【アジサイ(紫陽花)の育て方】|花の特徴や基本の栽培方法、管理のコツ、増やし方

梅雨のしっとりとした空気が似合うアジサイの花。紫や青、ピンク、赤、白など、さまざまな色の花を咲かせます。毎年、アジサイの季節を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
アジサイは日本の気候に合う植物で、お手入れがしやく、園芸初心者にもおすすめできます。
今回は、アジサイの基本的な育て方やお手入れ、剪定、増やし方などについて詳しくご紹介します。ご自宅でアジサイを育ててみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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アジサイ
学名 Hydrangea 科名 アジサイ科 原産地 日本、北アメリカ 分類 落葉低木 耐寒性 中 耐暑性 やや弱 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月開花時期植えつけ・植えかえ施肥
- 目次
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- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- 【アジサイの育て方】花の特徴や主な品種
- アジサイの色の性質
- アジサイの装飾花・両性花
- アジサイの花の咲き方
- 【アジサイの育て方】主な種類
- ガクアジサイ
- ヤマアジサイ
- ホンアジサイ
- セイヨウアジサイ
- 【アジサイの育て方】おすすめ品種
- ダンスパーティー
- アナベル
- 万華鏡
- ラグランジア ブライダルシャワー
- ハイドランジア マジカル レボリューション
- 【アジサイの育て方】栽培する前に知っておきたいポイント
- アジサイの好む栽培環境
- アジサイの苗選びのコツ
- 【アジサイの育て方】基本の栽培方法
- 土づくり
- 植えつけ
- 水やり
- 肥料
- 動画でわかりやすく!間室みどりさんの植物のお手入れ術!!
- 【アジサイの育て方】長く育てるための管理のコツ
- 植えかえ
- 冬越し
- 【アジサイの育て方】病害虫対策
- アブラムシ対策
- うどんこ病対策
- 【アジサイの育て方】剪定の時期や方法、注意点
- あじさいの剪定の注意点
- 旧枝咲きあじさいの剪定時期・方法
- 新枝咲きあじさいの剪定時期・方法
- 【アジサイの育て方】株を増やす方法
- アジサイの挿し木
- アジサイの株分け
- 【アジサイの育て方】花が咲かないときの原因・対処法
- 剪定時期を間違った
- 日光が不足していた
- 乾いた寒風の影響を受けた
- 水や肥料が足りなかった
- 植えかえをしていなかった
- おわりに
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘79:アジサイの育て方|土の性質によって花の色が変わるの?水やりや肥料の与え方などもご紹介
【アジサイの育て方】花の特徴や主な品種

アジサイは、主に6月~9月上旬に開花する落葉低木です。原産地は日本といわれており、さまざまな場所でアジサイの姿を見かけることができます。
樹高は1m~2mほどの低木ですが、鉢植えにしてコンパクトに育てることも可能です。
アジサイの色の性質
アジサイは、土の酸性度によって花の色が変わる性質が有名です。酸性の土壌では青色系統の花の色になり、中性~弱アルカリ性の土壌では赤・ピンク色系統の花が咲きます。
ただし、白い花をつける品種など、色が変わらないタイプのアジサイも存在しています。
また、生育が進むうちに徐々に花の色が変わっていくタイプも見られます。
例えば、秋色アジサイは梅雨に咲き始めた後、季節が進むにつれてくすんだ色味に変化します。
アジサイの装飾花・両性花
