【ミニトマトの育て方】初心者でも簡単!植えつけから収穫まで失敗しないコツ

ミニトマトは初心者でも育てやすく、家庭菜園において長く親しまれている野菜です。大玉トマトに比べて病気に強く、甘みが強いのが特徴で、リコピンなどの栄養も豊富に含まれています。
見た目もカラフルで、お庭やベランダを明るく彩ってくれるのも魅力です。
本記事では、ミニトマトの品種選びから植えつけ、収穫、保存方法までをわかりやすく解説し、失敗しやすいポイントとその対策も紹介します。
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トマト
学名 Lycopersicon esculentum 科名 ナス科 原産地 南米アンデス地方 分類 一年草 耐寒性 弱 耐暑性 強 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月収穫時期植えつけ・植えかえ施肥
- 目次
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- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- ミニトマトの育て方|特徴と主な品種
- ミニトマトとは?
- ミニトマトの主な品種
- 品種選びのポイント
- ミニトマトの育て方|植えつけと準備
- 植えつけ時期
- 苗選びのコツ
- 準備するもの
- 植えつけ場所の選び方
- 土づくり
- 植えつけ方法
- 支柱の立て方
- ミニトマトの育て方|水やりと肥料
- 水やり
- 肥料
- ミニトマトの育て方|仕立てと芽かき
- 基本の1本仕立て
- 収穫量アップの2本仕立て
- ループ仕立て
- 行灯(あんどん)支柱・ピラミッド式
- 芽かき(わき芽かき、脇芽かき)
- ミニトマトの育て方|着果促進と人工授精
- 着果促進とは?
- 第一花房の人工授粉方法
- 着果率を上げるコツ
- 摘芯と摘果のタイミング
- ミニトマトの育て方|病害虫対策
- 主な害虫と対策
- 主な病気と対策
- ミニトマトの育て方|収穫と保存
- 収穫時期・タイミング
- 収穫方法
- 収穫後の抜き取り
- 収穫後の株の処理
- 収穫後の保存方法
- おいしい食べ方とレシピ
- ミニトマトの育て方|よくある失敗と対策
- 鉢やプランターの深さが足りない
- 水を与えすぎている
- 芽かきをしていない
- 摘芯をしていない
- ミニトマトの育て方|コンパニオンプランツ
- コンパニオンプランツとは?
- ミニトマトと相性のよい植物
- ミニトマトと相性のよくない植物
- ミニトマトの育て方|連作障害とローテーション
- 連作障害とは
- 土壌改良と輪作の工夫
- おわりに
- 🍅緒方湊の家庭菜園ゼミナール🍆
- 💧ハイポネックス研究員が実演!
- 動画でわかりやすく!HYPONeX Smile
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘59:ミニトマトの育て方|おいしい実を付けるには?水やりと肥料の与え方、わき芽かきや摘心などの管理方法もご紹介
ミニトマトの育て方|特徴と主な品種

ミニトマトには、初心者でも育てやすい定番品種から、色や形がユニークな個性派品種まで、さまざまなタイプがあります。
ここでは、育てやすさや味わいに注目しながら、ミニトマトの特徴と主な品種をご紹介します。
ミニトマトとは?
