、全期間を通して風通しの良い場所を選ぶことも大切です。蒸れを防ぐために、湿気がこもりにくい環境を整えましょう。

水やり

スノードロップに水を与えすぎると過湿になり、球根が腐ってしまうことがあります。水やりは土の表面が乾いたタイミングで行いましょう。地植えにする場合は基本的に水を与えず、降雨に任せてかまいません。ただし、植えつけ直後にはたくさん水をあげましょう。

肥料

美しいスノードロップの花を楽しむためには、適切な施肥の量やタイミングについて確かめておくことが大切です。与える肥料が多すぎても少なすぎても、生育に影響が生じることがあります。

スノードロップの場合は、肥料を与えすぎないように気をつけたほうが良いでしょう。肥料過多になると、かえって株が弱ってしまうため注意が必要です。

基本的には、植えつけ時と花後の2回施肥を行います。植えつけの際は、元肥として緩効性肥料「マグァンプK 中粒」を施しましょう。

開花が終わったら、次のシーズンへ向けてエネルギーを蓄える必要があります。緩効性肥料「プロミック 草花・鉢花用」を与えるか、速効性の液体肥料「ハイポネックス原液」を1週間~10日に1回程度の頻度で与えましょう。期間は花後から1カ月程度が目安です。

花がら摘み

スノードロップは、一株に複数の花を咲かせます。咲き終わったものから順次花がら摘みをしていきましょう。花がらをそのままにしておくと種がつくられるため、次の花を咲かせるエネルギーを取られてしまいます。花茎の根元からカットしていきましょう。

スノードロップのお手入れ方法|夏越しや病害虫対策

スノードロップ

スノードロップを元気良く育てていくためには、夏の管理や病害虫対策などに気を配ります。状況に応じた管理方法を確かめておきましょう。こちらでは、スノードロップのお手入れについてご紹介します。

夏越し

スノードロップの花が終わり、初夏に差し掛かると休眠期に突入します。夏の間は休眠し、涼しくなってきたら再び芽が動きだします。夏越しの準備や夏の間のお手入れ方法について確かめておきましょう。

スノードロップの花が枯れても、葉や茎はカットせずにそのまま水をあげ続けます。光合成で球根に栄養を蓄えるためです。葉が枯れ始め、黄変してきたら水やりを徐々に控えます。ただし、完全にストップすることはありません。スノードロップの夏越しには、ある程度の水分が必要です。土が完全に乾かないように調整しましょう。水やりは朝の涼しい時間帯に済ませます。日中に水を与えると、土の中で高温になって蒸れの原因になるため気をつけましょう。

鉢植えの場合は、涼しい日陰へ移動させます。地植えの場合、植えっぱなしでも問題ありませんが、地面の温度が高くなりすぎないように敷き藁で対策することがおすすめです。地植えで夏越しさせることが難しい場合は掘り上げてもかまいませんが、球根を乾かさないように注意しましょう。掘り上げたらすぐに用土を入れた鉢へ移すことが大切です。

病害虫対策

スノードロップで気をつけたい病害のひとつが灰色かび病です。糸状菌と呼ばれるカビが原因で発生する病気で、花びらのシミや葉の変色などが現れます。特に株元に発生するケースが多く見られます。進行すると株が腐り、枯れてしまうこともあるため注意が必要です。灰色かび病にかかるのはまれですが、発症したらすぐに患部を取り除き、被害の拡大を防ぎます。

灰色かび病は高温多湿の環境で起こりやすいため、植えつける場所をよく選ぶことが大切です。風通しと日当たりが良い場所にて管理しましょう。

茎や花などに水滴が付着したままの状態も好ましくありません。水やりの際は、株元にそっと水を注ぐように心がけましょう。泥はねを防ぐため、気になるかたはビニールマルチをするのも効果的です。

加えて、注意しておきたいのは花がらの処理です。落下した花がらをそのままにしておくと、付着したところから灰色かび病が生じることがあります。こまめに取り除いてあげましょう。

また、チッソが過多になったときも、灰色かび病が発生しやすくなるといわれています。肥料を与えすぎないことはもちろん、スノードロップに合った成分の肥料を選ぶことも大切です。窒素(N)が高すぎず、リンサン(P)が少し高めなものが適しています。おすすめしている肥料は、ハイポネックス原液(N:P:K=6:10:5)、プロミック草花・鉢花(N:P:K=8:12:10)と共にリン酸が高めです。

スノードロップの増やし方|分球の時期や手順

スノードロップ

スノードロップは球根が分かれることで増えていきます。種を採取してまくことで増やすことも可能ですが、何年も時間がかかります。一般的なご家庭で楽しむなら、分球がおすすめです。ご自宅で植えた球根に子球がついていたら、分球させて増やしてみましょう。最後に、スノードロップの増やし方についてご紹介します。

分球とは

分球とは、文字通り球根が分かれることです。生長するにしたがって自然と分球する植物もあれば、人の手で球根を割ることで増える植物もあります。

元々の球根は親球、分球によって増えた球根は子球と呼ばれます。植物の種類によっては、親球が次第に小さくなり、子球が大きく生長するものもあります。

スノードロップの場合は、何年にもわたって植えっぱなしにしていると、子球が増えて土のなかが込み合ってきます。そうなると株の生長にも影響が出てしまうこともあります。分球して株を整理することで、見栄えの良い状態を保てるでしょう。

分球の時期

スノードロップの分球は休眠期に行います。花が終わって地上部が枯れた後の夏を目安に作業しましょう。

ただし、毎年行う必要はありません。スノードロップの球根は乾燥を嫌うため、できるだけ掘り上げないことがおすすめです。2年~3年に1回程度の頻度で試してみましょう。

分球に必要なもの

分球の際は、植え替え用の鉢や用土を準備しておきます。掘り上げて分球したらすぐに植えつけられるように準備しておきましょう。

子球は小さいため、鉢で管理することがおすすめです。鉢には鉢底ネットと鉢底石を敷き、半分以上の深さまで用土を入れておきましょう。

分球の方法

球根を掘り上げたら、子球の大きさをチェックします。あまりに小さいようであれば無理に取り分けず、そのままにして土へ戻しましょう。

子球と親球は手で割って分けていきます。自然に外れないものも、無理に分球せずに戻します。分球できた球根は、すぐに用意していた鉢へ移し、土をかぶせましょう。

植えつけが完了したら、水をたくさん与えます。その後は、発芽するまで日陰で管理しましょう。芽が出てきたら日なたへ移動させ、同じように管理していきます。

分球後の注意点

子球を植えつけても、すぐに花が咲くとは限りません。分けたばかりの子球は小さく、開花に必要なエネルギーが得られないためです。開花するのは植えつけから2年程度はかかると考えておきましょう。

おわりに

スノードロップ

冬から春のはじめにかけて、雪のように美しい花を咲かせるスノードロップ。か細い花茎を揺らす繊細な姿が見る人の心を引きつけます。初心者でも育てやすい球根植物のひとつでもあるため、ぜひ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。夏越しや分球など、時期に応じたお手入れをしながら、長く育てていきましょう。

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