アジサイの花びらに見えるのは「装飾花」と呼ばれるもので、実際には咢(ガク)が変化したものといわれています。装飾花には雄しべや雌しべもなく、種をつくることがありません。
ただ、装飾花は散りにくいことが大きな魅力です。開花が始まったら、長く観賞を楽しめるでしょう。
また、アジサイの種をつくるのは、とても小さな「両性花」です。両性花とは、受粉して種子を作ることができる中央部に咲く花のことです。
花房をよく観察すると、小さい粒のような両性花がついているのを見ることができます。
アジサイの花の咲き方
よく見られる丸い形のアジサイは「手まり咲き」と呼ばれるタイプです。小さな装飾花が集まり、こんもりと丸い花房をつくります。
手まり咲きのアジサイは装飾花が目立ちますが、よく見ると両性花があるので、ぜひ確かめてみましょう。
中央に集まる両性花を囲むように装飾花がついているのが「ガク咲き」のアジサイです。ガク咲きタイプをまとめて「ガクアジサイ」と呼びます。
また、円錐形の穂状の花房をもつアジサイも見られます。咲き方によって受ける印象も異なるため、お庭のテイストに合わせて選ぶと良いでしょう。
【アジサイの育て方】主な種類

ここでは、アジサイの主な種類をご紹介します。それぞれの違いを確かめてみましょう。
ガクアジサイ
ガクアジサイは、古くから自生している日本固有のアジサイの一種です。現在多く見られる手まり咲きのタイプも、ガクアジサイが変化したものといわれています。
中央部分に両性花が集まり、額縁で囲むように装飾花がついているのが大きな特徴です。
ガクアジサイにも多くの園芸品種があり、装飾花がまばらなタイプや、八重咲きのタイプなどがあります。
ヤマアジサイ
福島県から九州にかけて、山地に自生しているアジサイです。「サワアジサイ」とも呼ばれています。
園芸品種もありますが、数はそれほど多くありません。見た目はガクアジサイとよく似ていますが、ヤマアジサイのほうが枝が細く、装飾花や葉も小さめです。繊細で華奢な印象の花がお好きな方におすすめできます。
ヤマアジサイの変種とされるのが、甘味料としても使われる「アマチャ(甘茶)」です。葉を摘み取って乾かし、発酵させたものを調理します。
仏教の行事である灌仏会(花祭り)で振舞われることがあるため、味わった経験のある方も多いかもしれません。
ホンアジサイ
現在、日本でもっともよく見られるのがホンアジサイです。ガクアジサイからつくられたとされる手まり咲きの種類で、大きな装飾花が集まった姿はとても華やかです。
園芸品種が多く、花の色が多彩であり、選択肢が豊富なのも魅力のひとつ。ぜひお好きな雰囲気の品種を探してみましょう。
セイヨウアジサイ
日本のガクアジサイが海外に渡った後、品種改良され、日本へ持ち込まれたものがセイヨウアジサイといわれています。
見た目はホンアジサイのような手まり咲きタイプが基本です。育て方は日本原産のアジサイと大きく変わりません。
また、海外で作出されたセイヨウアジサイが日本に逆輸入された後も、国内での品種改良が行われてきました。
そのため、日本で誕生したセイヨウアジサイの園芸品種も見られます。
【アジサイの育て方】おすすめ品種

アジサイにはたくさんの品種があります。ここでは、おすすめの園芸品種をピックアップしてご紹介します。
ダンスパーティー
先端の尖った八重の装飾花がつく、優雅な印象のアジサイです。
中心部の両性花を装飾花が取り囲んでいますが、一般的なガクアジサイと比べると装飾花が密についており、半分手まり咲きのような見た目であるのが特徴のひとつです。
繊細な雰囲気を持ちながら、舞踏会のように華やかな印象も感じさせるアジサイとなります。
アナベル
アナベルは「アメリカノリノキ」という北米原産のアジサイからつくられた園芸品種です。「アメリカアジサイ」と呼ばれることもあります。
日本でよく見られるアジサイと比較すると花房が大きいのが特徴で、直径30cm程度に育つことがあります。真っ白の装飾花がこんもりと咲く姿はとてもゴージャスです。
純白の花をつけるタイプが有名ですが、現在はピンク色の花を咲かせる品種もあるため、お好みで選びましょう。
万華鏡