ミニトマトは南米アンデス高地原産のナス科の植物で、直径3cm以下、重量20〜30g程度の小ぶりな果実が特徴の野菜です。
大玉トマトと比べて糖度が高く、甘みが強いため生食に適しています。一株からたくさんの果実が収穫でき、長期間にわたって収穫を楽しめるのも大きな魅力です。
ミニトマトの主な品種
千果(ちか)
千果は、つやのある濃い赤色で、生食に向いた甘みと酸味のバランスが絶妙な品種です。
非常に多収で育てやすく、初めてのミニトマト栽培には最適といえるでしょう。
アイコ
果肉が厚く、ゼリー部分が少ないプラム型が印象的な品種です。
果実の割れも少なく実つきが良いため、一度にたくさん収穫できます。しっかりした歯ごたえがあり、サラダはもちろん料理にも使いやすいのが特徴です。
トマトベリーガーデン
イチゴのような可愛らしいハート形が印象的で、その愛らしい見た目からお子様にも人気があります。
果重は約15gで、甘く肉厚な果実が特徴です。
チョコちゃん
珍しいチョコレート色をした球形の果実で、果重20〜30gとやや大玉に育ちます。
完熟すると甘みも楽しめる個性的な品種です。
レジナ
草丈15〜20cmのコンパクトな品種で、支柱が不要なため鉢植えや観賞用に最適です。
小さなスペースでも栽培でき、赤色または赤橙色の可愛らしい実をつけます。
品種選びのポイント
プランターで育てる場合は、草丈が15〜20cm程度と低く、支柱なしでも育てられる矮性品種のレジナがおすすめです。果実はやや小ぶりながら甘みがあり、観賞用としても人気があります。
畑での栽培には、多収で育てやすい千果やアイコが適しています。千果は果つきがよく味のバランスも優れた定番品種、アイコは裂果しにくく、果肉が厚い楕円形の中玉タイプです。
また、苗を選ぶ際には「接ぎ木苗」がおすすめです。青枯病や萎凋病といった土壌病害に強く、連作障害のリスクも抑えられるため、ガーデニング初心者でも安心して育てられます。
ミニトマトの育て方|植えつけと準備

ミニトマトを育てるときは、苗を購入するのがおすすめです。
まずは、ミニトマトの植えつけ時期や苗選びのコツ、植えつけ方法などについてご紹介します。
植えつけ時期
ミニトマトは種からでも苗からでも育てられますが、初心者の場合は苗を購入するのがおすすめです。種まきをする場合は3月~4月、苗を植えつけするなら4月下旬~6月に作業を済ませましょう。
暖かい環境を好むため、霜の降りる時期は避けるのがポイントです。もし植えつけた後に寒くなることがあったら、暖かい場所へプランターを移したり、不織布で覆ったりして防寒します。
苗選びのコツ
ミニトマトに限らず、植物の苗を選ぶときは、虫がついていないかチェックしましょう。虫食いのあとがあるものも、株が弱っている可能性があるため避けたほうが無難です。
また、苗全体を見て、茎が太めでがっしりとしているものがおすすめです。
ひょろひょろと徒長して、弱々しいものはうまく育てられないかもしれません。葉の色が濃く、ピンと張っているものは元気です。
また、一番花(一つの株のなかで一番はじめに咲いた花)が咲いている苗は育てやすいのでおすすめです。
準備するもの
植えつけの際は、用土、肥料、鉢(プランター)、移植ごて、支柱などを準備します。
ミニトマトは旺盛に根を伸ばすため、鉢やプランターは30cm程度の深さ・幅があるものがおすすめです。
支柱は、基本的に1株に1本は用意しておきます。仕立て方に応じて数を増やしましょう。支柱の大きさは150cm以上がおすすめです。
植えつけ場所の選び方
ベランダ栽培をする際に注意したいのが、室外機の存在です。室外機から出る風が当たる場所は避けて、プランターを配置しましょう。
常に強い風が当たる環境だと、ミニトマトが乾燥してしまいます。
土づくり
ミニトマトをおいしく育てるには、排水性・保水性・通気性・保肥性に優れた土を用意することが大切です。市販の野菜用培養土を使えば問題ないでしょう。
おすすめは、『今日から野菜 野菜を育てる土』です。
元肥が加えられた培養土なら、追加で元肥を用意する必要はなく、購入してきたらそのまま使うことができます。
また、今までナス科の植物を育てたことがある土には植えないようにしましょう。連作障害が発生し、うまく育たなくなってしまうことがあります。
植えつけ方法
苗を購入したら、すぐにプランターや畑へ植えつけましょう。小さなポットに入れたままだと、ミニトマトをすくすくと育てることができません。
プランターへ植えつけるときは、鉢底ネットで底の穴をふさぎ、鉢底石を敷いてから土を入れ、根鉢よりも一回り大きな植え穴を掘ります。
苗を優しくポットから出し、植え穴に置いたら土をかぶせましょう。倒れてしまうのを防ぐため、しっかりと土を寄せてあげるのが大切です。
植えつけが済んだら水をたくさん与えます。プランターの底から流れ出てくるくらいが目安です。
支柱の立て方
ミニトマトが大きくなってくると倒れやすくなるため、植えつけ時に支柱を立てておきましょう。茎を固定する際は麻紐などで8の字にゆるく結びます。
きつく固定して傷めないよう、優しく扱いましょう。苗のそばに支柱を立てる際は、倒れないようにしっかりと打ち込みます。
ミニトマトの育て方|水やりと肥料

ミニトマトを植えつけたら、水やりや施肥などを行いながら収穫までお手入れしていきます。
こちらでは、ミニトマトの管理方法をご紹介します。
水やり
ミニトマトの水やりは、土が乾いたタイミングで行います。夏場は地中の温度が上がらない早朝のうちに水やりを済ませましょう。
また、降雨の影響を受ける場所でミニトマトを育てている場合は、水の与えすぎにならないように注意します。できれば雨が直接当たらないところを選んで植えましょう。
プランター栽培の場合は、梅雨の時期は軒下など屋根のある場所へ移すことがおすすめです。
露地栽培の場合は雨除けを作ったり、マルチングして泥はねを防止したりといった対策が有効です。ビニールマルチや敷き藁などを利用することで、夏場の極端な乾燥も防げます。
肥料
ミニトマト栽培では、野菜用の肥料やトマト専用肥料などを使うのがおすすめです。チッソ・リンサン・カリがバランスよく含まれているものを選びましょう。
また、トマト専用肥料であれば、栽培に必要なカルシウムなどの成分をしっかりと取り入れられます。
植えつけ時に元肥を加えた後は、収穫までに何度か追肥を行います。
株で最初についた花房(第一花房)に実がついた頃を目安に追肥をスタートしましょう。
おすすめはゆっくり長く効き続けて野菜が元気に育つ『今日から野菜 野菜を育てる肥料』です。
緩効性肥料の場合は1ヵ月に1回の頻度を目安に施肥をします。肥料ごとに頻度は異なるため、説明書をよく読んでおきましょう。
速効性の液体肥料で管理する場合は1週間~10日に1回の頻度で『今日から野菜 野菜を育てる液肥』を与えます。
ミニトマトの育て方|仕立てと芽かき
仕立て方と芽かきは、収穫量や実の品質を左右する大切な作業です。仕立て方を適切に選び、不要なわき芽(脇芽)をこまめに取り除くことで、効率よくおいしい実を育てられます。
ここでは、ミニトマトの仕立て方法と芽かきのポイントをご紹介します。
基本の1本仕立て
基本は1本仕立てで、一株に1本の支柱を立てます。こまめに脇芽かきをして主枝を伸ばしていきましょう。
養分が脇芽に分散せずに果実が収穫でき、風通しや日当たりが良くなり管理がしやすいため、特に初心者におすすめです。
収穫量アップの2本仕立て
収穫量を増やしたい場合は、主枝と脇芽をひとつ伸ばす2本仕立てが良いでしょう。
残すのは、第一花房の下に出る脇芽です。苗の両脇に支柱を立て、それぞれの支柱に誘引していきましょう。
ループ仕立て
主枝を途中で摘芯し、その下から伸びてくるわき芽を新たな主枝として育てる方法です。