万華鏡はアジサイの人気品種のひとつです。装飾花の中心は色が濃く、縁に向かうにつれて白くなっていきます。
白地に淡い青やピンクの入ったグラデーションの花は美しく、万華鏡のようにファンタジックな雰囲気があります。
見飽きることのない花の姿は、フラワーギフトとしても喜ばれるでしょう。
ラグランジア ブライダルシャワー
ラグランジア ブライダルシャワーは、枝の頂点だけではなく、側芽にも花をつけるのが特徴のアジサイです。剪定の手間が少ない点も魅力のひとつです。
育てていくうちに枝が伸び、枝垂れるような形に仕立てることもできます。一般的なアジサイとは異なる見た目になるため、個性的な品種をお探しの方にも向いています。
ハイドランジア マジカル レボリューション
ハイドランジア マジカル レボリューションは、花の色の変化を長く楽しめる品種です。
装飾花は淡いグリーンからブルーやピンクに染まっていくグラデーションタイプで、咲き進むうちにアンティークカラーへ変わります。
お手入れ次第で3ヵ月~6ヵ月ほど咲かせることも可能で、秋色アジサイとしても楽しめます。
【アジサイの育て方】栽培する前に知っておきたいポイント

アジサイは丈夫で管理しやすく、園芸初心者の方にもおすすめの花です。アジサイがお好きな方は、ぜひご自宅で栽培してみましょう。
こちらでは、アジサイを栽培する前に知っておきたいポイントを解説します。
アジサイの好む栽培環境
アジサイは乾燥を苦手とするため、少々湿り気のある土へ植えることがおすすめです。
地植えする場合はあらかじめ酸度をチェックし、好みの花の色が出やすい土壌かを確かめておくと良いでしょう。
耐陰性があるため日陰でも育てられますが、ずっと日の当たらない場所に植えると花つきが悪くなってしまいます。
たくさんの花を楽しみたいなら日当たりの良い場所がおすすめです。
ただし、夏の強い日差しや西日は苦手とするため、午前中は日が当たり、午後からは日陰になるような場所が適しています。
冬の寒風も嫌うため、北風の当たらない場所を選びましょう。
ベランダで鉢植えのアジサイを育てる場合は、室外機の風が当たらないように注意が必要です。
加えて、コンクリート張りの場合は照り返しで株が弱ってしまうこともあります。照り返しを防ぐため、台やすのこなどの上に鉢を置くと良いでしょう。
アジサイの苗選びのコツ
アジサイは苗を植えつけて育てるのが一般的です。基本的には、開花している鉢植えを購入して、その年の花が終わった後に好きな場所へ植えかえていきます。自分の好みの花を咲かせている鉢を選びましょう。
開花株が販売されるのは4月~6月頃です。開花のピークを迎える前の4月~5月頃に多くの鉢が出回るため、この時期に選ぶことがおすすめです。
育てたいアジサイが見つかったら、枝の太さをチェックします。枝はがっしりとして太めのものがおすすめです。
葉の色が変わっているものや、しなびてしまっているものは避けたほうが良いでしょう。株元がぐらぐらとしていないかも確認します。
【アジサイの育て方】基本の栽培方法

アジサイを育てるときは、適した用土を準備して、適切なタイミングで水やりや施肥を行うことが大切です。
こちらでは、アジサイの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
アジサイが好むのは、やや湿り気がある肥沃な土です。土壌の酸性度にも気をつけましょう。
地植えのあじさいの土づくり
土がふかふかの状態になると根が張りやすくなり、アジサイが元気に育ちます。植えつけ予定の場所に腐葉土や堆肥を混ぜて、よく耕しておきましょう。
日本の土壌は基本的に酸性のため、そのまま植えつけると青色の花が咲きやすくなります。
ピンク色の花を咲かせたい場合は苦土石灰や、未調整のピートモスを混ぜてアルカリ性に傾けると良いでしょう。苦土石灰は植えつけ2週間前までに混ぜておくことがポイントです。
鉢植えのあじさいの土づくり
配合する場合は小粒の赤玉土と腐葉土を7:3程度で混ぜたものを基本とします。
酸性に傾けたい場合は鹿沼土や無調整ピートモスなどを混ぜると良いでしょう。