古い枝を順番に更新していくことで、株全体の勢いを保ちながら、長い期間にわたって収穫を楽しめます。
摘芯のタイミングと、勢いのあるわき芽の選定が成功のポイントです。
行灯(あんどん)支柱・ピラミッド式
プランター栽培の場合、行灯支柱やピラミッド式もおすすめです。行灯支柱では、プランターの4ヵ所に支柱を立て、紐や支柱などで囲います。
支柱に沿ってらせん状に誘引することで、コンパクトな栽培ができます。
ピラミッド式の場合、3本程度の支柱を組み合わせてピラミッドのような形に立てます。
支柱を深くまで差し込むのが難しいプランター栽培は、ピラミッド式の立て方が安定させやすくおすすめです。
芽かき(わき芽かき、脇芽かき)
ミニトマトはたくさんわき芽を出していきます。仕立て方にもよりますが、大半は摘み取ってしまってかまいません。
すべて残してしまうと栄養を取られ、収穫できる量が少なくなってしまうことがあります。
わき芽は小さなうちにかき取ります。摘み取った部分が湿ったままだと病気の原因になるため、乾かしやすい晴れた日に作業しましょう。
ミニトマトの育て方|着果促進と人工授精

おいしいミニトマトをたくさん収穫するためには、「人工授粉」に挑戦してみましょう。
自然の受粉だけに頼らず、人工的に着果を促すことで、収穫量や果実の品質を安定させることができます。
ここでは、着果の基本と人工授粉の方法についてご紹介します。
着果促進とは?
着果促進とは、花をしっかりと実らせるための工夫を指します。なかでも第一花房の着果は、その後の株の生育や収穫量に大きな影響を与えるため、とりわけ丁寧な管理が必要です。
家庭菜園では自然受粉が不十分なことも多いため、人工的に受粉を助けると、着果が安定しやすくなります。
第一花房の人工授粉方法
手軽で効果的なのが「振動授粉」です。花が咲いたら、支柱を軽くたたいたり、花房を指ではじいたりして振動を与えてください。
最も花粉が出やすい開花期の午前9〜11時頃に行うことで、自然な受粉をサポートします。
着果率を上げるコツ
着果には適した気温があり、20〜25℃が理想的です。また、湿度が高すぎると花粉の発芽が妨げられるため、風通しのよい場所で育てましょう。
室内やベランダなど風が通りにくい場所では、扇風機で軽く風を当ててあげると、花粉の飛散が助けられ、着果率が高まるとされています。
摘芯と摘果のタイミング
株が支柱の高さに達したら、最上段の果房の上に2〜3枚の葉を残して摘芯をおこないます。
これによって上への成長を止め、栄養が果実に行き渡りやすくなります。
なお、ミニトマトは通常摘果の必要はありません。しかし、実がつきすぎて株が弱るような場合は、適度に間引くことで、一つひとつの実が大きく育ちます。
ミニトマトの育て方|病害虫対策

ミニトマトの栽培時は、病害虫の被害にも気を配ることが大切です。
できるだけ予防や対策をして、美味しいミニトマトの収穫を目指しましょう。
主な害虫と対策
アブラムシ
ミニトマトに発生しやすい虫のひとつがアブラムシです。茎や葉の裏などについて汁を吸い、ミニトマトを弱らせてしまいます。
ウイルスを媒介することもあるため、見つけ次第すぐに駆除することが大切です。
アブラムシが少ない場合は一つひとつ取り除いても良いですが、大量に発生すると駆除が追いつかないこともあります。
そういった場合は、薬剤を使用しましょう。『虫を予防するマグァンプD』は、追肥とアブラムシ退治が同時にできるのでおすすめです。
また、植えつけ時にも使用することで元肥とアブラムシの発生を予防することができます。
アブラムシ被害を防ぐために、ぜひ活用してください。
ネコブセンチュウ
ネコブセンチュウは、根に寄生して瘤(こぶ)をつくり、株の生育を大きく妨げる厄介な害虫です。
予防には、マリーゴールドなどのコンパニオンプランツを一緒に植えたり、土壌を太陽熱や薬剤で消毒したりすることで対策します。
万が一発生した場合は、被害を受けた株を早めに抜き取り、まわりの土を新しい土に入れかえましょう。
主な病気と対策
うどんこ病
うどんこ病は、葉にうどんこのような白い粉がつく病気です。感染した葉を見つけたら、これ以上広がらないように切り取っておく必要があります。
うどんこ病は、日当たりと風通しの悪い場所で発生しやすいのが特徴です。ミニトマトを植えつけるときは株間を十分にあけ、密植を避けましょう。
また、うどんこ病は、チッソ成分を与えすぎることでも起こりやすくなるといわれています。各種成分がバランスよく配合された野菜用の肥料を選びましょう。
『今日から野菜 野菜を育てる肥料』は、カルシウムをはじめ、野菜の生育に必要な成分と有機成分をバランスよく配合しているので予防にもおすすめです。
尻腐れ症
尻腐れ症とは、果実の尻部分が黒ずんでしまう病気です。放っておくと、果実全体が腐っていきます。
一度尻腐れ症になったミニトマトを回復させることは困難なため、見つけたらすぐに摘み取りましょう。
尻腐れ症は、カルシウム不足のときに発生しやすいとされています。土づくりの際に石灰を混ぜておくことで、尻腐れ症を予防しましょう。
尻腐れ症予防には、カルシウムが配合された活力液『リキダス』 を与えましょう。
ミニトマトの育て方|収穫と保存

ミニトマト栽培の醍醐味である収穫。おいしい果実を食べるには、収穫のタイミングや方法を把握しておくことが大切です。
こちらでは、ミニトマトの収穫に関する知識をご紹介します。
収穫時期・タイミング
ミニトマトの収穫時期は、7月~8月頃です。一番花が開いてから約50日で収穫できるようになります。
栽培環境によって収穫のタイミングは前後するため、こまめに様子をチェックしておきましょう。
果実全体が濃い赤色に色づき、ヘタの部分が内側に丸まっているものが食べごろです。
収穫のタイミングを逃すと実が割れてしまうため気をつけましょう。
収穫方法
ミニトマトは、手やハサミで収穫するのが基本です。実がついた茎の部分から摘み取っていきましょう。
ミニトマトはひとつの株にたくさん実をつけます。長期間収穫を楽しめるのが魅力ですが、後半になると葉が枯れてきてしまいます。枯れた部分は順次カットしていきましょう。
収穫後の抜き取り
基本的に、ミニトマトは1シーズンで枯れる植物です。収穫できる実がなくなったら、苗を根ごと抜き取って片付けましょう。
支柱や紐を外し、茎は程よい長さで切っておくと捨てやすくなります。
土については自治体によって分別の仕方が違うため、お住まいの地域のルールを確認しましょう。
使用後の土を再利用する場合は、連作障害を避けるための処理が必要です。まずは余計なものが混ざらないようにふるいにかけます。
土の中の栄養分が偏らないよう、『ハイポネックス 土のリサイクル材』などの土壌改良剤を混ぜ込んでください。土は1ヵ月以上寝かせてから使用しましょう。
収穫後の株の処理
収穫期間中は、株の状態をこまめに観察しましょう。下葉が黄色くなってきたら、適度に取り除いて風通しをよくすることで、病気の予防にもつながります。
収穫が終わったあとは、株を抜き取り、残った葉や茎などの残渣はきちんと処分してください。
病害虫の越冬場所にならないよう、畑やプランターを片付け、清潔に保ちましょう。
収穫後の保存方法

収穫したミニトマトは、用途に応じて保存方法を変えるのがおすすめです。まだ完熟していないものは室温に置いて追熟させると、甘みが増して食べ頃になります。
一方、完熟したトマトは、冷蔵庫の野菜室(5〜10℃)で保存すれば、1〜2週間ほど鮮度を保てます。
収穫量が多い場合は、加工保存しましょう。湯むきして冷凍すれば約1ヵ月程度保存でき、ソースやスープなどの加熱調理に使えます。
ただし、冷凍すると食感が損なわれるため、生食には向きません。料理に合わせて使いわけてください。
おいしい食べ方とレシピ
採れたてのミニトマトは、そのフレッシュな味わいを楽しむため、生で食べるのが一番おすすめです。