用土を配合するのは手間がかかるという場合は、市販の培養土『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』 を使うことがおすすめです。
庭木や草花用の培養土で問題ありませんが、咲かせたい花の色に合わせた専用培養土もあるため、気になる方は試してみましょう。
ただし、こうやって調整をしても思うような花の色にならないことはあります。気にし過ぎず、花の色の変化を楽しむ気持ちも大切です。
植えつけ
開花したアジサイの鉢を購入したら、まずはそのまま観賞して花を楽しみます。
花が咲き終わった落葉期に一回り大きな鉢に植えかえるか、お庭に植えつけてあげましょう。
そのままにしておくと根が回って窮屈になり、株の生育が悪くなってしまうことがあります。
植えつけ前には、咲き終わった花がらを切り取っておきます。花茎ごとカットしておきましょう。
地植えする場合は鉢よりも一回り大きな植え穴を掘ります。鉢から苗を取り出したら、少しだけ根鉢を崩します。
苗を穴に入れたら土を戻していきましょう。根の間にも土がしっかりと入るよう、棒や割りばしなどでつついてあげます。
終わったら、水をたっぷりと与えましょう。
鉢植えする場合は、購入時の鉢よりも一回り大きな鉢を用意します。
鉢底ネットと鉢底石を敷いたら、用土を少し入れてから苗を置いてみましょう。根鉢は少し崩しておきます。
土の表面の高さが植木鉢よりも数cmほど低くなるように調整しながら土を入れていきましょう。
地植えの場合と同じく、棒や割りばしなどでつついておきます。最後に、鉢底から水が流れるほどたっぷりと水を与えましょう。
アジサイは成長が早いので、植えかえは1年に1回ほどを目安に、花が終わる7月か、休眠期の11月~2月に行うとよいでしょう。
水やり
アジサイを元気よく育てるためには、水切れしないように管理することが大切です。
水が足りなくなると生育が停滞し、花つきが悪くなってしまいます。枯れてしまうこともあるため注意が必要です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いた段階で水をあげましょう。夏は土が乾きやすいため、1日2回の水やりが必要になることがあります。朝と夕方の涼しい時間を狙って水をあげましょう。
地植えの場合は、根づくまでは鉢植えと同じように水を与えます。根づいた後は降雨に任せ、基本的に水やりは行いません。
ただし、雨が何日も降らないときや乾燥しやすい時期などは、土の状態を見ながら適宜水を与えましょう。
また、乾燥を防ぐために株元をマルチングするのもひとつの方法です。腐葉土などを敷いてみましょう。
肥料
アジサイは肥沃な土を好みます。栄養が不足してしまうと元気がなくなり、花を咲かせられなくなることもあります。
株の状態を見ながら肥料を与えていきましょう。
植えつけ、植えかえの際は、肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を元肥として土に混ぜ込みます。
花が咲き終わって1ヵ月ほど経ったらお礼肥(追肥)を与えます。追肥の目安は6月~7月です。
追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2ヵ月~3ヵ月間持続する『プランティア 花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。また9月頃にも追肥を行います。
休眠期の12月~3月の間に寒肥を施しておきます。
寒肥には、『ブリリアントガーデン バラの有機肥料』または『土を豊かにする肥料』を施すことで「肥料」「土壌改良」の二つのすぐれた効果を発揮します。
また、葉の色が薄くなっていたら肥料切れを起こしている可能性があります。
肥料不足が原因と考えられる場合は、すぐに効果の出る速効性の液体肥料『ハイポネックス原液』を1週間~10日に1回の頻度であたえることでより丈夫な株に生長します。
動画でわかりやすく!間室みどりさんの植物のお手入れ術!!