サラダやマリネ、カプレーゼなどにすれば、フレッシュな甘みと酸味をそのまま楽しめます。
加熱調理では、セミドライトマトやオイルで煮るコンフィなど、旨みをぎゅっと凝縮させるレシピが人気です。
そのほか、パスタやピザ、スープなどにもよく合うので、さまざまな料理に活用できるでしょう。
ミニトマトの育て方|よくある失敗と対策

鉢やプランターの深さが足りない
ミニトマトを植えつける際に確認しておきたいのが、苗を植える鉢やプランターの深さについてです。
浅すぎる鉢やプランターを使用していると、根がしっかりと伸びることができないため、実の生育に悪影響を与えることがあります。深さが30cm以上ある鉢やプランターを使用するようにしましょう。
地植えにする場合は土を深くまで耕し、根が伸びやすい環境をつくっておくのが大切です。
水を与えすぎている
ミニトマトは、雨が少なく日照量の多い南米アンデス地方を原産とすることから、乾燥に強い性質を備えています。そのため、ミニトマトに過度な水やりは必要ありません。
水を与えすぎると、根腐れを起こしたり、実の甘みが落ちたり、実が水分を含みすぎて膨張し割れてしまったりします。
そのため、水やりは、土の表面が乾いてから鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えるようにしましょう。
水やりの際は、葉や茎に水がかからないよう注意してください。蒸れて病気にかかりやすくなることがあります。
また、ミニトマトの糖度を上げたい場合、水やりを控えたほうが良いと聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
実際に、水やりを少なくしてあえて小さく育てることで、ミニトマトの甘みを強められることがあります。
ただし、この方法で無事においしいトマトを収穫するのは難しい場合も多いため、初めて栽培する方は避けたほうが無難です。
水やりしすぎも良くありませんが、少なすぎてもうまく育ちません。適度に水を与えてあげましょう。
芽かきをしていない

「できるだけたくさんの実をつけたい」と思っても、枝や葉を生い茂らせるのはよくありません。
枝を伸ばすことのほうに栄養素が使われてしまい、実に栄養が行き渡らなくなってしまいます。
また、葉が生い茂ることで葉同士が影をつくり、十分に日光が当たらなくなることもあります。
このような状態を防ぐために、茎の根元から出ている小さな芽を切り下ろす「芽かき」を行いましょう。
芽かきは、ミニトマトの育て方においてとても重要な工程ですので、しっかりとやり方をマスターしてくださいね。
摘芯をしていない
ミニトマトは放っておくと、ぐんぐん生長して大きくなっていきます。植物が生育していく様子を見るのは嬉しいものですが、実をしっかりとつけたいのであれば、大きく育てすぎるのはよくありません。
背丈が伸びすぎると、茎や葉の方に栄養がいってしまい、実のつきが悪くなったり実の味が悪くなったりしてしまいます。
そこで必要となるのが、ある程度の大きさになったら茎の頂上を切り落とす「摘芯」という作業です。茎が伸びるのを意図的に止めることで、実の生育を促すことができます。
ただし、摘芯の際は、花のついた部分まで切り落とさないように気をつけましょう。通常は、6~7花房残します。一番うえの花房の上に、葉を2枚~3枚残してカットするのがポイントです。
ただし、摘芯の際は、花のついた部分まで切り落とさないように気をつけましょう。通常は、6~7花房残します。一番うえの花房の上に、葉を2枚~3枚残してカットするのがポイントです。
ミニトマトの育て方|コンパニオンプランツ

ここでは、ミニトマトと相性のいいコンパニオンプランツをご紹介します。
相性のいい野菜を上手に組み合わせることで、健全でおいしいミニトマトを育てましょう。
コンパニオンプランツとは?
コンパニオンプランツとは、近くに植えることで互いの成長を助け合う植物のことです。
病害虫を遠ざけたり、土壌の状態を整えたりと、栽培環境の改善に役立ちます。
ミニトマトと相性のよい植物を上手に組み合わせることで、株が健やかに育ちやすくなります。
ミニトマトと相性のよい植物
バジル
バジルはミニトマトと特に相性が良く、害虫を寄せつけにくくする効果があるといわれています。
互いの生育を助け合えるうえ、収穫後は料理でも組み合わせやすく、実用性の高いコンパニオンプランツです。
ニラ
根に共生する菌が土壌病害の発生を抑え、萎凋病などの予防に役立ちます。
加えて、独特の香りが害虫を遠ざける効果もあるとされています。
マリーゴールド
畝(うね)のまわりに植えることで、ネコブセンチュウの発生を抑えます。
鮮やかな花が咲くため、見た目にも美しく、花壇や家庭菜園の彩りとしてもおすすめです。
ミニトマトと相性のよくない植物
ウリ科の植物(キュウリ、カボチャなど)は、ミニトマトと病害虫や養分を取り合いやすく、競合するため近くでの栽培は避けましょう。
また、トマトと同じナス科の植物(ナス、ピーマン、ジャガイモなど)も、連作障害や共通の病害虫を引き起こしやすいので、離して植えるのが安全です。
ミニトマトの育て方|連作障害とローテーション
ミニトマトを毎年安定して育てるためには、連作障害への対策が欠かせません。
適切な輪作(ローテーション)と土づくりを心がけることで、土壌の健全な状態を保ち、健康な実を安定して収穫できます。
ここでは、連作障害の原因と予防のポイントについてご紹介します。
連作障害とは
連作障害とは、同じ場所で同じ科の植物を繰り返し栽培した結果、後作の植物の生育が悪くなる現象です。
ミニトマトをはじめとするナス科の作物においては、3〜4年の間隔を空けるのが望ましいとされています。
主な原因は、青枯病や萎凋病などの病原菌が土壌に蓄積し、新たに植えた苗に感染することです。
そのほか、有害線虫の増殖や、特定の栄養素の偏り、有害物質の蓄積も、連作障害を引き起こす要因となります。
土壌改良と輪作の工夫
連作障害対策には、輪作が有効です。畑をいくつかの区画に分け、異なる科の野菜をローテーションで育てることで、3年~4年の間隔を空けて同じ科の野菜を栽培できます。
これにより連作障害のリスクを大幅に減らせます。
また、堆肥や腐葉土などの有機物を土にしっかり混ぜ込むことで、土壌中の微生物のバランスが整い、病害の発生を抑制します。
輪作とあわせて土づくりにも取り組めば、ミニトマト栽培が安定しやすくなるでしょう。
おわりに
ミニトマト栽培は、正しい知識とこまめな管理を心がければ、初心者の方でも十分に楽しめます。失敗を恐れず、日々植物の変化に目を向けながら育てていきましょう。
毎日の観察と少しの手間が、きっと実り豊かな収穫につながります。
興味のある方はぜひ、ミニトマト栽培にチャレンジしてみてください。
🍅緒方湊の家庭菜園ゼミナール🍆
05:🍅ミニトマトの育て方 サントリー本気野菜 純あま
💧ハイポネックス研究員が実演!
01:🍅ミニトマトの栽培方法‐植えつけ編‐
動画でわかりやすく!HYPONeX Smile
🌱030:ミニトマトがよく育つお手入れ方法
公開:2019年4月25日
更新:2022年5月25日
更新:2023年4月30日
更新:2025年8月11日
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