🌸07:アジサイの育て方(花後の管理と植え替え)#長く楽しむためのお手入れ術
【アジサイの育て方】長く育てるための管理のコツ

アジサイは、適切に管理することで何年も育てていけます。時期に応じたお手入れを行いましょう。
こちらでは、アジサイを長く栽培するための管理方法をご紹介します。
植えかえ
鉢植えのアジサイを育てる場合は、定期的に植えかえることが大切です。
そのまま育てていくと根詰まりしてしまうことがあります。2~3年に1回を目安に植えかえましょう。
適期は12月~3月の休眠期です。落葉している間に植えかえることで、株へのダメージを軽減しやすくなります。
鉢植えで育てていたアジサイを庭に植えつけたい場合もこの時期に作業しましょう。
植えかえの際は新しい用土を使うことが大切です。根鉢を取り出したら、少し側面をほぐしておきましょう。
植えかえの際も元肥として『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。
植えつけ後は根の活着促進のため、植物用活力液『リキダス』を1000倍に希釈した水をたっぷり与えます。
置き場所は明るい日陰で管理します。水を切らさないように注意しましょう。
冬越し
アジサイは寒くなると葉を落とし、枝だけの状態になります。基本的にはそのまま越冬できますが、寒さの厳しい地域は対策が必要になることがあります。
霜が降りるようになったら、不織布や寒冷紗などで株を覆っておきましょう。
株元をバークチップや腐葉土などで覆うと土を保温しやすくなります。
鉢植えの場合は、寒風を避けられる場所に移動させます。凍結予防のため、二回りほど大きい鉢に入れて二重鉢にすることも有効です。
内側の鉢と外側の鉢の隙間には、軽石や土などを詰めておくと良いでしょう。
雪がたくさん降る地域の場合は、雪の重みで枝が折れてしまわないように注意が必要です。心配な場合は雪囲いをしておきましょう。
また、冬越しの間も、ときどき水を与えてあげましょう。土がカラカラに乾いてしまうと、花が咲かなくなってしまうことがあります。
地域によりますが、3月中旬を過ぎると徐々に新しく葉が伸びてきます。この時期に遅霜に当たると花芽が傷み、そのシーズンの花が咲かなくなってしまいます。
霜の影響を受けないように対策することがおすすめです。芽が動き始めた後、遅霜が発生しそうになったら不織布などをかぶせて防寒しましょう。
【アジサイの育て方】病害虫対策
アジサイにはアブラムシやうどんこ病などの病害虫が発生することがあります。予防・対策をしっかりと行うことが大切です。
アブラムシ対策
アブラムシは新芽や葉、茎などに発生して吸汁する害虫です。病気を媒介したり、葉を枯らしてしまったりと、さまざまなトラブルの原因になります。
アブラムシはとても小さな虫ですが、放っておくとすぐに増えていきます。
大量発生すると対処も大変になるため、早めに対策することが重要です。専用薬剤を使って防除できるため、ぜひ活用してください。
また、アブラムシは風通しの悪い場所で発生しやすいといわれています。
株同士の間が狭かったり、枝が込み合ったりしている場合は、風通しが良くなるように調整しましょう。
アブラムシを見つけたらアブラムシ退治と肥料やりが同時にできる『虫を予防するマグァンプD』がおすすめです。
うどんこ病対策
うどんこ病はカビを原因とする病害で、感染した場合は植物が白い粉をふいたような状態になります。
葉などがうどん粉をまぶしたような状態になっていたら、この病気を疑ったほうが良いかもしれません。
見つけたらすぐ感染した部分を切除または、薬剤を使って殺菌し、拡大を防ぎましょう。
また、うどんこ病もアブラムシと同じく、風通しの悪い環境を好みます。風通しの良い環境で育てることで、発生を防ぎやすくなるでしょう。
【アジサイの育て方】剪定の時期や方法、注意点

アジサイをきれいに咲かせるために欠かせないもののひとつが剪定です。剪定しないまま育てていくとどんどん大きくなり、樹高が高くなっていきます。
そうなると花がつく位置が高くなり、観賞しにくくなってしまうこともあります。理想の高さを保ち、樹形を整えるためにも剪定が必要です。
ただ、間違った方法で剪定すると、せっかくついた花芽まで落としてしまうことがあります。
毎年たくさんの花を楽しめるよう、剪定の知識について確かめておきましょう。
あじさいの剪定の注意点
アジサイの品種は、花芽のつき方によって「旧枝咲き」と「新枝咲き」に分けられます。
旧枝咲きの品種は夏の終わり頃に前年に伸びた枝に次のシーズンの花芽をつけます。
代表的な品種はヤマアジサイやカシワバアジサイなどです。新枝咲きの品種は、春に新しく伸びた枝に花芽がつきます。
代表的な品種はノリウツギやアメリカアジサイなどです。それぞれ花芽のできる時期が異なるため、剪定の適切なタイミングも異なる点に注意しましょう。
旧枝咲きあじさいの剪定時期・方法
旧枝咲きアジサイの剪定時期は花が咲き終わった7月頃です。アジサイの花は枯れても落ちないため、花がら摘みも同時に行いましょう。
先端から2節目の位置で、脇芽を残して切り落とします。今年花がつかなかった枝は翌年に花が咲くため、切らずに残しておきましょう。
枝の混雑が気になってきたら落葉期に枯れ枝や細すぎる枝などを剪定します。
この時期には花芽がついているため、誤って切ってしまわないように注意が必要です。
また、株をコンパクトにしたい場合、2分の1~3分の1ほど切り戻す強剪定を行うこともあります。
ただし、強剪定を実施すると来年の花が咲かない可能性がある点に留意しましょう。一度強剪定をしたら、次回の強剪定まで3年程度はあけることがおすすめです。
新枝咲きあじさいの剪定時期・方法
新枝咲きアジサイは、花後から2月~3月頃までに剪定を済ませれば問題ありません。
春に花芽がつく前であれば、花芽を落とす心配がないため、枝の好きな位置をカットすることができます。
強剪定すると花数が少なくなりますが、一つひとつの花は大きくなります。弱剪定だと、小さめの花をたくさん咲かせることが可能です。お好みに合わせて剪定しましょう。
【アジサイの育て方】株を増やす方法

アジサイの花は、さまざまな方法で増やすことができます。栽培に慣れてきたら、ぜひチャレンジしてみましょう。
ここでは、アジサイを挿し木や株分けなどで増やす方法をご紹介します。
アジサイの挿し木
挿し木とは
挿し木(挿し芽)とは、植物を増やす方法のひとつです。枝や茎などを切って土に挿し、発根させて新しい株とします。種を採ってまく方法と異なり、親株と同じ性質を持つ植物を増やせることがメリットです。種を採取できない植物を増やしたい場合も、挿し木なら増やせることがあります。
アジサイの緑枝挿しの方法
挿し木にはいくつかの方法があります。緑枝挿しは今年に伸びた枝を使う方法で、多くの植物で用いられています。
アジサイの緑枝挿しは6月頃に行います。今年伸びた枝のなかから花芽がついていないものを選び、葉を4枚ほどつけたままカットしましょう。
この枝が挿し穂となります。葉はそれぞれ2分の1~3分の1の大きさになるように切り、枝の切り口を水につけましょう。
1時間ほど吸水させている間に、挿し床を準備します。容器に肥料の入っていない小粒の赤玉土やバーミキュライトなどを入れて湿らせておきましょう。吸水が終わったら土に穴をあけて挿し穂の先端を挿します。
その後は、明るい日陰で土を乾かさないように管理しましょう。順調にいけば1ヵ月ほどで発根します。
地植えしたい場合は次の春まで鉢で育て、暖かくなったら植えつけましょう。
アジサイの密閉挿しの方法
密閉挿しとは、挿し穂をビニールなどで覆って湿度の高い状態を保つ方法です。
葉からの蒸散を防ぐことができ、挿し穂がしおれにくくなることが特徴です。保温しやすくなることもメリットとなります。
主な手順は緑枝挿しと同じです。挿し穂を土に挿したら、最後にビニール袋をかぶせて密閉します。
その後も同じく、明るい日陰で土が乾燥しないように管理していきましょう。
アジサイの休眠枝挿しの方法
休眠枝挿しでは、休眠期に採取した枝を挿し穂として使います。適期はアジサイが落葉している冬の間です。
休眠枝挿しでは、昨年に伸びた元気の良い枝を選び、2~3節を残してカットして挿し穂とします。あとは緑枝挿しと同様に吸水させて土に挿します。
防寒したい場合はビニールをかぶせましょう。発根までは3ヵ月ほどかかります。水切れに気をつけながら管理していきましょう。
アジサイの株分け
株分けとは
株分けは、1つの植物を2つ以上に分けて増やす方法です。株分け後の植物は、それぞれ小さくなります。
そのため、大きくなりすぎた株をコンパクトにしたい場合も株分けを行うことがあります。
アジサイの株分け方法
アジサイの株分けは植えかえと同時に行うことがおすすめです。株を掘り出したら根鉢を崩し、傷んでいる根を取り除いておきましょう。
根をつけたまま、ナイフや剪定バサミなどを使って株を分割します。あまり細かく分けないように気をつけましょう。
株を切り分けたら、すぐに別々に植えつけます。作業が終わったら水をたくさんあげましょう。
【アジサイの育て方】花が咲かないときの原因・対処法

アジサイを育てていたものの、なぜか花が咲かなくなってしまうケースがあります。開花しない具体的な原因や、対処法方法について確かめておきましょう。
剪定時期を間違った
ご紹介した通り、アジサイの花芽のつき方は「旧枝咲き」と「新枝咲き」に分けられます。品種によって花芽のできる時期が異なるため注意が必要です。
剪定時期を間違うと、せっかくついた花芽を落としてしまい、翌シーズンの花が咲かなくなるケースがあります。剪定を行う前に品種ごとの性質を調べておきましょう。
日光が不足していた
アジサイは強い日差しを苦手としますが、ずっと日陰になるような場所で育てても花つきが悪くなってしまうことがあります。
花を咲かせるためには日光に当てることが大切です。とくに、生育期にあたる春から秋にかけての時期は日当たりの良い場所で育てましょう。
乾いた寒風の影響を受けた
アジサイは乾燥を嫌います。冬の時期、乾いた寒風に当たってしまうと花芽が傷み、開花しなくなってしまう可能性があります。
気温が下がってきたら防寒対策を行うことがおすすめです。鉢植えの場合は寒風の影響を避けられる場所へ移動させます。
地植えの場合は株全体に不織布などをかけておくと良いでしょう。
水や肥料が足りなかった
水や肥料が不足していると、開花のためのエネルギーが足りずに花が咲かなくなることがあります。
水をあげすぎるのは根腐れの原因になりますが、乾きすぎても株が弱ってしまうため、土の状態をこまめに確認して水やりすることがポイントです。
肥料を与えないまま放置せず、定期的に追肥を行うことも心がけましょう。
花後のお礼肥や、冬の寒肥などを施すことで、開花に必要な栄養を蓄えられます。
植えかえをしていなかった
花の咲いた鉢を購入し、観賞を楽しんだ後もそのまま育てているという方は多いのではないでしょうか。
鉢植えのアジサイを植えかえずに育てていくと、根詰まりを起こしてしまうことがあります。
鉢の中で根が伸びて窮屈になり、水や肥料を吸収しにくくなってしまうのが問題です。花つきが悪くなる原因になるため、休眠期には植えかえを行いましょう。
おわりに
梅雨に咲くアジサイの花には豊富な種類があり、それぞれ異なる魅力を持ちます。
お気に入りのアジサイを見つけたら、ご自宅で栽培にチャレンジしてみるのがおすすめです。
適切にお手入れしながら育てていけば、何年も繰り返して花を咲かせてくれます。
植えかえや剪定、病害虫対策など、必要に応じて管理することがポイントです。
アジサイは育てやすく、ガーデニング初心者の方でもチャレンジしやすい点も魅力です。ぜひお庭やベランダなどに植えて、アジサイ栽培を楽しみましょう。
公開:2023年5月12日
更新:2025年4月25日
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